一覧へ 情報Ⅰ (4) 第10回 | 2つの事柄の関係
情報Ⅰ (4) 情報通信ネットワークとデータの活用 | 第10回

2つの事柄の関係

点を 1 つ動かすだけで、数字が変わる。「関係がある」と「原因である」の違いも見る

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 01・02 は端末内で完結する。点は指でもマウスでも動かせる。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 点を動かす 16分 / 節2 関係と原因 14分 / 節3 隠れた 3 つ目 10分 / 道具・まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

教科書: 新編情報Ⅰ 40 2つの事柄の関係(p.110)、データ分析の基礎(p.184〜187)。

この回の評価(指導要領 (4) ア(ウ) イ(ウ)。比較・関連・変化・分類など目的に応じた分析方法、相関関係と因果関係、交絡因子。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 散布図と相関係数の読み方を、自分で点を動かした結果と結びつけて説明している(体験01)
  • 思考・判断・表現 相関があっても因果とは限らないことを、具体例と隠れた要因から述べている(体験02・03)
  • 態度 示された関係を、そのまま受け取らずに確かめようとしている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、次回の単元末の課題の入り方を決める。

前回のまとめ

集める前に決め、分析の前に見直した

欠損値外れ値区切りの幅→問題・計画・データ・分析・結論

ここまでは1 つの事柄を見てきた。今日は2 つの事柄の関係。「よく寝る人ほど成績がよい」のような言い方が、どこまで言えるのかを扱う

「アイスが売れる日は、水の事故が多い」。アイスが原因か

教師用メモ

問いに挙手(原因だ・原因ではない・分からない)。節 2・3 で答えにたどり着く。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
散布図と相関係数を読み、点を動かして数値の変化を説明できる
02
関係があることと原因であることの違いを、例で説明できる
03
関係の裏にある3 つ目の要因を探せる
01 | 16分
点を動かす

1 点で数字が動く

02 | 14分
関係と原因

3 つの可能性

03 | 10分
隠れた 3 つ目

自分で探す

SECTION 01

点を動かす

1 つの点で、数字がどれだけ動くか

画面に散らばった点の一つを指でつまんで動かしている高校生。数字が変わるのを見ている
体験 01

点をつかんで動かし、相関係数を変える

12 人の「1 日の学習時間」と「小テストの点数」。点をつかんで動かすと、右の数字が変わる。①右上がりの形にする ②数字を 0 に近づける ③1 点だけ遠くへ動かして、数字がどれだけ動くか見る

0.00
相関係数(−1 から 1 の間の数)

※ 1 に近いほど「片方が増えると、もう片方も増える」。−1 に近いほど「片方が増えると、もう片方は減る」。0 に近いほど関係が見えない

教師用メモ

進め方(14分) ①右上がりに → 0.8 前後。②ばらばらに → 0 付近。③1 点だけ右下の遠くへ動かす → 数字が大きく下がる。1 点で結論が変わる。

言葉 2 つのデータを縦横にとって点を打った図が散布図。関係の強さを −1 から 1 の数で表したのが相関係数。おおよそ、絶対値が 0.7 以上で強い、0.4〜0.7 でやや強い、0.2 未満でほとんどない。

前回とつながる 外れ値が 1 つあるだけで相関係数が動く。だから散布図で目で見てから数字を出す。数字だけ見ると間違える。目標 01。

SECTION 02

関係と原因

一緒に動くことと、動かしていることは違う

アイスクリームの絵と、川で遊ぶ絵の間に矢印を引こうとして、手が止まっている高校生
体験 02

関係があるとき、考えられる 3 つの可能性

「アイスがよく売れる日は、水の事故が多い」。散布図では確かに右上がりになる。では、考えられることは何か。3 つの箱を押して、それぞれの説明を読む

アイスが原因
アイスを食べたから、事故が起きた
逆が原因
事故が起きたから、アイスが売れた
3 つ目の要因がある
別の何かが、両方を動かしている
上の 3 つを、順に押す
教師用メモ

