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情報Ⅰ (1) 情報社会の問題解決 | 第1回

情報とは何か

数字ひとつが「情報」に変わる瞬間を、自分の端末で確かめる

50分
教師用メモ

準備(授業前) 上のバーの「教室コード」に好きな英数字4〜8字(例: 1a23)を入れ、生徒にはこのページの URL とコードを伝える。生徒はスマホ・タブレット・PC どれでもよい。縦読みモードに自動で切り替わる。

投影 このページを投影し、上のバーの「教師」を押す(投影画面には生徒の入力欄が出なくなり、体験 01 でデータを選べるようになる)。→ キーで進む。N で右にこのメモが出る。バーはマウスを上端に寄せると出る。

時間配分 扉・目標 3分 / 節1 15分 / 節2 15分 / 節3 10分 / まとめ・ふりかえり 7分

この回の評価(指導要領 (1) ア(ア)。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 情報やメディアの特性を、体験の操作と結びつけて説明している(言語活動の開いた4項目を自分の言葉で言えるか)
  • 思考・判断・表現 同じデータを別の文脈で読み、行動が変わることを一文で書けている(体験01の送信内容)
  • 態度 ふりかえりで自分の体験に触れて書き、自己評価で「まだ」の目標を次回確かめようとしている

ふりかえりの枚の自己評価(できた/だいたい/まだ)の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
データと情報の違いを、自分の例で説明できる
02
情報の4つの特性を、身のまわりの例で説明できる
03
メディアの役割を、送り手と受け手の両側から説明できる
01 | 15分
情報って何?

同じ数字を、みんなで違う意味に読む

02 | 15分
情報の特性

1通のメッセージを送り、消してみる

03 | 10分
メディア

表現・伝達・記録に分ける

教師用メモ

目標は読み上げるだけでよい。「3つとも、今日この画面で自分が何かをした結果として言えるようになる」と一言添える。

SECTION 01

情報って何?

よく聞く言葉なのに、聞かれると答えにくい

体温計の表示を見て首をかしげる高校生
問い

これは「情報」だろうか

37.5

数字は読める
でも何の数かは書いていない

この「37.5」を見て、何かを決められるだろうか。休むか、出かけるか、買うか。決められないなら、まだ足りないものがある。

教師用メモ

数秒だけ黙って見せる。「これ、何の数だと思う?」と 2〜3 人に聞くと、体温・気温・靴のサイズなどバラける。それでよい。「バラけたね。同じ数字なのに」と受けて次へ。

ここでは定義を言わない。体験のあとで言う。

体験 01

同じデータ、違う情報

DATA | 教師が選ぶ
37.5
これは何の数?
だから、どうする?
みんなの読み方
教師用メモ

進め方(15分)

  • 教師が投影画面の DATA から数字を選ぶと、生徒の端末にも同じ数字が出る。まず 37.5 のまま。
  • 生徒は「何の数?」を選び、「だから、どうする?」を一言で送る。右に集まる。1人2つ以上でもよい。
  • 集まったら投影を見ながら聞く。「体温だと休む。気温だと出かけない。同じ 37.5 なのに、することが変わった。何が変わった?」
  • 7:45 や 100 に切り替えて 2 周目。100 は点数・値段・体温で読みが割れる。

想定回答 体温→休む・病院 / 気温→出かけない・水を飲む / 点数→喜ぶ・見直す / 値段→買う・買わない。

拾いたい発言 「何の数か分かると決められる」「数字だけだと決められない」。これが次の枚の定義につながる。

集まらない端末があるときは、教室コードの入力を確認する。バーの入力欄は Enter で確定。

まとめ 01

データを「解釈」してはじめて「情報」になる

37.5 → 体温だと分かる → 熱がある。休む
データ事実や数値そのもの。「37.5」だけ。それだけでは何も決められない
情報データを解釈して意味を持ったもの。「体温が 37.5」。決められる
情報のはたらき思考・判断・表現・行動の材料になる。さっき「休む」と決めたのがそれ

※ 同じデータでも、解釈する人と場面が違えば別の情報になる。さっき画面に並んだ読み方の数だけ、情報があった

教師用メモ

「解釈」の一語を板書かノートに書かせる。生徒の言葉なら「何の数か分かる」でよい。

目標 01 はここで達成。「自分の例」は体験で送ったものそのもの。

SECTION 02

情報の特性

モノと何が違うのか、送って、消して、確かめる

左は手紙を手渡すと手元からなくなる、右はスマホのメッセージが複製されて広がる
体験 02

1通のメッセージを送ってみよう

教室のみんなに届く短いメッセージを 1 通送る。自分や人の名前は書かず、用件だけを書く。届いたメッセージは「転送」を押すと自分の端末にもコピーされる。自分のメッセージは「削除」で自分の画面から消せる

0
送られたメッセージ
0
コピーの合計(元+転送)
0
届いた端末の数
教室に流れているメッセージ
教師用メモ

進め方(10分+次の枚 5分)

  • 全員が 1 通送る(2分)。投影には全員分が並ぶ。
  • 「気に入ったのを 2 つ転送して」(2分)。コピーの数が跳ね上がる。
  • 「自分のを削除して」(1分)。自分の画面からは消える。投影には残っている。ここで止める。
  • 投影を指して「消したはずなのに、なぜある?」と聞く。次の枚へ。

