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情報Ⅰ (4) 情報通信ネットワークとデータの活用 | 第5回

情報セキュリティ

読まれない、書き換えられない、使えなくならない。3 つを守る技術を、自分の手で動かす

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 01・02 は端末内で完結する。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 読まれない 14分 / 節2 鍵を配る 12分 / 節3 書き換えられない 12分 / 道具・まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

教科書: 新編情報Ⅰ 35 情報セキュリティ(p.100)。

この回の評価(指導要領 (4) ア(ア) イ(ア)。情報セキュリティを確保するための方法や技術、暗号化・デジタル署名の仕組みと必要性。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 機密性・完全性・可用性の 3 つと、共通鍵と公開鍵の違いを説明している(体験01・02・まとめ)
  • 思考・判断・表現 人数が増えたときの鍵の本数から、公開鍵方式が使われる理由を述べている(体験02)
  • 態度 自分の使い方を、3 つの観点から見直そうとしている(体験03・ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回冒頭で拾い直す。

前回のまとめ

設計の最後に、合言葉が要ると出てきた

URL→メールサーバ→小さなネットワークを設計|無線の合言葉

合言葉は「入れる人を絞る」ための仕組み。だが、通り道を流れている中身そのものは、そのままでは読める。今日はそこを扱う

通り道で中身を見られても困らないようにするには

教師用メモ

前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。「公衆無線 LAN では中身が見られる可能性がある」を、ここで一度出しておく。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
暗号化が何をすることかを、自分で文を変換して説明できる
02
共通鍵と公開鍵の違いを、必要な鍵の本数から説明できる
03
機密性・完全性・可用性の 3 つで、身のまわりの場面を分けられる
01 | 14分
読まれない

文をずらして隠す

02 | 12分
鍵を配る

人数が増えると

03 | 12分
3 つで分ける

何が守られていないか

SECTION 01

読まれない

見られても、意味が分からなければよい

文字が並んだ紙を、回転する円盤に当てて別の文字に置き換えている高校生の手元
体験 01

文をずらして、読めなくする

アルファベットを決まった数だけ後ろにずらす、いちばん簡単な暗号。ずらす数が鍵。同じ数だけ戻せば元に戻る。ずらす数を変えて、送る側と受け取る側で数が違うとどうなるかも見る

3
3

※ 実際に使われている暗号はもっと複雑だが、「鍵がそろえば戻せる」という考え方は同じ

送る文(元の文)
通り道を流れる形(暗号にした文)
受け取った側が戻した文
教師用メモ

進め方(12分) 鍵をそろえて元に戻ることを確かめる(4分)。次に受け取る側の鍵だけ変える → 戻らない(4分)。「鍵を知らない人には読めない」(4分)。

言葉 一定の規則に従ってデータを変換することを暗号化、元に戻すことを復号という。ファイル、記録する媒体、通信中のデータなど、あらゆる場面で使われている。

この暗号の弱さ ずらす数は 25 通りしかないので、全部試せば破れる。実際の暗号は鍵の候補が天文学的に多い。第1単元のパスワードの話と同じ構造。目標 01。

SECTION 02

鍵を配る

同じ鍵を使うなら、その鍵をどう渡すのか

たくさんの鍵を配ろうとして両手いっぱいに抱えている高校生と、南京錠だけを配っている高校生
体験 02

人数が増えると、鍵は何本要るか

クラスの全員が、たがいに秘密のやりとりをする。つまみで人数を変えて、2 つの方式で必要な鍵の数を見比べる

4
共通鍵方式
送り手と受け手が同じ鍵を使う。相手ごとに別の鍵を用意し、事前に安全に渡しておく必要がある
6 本
公開鍵方式
鍵を掛けるときと開けるときで違う鍵を使う。掛ける側の鍵は誰に見られてもよいので、配る手間がない
8 本
教師用メモ

進め方(10分) 4 人 → 共通鍵 6 本、公開鍵 8 本。公開鍵のほうが多い。「では 40 人は?」→ 共通鍵 780 本、公開鍵 80 本。逆転する。第1回の 780 本と同じ数。

公開鍵方式の仕組み 送り手は受け手の公開鍵で暗号にし、受け手は自分の秘密鍵で開ける。公開鍵は誰に見られてもよい(それでは開けられない)。だから配る手間がない。南京錠を配っておいて、鍵は自分だけが持つ、と説明すると通じやすい。

実際には、両方を組み合わせる(公開鍵で共通鍵を安全に渡し、以降は速い共通鍵でやりとりする)。深入りしない。目標 02。

SECTION 03

3 つで分ける

読まれない、書き換えられない、使えなくならない

3つの扉が並び、それぞれに違う形の鍵穴が付いている。高校生が一つずつ確かめている
体験 03

この困りごとは、3 つのどれが守られていないか

下の 9 個を分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」

機密性 = 認められた人だけが見られる完全性 = 壊れたり書き換えられたりしない可用性 = 必要なときに使える
教師用メモ

進め方(10分) 一人で 5 分、答え合わせ 5 分。

迷いやすいもの 「ファイルが壊れて開けない」は完全性(壊れた)と可用性(使えない)の両方に見える。原因が「壊れたこと」なら完全性と整理する。答えが割れたら、その理由を言わせる。

