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情報Ⅱ (1) 情報社会の進展と情報技術 | 第7回

10 年後の展望

6 回ぶんの年表から先を引き、そこで人が担う役割まで書く

50分 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを入れる。次回もこれと同じコードを使う(班の提案カードを次回に引き継ぐため)。第1回・第2回の年表の CSV を開いておき、班が根拠を探せるようにする。班は 3〜4 人。

投影 節3 の提案カードは、提出されるたびに右に並ぶ。班の数がそろうまで待ってから読む。

時間配分 前回のまとめ・目標 3分 / 節1 領域を選ぶ 15分 / 節2 変化の向きから引く 15分 / 節3 提案カードを作る 10分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 7分

この回の評価(指導要領 解説 (1) イ(ア)(イ)(ウ)、内容の取扱い (1)「将来の情報技術と情報社会の在り方等について討議し発表し合う」。設計指針 H5L4(民主主義のプロセスに情報技術が果たす役割とその変化)、K3L1。重点は思考・判断・表現。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 展望の根拠に、過去の技術の変化を一つ挙げている。法規・制度やセキュリティの変化も根拠にしていれば十分満足(体験02・体験03)
  • 思考・判断・表現 10 年後の社会を書き、そこで人が担う役割を一つ挙げている(体験03)
  • 態度 班の中で意見を出し合い、一つの提案にまとめようとしている(体験03)

C の生徒への手立て: 第1回の年表を開かせ、自分の領域の行を一つ指させる。それでも進まないときは「今と同じままだと、何が困るか」を先に書かせる。

前回のまとめ

全部か無かではなく、条件を決める方向へ

仕事の増減/誰が得をするか/責任/公平さ

ここまで 6 回で、年表・法と制度・伝え方・機械との対話・知的活動・討論をやってきた。今日と次回は、それを全部使って一つの提案を作る

10 年後の社会で、人は何を担うのか

教師用メモ

前回の自己評価で「まだ」が多かった目標があれば、ここで 2 分拾う。前回のふりかえりから 2 つ読み上げると、領域選びが早くなる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
班で領域を一つ選び、その領域が過去 30 年でどう変わったかを年表から取り出せる
02
変化の向きから 10 年後を一つ展望し、根拠を示せる
03
その社会で人が担う役割と必要になるルールを、一つずつ提案できる
01 | 15分
領域を選ぶ

班で一つ決めて、全体の分布を見る

02 | 15分
変化の向きから引く

30 年で変わったことと、その先を対にする

03 | 10分
提案カードを作る

5 つの欄を埋めて、班で 1 枚出す

SECTION 01

領域を選ぶ

広い話ではなく、一つの場所で考える

町を上から見た絵。病院・学校・店・駅・工場・消防署が並び、それぞれに丸い枠が付いている
体験 01

班で領域を一つ選ぶ

班で相談して一つ決め、班の代表が 1 人だけ押す。押せるのは 1 回だけ。右の棒で、教室にどの領域が集まっているかが見える。同じ領域の班があってもよい

棒がそろったら、選ばれなかった領域を 1 つ挙げて「ここは誰も選ばなかった。なぜか」と聞くと、選んだ理由が言葉になる

教室が選んだ領域
教師用メモ

進め方(10分) 班で 5 分。決まった班から代表が押す。決まらない班には「前回の討論で誰が何に食いついたか」を思い出させる。

示してよい例 解説が挙げているのは「高齢者の孤独感とコミュニケーションロボット」と「専門家の知的資産を人工知能に学習させた社会」。迷う班にはこの二つを見せる。ただし、そのまま写させない。

領域を決めたら、班のノートに大きく書かせる。次の 2 つの体験はすべてこの領域の中で考える。

まとめ 01

展望は願望ではない

願望こうなったらいいな。根拠がない。誰も反論できないが、誰も動かせない
予言こうなると決まっている。外れる。外れたときに何も残らない
展望これまでこう変わってきたから、この向きが続けばこうなる。根拠があるので、反論できる。反論されて直せる

