相手が人でないと分かっていても、言われ方に腹が立つことがある。その正体を見る
50分準備(授業前) 教室コードを入れる(この単元で使い回してよい)。「教師」を押す。節1 は量を出す部品なので、時間を区切って一気に出させる。
投影 節1 の右の欄は、たまってから投影する。少ないうちに映すと出しにくくなる。
時間配分 前回のまとめ・目標 3分 / 節1 機械に言われて嫌なこと 15分 / 節2 どう言われたらよいか 15分 / 節3 機械が代わりに言ってよいこと 10分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 7分
この回の評価(指導要領 解説 (1) ア(イ) イ(イ)「人と機械がコミュニケーションするためのコンテンツや情報デザイン」。設計指針 X3L1 から X3L2 へ、B6L3 の入口。重点は思考・判断・表現。単元設計は 単元設計のページ)
情報Ⅰ (2) の情報デザインの手法は説明し直さない。ここは「相手が機械のときの配慮」に絞る。
前回は、伝える相手が人だった。今日は相手が機械になる。券売機、自動の応答、音声の受け答え、行き先を勧めてくる画面。相手が機械でも、伝わり方の良し悪しはある
機械に言われて嫌なことは、なぜ嫌なのか
前回の自己評価で「まだ」が多かった目標があれば、ここで 2 分拾う。前回の「聞き返せるか」が今日の軸になる。
教室ぜんぶで量を出す
嫌だった言い方を書き直す
6 つの場面を、全員で選ぶ
画面の向こうに人はいなくても、腹は立つ

券売機、案内の画面、自動の応答、音声の受け答え、勧めてくる広告。言われて嫌だったこと、困ったことを短く送る。何度出してもよい。人のアイデアの「便乗」を押すと、その続きとして書ける
進め方(12分) 4 分で出せるだけ出す。数を読み上げて競わせてよい。そのあと 6 分で、出てきたものを口頭で四つに分ける(決めつけ/言い方/断れない/理由が分からない)。分ける作業がこの回の討議。
想定回答 エラーとだけ出て理由がない ・ 押す場所が分からない ・ 何度も同じことを聞かれる ・ 途中で戻れない ・ 勝手に好みを決めつけてくる ・ 断る選択肢がない ・ 急かされる ・ 人につないでもらえない ・ やたら明るい口調。
拾いたい発言 「機械なのに、なぜか馬鹿にされた気がする」。人は相手が機械でも人の言葉として受け取る。ここが情報デザインの出発点。
| 決めつけ | こちらの事情を知らないまま、こう思っているはずだと扱ってくる。おすすめや自動の分類がこれに当たる |
| 言い方 | 短すぎる、専門の言葉のまま、責める調子。人なら言い直せるが、機械は同じ文を繰り返す |
| 断れない | 先へ進むしか道がない。同意しないと使えない。戻る手段がない |
| 理由が分からない | なぜ止められたのか、なぜそれを勧められたのかが示されない。だから直しようがない |
人どうしなら、相手の顔を見て言い直せる。機械はその場で直せない。だから、作るときに先回りして配慮を入れておくしかない
目標 01。四つの語を板書。節2 の書き直しは、この四つのどれを直したかを言わせると質が上がる。
文句で終わらせず、直した形を出す

右の欄には、機械が実際に画面に出す文をそのまま書く。「やさしくする」ではなく、何が起きたか・どうすればよいか・断れるかが分かる文にする
右に「嫌だった → こう言われたらよい」が並ぶ。直した文が、まとめ01 の四つのどれを直しているかを見る
進め方(12分) 一人で 5 分、読み合いに 7 分。よい書き直しの共通点を生徒に言わせる。「何が起きたか」「次にどうするか」「取り消せるか」の三つが入っていればよい。
想定回答 「もう一度」→「番号を確かめてから、もう一度押してください」 ・ 「同意しますか」→「同意しない場合はこの機能だけ使えません。ほかは使えます」 ・ 無言の待ち→「あと 20 秒ほどかかります」。
ここが評価の場面(必要な配慮)。人と機械のあいだのデザインという言葉でまとめる。
| 何ができるか分かる | 押せる場所、次に進む道、いま何を待たれているかが、見ただけで分かる |
| 理由を示す | 止めた理由、勧めた理由を言う。理由が分かれば、人は自分で直せる |
| 取り消せる | 戻る、やめる、あとで決める。この三つがあると、人は落ち着いて操作できる |
| 断れる | 同意しない道を残す。断ったときに何が使えなくなるかも書く |
機械の言葉を作るのは人。誰かがその文を書いた。書く側に回ったときに何を守るかが、これから問われる
目標 02。情報Ⅱ (2) コミュニケーションとコンテンツで、実際に作る側に回る。ここはその入口だと伝える。
機械が人に代わって伝えてよいことは、どこまでか

6 つのうち、機械が人に代わって言ってよいと思うものを選ぶ。いくつ選んでもよい。1 つ押すたびに 1 票が送られ、右の棒が伸びる。押し直しはできない
棒がそろったら、上から下へ票が減っていくことを見せる。減り始めるところが、教室が引いた線
進め方(8分) 2 分で投票。棒を見て、票が減り始める場所を指し、そこが線だと言う。答えは出さない。少数の側に理由を 2 人聞く。
拾いたい発言 「速さが命のものは機械でよい」「相手が傷つくことは人が言うべき」「機械が言うと、責任の持ち主が消える」。三つ目が X3L の核心なので必ず言葉にする。
この投票は次回以降にも効く。第6回の討論で「責任は誰にあるか」が争点になる。
| 機械に向くもの | 速さが要る、数が多い、内容が決まっている、間違えても取り返せる |
| 人が言うべきもの | 相手が傷つく、例外の事情がある、聞き返しに答える必要がある、あとで責任を問われる |
| 忘れてはいけないこと | 機械が言っても、その文を書いた人と、機械にやらせると決めた人がいる。責任は消えない |
目標 03。次回は「人の知的活動」へ。今日の「代わりに言う」が、次回の「代わりに判断する」に変わる。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。今日出た四つの配慮のどれかを選び、自分が作る側ならまず何を守るかを書く
3 分。次回予告は口頭で: 「次は、機械が代わりに判断するようになった話。自分が何を任せているかを洗い出す」。