ルール 名前・他人のことは書かない、と最初に言う。不適切なものが出たら投影を次の枚に送って続ける(24 時間で消える)。

「削除」は自分の端末で見えなくするだけ。サーバーからは消していない。これは意図した仕様で、SNS の削除と同じ構造。

言語活動

削除したのに、なぜ残る

さっき自分がした 4 つのことを、言葉にする。それぞれをタップすると答えが開く。開く前に、隣と 1 つずつ言ってみる

01削除しても投影に残っていた
残存性 一度出た情報は、消したつもりでも相手側に残る。モノなら取り返せば手元に戻る
02転送でコピーの数が増えた
複製性 元を減らさずに同じものを増やせる。モノは渡すと自分の手からなくなる
03一瞬で全員の端末に届いた
伝播性 距離と人数に関係なく、短い時間で広がる。転送が転送を呼ぶ
04何も手に持っていない
無形性 情報そのものには形がない。だから残り、増え、広がる。形がないぶん、何かに乗って動く
教師用メモ

ペアで 1 分。そのあと投影で 1 つずつ開く。用語(残存性など)は開いてから初めて出す。先に言わない。

想定回答 「サーバーに残ってる」「他の人のスマホにコピーがある」「消したのは自分の画面だけ」。どれも正しい。残存性と複製性が同時に出てくるので、分けて整理する。

04 は出にくい。「今、手に何か持ってる?」と聞く。

まとめ 02

情報の特性 | 残存性・複製性・伝播性・無形性

モノ
渡すと手元からなくなる
取り返せば戻る
運ぶのに時間がかかる
形がある
情報
渡しても手元に残る(複製性)
取り返しても相手に残る(残存性)
一瞬で遠くまで届く(伝播性)
形がない(無形性)

だから、出す前に考える。出したあとでは取り消せない。今日「削除」を押したときに見たとおり

教師用メモ

目標 02 はここで達成。4 語を体験の操作と対にして言えるかを、次回の冒頭で聞く。

情報モラルの話に広げすぎない。「出す前に考える」の一言で止め、詳しくは (1) の後の回で扱う。

SECTION 03

メディア

形のない情報は、必ず何かに乗って動く

手紙を書く人、自転車で運ぶ配達員、手紙を読む人
体験 03

表現・伝達・記録のどれ?

さっきのメッセージは、文字で書き、ネットで届き、サーバーに残った。情報が乗る「メディア」には 3 つの役割がある。まず上で付ける印(表現・伝達・記録)を選び、次にその印を付ける語を押す。12 個すべてに印を付けたら「答え合わせ」

表現 = 情報を表す伝達 = 情報を運ぶ記録 = 情報を残す
教師用メモ

端末内だけで完結する。教室コードは要らない。3 分で答え合わせまで。

「紙」は記録にも表現にも見える、という声が出たら拾う。メディアは 1 つの物が複数の役割を持つ。手紙なら、文字(表現)を紙(記録)に書き、郵便(伝達)で運ぶ。

まとめ 03

メディアは情報をやり取りするための「媒介」

送り手→ 情報 → メディア→ メディア→ メディア → 情報→ 受け手
表現のメディア情報を表す手段。文字・図・音声・動画
伝達のメディア情報を運ぶ手段。電話・郵便・放送・インターネット
記録のメディア情報を残す手段。紙・USB メモリ・ハードディスク・クラウド

※ USB メモリ = 手のひらに載る、データを持ち運ぶ小さな道具。クラウド = 自分の端末ではなく、インターネットの向こう側にあるコンピュータに預けて残すこと

※ 情報には形がない(無形性)。だから、送り手はメディアに乗せ、受け手はメディアから読み取る。読み取り方が違えば、届く情報も変わる

教師用メモ

目標 03。「送り手側で情報からメディアに変換、受け手側でメディアから情報に変換」の往復を、体験 01 の「37.5」に戻って言うと 3 節がつながる。37.5 という文字(メディア)から、体温という情報を読み取ったのは受け手。

道具で探す

伝え方を変えると、何が落ちるか

道具で伝え方を切り替え、落ちてしまう情報を 1 つ見つけて出す

情報やメディアの特性同じ出来事が、メディアによってどう変わって伝わるかを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 例を 1 つ選び、伝え方を切り替える
  3. 落ちた情報と、足された印象を 1 つずつ書き出す
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
見つけたものを、一文で
みんなの見つけたもの
教師用メモ

進め方 見つけた人から出す。全員に同じ答えを求めない。出てきたものを 2〜3 個読み上げ、共通点を言葉にする。

5分。体験 01 で出た「情報の特性」と結ぶ。同じ出来事でも、選ぶメディアで残るものが変わる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
データと情報 「37.5」はデータ。「体温が 37.5」は情報。解釈がその間にある
02
情報の特性 削除しても残った(残存性)。転送で増えた(複製性)。一瞬で届いた(伝播性)。手に何もない(無形性)
03
メディア 送り手は情報をメディアに乗せ、受け手はメディアから情報を読む。表現・伝達・記録の 3 つの役割
教師用メモ

読み上げず、生徒に 01 から順に言わせる。言えなければ該当の体験の枚に戻る(← キー)。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01データと情報の違いを、自分の例で説明できる
02情報の4つの特性を、身のまわりの例で説明できる
03メディアの役割を、送り手と受け手の両側から説明できる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す(分布は 24 時間残る。スクリーンショットで控える)。

ふりかえり

今日いちばん「へえ」と思ったこと

一文でよい。今日の 3 つの体験のどれかに触れて書く

みんなのふりかえり
教師用メモ

3 分。集まったものをいくつか読み上げて終わる。評価に使うなら、目標の 3 つのどれに触れているかで見る。

回答は 24 時間で消える。残したい場合は投影画面をスクリーンショットする。