一覧へ 小学校の情報学探究 第7回 | 言えることを一つ言う
総合的な学習の時間 | 小学校の情報学探究 | 第7回

言えることを一つ言う

グラフから 言えることが あり、言えないことも ある

10〜45分
教師用メモ

準備 前の回と同じ教室コードを入れる(探究カードは第2回から同じ場所に育っている)。「教師」を押す。児童は自分の表とグラフ(紙でも端末でもよい)を手元に出しておく。グラフができていない子には、数だけでも書いた紙を出させる。

投影 枚 04 のグラフは投影で大きく見せる。枚 05 の仕分けは一人で行い、答え合わせだけ全体で。

時間配分(45分版) 目標・扉 4分 / 体験1(グラフを読む・仕分ける)16分 / まとめ 6分 / 体験2(探究カード v6)14分 / 今日のまとめ・ふりかえり 5分 = 45分

20分版 枚 02・04・05・06・07・09・11・12 を使う。体験1は答え合わせまで、体験2はカードの下 2 欄だけ書かせる。

10分版 枚 05・07・09・11 の 4 枚。決めることは「言えることを一文書く」だけ。「言えないこと」は書ける子だけでよい。

この回の評価(学習指導要領 総合的な学習の時間 [解説]第1の目標 (2)「整理・分析して」。探究の過程が繰り返されること。[指針]I3L1(主観と客観の区別)(小情)。単元設計は ふしぎを確かめる | 単元設計)

  • 知識・技能 B=自分のグラフを見て、どれがいちばん多いかを言える / A=目もりを読んで「何倍くらい多い」まで言える
  • 思考・判断・表現(この回の重点) B=グラフから言えることを一文書いている / A=「これは言えない」を一つ書いている。予想と違った所に気づいて書いている
  • 態度 B=友だちのカードを読んで、言えるか言えないかを一緒に確かめている / A=自分の書いた一文を、友だちの指摘で書き直している

C の児童への手立て 探究カードを開かせ、第3回の「数えるもの」の欄を一つだけ読み返させる。そのうえで「グラフで、いちばん高いのはどれ」と指ささせ、口で言わせてから書かせる。文の型「◯◯のほうが、△△より多かった」をそのまま渡す。

この回は戻ってよい回 「これでは言えない」と分かった子は、①(ふしぎ・問い)に戻ってよい。枚 10 で全員に言う。戻る子が出たら、その子の第5回(集める)をもう一度取る時間を、次の回の中に作る。

次の回へ 第8回「伝えて次のふしぎへ」。今日書いた一文を、相手を決めて伝える。

今日の目標

今日の おわりに できるようになること

01
自分の グラフから、言えることを 一文 書ける
02
同じ グラフから、言えないことも 一文 書ける。「なぜ 多いか」は、数えただけでは 言えない
03
少ししか ちがわないときは、「このくらいでは、まだ 分からない」と 書ける
体験 01 | 16分
4つの文を 2つに 分ける

同じ グラフから 出た 文

体験 02 | 14分
自分の カードに 2つ 書き足す

言えること/言えないこと

まとめ | 5分
言えないと 分かったら、戻ってよい

ふりかえり

教師用メモ

1分で読み上げる。目標 02 と 03 は、ここでは意味を説明しない。体験のあとで名前を付ける。「言えない」は失敗ではない、とだけ先に一言。

その 1

同じ グラフから、言える文と 言えない文

数えた のに、言えないことが ある

教室の大きな画面にうつった棒グラフを、小学生たちが指さしながら話し合っている
体験 01

このグラフから、言えるのは いくつ

0 10 20 30 40 50 人 42 17 20 朝 昼 夕方 ろうかを 1分間に 通った 人数(月・水・金の 平均)
このグラフを 見た 4人が、こう 言った
① 朝のほうが、昼より 人が 多かった
② 朝は、昼の 2倍(ばい)より 多かった
③ 夕方は、昼より 人が 多かった
④ 朝が こむのは、げた箱が 近いから だ

4つの うち、このグラフから 言えるのは いくつだと 思うか。まず 予想を 1つ おす。次に、そう 思った わけを 一言(40字まで)書いて「送る」を おす

予想 | 1つ おす

予想の 分かれ方が 右の 帯に 出る。数を言わずに次の枚へ進み、仕分けのあとでこの帯に戻ると、「予想と違った」が全員に見える

みんなの 予想 | 帯の 長さが 人数
そう 思った わけ
教師用メモ

進め方(6分) グラフを読む 2分(「たては何、よこは何」を先に確かめる)。4つの文を読み上げる 1分。予想を押して一言を送る 3分。ここでは答えを言わない。

グラフについて この単元の例(ろうかの人数)で作ってある。自分のグラフは体験 02 で使う。目もりは 10 人きざみ。

予想の分かれ方 「3つ」「4つ全部」が多くなる。③(17 と 20)を「言える」と見る子と、④(なぜ)を「言える」と見る子の 2 種類。どちらも次の枚でひっくり返る。この、予想と違った所に気づくことが、この回の山場(思考・判断・表現の A)。

