影を小さくし、誰もが使えるようにし、偏りを見抜く。この 3 つはどれも自分の判断が要る
50分準備 教室コードは前回と別のものにする。「教師」を押す。
時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 影への対応 12分 / 節2 誰もが使える 12分 / 節3 偏らない 16分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分
教科書: 新編情報Ⅰ 10 よりよい情報社会へ(p.26)。節3 の「偏り」は指導要領 (1) の「科学的な根拠をもって判断する力」と、(2) メディアの特性の橋渡し。
この回の評価(指導要領 (1) ア(ウ) イ(ウ)。サイバー犯罪・情報格差への対応、望ましい情報社会の構築。設計指針のカテゴリ H「ジレンマや社会的問題」を体験04で扱う。単元設計は 単元設計のページ)
ふりかえりの枚の自己評価(できた/だいたい/まだ)の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。次回から単元末の課題(第9・10回)。
電子マネーの「困るところ」に、情報が漏れる、使えない人がいる、が出た。今日はその 2 つに正面から向き合い、最後に「情報を受け取る側」の力を確かめる
よりよい情報社会のために、自分は何を判断するのか
前回の自己評価で「まだ」が多かった目標があれば、ここで 2 分拾う。
犯罪を分類し、対策を出し合う
使えない人の困りごとを集める
2 つのグラフと、1 つのジレンマ
専門家に任せる部分と、自分がやる部分

実際に起きている犯罪を 3 つに分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」
※ ID(アイディー)= 自分を表す名前や番号。SNS(エスエヌエス)= 文章や写真を投稿して、たくさんの人とやり取りする仕組み
進め方(4分) 3 分で答え合わせ。教科書の分類(不正アクセス禁止法違反/コンピュータ・電磁的記録対象犯罪/その他のサイバー犯罪)を簡略化してある。「その他」が最も多いのが実態。
「誰が・何をする」の形で送る。個人ができること、学校や会社がすること、国や専門家がすること、どれでもよい。人のアイデアの「便乗」を押すと、その続きとして書ける
進め方(6分) 2 分でブレスト。投影を「個人」「組織」「国・専門家」に口頭で分ける。個人の対策が前回までの内容(パスワード・更新・リンクを開かない)で言えていれば目標 01。
拾いたい発言 「サポートが終わったソフトを使い続けるのは危険」「生体認証」「二段階認証」。組織: 情報セキュリティポリシー。国: 法律・警察のサイバー部門。
| サイバー犯罪 | 不正アクセス、システムへの侵入と書き換え、ネット上の詐欺、誹謗中傷など。新しい技術が出るたびに新しい手口が生まれる |
| 専門家・組織 | 技術的な対策、情報セキュリティポリシー、法律の整備。ただし技術的対策だけでは対応できない |
| 個人 | 基礎的な知識と技術を身につけ、適切に判断し行動する。推測されにくいパスワード、更新プログラム、サポート終了のソフトを使わない、リンクを開く前に止まる |
情報化が進むと常に新しい問題が生まれる。だから、覚えた対策より問題解決の考え方(発見 → 定義 → 計画 → 実行 → 振り返り)が効く
目標 01。「マイナンバーカード」は個人認証の例として口頭で(IC チップの情報で本人確認)。
「自分たちが使える」から「誰もが使える」へ

身近に、スマホやパソコンが使えない・使いにくい人はいるか。祖父母、小さい子、外国から来た人、目や手が不自由な人。その人が困ることと、どうすれば使えるかを一組
全員の「困る → 使える」が右に並ぶ。「使える」側が、機械側の工夫か、人の側の支援かを見る
進め方(8分) 一人で 4 分。「使える」側を、機械の工夫(大きい字・音声・多言語・簡単な操作)と、人の支援(教える・代わりの手段を残す)に分ける。前者がユニバーサルデザイン。
想定回答 災害情報が届かない→防災無線と紙も残す ・ QR 決済しか使えない店→現金も受け付ける ・ 学校の連絡がアプリだけ→紙でも配る。
| デジタルデバイド | コンピュータやネットワークを活用できる人とできない人の間で、得られる情報や機会に差が生じること。解消には、生活に必要な情報を公平かつ安全に届ける仕組みの整備が要る |
| ユニバーサルデザイン | 年齢・障害の有無・言語に関係なく、誰もが簡単に使えるようにする工夫。「自分たちが使えるように」から「誰もが使えるように」へ |
| 働き方 | リモートワークで場所と時間の自由が広がる一方、医療・介護・物流・販売などのエッセンシャルワークには向かない。多様化と、取り残される人の両方を見る |
目標 02。ユニバーサルデザインは第2単元(情報デザイン)で詳しく扱う。ここでは「誰もが」の視点だけ。
同じ数字が、2 倍に見える

ある高校のスマホ所持率。前年と今年。どちらのグラフが「大きく増えた」と感じる?
進め方(5分) 30 秒で選ばせる。棒が出たら種明かし: 2 つは同じ数字(91% → 93%)。A は縦軸を 88 から始めている。「同じ」を選んだ人に、どこを見たかを聞く(縦軸の数字)。
結論 数字は同じでも、見せ方で印象が変わる。作る側には意図がある(意図していなくても偏る)。受け取る側は、軸・出典・比べる相手を確かめる。
市が、駅前の防犯カメラに顔認識を入れて、指名手配犯や迷子を自動で見つける計画を出した。あなたは賛成か、反対か。理由を一つつけて送る
進め方(8分) 一人で 3 分。立場ごとに理由が並ぶ。答えは出さない。「賛成の理由」と「反対の理由」がどちらも情報の特性(残存性・複製性)と個人情報保護法の話になっていることを指す。
拾いたい発言 「誰が記録を持つのか」「いつ消すのか」「目的以外に使わないと誰が保証するのか」。条件つき賛成の「条件」が、個人データの例外的な第三者提供(個人情報保護法)の考え方そのもの。
これは正解のないジレンマ。根拠をつけて立場を述べ、他の立場の根拠を聞けたら目標 03。
| バイアス | 偏った見方や考え方。発信者が意図的に、あるいは無意識に、一つの側面だけの印象を持たせる。グラフ・表・説明文・調査の選択肢にも入り込む |
| 見抜くには | 縦軸の始まり、比べている相手、出典、誰が何のために出した情報かを確かめる。確かめても真実は分からないかもしれないが、根拠のない意見に流されなくなる |
| ジレンマ | 便利さと監視、保護と活用のように、どちらにも理由がある問題がある。正解を覚えるのではなく、根拠をつけて立場を述べ、他の立場の根拠を聞く |
よりよい情報社会は、専門家だけが作るものではない。受け取る側の判断が、社会の側を変える
目標 03。次回からの単元末の課題(問題を見つけ、調べ、提案する)で、この「根拠を確かめる」を実際に使う。
道具で 1 つ選んで流れをたどり、止まったときに困る人を 1 人挙げる
進め方 見つけた人から出す。全員に同じ答えを求めない。出てきたものを 2〜3 個読み上げ、共通点を言葉にする。
5分。第4単元の第6回(データベース)につながる。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。今日の体験のどれかに触れて、自分の行動として書く
3 分。次回予告は口頭で: 「次の 2 回は、自分たちで問題を見つけて提案する。今日までの 8 回が道具箱」。