守る技術 機密性は個人認証と暗号化。完全性はデジタル署名(送り主が本人か、途中で変えられていないかを確かめる)。可用性は機器の二重化やバックアップ。

アドレスが https で始まるページは、入力内容が暗号にされている。目印として覚えておく。目標 03。

まとめ

3 つを守るための、3 種類の技術

情報セキュリティ機密性(認められた人だけが見られる)・完全性(壊れたり改変されたりしない)・可用性(必要なときに使える)の維持
個人認証ID とパスワードで本人を特定する。推測されやすいものや使い回しは危険。生体認証や多要素認証も使われる
暗号化一定の規則でデータを変換し、そのままでは読めなくする。元に戻すのが復号。共通鍵方式(同じ鍵)と公開鍵方式(掛ける鍵と開ける鍵が別)
デジタル署名送り主が本人か、途中で書き換えられていないかを確かめる。完全性を守る技術

※ 学校や企業が定める、守るべき行動の方針を情報セキュリティポリシーという

教師用メモ

次回からデータの側に移る。「守りながら、ためて、使う」へ。

予想

40 人が 2 人ずつ秘密の文をやりとりするのに、鍵は何本要るか

鍵の掛け方、公開鍵で秘密を届ける、署名、通信路の守り方。道具の上で動かす

確かめる前に、いまの予想を 1 つ選ぶ。当たっていなくてよい。予想を置いておくと、違ったときに気づける

選んだ人数が右に出る。分かれているところを 1 つ読み上げてから次へ

クラスの予想
教師用メモ

予想を先に(2分) 先に道具を開くと、触って終わる。予想を置いてから確かめると、違ったところが残る。

10分。共通鍵と公開鍵の比べ(1 つ目)と RSA のペア体験(2 つ目)は必ず。署名と SSL/TLS は時間に応じて。RSA は本人のアプリ。壁に暗号文が並んでも読めるのは受信者だけ、という光景がこの回の山。暗号文は 60 字に収まるよう、平文は 3〜4 文字にさせる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

確かめる

道具で確かめて、予想と合っていたかを見る

共通鍵暗号方式・公開鍵暗号方式2 つの方式で、鍵の配り方と掛け方の違いを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 両方の方式で同じ文を送る
  3. 鍵を何本配る必要があるかを比べる。予想と合っていたかを見る
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
RSA 暗号体験(鍵生成 → 暗号化 → 復号)ペアで受信者と送信者になり、公開鍵だけを相手に渡して秘密の文を届ける。秘密鍵は一度も相手に見せない
  1. ペアで「受信者」「送信者」を決める。相手がいない人は、一人で受信者と送信者の両方をやればよい(鍵を作り、自分で暗号化して、自分で戻す)。受信者が「この枚で開く」を押し、鍵生成で p・q を選んで公開鍵 (n, e) と秘密鍵 d を作る
  2. 受信者は公開鍵 (n, e) だけを声に出して送信者に伝える。秘密鍵 d は紙に書いて伏せる
  3. 送信者は自分の端末で開き、暗号化にポケベル暗号の平文と公開鍵を入れ、出てきた暗号文の数を下の欄で「送る」。教室の全員に見える
  4. 受信者は壁に並んだ暗号文から自分宛てを選び、復号に秘密鍵 d を入れて元の文に戻す。他の人の暗号文も試して、戻らないことを確かめる
  5. 役を入れ替える。時間があれば p・q をもっと小さくして、n から p・q を割り出せるか(鍵の長さの意味)を試す
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
デジタル署名送り主が本人か、途中で変えられていないかを確かめる仕組み
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 文を 1 文字変えてみる
  3. 検証がどうなるかを見る
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
SSL/TLS通信路そのものを暗号にする手順を追う
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 手順を最後まで進める
  3. アドレスの先頭が変わる理由を言う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
確かめて分かったことを、一文で
確かめて分かったこと
教師用メモ

進め方 手順のとおりに触らせる。終わったら前の枚の予想と見比べ、外れた人を 2 人読み上げる。

10分。共通鍵と公開鍵の比べ(1 つ目)と RSA のペア体験(2 つ目)は必ず。署名と SSL/TLS は時間に応じて。RSA は本人のアプリ。壁に暗号文が並んでも読めるのは受信者だけ、という光景がこの回の山。暗号文は 60 字に収まるよう、平文は 3〜4 文字にさせる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
暗号化 鍵がそろえば戻り、違えば戻らなかった。見られても意味が分からない
02
鍵の本数 4 人なら共通鍵が少ない。40 人では 780 本と 80 本で逆転した
03
3 つ 機密性・完全性・可用性。困りごとを、どれが欠けたかで分けられた
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01暗号化が何をすることかを説明できる
02共通鍵と公開鍵の違いを、鍵の本数から説明できる
03機密性・完全性・可用性で場面を分けられる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

自分の使い方で、いちばん弱いところ

一文でよい。「〇〇が弱い。△△を変える」の形。実際に使っているサービス名は書かない

みんなの弱いところと、変えること
教師用メモ

3 分。サービス名や自分の設定そのものは書かせない。次回からデータの活用に入る。