情報技術は何を節約したのか。節約された時間で、人は何をするようになったのか
50分準備 教室コードは前回と別のものにする。「教師」を押す。
時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 何が節約された 12分 / 節2 新しい技術 14分 / 節3 AI と仕事、体 14分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分
教科書: 新編情報Ⅰ 08 情報技術の発展(p.22)、09 情報化と私たちの生活の変化(p.24)。
この回の評価(指導要領 (1) ア(ウ) イ(ウ)。人工知能やロボットの発展が利便性を高める反面、健康への影響などを生じさせ、人に求められる仕事が変わること。単元設計は 単元設計のページ)
ふりかえりの枚の自己評価(できた/だいたい/まだ)の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。
ここまでは情報社会の「影」を見てきた。今日は「光」の側。情報技術が発展して、私たちの生活は何が変わったのか。光と影は表裏でもある
情報技術は、いったい何を節約したのか
前回のふりかえり「人の作品を使うとき確かめること」を 1 つ読み上げてから進む。
※ AI(エーアイ)= 人工知能。人がやっていた「見分ける・訳す・答えを作る」を、コンピュータにやらせる技術
昔と今を、全員で書き出す
分類し、電子マネーを比べる
任せる仕事と、昨日のスマホ時間
駅員さんは、切符を切らなくなって何をしている

家族に聞いたこと、自分の小さいころでもよい。情報技術で変わった「やり方」を一組送る。2 組目があってもよい
全員の「昔 → 今」が右に並ぶ。共通して減ったものを探す
進め方(8分) 一人で 3 分。集まったら「今」の側に共通して減ったものを聞く。「待つ時間」「移動」「行かなくてよくなった」が出れば、それが「時間」と「空間」。
想定回答 地図を買う→スマホで検索 ・ 手紙→メッセージ ・ 店に行く→ネットで注文 ・ 辞書を引く→検索 ・ ビデオを借りる→配信。
次の問い 「切符を切らなくなった駅員さんは、今何をしている?」→ 案内・安全・困っている人の対応。機械的な仕事が減り、人にしかできないことが残った。
情報技術によって「人間にしかできないこと」が発展し、その補助にも情報技術が使われる。ただし、情報技術に時間を取られることもある。情報技術は、あくまで問題解決の道具
目標 01。「情けに報いる」と書いて情報、と語呂で添えてもよい(困りを解決して自他の思いに応えるために使う)。
身のまわりの技術を 4 つに分ける

下のものを 4 つのなかまに分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」
※ CG = コンピュータで描いた絵や映像。IC カード = 中に小さなコンピュータが入ったカード。かざすだけで読み取れる
進め方(4分) 3 分で答え合わせまで。「緊急地震速報」は地震計のデータを高速に分析して判断する例(教科書 09)。VR は仮想空間を作り、AR は現実に情報を重ねる。合わせて XR。
現金と比べて。使った経験、家族の話、想像でもよい。一組送る
全員の「便利 → 困る」が右に並ぶ。困るところの多くが「情報の特性」に関わることを見る
進め方(7分) 一人で 3 分。「困る」側を読み上げて分類する: 使えない場面(停電・電池・対応していない店)/使いすぎる(残高の実感がない)/情報が漏れる(カード情報・購入履歴)/使えない人がいる。
電子マネーの種類: IC 型(カードやスマホのチップに金額を記録)とネットワーク型(QR コードでネット上の口座から)。暗号資産は別物。
| 画像・3D | 処理速度と画像処理の進歩で、立体を回したり 3D プリンタで作ったり。映画やアニメの制作にも |
| VR・AR(XR) | VR は仮想空間で現実と錯覚する体験。AR は現実にコンピュータの情報を重ねる |
| 電子マネー | 貨幣価値をデジタルデータで表す。IC 型とネットワーク型。便利: 早い・小銭なし・履歴が残る / 困る: 使えない場面・使いすぎ・情報が漏れる・使えない人 |
| AI・ロボット | 翻訳・音声認識・顔認識はすでに実用化。危険な場所で働く、高速に判断する、人を癒やす |
目標 02。困る側の「情報が漏れる」「使えない人がいる」は次回(サイバー犯罪・デジタルデバイド)につながる。
洗濯機は洗濯を楽にした。そして洗濯の回数が増えた

同じ職業の中で分けてもよい(例: 医師)。任せてよい理由と、人がやるべき理由が言えるように
全員の分け方が右に並ぶ。「任せる」側と「人」側それぞれに共通する性質を探す
進め方(8分) 一人で 4 分。共通点を聞く。教科書コラム: ルール化された作業・大量の情報処理は AI 向き。目的を自ら設定する、ゼロから新しく生み出すのは人が得意。
拾いたい発言 「AI が答えを出しても、決めるのは人」「責任は人が取る」。生成 AI の正確性と著作権への配慮にも一言(前回とつながる)。
洗濯機の例: 楽になったが回数が増え、清潔さの基準が上がった。技術に合わせて社会も変わる。「今ある仕事が AI で行われると社会はどう変わるか、を考えるのは人間の仕事」。
スマホの「スクリーンタイム」や「利用時間」を開いて、昨日の数字を見る。正直に。誰が選んだかは出ない
進め方(4分) 分布を見て「多い・少ない」の評価はしない。「自分は思ったより多い? 少ない?」とだけ聞く。記録して考える、が評価規準(ネット依存になっていないか考えることができる)。
| AI と仕事 | ルール化された作業と大量の情報処理は AI。目的を決める、ゼロから生み出す、責任を取るのは人。技術に合わせて社会と仕事の中身が変わる |
| VDT 症候群 | 画面を使う長時間の作業で、肩凝りや視力の低下。照明・机の高さ・姿勢・休憩で防げる |
| テクノストレス | いらいら・不安・社会生活への不適応。自分を適切にコントロールする |
| ネット依存 | SNS・動画・ゲームに長時間費やし続けると、ひどい場合は依存になる。利用時間を記録して自分で見る |
※ 光と影は表裏。影を小さくし、光の恩恵を大きくするために、問題解決の考え方(第2回)を使う
目標 03。「自分は依存か」を断定させない。「昨日の時間を記録した。1 週間続けたら何が分かる?」と、記録して分析する方向に向ける。
自分が生まれた年まで進め、その後に登場したもので、いま毎日使っているものを 1 つ出す
進め方 見つけた人から出す。全員に同じ答えを求めない。出てきたものを 2〜3 個読み上げ、共通点を言葉にする。
5分。「自分が生まれた年」を入れさせると、変化が自分ごとになる。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。今日の体験のどれかに触れて書く。反対に「使いこなせた」瞬間でもよい
3 分。いくつか読み上げて終わる。次回は「よりよい情報社会へ」。今日の「困るところ」を持ち越す。