この帯は残しておく 枚 06 の答え合わせのあとで、投影をここに一度戻す。自分が押した所と答えのちがいを、目で見せる。

体験 01

4つの文を「言える」「言えない」に 分ける

グラフは 朝 42人・昼 17人・夕方 20人(ろうかを 1分間に 通った 人数)。まず 上で 印を 選び、次に その印を つける 文を おす。4つ 全部に 印が ついたら「答え合わせ」

言える = このグラフの 数だけで 言いきれる言えない = 数だけでは 言いきれない
教師用メモ

進め方(10分) 一人で分ける 4分。答え合わせ 1分。ペアで「③と④はなぜ言えないか」を言い合う 3分。全体で 2分。

答え ①言える(42 と 17。目で見て分かるくらいちがう) ②言える(17 の 2倍は 34。42 はそれより多い。目もりで確かめられる) ③言えない(17 と 20。3 しかちがわない。このくらいでは、まだ分からない) ④言えない(数えたのは人数だけ。なぜ多いかは、数えただけでは言えない)

③でつまずいたとき 「20 は 17 より大きい」は正しい。でも聞いているのは「夕方のほうが人が多い時間だ」と言いきってよいか。別の日に数えたら、ひっくり返るかもしれない。だから「このくらいでは、まだ分からない」と書く。棒の高さのちがいを指で見せると伝わる。

④でつまずいたとき 「げた箱が近い」は、数えていない。確かめるなら、げた箱に近い所と遠い所で、同じやり方で数える。それは第3回で作った「どっちが多い?」の形。「なぜ」を消すのではなく、確かめられる形に言い替えると言う。

ここで枚 04 の帯に一度戻る。「4つ全部」「3つ」を押した子が多いはず。責めずに「大人もよくやる」と言う。

まとめ 01

言えないのには、2つの わけが ある

言えるグラフを 見て、目で 見て 分かるくらい ちがうとき。①朝と昼(42 と 17)、②2倍より 多い(17 の 2倍は 34。42 はそれより 上)
言えない ①
少ししか ちがわない
③夕方と昼(20 と 17)は、3 しか ちがわない。別の日なら ひっくり返るかもしれない。こういうときは 「このくらいでは、まだ 分からない」と 書く
言えない ②
なぜかは 分からない
④「げた箱が 近いから」は、数えていない。なぜ 多いかは、数えただけでは 言えない。確かめるなら、げた箱に 近い所と 遠い所で、同じ やり方で 数える

数が 大きいほうを、そのまま「多い」と 言いきらない。ここが 今日の 分かれ目

教師用メモ

3分。読み上げて、③と④のちがいを一度だけ整理する。③は数が足りない、④は数えたものがちがう。

第2回で「なぜだろう?」の問いを「〜だと、〜になるのかな」に書き直させた理由が、ここでつながる。「なぜ」のままでは、数えても答えにならない。その子には「第2回で書き直したのは、このためだった」と言う。

[指針]I3L1(主観と客観の区別)は、この単元ではこの枚のこと。検定や割合は使わない。目で見て分かるくらいちがうかで判断する。

まとめ 02

この 3つの 型に あてはめて 書く

言えること | どちらかを 使う
◯◯のほうが、△△より 多かった
◯◯は、△△より □倍 多かった
言えないこと | どちらかを 使う
なぜ ◯◯なのかは、これでは 言えない
◯◯と △△は、このくらいでは まだ 分からない

型に 数を 入れるだけで よい。かっこよく 書かなくて よい。数が 入っているかだけ 見る

教師用メモ

2分。投影に出したまま、次の枚(探究カード)へ進んでもよい。書けない子には、この枚を手元の端末で開かせる(縦読みにすると型だけ残る)。

「□倍」が分からない子には、下の型(◯◯のほうが、△△より多かった)だけ使わせる。倍は第5学年の算数で扱うが、この単元では要求しない。

10分版はこの枚から 枚 05 で仕分け、この枚で型を見て、枚 09 でカードに一文書く。それで 10 分は成り立つ。

その 2

自分の グラフで、一つ 言う

言えること 一文と、言えないこと 一文

自分でかいた棒グラフの紙と端末を並べて、一文を書き入れている小学生の手元
体験 02

探究カードに、2つ 書き足す

前の 回に 書いた 上の 2欄は、そのまま 出てくる(直しても よい)。今日は 下の 2欄を 書き足して、4欄 そろえて 出す。型は 前の 枚に ある

問い | 前に 書いたもの(直しても よい)
集まった数 | 前に 書いたもの(直しても よい)
言えること | 一文だけ。数を 入れる
言えないこと | 一文だけ