進め方(12分) 3 つを順に押す。答えは 3 つ目(気温)。冒頭の挙手と比べる。

言葉 一緒に動く関係が相関関係。片方がもう片方を引き起こしている関係が因果関係。相関があっても因果とは限らない。両方を動かしている隠れた要因を交絡因子という。

大事なところ 「相関があるから原因だ」と言う主張は、日常にあふれている。広告、記事、うわさ。3 つの可能性をいつも思い浮かべるのが、この回のねらい。目標 02。

SECTION 03

隠れた 3 つ目

自分で探すと、見つけ方が身につく

2つの箱の後ろに隠れている3つ目の箱を、高校生がのぞき込んで見つけている
体験 03

この関係の裏にある、3 つ目の要因を探す

下の 4 つから 1 つ選び、その裏で両方を動かしていそうな 3 つ目の要因を書く

選んだ数と、挙がった 3 つ目の要因が右に出る。同じ例でも違う要因が出たら、両方を取り上げる

クラスが選んだ例
見つけた 3 つ目の要因
教師用メモ

進め方(10分) 一人で 5 分、読み上げ 5 分。

想定 足の大きさ→年齢。朝食→生活習慣全体(早寝早起き、家庭の状況)。消防車→火事の規模(大きいから多く来る。逆向きの因果)。部活→帰宅時刻や課題の量。

4 つ目に注意 「部活が長い→睡眠が短い」は因果がありそうに見える。本当に因果がある場合もある。「全部が疑似相関」ではない。確かめる方法を考えるのが次の段階(条件をそろえて比べる)。

数学科の「データの分析」と関連づけられる。目標 03。

まとめ

一緒に動いていても、動かしているとは限らない

散布図2 つのデータを縦横にとって点を打った図。まず目で見て、形と外れた点を確かめる
相関係数関係の強さを −1 から 1 で表した数。1 に近いと右上がり、−1 に近いと右下がり、0 に近いと関係が見えない。外れた 1 点で大きく動く
相関関係と因果関係一緒に動くのが相関、引き起こしているのが因果。相関があっても因果とは限らない
交絡因子両方を動かしている隠れた 3 つ目の要因。見つけると、見かけの関係が説明できる

※ 目的に応じた分析の方法には、比べる・関連を見る・変化を見る・分類する、などがある。今日は「関連を見る」

教師用メモ

次回・次々回は単元末の課題。自分でデータを選び、根拠にして提案する。今日の「言えること/言えないこと」が評価の観点になる。

予想

点を 1 つ動かすだけで、相関係数はどれくらい動くか

点の散らばりと相関係数、そして「関係があるように見えるだけ」の場合を道具で見る

確かめる前に、いまの予想を 1 つ選ぶ。当たっていなくてよい。予想を置いておくと、違ったときに気づける

選んだ人数が右に出る。分かれているところを 1 つ読み上げてから次へ

クラスの予想
教師用メモ

予想を先に(2分) 先に道具を開くと、触って終わる。予想を置いてから確かめると、違ったところが残る。

8分。この回の中心。疑似相関の道具は必ず使う。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

確かめる

道具で確かめて、予想と合っていたかを見る

散布図と相関係数点を動かすと、相関係数がどう変わるかを見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 点を動かして係数を 0 に近づける
  3. 1 点だけ動かして係数が大きく動く形を作る
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
因果関係と擬似相関関係があるように見えて、別の原因が隠れている例を見る
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 例を 2 つ見る
  3. 隠れていた 3 つ目の要因を言う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
確かめて分かったことを、一文で
確かめて分かったこと
教師用メモ

進め方 手順のとおりに触らせる。終わったら前の枚の予想と見比べ、外れた人を 2 人読み上げる。

8分。この回の中心。疑似相関の道具は必ず使う。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
点を動かす 1 点だけ動かして数字が大きく変わった。まず図を見てから数字を出す
02
関係と原因 3 つの可能性がある。アイスの例は 3 つ目(気温)だった
03
3 つ目の要因 自分で探した。ただし、本当に因果がある場合もある
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01散布図と相関係数を読み、変化を説明できる
02関係があることと原因であることの違いを説明できる
03関係の裏にある 3 つ目の要因を探せる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

見聞きした主張で、確かめたくなったもの

一文でよい。「〇〇と言われているが、△△が隠れているかもしれない」の形

みんなの確かめたいこと
教師用メモ

3 分。次回から単元末の課題。データを根拠に、一つ提案する。候補を考えてくるよう促す。