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情報Ⅰ (2) コミュニケーションと情報デザイン | 第3回

デジタルの世界へ

りんごは数えられるが、時刻は数えられない。その違いがコンピュータの正体につながる

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 02 は端末内だけで完結する。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 数えられるか 12分 / 節2 電球 5 個で何通り 16分 / 節3 表裏一体 12分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

教科書: 新編情報Ⅰ 13 デジタルの世界へ(p.40)。

この回の評価(指導要領 (2) ア(ア)。情報のデジタル化と二進法による表現、デジタル化で蓄積・編集・複製・伝送が容易になること。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 アナログとデジタルの違いを「段階や区切りがあるか」で説明し、ON/OFF の組み合わせで表せる通り数(2 のn乗)を言える(体験01・02)
  • 思考・判断・表現 デジタル化の利点と欠点が表裏一体であることを、自分の例で対にして書いている(体験03)
  • 態度 身のまわりのものをアナログ・デジタルの目で見直そうとしている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

前回のまとめ

名前は隠せる、記録は残る

匿名性記録性→消えない前提で、出す前に考える

その「記録」は、コンピュータの中でどんな形で残っているのか。ここから 5 回、デジタルの仕組みに入る。最初は、アナログとデジタルの違いから

りんごは数えられる。時刻は?

教師用メモ

前回の自己評価で「まだ」が多かった目標があれば 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
アナログとデジタルの違いを、「数えられるか」で説明できる
02
ON と OFF の組み合わせで何通り表せるかを、スイッチの数から言える
03
デジタル化の利点と欠点が表裏一体であることを、例で説明できる
01 | 12分
数えられるか

身のまわりを 2 つに分ける

02 | 16分
電球 5 個で何通り

スイッチを押して数える

03 | 12分
表裏一体

利点の裏の欠点を書く

SECTION 01

数えられるか

段階や区切りがあるか、細かく測るときりがないか

机の上にりんごが3個と、針の時計と数字の時計が並び、高校生が指で数えている
問い

今の時刻は

9:41

針の時計は、9 時 41 分と 42 分の間も指せる

数字の時計は、41 か 42 のどちらか。間はない。細かく測るときりがない量と、段階や区切りのある値。この違いが今日の主役

教師用メモ

「針の時計のよさは?」「数字の時計のよさは?」を 1 人ずつ聞く(残り時間が見える/正確に読める)。教科書やってみよう 13。

体験 01

アナログか、デジタルか

アナログ=細かく測るときりがない、連続した量。デジタル=段階や区切りのある値で表せる。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」

アナログ = 連続。きりがないデジタル = 段階・区切りがある
教師用メモ

進め方(7分) 一人で 3 分。「数字で表示された体温」で迷う。温度そのものはアナログ、体温計が 36.5 と表示した時点でデジタル(区切った)。この「区切る」がデジタル化。

「虹の色」と「信号機の 3 色」の対比がいちばん分かりやすい。連続する色を 3 段階に区切ったのが信号。

まとめ 01

デジタル化 | 連続した量を、区切って数にする

アナログ | 温度・音・光→一定のルールで区切る→デジタル | 段階のある数
アナログデータ細かく測るときりがない、連続的なデータ。自然界の色・温度・音はすべてこれ。大量にためたり、正確に伝えたりが難しい
デジタルデータ段階や区切りのある値で表せるデータ。りんごの個数、点数。数なので、ためる・送る・直すが楽
デジタル化アナログデータを一定のルールに従ってデジタルデータへ変換する技術。体温計が 36.5 と表示した瞬間

※ 区切るということは、区切りの間を捨てるということ。何を捨てているかは第5回で確かめる

教師用メモ

目標 01。語源: デジタル=指(digit)で数える、アナログ=似せる(analogy)。

SECTION 02

電球 5 個で何通り

ON と OFF だけで、どれだけのことが言えるか

壁に並んだ5個の電球のスイッチを高校生が切り替えていて、点いている電球と消えている電球がある
体験 02

スイッチを押して、違う組み合わせを全部見つける

電球をタップすると ON(1)と OFF(0)が切り替わる。まず 2 個、次に 3 個、最後に 5 個で、違う組み合わせが全部で何通りあるかを見つける。見つけた組み合わせは下にたまる。この画面は自分の端末だけ

電球の数
00000
いまの並び(0 と 1)
0
見つけた組み合わせ
?
全部で(当てる)
教師用メモ

進め方(12分)

  • 2 個で始める。「全部で何通り?」→ 4 通りを全員が見つけたら、3 個へ。8 通り。
  • 「4 個なら? 5 個なら?」を押す前に予想させる(2 倍ずつ増える、が見えるか)。5 個で 32 通り。全部見つけると「全部で」の欄が 32 に変わる。
  • 「電球 1 個増えると通り数はどうなる?」→ 2 倍。10 個で 1,024 通り。これが次回の「ビット」。

