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情報Ⅰ (2) コミュニケーションと情報デザイン | 第8回

情報デザイン

分かりやすく伝えるには、捨てて、並べて、見えるようにする。この 3 つの技を自分の手で試す

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 02 は紙とペンがあると盛り上がる。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 並べる 12分 / 節2 捨てる 16分 / 節3 見えるようにする 12分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

教科書: 新編情報Ⅰ 18 情報デザイン(p.50)。

この回の評価(指導要領 (2) ア(イ) イ(イ)。抽象化・可視化・構造化の方法と、情報デザインが人や社会に果たす役割。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 構造化(LATCH)・抽象化(ピクトグラム)・可視化(図・表・グラフ)の 3 つを、例をつけて説明している(体験01〜03・まとめ)
  • 思考・判断・表現 「誰に・何を」に合わせて、情報を捨て、並べ、見える形にしている(体験02・03)
  • 態度 身のまわりの抽象化されたもの(アイコン・路線図)が何を捨てているかを考えようとしている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

前回のまとめ

何を捨ててよいかを決めるのは、目的

可逆 / 非可逆ラスタ / ベクタ→目的に応じたデジタル化

ここまでは、機械の側でデータをどう表すかだった。今日から、人に伝わるようにどう見せるか。実は同じ。目的に合わせて、捨てて、並べる

路線図は、地図から何を捨てているか

教師用メモ

路線図: 距離・方角・道路・地形を捨て、駅の順番と乗り換えだけを残している。1 人に聞いてから進む。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
情報を整理する 5 つの基準 LATCH で、身のまわりの情報を並べ直せる
02
抽象化で、文字を使わずに伝えるものを作れる
03
可視化と構造化で、バラバラの情報を「見える形」に組み直せる
01 | 12分
並べる

5 つの基準に分ける

02 | 16分
捨てる

文字なしで伝える

03 | 12分
見えるようにする

バラバラの情報を組む

SECTION 01

並べる

場所、アルファベット、時間、カテゴリー、階層

図書館の棚の前で、高校生が本を5つの違う並べ方で整理している。地図順、名前順、時間順、分類、大きさ順
体験 01

どの基準で並んでいる

情報の並べ方には 5 つの基準がある(LATCH)。下のものはどれで並んでいるか。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」

L 場所A アルファベット・五十音T 時間C カテゴリーH 階層 = 大小・順位
教師用メモ

進め方(7分) 3 分で答え合わせ。「同じ情報でも基準を変えると別の使い方になる」を例で: クラスの名簿を五十音(A)で並べれば探しやすい、誕生日(T)で並べれば席替えに使える、部活(C)で並べれば連絡に使える。

「並べる基準を選ぶのは、誰が何のために使うか」。目標 01。

まとめ 01

構造化 | 関係があるものでまとめ、分かる順に並べる

構造化情報の内容を関係があるものでまとめ、分かりやすく整理すること。全体像を見極め、関係を結び付ける
LATCH整理の 5 つの基準。場所(Location)、アルファベット(Alphabet)、時間(Time)、カテゴリー(Category)、階層(Hierarchy)
関係の形並列(同じ重さで並ぶ)、順序(手順のように前後がある)、分岐(条件で分かれる)、階層(大きい項目の下に小さい項目)

デザイン=目的のために計画すること。見た目の話だけではなく、受け手が何をしたいかから並べ方を選ぶ

教師用メモ

目標 01。このページ自体が構造化の例(目標 → 節 → まとめ、という順序と階層)と言ってもよい。

SECTION 02

捨てる

大事なところだけを残すと、言葉が要らなくなる

細かく描かれた人物の絵が、段階を経て単純な人型のマークになっていく4コマ。最後の1つを高校生が指している
体験 02

文字を使わずに伝える | 学校の中で

学校の中で「文字なしのマーク(ピクトグラム)で伝えたいこと」を出す。次に、その 1 つを紙に描く。「何を捨てて、何を残したか」を隣に説明する。人のアイデアの「便乗」を押すと、その続きとして書ける

0
全員のアイデア
0
自分のアイデア
0
便乗して生まれた
マークで伝えたいこと
教師用メモ

進め方(12分)

  • 2 分ブレスト(第2回の発想法)。「静かに」「走らない」「ここで靴を脱ぐ」「充電できる」などが出る。
  • 1 つ選んで紙に 3 分で描く。文字は禁止。隣に見せて「何のマークか」を当ててもらう。当たらなければ、何を足す(残す)かを考える。
  • 「何を捨てた?」を全員に聞く。顔・服・背景・色を捨て、姿勢と物だけ残した、が出れば抽象化。