出したら、右の カードを 3枚 読んで、1つずつ おす。自分の カードには おせない。友だちに おされた 印を 見て、書き直して もう一度 出しても よい

4欄そろったカードが右に並ぶ。「言えないことが書けている」が少ないカードを 1 枚取り上げ、全員でどこが言えないかを探す

みんなの 探究カード v6
教師用メモ

進め方(14分) 書いて出す 8分。互いに読んで押す 4分。書き直して出し直す 2分。教室コードは第2回から同じなので、上の 2 欄は自動で入っている。入っていない端末は、コードを確かめる。

紙で行う場合 B5 の 1 枚に線を 2 本足して、下に「言えること」「言えないこと」の欄を作る。書けたら 4 人の班で回し読みし、「数が入っているか」だけ確かめ合う。

よくある直し 「たくさん通った」→ 数が無い。グラフの数字を入れさせる / 「朝がこむと分かった」→ 「こむ」は数えていない。「人が多かった」に直す / 言えないことが空 → 「なぜ」で始まる文を一つ作らせて、頭に「なぜ〜かは、これでは言えない」を付けさせる。

欄について 今日で 4 欄。前に書いた「数えるもの」「そろえるもの」「集め方」などは 探究ノート に残っている。消えたわけではないと、聞かれたら言う。

集まった数が足りない子 「集まらなかった」も書いてよい。「雨で 2 日数えられなかったので、このくらいではまだ分からない」は、りっぱな「言えないこと」。

まとめ 03

「言えない」と 分かったら、①に 戻って よい

① ふしぎ・問い ② 集める ③ 整理する ④ 伝える 言えないとき
戻ることは 失敗では ない 第1回で 言ったとおり。「これでは 言えない」と 分かったのは、数えたから 分かったこと
戻るときに すること ①に 戻って、問いを 少し 変える。「なぜ 朝が こむのかな」→「げた箱が 近いと、こむのかな」。そして もう一度 数える
戻らなくても よい 言えることが 一文 書けたなら、そのまま ④(伝える)へ 進む。どちらでも よい
教師用メモ

3分。この枚は必ず入れる。[解説]の言う「探究の過程が繰り返される」は、ここで実際に起きる。

戻る子が出たら、名前を挙げてほめる。ただし全員を戻らせない。次の回(第8回)は、戻った子も「いまのところ言えること」を伝える形で参加できる。

時間が取れる場合 戻る子のために、第5回(集めて記録する)をもう一度 20 分だけ取ると、第8回までに間に合う。取れない場合は「次のふしぎ」(第8回)に書かせて、そこで終える。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の グラフで 答える

01
言えること 自分の グラフから 一文 書いた。数が 入っている
02
言えないこと 「なぜ ◯◯なのかは、これでは 言えない」を 書いた。数えたのは 数だけ だから
03
まだ 分からない 少ししか ちがわないときは、言いきらない。17 と 20 は 分けられなかった

次の 回は、この 一文を だれに 伝えるかを 決める。相手が 変わると、言い方も 変わる

教師用メモ

2分で読む。次回は第8回「伝えて次のふしぎへ」。今日のカードをそのまま使うので、消させない。

自己評価

今日の目標、自分は どこまで

3つの 目標に、「できた」「だいたい」「まだ」の どれか 1つを おす。右の 帯に、教室の みんなの 答えが 集まる

今日の目標、自分は どこまで | 1つずつ おす
01自分の グラフから、言えることを 一文 書けた
02「なぜかは これでは 言えない」を 書けた
03少ししか ちがわないときは、言いきらないと 分かった
できただいたいまだ
教師用メモ

1分。「まだ」が多い目標は、第8回の冒頭で拾い直す。とくに 02 が「まだ」に寄ったら、第8回の最初に「なぜは言えない」をもう一度 3 分だけ扱う。

ふりかえり

予想と ちがったのは、どこ

はじめに 予想した 数と、答えは 合っていたか。ちがった ところを 一言で 書く。40字まで。書いたら「送る」

みんなの ちがった ところ
教師用メモ

3分。いくつか読み上げて終わる。予想と違った所に気づいて書けている子が、思考・判断・表現の A にあたる。ここに出た一言を書き留めておく。

「全部合っていた」子には、「③をなぜ言えないと思ったか」を聞いて、その理由を書かせる。