だます側の手口を知ると、だまされにくくなる。自分のパスワードが何秒で破られるかも確かめる
50分準備 教室コードは前回と別のものにする。「教師」を押す。
時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 だまされない 14分 / 節2 パスワード 14分 / 節3 傷つけない 12分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分
教科書: 新編情報Ⅰ 06 傷つかない傷つけないために(p.18)。体験 02 では本物のパスワードを打たせない。「似た作りの、本物ではないもの」を試させる。入力はどこにも送られない。
この回の評価(指導要領 (1) ア(イ) イ(イ)。ソーシャルエンジニアリング、推測されにくいパスワードの必要性。単元設計は 単元設計のページ)
ふりかえりの枚の自己評価(できた/だいたい/まだ)の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。
漏れる原因の多くは人の操作だった。今日は、その「人の操作」を狙ってくる相手の話。向こうは、こちらの心理の隙を突いてくる
相手の手口を知れば、引っかかる前に気づける
前回の設定の見直し(体験03)で「直した」を付けた人に、何を直したかを 1 人聞く。
本物か偽物か、全員で判定する
何秒で破られるか、自分で試す
嫌だった一言を、伝わる一言に言い換える
「荷物が届きました」は、本物か

最近ネットで買い物をした。届く予定のものもある。さて
進め方(4分) 30 秒で判定。「偽物」を選んだ人に根拠を聞く。「知らない番号」「宅配会社の名前がない」「URL が公式と違う(.xyz)」「開く必要がない。追跡番号で公式サイトから確かめられる」。
答え 偽物(フィッシング)。「届く予定がある」ときに来るから引っかかる。本物でも、SMS のリンクからは開かないが結論。
アイコンも名前も、いつもの友達。文体も似ている。さて
答え 偽物(なりすまし)。友達のアカウントがすでに乗っ取られている。「認証コードを人に送る」場面は本物には存在しない。送ると、自分のアカウントも乗っ取られ、次は自分の名前で同じメッセージが友達全員に飛ぶ。
拾いたい発言 「友達だから信じた」。これがソーシャルエンジニアリング(人の心理や信頼につけ込む)。技術ではなく、人を攻める。
対処: 別の手段(電話・直接)で本人に確かめる。
| フィッシング | 公式を装ったメールや SMS で偽サイトへ誘導し、ID・パスワード・カード情報を盗む。対策: リンクを開かず、公式アプリや自分で打った URL から確かめる。開いてしまったら URL を見てパスワードを変える |
| なりすまし | 友達や店のふりをして、コードや個人情報を送らせる。対策: 別の手段で本人に確かめる。認証コードは誰にも送らない |
| 不正アクセス | 安易なパスワードや、SNS に書いた誕生日・ペットの名前(秘密の質問の答え)から突破する。対策: 次の節で |
| ソーシャル エンジニアリング | 心理的な隙や行動のミスにつけ込み、技術を使わずに情報を取る。急がせる、信頼を使う、肩越しにのぞく。対策: 急かされたら止まる |
※ ID(アイディー)= 自分を表す名前や番号。パスワードと組で本人だと確かめるために使う。URL(ユーアールエル)= ページの住所を表す文字列。https:// で始まる、あの文字の並び。SMS = 電話番号あてに届く短い文字のやり取り。SNS(エスエヌエス)= 文章や写真を投稿して、たくさんの人とやり取りする仕組み
※ 盗まれた情報は売られ、さらなる詐欺に使われる。一度引っかかると「だまされやすい人」の名簿に載り、次の標的になる
目標 01。「情報セキュリティ」の言葉を一度出す: 守るのは機密性(見られない)・完全性(書き換えられない)・可用性(使えなくならない)。詳しくは第4単元で扱う。
何秒で破られるか、自分で試す

本物のパスワードは打たない。似た作りの、本物ではないものを 3 つ試す。総当たりで破られるまでの時間の目安が出る。入力はこの端末の中だけで計算し、どこにも送らない
進め方(10分)
1234(一瞬)→ takashi0423(誕生日つき。数分)→ Takashi-neko-2019!(長い。数千年以上)。計算の前提 攻撃側が 1 秒に 100 億回試せるとした総当たりの目安。実際はもっと速いこともあるので、「桁が違う」ことだけを見る。
結論 長く(12 字以上)、種類を混ぜ、辞書にある語や誕生日を避け、使い回さない。覚えられないならパスワード管理アプリ。
正直に。誰が選んだかは出ない。人数だけが集まる
目標 02。「もう十分強い」が多いクラスは、使い回しについて一言。1 か所漏れると全部漏れる(パスワードリスト攻撃)。
顔が見えないと、同じ言葉が違って届く

文字だけのやりとりで、言われて嫌だった(または言ってしまった)書き方を思い出す。誰のことかは書かず、言われた言葉だけを書く。それを、同じ内容のまま、伝わる書き方に直す
全員の言い換えが右に並ぶ。「同じ内容なのに、何を足したか」を見る
進め方(8分) 一人で 4 分。集まったら「伝わる」側に共通するものを聞く。「本来の意図を先に書く」「感情の言葉を減らす」「質問の形にする」「返事を急がせない」が出れば十分。
想定回答 「既読無視すんな」→「返事は急がなくていいよ」 ・ 「それ違うから」→「私はこう思ったんだけど、どう?」。
本名や特定できる出来事が出たら、投影を次の枚に送る。
| 誰が見ても不適切でないか | 「友達のみ公開」でも第三者に見られるのは防げない。どの立場の人が見ても不快でないかを考える |
| 訂正も回収もできない | デジタル化された情報は他人に渡ったら消せない。載せる前に、数年後の自分と相手の目で見る |
| 文字は行き違う | 表現不足と勘違いで言い争いになる。感情的にならず、本来の意図を読み取り、どう返せば正しく伝わるかを考える。即答を求めない、を共通理解にする |
| 炎上には反応しない | 多くの人が一斉に批判してきたとき、反応しないのがよい解決策とされる |
ネットいじめは、被害者に 24 時間休まる時間がなく、加害者は罪の意識を持ちにくい。思いやりがあれば、ネットでも現実でも円滑に伝わる
目標 03。教科書の「相手からのメッセージにはどんなときでも早く返信しなければいけない、ということはない」を読み上げる。既読の圧力は多くの生徒に刺さる。
道具で対策をためしたうえで、自分が今すぐ始める対策を 1 つ選び、理由を書く
進め方 道具で比べさせてから選ばせる。同じものを選んでも理由が違うことを見せる。少数派の理由を必ず 1 つ読み上げる。
5分。今日のパスワードの話と結ぶ。技術だけでは守れないところが、モラルの範囲。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。今日の 3 つの体験のどれかに触れて、自分の行動として書く
3 分。行動の形(「〜する」「〜しない」)で書けているものを読み上げる。