拾いたい発言 「1 個で 2 通り、2 個で 4、3 個で 8。2 を n 回かける」。指で 2 進数(次回)につながる。

まとめ 02

コンピュータは ON と OFF の機械 | 組み合わせで何でも表す

1 個 → 2→2 個 → 4→3 個 → 8→5 個 → 32→10 個 → 1,024
ON と OFFコンピュータは電気信号を電圧の高低で ON(1)と OFF(0)の 2 種類として扱う。この信号を組み合わせて、あらゆる情報を表す
1 個増えると 2 倍スイッチが n 個なら 2 の n 乗通り。区切りのある値(デジタル)だからこそ、0 と 1 の組み合わせに置き換えられる
数値だけでなく文字・画像・音声・動画も、自然界の情報を 0 と 1 の組み合わせに変換して扱う。だから 1 台で全部扱える
教師用メモ

目標 02。「2 進法の利点」(教科書コラム): 2 段階なら判別しやすく、ノイズが混じっても復元しやすい。次回のしきい値につながる。

SECTION 03

表裏一体

コピーが簡単なことは、良いことか

大きなコインの表と裏。表には楽々と写真を送る高校生、裏には同じ写真が知らない人たちに広がっている様子
体験 03

デジタル化の利点と、その裏の欠点

デジタルだからできる良いことを一つ書き、それを裏返すと何が起きるかを書く。同じ性質の表と裏になるように

利点 | デジタルだから
裏返すと

全員の「利点 → 裏」が右に並ぶ。表と裏が同じ性質から出ているかを見る

みんなの 利点 → 裏
教師用メモ

進め方(8分) 一人で 4 分。読み上げて、教科書の 4 つの利点に対応づける: 複数のメディアを組み合わせられる/大量の情報を効率よく伝送/編集が容易/蓄積・複製が容易。

想定回答 編集が楽/改ざんも楽 ・ 複製が楽/不正コピーが止まらない ・ 大量に送れる/個人情報も一瞬で拡散 ・ 劣化しない/消えない。

拾いたい発言 「裏は第1単元でやった情報の特性そのもの」。目標 03。

まとめ 03

利点と欠点は同じ性質から出る | よくも悪くも

利点
複数のメディアを組み合わせられる
大量の情報を効率よく伝送できる
情報の編集が容易
蓄積・複製が容易
裏返すと
合成や改ざんが容易
個人情報が一瞬で拡散する
元の意図と違う形に直せる
著作者の権利を侵害する不正コピー

デジタル化によって、誰もが発信者・クリエイターになれる時代になった。同じ性質が、被害者にも加害者にもさせる。仕組みを知っている人が、使う側に立てる

教師用メモ

次回から仕組みの中身(2 進法・ビット・文字コード)に入る、と予告して閉じる。

予想

段の数を減らすと、まず何が失われるか

アナログとデジタルの違いを、なめらかな波と段々の値で見る

確かめる前に、いまの予想を 1 つ選ぶ。当たっていなくてよい。予想を置いておくと、違ったときに気づける

選んだ人数が右に出る。分かれているところを 1 つ読み上げてから次へ

クラスの予想
教師用メモ

予想を先に(2分) 先に道具を開くと、触って終わる。予想を置いてから確かめると、違ったところが残る。

5分。段の数を変えると、元の形にどこまで近づくかを見せる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

確かめる

道具で確かめて、予想と合っていたかを見る

アナログとデジタル連続した量を、段々の値に置き換えるとどうなるかを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 段の数を少なくする
  3. 元の形と、どこがずれたかを言う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
確かめて分かったことを、一文で
確かめて分かったこと
教師用メモ

進め方 手順のとおりに触らせる。終わったら前の枚の予想と見比べ、外れた人を 2 人読み上げる。

5分。段の数を変えると、元の形にどこまで近づくかを見せる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
アナログとデジタル 連続してきりがない量と、区切りのある値。体温計が 36.5 と表示した瞬間がデジタル化
02
何通り 電球 1 個で 2、2 個で 4、5 個で 32。1 個増えるごとに 2 倍。コンピュータは ON/OFF の組み合わせで全部を表す
03
表裏一体 複製が楽なら不正コピーも楽。伝送が速いなら拡散も速い。利点と欠点は同じ性質から出る
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01アナログとデジタルの違いを「数えられるか」で説明できる
02スイッチの数から何通り表せるかを言える
03利点と欠点が表裏一体であることを例で説明できる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

身のまわりで「区切っている」ものを一つ

一文でよい。連続した何かを、区切って数にしているものを見つける

みんなの見つけたもの
教師用メモ

3 分。「区切ると何が失われる?」と一つ聞いて、次回(何を捨てているか)につなぐ。