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情報Ⅰ (4) 情報通信ネットワークとデータの活用 | 第1回

ネットワークとインターネット

全体を管理している会社はどこにもないのに、世界中に届く。その理由を、線を切って確かめる

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 01 は端末内で完結し、体験 03 は全員の回答が集まる。

時間配分 単元の入り・目標 5分 / 節1 届く道 16分 / 節2 なぜ分けるか 12分 / 節3 どこまでが LAN か 11分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

教科書: 新編情報Ⅰ 31 ネットワークとインターネット(p.92)。

この回の評価(指導要領 (4) ア(ア)。情報通信ネットワークの仕組みや構成要素。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 インターネットが「ネットワークどうしをつないだもの」であることと、LAN と WAN の違いを説明している(体験01・03)
  • 思考・判断・表現 経路が切れても届く理由を、複数の道があることから説明している(体験01・02)
  • 態度 身のまわりの通信が、どこを通っているかに目を向けようとしている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

この単元でやること

届く仕組みを知り、集まった数字を根拠にする

つながる仕組み→守る技術→ためる仕組み→数字を読む→データを根拠に提案する

前の単元では、1 台のコンピュータの中を見た。この単元はその外側。データがどう運ばれ、どこにたまり、そこから何が言えるかを扱う

インターネットを運営している会社は、どこか

教師用メモ

問いに挙手で答えさせる。回線業者やプラットフォーム企業の名が出る。「どれも一部を持っているだけで、全体を管理する会社はない」。ここが今日の入り口。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
経路が切れても別の道で届くことを、自分で線を切って確かめられる
02
データを分けて運ぶ仕組みが、費用の面で選ばれた理由を言える
03
LAN と WAN を区別し、インターネットが何のつながりかを説明できる

※ LAN(ラン)= 建物や家の中など、せまい範囲をつないだネットワーク。WAN(ワン)= 建物の外へ出て、離れた場所どうしをつないだネットワーク。今日の節 3 で自分で分ける

01 | 16分
届く道

線を切ってみる

02 | 12分
なぜ分けるか

バケツリレー

03 | 11分
どこまでが LAN か

身のまわりで分ける

SECTION 01

届く道

一本切れても、回り道がある

街の地図を広げ、通行止めの道を避けて別の道筋を指でたどっている高校生2人
体験 01

線を切ってみる | それでも届くか

A から F へデータを送る。図の線をタップすると、その線が切れる(もう一度タップでつながる)。切るたびに、通る道が引き直される。どこまで切ったら届かなくなるか

※ 丸は中継する場所。線は通信できる道。太い青い線が、いま通っている道

教師用メモ

進め方(12分) 一人で 6 分。「1 本切っても届いた人?」「2 本では?」「届かなくするには何本必要だった?」を挙手で。

要点 網の目のようにつないでおけば、1 つの経路が途切れても別の経路で接続できる。これがネットワークを網の形にする理由。1 本道なら、切れた時点で終わり。

A と F を直接つなぐ線がないことに気づかせる。「全員と直接つながなくても、中継してもらえば届く」→ 次の節へ。目標 01。

SECTION 02

なぜ分けるか

他人の荷物を通す代わりに、自分の荷物も通してもらう

並んだ人たちが小さなバケツを次々と手渡ししていく様子。高校生も列に加わっている
体験 02

全員と直接つなぐと、線は何本要るか

40 人が全員と直接電話線でつながるには、線が何本要るか。まず勘で答える(正確でなくてよい)。次に、その線を全部自分で引くとしたら困ることを一言で書く

選んだ数と、書いた困りごとが右に並ぶ。答えは 780 本(40 × 39 ÷ 2)。人数が増えると線は急に増える

クラスの答えの分かれ方
みんなの困りごと
教師用メモ

進め方(8分) 答えは 780 本(40×39÷2)。100 人なら 4,950 本。「人数が 2.5 倍になると、線は 6 倍以上」。

そこで出た仕組み データを細かく分割し、他人のデータを通す代わりに自分のデータも通してもらう、バケツリレーのような仕組み。こうすれば、遠くへ送るときの費用を自分だけで負担しなくてよい。

