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情報Ⅰ (1) 情報社会の問題解決 | 第6回

知的財産権

もし著作権がなかったら、何が起きるか。そこから考えると、法律の意味が見える

50分
教師用メモ

準備 教室コードは前回と別のものにする。「教師」を押す。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 何のためにある 14分 / 節2 著作権の中身 16分 / 節3 産業財産権 8分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

教科書: 新編情報Ⅰ 07 知的財産権(p.20)。

この回の評価(指導要領 (1) ア(イ) イ(イ)。知的財産に関する法律。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 知的財産権=著作権+産業財産権、著作者人格権と財産権、例外規定(私的複製・教育・引用)を説明している(体験02・03)
  • 思考・判断・表現 「著作権がなかったら」から権利の意義(利益が守られる→創作意欲→文化の発展)を自分の言葉で言える(体験01)。使い方が侵害か例外かを根拠つきで判断している(体験02)
  • 態度 自分の使い方を振り返り(体験04)、授業や日常で著作物を使うときにどう確かめるかを書いている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価(できた/だいたい/まだ)の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

前回のまとめ

攻めてくるのは、技術より心理

フィッシングなりすまし不正アクセスソーシャルエンジニアリング

前回までは「自分と他人を守る」話だった。今日は「作った人を守る」話。作った人が守られないと、何が起きるのか

法律は「使ってはいけない」ではなく、何を守っているのか

教師用メモ

前回の「今日変える」で決めたことを実行したかを、挙手で聞く。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
知的財産権が何のためにあるかを、「なかった場合」から説明できる
02
著作物の使い方が侵害か、例外で認められるかを、根拠つきで判断できる
03
産業財産権の 4 つを、身近な製品に当てはめて言える
01 | 14分
何のためにある

著作権がない世界を、全員で想像する

02 | 16分
著作権の中身

侵害か、例外か、を分ける

03 | 8分
産業財産権

製品を 4 つの権利に分ける

SECTION 01

何のためにある

もし著作権がなかったら

机で絵を描き上げた高校生と、その絵がコピーされて何枚も舞い散っていく様子
体験 01

著作権がなかったら、何が起きる

教科書は見ない。「作った人の権利が一切ない世界」で起きることを、思いつくだけ送る。短くてよい。人のアイデアの「便乗」を押すと、その続きとして書ける

0
全員のアイデア
0
自分のアイデア
0
便乗して生まれた
著作権がない世界で起きること
教師用メモ

進め方(10分) 2 分でブレスト。最初は「タダで読める」「コピーし放題」など得する話が並ぶ。そこで「じゃあ、作った人はどうなる?」と聞き、もう 2 分。「稼げない」「描くのをやめる」「新作が出ない」「パクリだらけ」が出る。

拾いたい流れ 得をする → 作る人が食べていけない → 作らなくなる → 文化が止まる。便乗の連鎖でこの流れが出たら、それをたどって見せる。

ここで結論を言わない。次の枚で生徒の言葉から組み立てる。

まとめ 01

利益が守られるから、次の作品が生まれる

権利がない→作っても稼げない→作らなくなる→文化も技術も止まる
知的財産権 | 創った人の権利
著作権
思想や感情を創作的に表現した「著作物」を守る。小説・楽曲・絵・写真・映画・プログラム。作った時点で自動的に発生(届け出なし)
産業財産権
発明・デザイン・商標など産業に関する権利。出願して登録されて発生。特許庁が所管

※ 著作権法は「人の作品を使ってはいけない」法律ではない。作った人の利益を守ることで、創作意欲を保ち、文化を発展させるための法律

教師用メモ

目標 01。「自分が描いた絵が勝手にグッズにされて売られたら」と自分側に置き換えさせると通じる。侵害の罰則(10 年以下の懲役・1,000 万円以下の罰金)は口頭で。

SECTION 02

著作権の中身

気持ちを守る権利と、お金を守る権利

一枚の絵の左に心臓の形、右に硬貨の形が置かれ、高校生が両方を手で押さえている
体験 02

侵害か、例外か

著作者には「気持ちを守る権利(人格権)」と「お金を守る権利(財産権)」がある。下の使い方を 3 つに分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」