言葉 抽象化 = 大量の情報から大事なところだけを抜き出すこと。アイコン、ピクトグラム、路線図、ダイヤグラム。1964 年の東京オリンピックで「たくさんの国から来る人みんなが分かる絵文字を」と競技ピクトグラムが作られた。目標 02。

まとめ 02

抽象化 | 大事なところだけを抜き出す

写真の人物→顔・服・背景を捨てる→姿勢と物だけ残す→誰でも分かるマーク
抽象化大量の情報から大事なところだけを抜き出す。情報過多を防ぎ、受け手が重要な点をすぐつかめる
例アイコン、ピクトグラム(言語に関係なく伝わる)、路線図(距離と方角を捨て、順番と乗り換えを残す)、ダイヤグラム
捨て方は目的で決まる路線図は乗り換えのため。道路地図は運転のため。同じ街でも、目的が違えば残すものが違う

※ 前回の非可逆圧縮と同じ考え方。人が気づかない・要らない部分を捨てて、伝わる量を保つ

教師用メモ

目標 02。トイレのマークの男女の違いは何を残しているか(服の形だけ)、と聞くと抽象化の中身が見える。

SECTION 03

見えるようにする

本来見えないものを、見える形に

バラバラに散らばった付箋のメモを、高校生が表と矢印つきの図に並べ直している
体験 03

バラバラの情報を、関係の形で分ける

学校紹介のページを作るとき、下の情報はどの「関係の形」で見せると伝わるか。順序=前後がある。分岐=条件で分かれる。階層=大きい項目の下に小さい項目。並列=同じ重さで並ぶ。タップして分け、「答え合わせ」

順序 → 矢印・番号分岐 → もし〜なら階層 → 木の形並列 → 横に並べる
教師用メモ

進め方(8分) 3 分で答え合わせ。「関係の形が決まると、見せる形が決まる」: 順序 → フローチャートや番号つきの矢印、分岐 → もし〜なら の図、階層 → 木や入れ子、並列 → 横並びの箱。これが可視化。

可視化 = 本来見えないものを見える状態にすること。図・表・グラフ、インフォグラフィックス、年表、フローチャート、ハザードマップ。目標 03。

まとめ 03

情報デザインの 3 つの技 | 抽象化・可視化・構造化

抽象化
大事なところだけを抜き出す。ピクトグラム、路線図。捨てる勇気
可視化
見えないものを見える形に。図・表・グラフ、年表、フローチャート
構造化
関係があるものでまとめ、分かる順に並べる。LATCH、順序・分岐・階層・並列

情報デザイン=効果的なコミュニケーションや問題解決のために、情報を整理し、分かりやすく伝えるためのデザイン。3 つの技はどれも「誰に・何を」から決まる。それが次回・次々回の主題

教師用メモ

次回はユニバーサルデザイン(「誰に」を広げる)。第11回の課題(学校の誰かに 1 枚で伝える)で 3 つの技を実際に使う。

道具で比べて、選ぶ

自分の作品に取り入れる工夫はどれか

道具で例を見比べ、自分の作品に取り入れる工夫を 1 つ選び、理由を書く

情報デザインデザインの工夫を、良い例と悪い例で見比べる
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 例を 3 つ見比べる
  3. 使われている工夫を、3 語のどれかで言う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
選んだもの
クラスの選び方
選んだ理由
教師用メモ

進め方 道具で比べさせてから選ばせる。同じものを選んでも理由が違うことを見せる。少数派の理由を必ず 1 つ読み上げる。

5分。今日の 3 語が、道具の中でどう使われているかを探させる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
LATCH 場所・アルファベット・時間・カテゴリー・階層。同じ名簿でも基準を変えると使い方が変わる
02
抽象化 顔や服や背景を捨て、姿勢と物だけ残すとマークになる。何を捨てるかは目的で決まる
03
可視化と構造化 順序・分岐・階層・並列の形が決まると、矢印・木・横並びという見せ方が決まる
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01LATCH で身のまわりの情報を並べ直せる
02抽象化で文字を使わずに伝えるものを作れる
03可視化と構造化でバラバラの情報を見える形に組み直せる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

身のまわりのマークは、何を捨てて何を残しているか

一文でよい。アイコン・標識・路線図・地図アプリなど、一つ選んで「〇〇を捨てて、△△を残している」の形

みんなの見つけたもの
教師用メモ

3 分。次回は「誰でも使える」。今日の 3 つの技を、使えない人の側から見直す。