この仕組みでネットワークとネットワークを世界規模でつないだのがインターネット。だから全体を管理する会社が存在しない。冒頭の問いに戻す。目標 02。

福澤諭吉『西洋事情』の挿絵(地球に電線を張り、飛脚が走る絵)を見せると、発想の古さが伝わる。

まとめ 01・02

網の形にして、分けて運ぶ

情報通信ネットワーク複数のコンピュータのつながり。網の目のようにつなぐと、1 つの経路が途切れても別の経路で届く
分けて運ぶデータを細かく分割し、他人のデータを通す代わりに自分のデータも通してもらう。遠くへ送る費用を自分だけで負担しなくてよい
インターネットこの仕組みで、ネットワークとネットワークを世界規模で接続したもの。全体を管理する会社や人は存在しない
教師用メモ

「管理者がいない」は「無法地帯」という意味ではなく、共通の取り決め(プロトコル)を守っているから通じる。次回につなぐ。

SECTION 03

どこまでが LAN か

建物の中と、その外

家の中の機器が1つの箱につながり、その箱から外へ1本の線が伸びている図を高校生が見ている
体験 03

これは LAN の中か、外か

下の 8 個を分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」

LAN の中で完結 = 建物や家の中だけで届くLAN の外に出る = 建物の外の回線を通る
教師用メモ

進め方(8分) 一人で 4 分、答え合わせで 4 分。

言葉 LAN = 家の中や建物の敷地内で複数のコンピュータを接続したネットワーク。WAN = 離れた場所にある LAN どうしを接続したネットワーク。

迷いやすいもの 「別の校舎の端末と共有」は、校舎が離れていれば WAN を通る。同じ敷地内なら LAN。物理的な範囲で決まることを押さえる。「動画を見る」も、家の機器に保存した動画なら LAN 内。同じ操作でも、データがどこにあるかで変わる。

「家の LAN からインターネットに出るには、外の回線につなぐ契約が要る」に触れる。第4回で小さなネットワークを設計する。目標 03。

まとめ 03

LAN と WAN | 範囲で呼び分ける

家・建物の中 = LAN→離れた LAN どうしをつなぐ = WAN→世界規模でつないだもの = インターネット
LAN家の中や建物の敷地内など、限られた範囲で複数のコンピュータを接続したネットワーク
WAN離れた場所にある LAN どうしを接続したネットワーク
つなぐ相手自分のコンピュータをインターネットに接続すれば、誰でもインターネットを利用できる。接続には回線を提供する事業者との契約が要る
教師用メモ

目標 03。次回は「その中を、データがどんな形で通るのか」。文をパケットに分けて送る体験に入る。

道具で作る

1 か所切れても届く形を、自分で組む

道具で機器を 3 つ以上つなぎ、1 か所切っても届く形を作って、その形の特徴を一言で出す

情報通信ネットワーク機器を置いて線をつなぎ、ネットワークを自分で組む
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 機器を 3 つ以上つなぐ
  3. 1 か所切っても届く形にする
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
作ったものを、一文で
みんなの作ったもの
教師用メモ

進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。

6分。機器を置いて線をつなぐ。第4回の設計につながる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
届く道 線を切っても回り道で届いた。網の形にしておくのは、切れても届くようにするため
02
分けて運ぶ 40 人が全員と直接つなぐと 780 本。通し合う仕組みなら、費用を自分だけで負担しない
03
LAN と WAN 建物の中か外か。インターネットは、そのつながりを世界規模でつないだもの
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01経路が切れても別の道で届くことを説明できる
02データを分けて運ぶ仕組みが選ばれた理由を言える
03LAN と WAN を区別し、インターネットを説明できる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

今日の通信で、いちばん遠くまで行ったもの

一文でよい。「〇〇のとき、データは △△ まで行っていそう」の形

みんなの遠くまで行ったもの
教師用メモ

3 分。次回は「その道を、どんな形で通っているのか」。パケットと IP アドレスに入る。