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情報Ⅱ (1) 情報社会の進展と情報技術 | 第1回

情報技術の年表づくり

30 年で何が起きたのか。並べ直すと、次に来るものの向きが見えてくる

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを決める(例: 5a01)。この単元は 8 回とも年表を使うので、コードはこの単元で使い回してよい。第7・8回の提案カードを引き継ぐので、少なくとも第7回と第8回は同じコードにする。班は 3〜4 人で組んでおく。

投影 このページを投影に切り替え、「教師」を押す。生徒は「生徒の入口」の QR から自分の端末で開く。

時間配分 情報Ⅰ からのつながり・目標 3分 / 節1 いつ、何が起きたか 15分 / 節2 何が変わったか 15分 / 節3 記録が集まる 10分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 7分

この回の評価(指導要領 解説 (1) ア(ア)「情報社会の進展と情報技術の関係を歴史的に捉える」。設計指針 H5L1、D1L4(ビッグデータの登場)。重点は知識・技能。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 情報技術の主な出来事を古い順に並べ、30 年の流れを「つながる・持ち歩く・集まる・作る」で説明している(体験01・まとめ01)
  • 思考・判断・表現 一つの出来事について、社会や生活の何が変わったかを対にして書いている(体験02)
  • 態度 自分の 1 日のどこに記録が残っているかを探し、気づいたことを書いている(体験03・ふりかえり)

ここで作った年表は、第2回の法・制度の追記、第7回の展望の根拠として使う。回答の保存(CSV)を授業後に取っておく。

情報Ⅰ から

名前を知っているものを、時間の順に置き直す

情報Ⅰ | 今どうなっているか→情報Ⅱ | なぜそう変わってきたか、次はどう変わるか

法規・制度、コミュニケーション、情報システムとデータ。名前は情報Ⅰ で出てきた。この 8 回は、同じものを歴史の中に置き直し、10 年後を自分の言葉で語れるところまで行く

技術が変わると、人の何が変わり、何が変わらないのか

教師用メモ

この単元は情報Ⅱ の導入。用語の説明はしない。情報Ⅰ で扱った語(個人情報保護法、著作権、情報デザイン、情報システム)は前提として使う。単元の問いを板書に残しておくと、第7回で戻れる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
情報技術の主な出来事を古い順に並べ、30 年の流れを 4 つの段で言える
02
一つの出来事について、社会や生活の何が変わったかを対にして言える
03
人の行動がデータとして記録されるようになったことを、自分の例で言える
01 | 15分
いつ、何が起きたか

8 つの出来事を古い順に並べる

02 | 15分
何が変わったか

できごとと、変わったことを対にする

03 | 10分
記録が集まる

自分の 1 日から記録を一つ探す

SECTION 01

いつ、何が起きたか

30 年ぶんの出来事を、机の上に並べる

机の上に横一列のカードを並べる高校生 3 人。左端に太いブラウン管のパソコン、右端に手のひらの上の小さな板が描かれている
体験 01

8 つの出来事を、古い順に並べる

班で相談しながら、古いものから順にタップする。タップした順に番号が付く(もう一度タップで外れる)。全部に番号を付けたら「答え合わせ」。合っていない枠は濃くなる

※ AI(エーアイ)= 人工知能。人がやっていた「見分ける・訳す・答えを作る」を、大量のデータから学んだコンピュータにやらせる技術

教師用メモ

進め方(10分) 班で 6 分。並べ終わった班から「答え合わせ」。この部品は端末の中だけで動き、教室には送られない。年号を覚えさせるのが目的ではないので、迷った 2 つを口に出させる。

答え 1 家庭のパソコンがつながる(1995 ごろ)/ 2 携帯電話でメールとウェブ(1999 ごろ)/ 3 常時接続・定額(2001 ごろ)/ 4 スマートフォン(2008 ごろ)/ 5 SNS と動画(2011 ごろ)/ 6 AI が囲碁で勝つ(2016 ごろ)/ 7 一人一台の端末(2020 ごろ)/ 8 誰でも使える生成 AI(2022 ごろ)。

拾いたい発言 「3 と 4 の間が空いている」→ その間に回線が速くなり、値段が下がっていた。技術は一つずつ独立には来ず、前の技術の上に乗る。

まとめ 01

30 年は、4 つの段でできている

つながる→持ち歩く→集まる→作る
つながる家庭のパソコン、携帯電話、常時接続。まず「線でつながる」ことが起きた。つながる相手と時間が増えた
持ち歩くスマートフォン。つながる場所が家や職場から、いつでもどこでもに変わった
集まるSNS・動画・一人一台の端末。人の行動が記録として大量に集まるようになった
作るAI が判断し、文章や絵を作る。人がやっていた作業の一部を機械が引き受け始めた