人格権の侵害 = 作者の気持ちを傷つける財産権の侵害 = 作者の利益を奪う例外で認められる
教師用メモ

進め方(8分) 一人で 4 分。「買った曲を 30 人に配る」で迷う生徒が多い。買ったのは「聴く権利」であって「配る権利(複製権・公衆送信権)」ではない。

答えの根拠 人格権: 氏名表示権・同一性保持権・公表権。財産権: 複製権・公衆送信権。例外: 私的使用のための複製(家庭内)、教育機関での複製、正当な範囲の引用(出典明示・主従関係)。

「漫画を撮影して公開した少年」の事例(出版社に約 20 億円の損害と推定、逮捕)は教科書コラム。

まとめ 02

著作者人格権と著作権(財産権)

人格権 | 気持ちを守る
氏名表示権 | 名前を出すか決められる
同一性保持権 | 勝手に変えられない
公表権 | 公表するか決められる
著作者だけが持つ。譲れない
財産権 | お金を守る
複製権 | コピーを制限できる
公衆送信権 | 無断のネット配信を制限できる
譲渡・相続できる
作った人が生計を立てられるように
例外家庭内の私的複製 / 授業での複製 / 出典を示した正当な引用。死後 70 年で著作権は消滅する
教師用メモ

目標 02。「引用」の条件(出典・必要最小限・主従関係・改変しない)は第9・10回の提案づくりで実際に使うので、ここで一度押さえる。

SECTION 03

産業財産権

スマホ 1 台に、4 つの権利が入っている

分解されたスマホの部品が空中に並び、それぞれに小さな印が付いている。高校生が見上げている
体験 03

どの権利で守られている

産業財産権は 4 つ。下のものがどの権利で守られるかを分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す

特許 = 高度な発明(20 年)実用新案 = 構造の工夫(10 年)意匠 = 形・模様・色(25 年)商標 = ロゴ・商品名(10 年、更新可)
教師用メモ

進め方(5分) 3 分で答え合わせまで。目標 03。特許と実用新案の境目(高度な発明か、構造の考案か)は迷ってよい。登録制であること、期間があることを押さえる。

体験 04

じゃあ聞くけど、著作権守ってる

正直に。誰が選んだかは出ない。当てはまるものを全部押す。押さなくてもよい

クラスの正直な答え
教師用メモ

責めない。「だから今日から」ではなく「どれが人格権で、どれが財産権に触れるか」を棒を見ながら分類させる。自分の作品を守ってもらう側でもあることを最後に。

道具で確かめる

例外で認められる条件を、自分の言葉で

道具で使い方を 3 つためし、例外で認められる条件を自分のノートに書く

著作権使い方ごとに、著作権のどこに触れるかを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 使い方を 3 つためす
  3. 例外で認められる条件を 1 つ書き出す
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
産業財産権4 つの権利が、それぞれ何を守るかを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 4 つの権利を順に見る
  3. 身のまわりの物を 1 つ選び、どの権利かを言う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る

※ この枚は提出しない。自分の手で確かめて、分かったことをノートに書く

教師用メモ

進め方 提出させない枚。手を動かして確かめるところまで。机間指導で、止まっている生徒だけを見る。

6分。2 つの道具を続けて使う。時間がなければ著作権だけ。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の言葉で答える

01
何のため 権利がないと作る人が食べていけず、作らなくなり、文化と技術が止まる。利益を守って創作意欲を保つ
02
侵害か例外か 人格権(名前・改変・公表)と財産権(複製・公衆送信)。家庭内・授業・引用は例外。買ったのは聴く権利で、配る権利ではない
03
産業財産権 特許・実用新案・意匠・商標。登録して発生し、期間がある。スマホ 1 台に全部入っている
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01知的財産権が何のためにあるかを「なかった場合」から説明できる
02使い方が侵害か例外かを根拠つきで判断できる
03産業財産権の 4 つを身近な製品に当てはめて言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

人の作品を使うとき、自分は何を確かめる

一文でよい。今日の体験のどれかに触れて、自分の行動として書く

みんなの確かめ方
教師用メモ

3 分。「クリエイティブ・コモンズ」「フリー素材の利用規約」を確かめる、が出れば紹介する。第9・10回の提案づくりで実際に使う。