新しい技術は前の技術の上に乗る。だから向きがある。第7回で 10 年後を展望するとき、この向きが根拠になる

教師用メモ

目標 01。板書に 4 語だけ残す。この 4 語は単元を通して使う。年号を問う小テストはしない。

SECTION 02

何が変わったか

技術が来ると、暮らしの手順が書き換わる

左は駅の窓口で紙の時刻表を見て切符を買う人、右はホームで手元の画面を見ながら歩く高校生の 2 コマ
体験 02

できごとと、変わったことを対にする

班で 1 つ以上、できれば人数ぶん送る。できごとは並べた 8 つでも、家族に聞いた別のものでもよい。変わったことは「誰が、何をしなくなったか/できるようになったか」の形で書く

できごと
変わったこと

教室ぜんぶの「できごと → 変わったこと」が右に並ぶ。これがこの単元の年表になる

教室の年表
教師用メモ

進め方(12分) 班で 6 分、送るのに 2 分、読み上げに 4 分。右に並んだものを 4〜5 個読み上げ、「なくなった仕事」「新しく生まれた仕事」が出ていれば取り上げる。

想定回答 常時接続 → 調べ物で図書館に行かなくなった ・ スマートフォン → 地図を買わなくなった ・ 一人一台の端末 → 学校の連絡が紙でなくなった ・ 生成 AI → 下書きを機械に書かせるようになった。

これが評価の対象(班で作った年表)。授業後に「回答を保存」で CSV にしておく。第7回で班が根拠に使う。

まとめ 02

技術は、暮らしの手順を書き換える

変わるものやり方(手順)、かかる時間、行く場所、要る道具、誰がその仕事をするか
変わらないもの目的そのもの。人に会いたい、間に合わせたい、間違えたくない。目的は同じで、手段だけが入れ替わる
年表の使い方この単元では、この年表を 8 回とも開く。第2回では法や制度の行を足し、第7回では展望の根拠にする

「便利になった」で止めない。誰の、どの手順が、どう変わったかまで書けると、10 年後を引く材料になる

教師用メモ

目標 02。「変わらないもの」を一緒に言うのがこの回の要。単元の本質的な問い(技術が変わると人の何が変わり、何が変わらないのか)につながる。

SECTION 03

記録が集まる

4 つ目の段「集まる」を、自分の 1 日で確かめる

通学路を歩く高校生の後ろに、改札・店のレジ・自動販売機・図書室の貸出台から細い線が伸びて一か所に集まっている
体験 03

今日、自分の行動が記録に残った場面

起きてから今までをたどる。改札、店の支払い、動画を見た、検索した、位置を許可した。「どこに」「何が」残ったかを一文で。個人が分かることは書かない

今日、残った記録
教師用メモ

進め方(7分) 一人で 3 分。並んだものを数えて「教室 1 つで今日だけでこれだけ」と言う。個人が特定できる書き方が出たら、その場で言い直させる。

想定回答 検索した言葉 ・ 見た動画 ・ 通った改札の時刻 ・ 買ったものと店 ・ 位置情報 ・ 提出した課題の時刻。

ここで「ビッグデータ」「センサ」の名前だけ出す。中身は情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンスで扱う。ここでは深追いしない。

まとめ 03

人の行動そのものが、データになった

どこから来るか人が入力したものだけではない。改札・レジ・センサ・位置情報など、使っているだけで集まるものが増えた
ビッグデータそうして集まった、大きくて速くて種類の多いデータのまとまり。分析して次の判断に使う。詳しくは情報Ⅱ (3) で扱う
だから何が起きたかデータがあるから AI が学習できる。4 つ目の段「作る」は、3 つ目の段「集まる」の上に乗っている
教師用メモ

目標 03。「集まる」がなければ「作る」は来なかった、という順序だけ押さえる。次回は、この 4 つの段に法と制度を重ねる。

今日のまとめ

年表は、これから 7 回ぶんの道具箱になる

01
4 つの段 つながる → 持ち歩く → 集まる → 作る。新しい技術は前の技術の上に乗るので、向きがある
02
できごと → 変わったこと 変わるのは手順・時間・場所・道具・担う人。目的そのものは変わらない
03
記録が集まる 使っているだけでデータが残る。データがあるから機械が学習できる
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01出来事を古い順に並べ、30 年の流れを 4 つの段で言える
02一つの出来事について、社会や生活の何が変わったかを言える
03人の行動がデータとして記録されることを、自分の例で言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

年表を見て、いちばん驚いたこと

一文でよい。並べた 8 つでも、教室に並んだ「変わったこと」でも、今日の記録でもよい。驚いた理由まで書く

みんなの驚き
教師用メモ

3 分。次回予告は口頭で: 「この年表に、法律と制度の行を足す。技術と法、どちらが先に動いていたかを見る」。