この単元で作ってきた年表は、向きを取り出すための道具だった。次の体験で、実際に取り出す

教師用メモ

目標 01 の前半。「反論できる形で書く」が今日のいちばん大事な一言。次回、実際に反論を受ける。

SECTION 02

変化の向きから引く

30 年ぶんの矢印を、そのまま先へ伸ばす

黒板に引かれた矢印が右上へ伸び、その先が点線になって、班の生徒たちが点線の先を指さして話している
体験 02

30 年で変わったこと、その先はどうなるか

選んだ領域について書く。左は年表にある事実。技術の行でも、法や制度の行でもよい。右はその向きを先へ伸ばした形。班で分担して何組でも送る

30 年で変わったこと
この向きが続くと、10 年後は

右に「変わったこと → 10 年後」が並ぶ。左の欄が事実になっているかを見て読む。願望が入っている組はその場で問い返す

変わったこと → 10 年後
教師用メモ

進め方(12分) 班で 7 分、読み合いに 5 分。第1回・第2回の CSV を投影して、根拠を探させる。左の欄に「便利になった」とだけ書いてある班には、誰の何の手順が変わったのかを聞く。

十分満足に届かせる問い 「その 10 年後、いまの決まりのままで足りるか」。技術の変化に加えて法や制度の変化を根拠にできると、評価規準の A に届く。

想定回答 現金から画面へ → 現金しか使えない人が困る ・ 病院の予約がネットだけに → 電話の窓口がなくなる ・ 授業が端末で → 家に回線がない生徒が置いていかれる ・ 運転が自動に → 事故のときの責任の決め方が要る。

まとめ 02

強い展望には、二本の根拠が入る

技術の変化+法・制度の変化→反論に耐える展望
一本目技術の変化。年表の上の段。「つながる → 持ち歩く → 集まる → 作る」のどこにいて、次はどこへ行くか
二本目法や制度の変化。年表の下の段。その技術が広まったとき、決まりは追いついているか。追いつく前に誰が困るか
置き忘れやすいものその社会で使えない人・取り残される人。第3回で見た「失われたもの」と同じ視点
教師用メモ

目標 02。二本目が入っていれば評価規準の A。板書に「技術+決まり」と残し、次の提案カードで確かめさせる。

SECTION 03

提案カードを作る

班で 1 枚。次回、これを持って発表し、反論を受ける

4 人の班が 1 枚の大きなカードを囲み、5 つの欄に順番に書き込んでいる
体験 03

5 つの欄を埋めて、班で 1 枚出す

5 つの欄すべてを書いてから「提出する」を押す。押すのは班で 1 人。書きかけはこの端末に残るので、途中で閉じても消えない。右に並んだ他の班のカードの下に出るボタンは、次回の発表を聞いてから押すもの。今日は押さない

領域 | 選んだ場所
根拠 | 年表にある、30 年で変わったこと
10 年後 | その向きが続くとどうなるか
人の役割 | その社会で人が担うこと
ルール | 必要になる決まりかマナー

提出された順に右へ並ぶ。カードの下の数字は次回の相互評価で増える。今日は 0 のままでよい

班の提案
教師用メモ

進め方(8分) 班で 6 分。5 つの欄が埋まった班から提出。提出できなかった班は、次回の冒頭 3 分で出させる。

見て回るところ 「根拠」に年表の行が入っているか。「人の役割」が「気をつける」で終わっていないか。誰が、何をするかまで書けているか。「ルール」が禁止だけになっていないか(第2回の「条件つきで使える形」を思い出させる)。

この提案が単元末の評価課題そのもの。次回、発表して反論を受け、改訂版を出す。次回も同じ教室コードを使うことをここで生徒に伝える。授業後に「回答を保存」で CSV を取っておく。

まとめ 03

提案は、反論されて強くなる

今日できたこと領域を決め、年表から根拠を取り、10 年後を書き、人の役割とルールを一つずつ提案した
次回すること班ごとに発表し、ほかの班から質問と反論を受ける。受けた反論に答え、提案を直して出し直す
次回までに考えておくこと自分の提案に、いちばん出そうな反論は何か。それに何と答えるか

反論を取り入れて直せた提案が、いちばん強い。直すのは負けではない

教師用メモ

目標 03。次回の相互評価の観点(根拠が年表にある・人の役割がはっきりしている・ルールが具体的)をここで予告しておくと、班が自分で見直す。

今日のまとめ

3つの目標を、自分の言葉で確かめる

01
領域を絞る 広い話ではなく一つの場所で考える。展望は願望でも予言でもなく、根拠があって反論できるもの
02
二本の根拠 技術の変化と、法・制度の変化。取り残される人の視点も入れる
03
提案の形 領域・根拠・10 年後・人の役割・ルールの 5 つ。班で 1 枚
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る。正直に選ぶほど、次回の授業が自分に合う

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01領域を選び、その領域が 30 年でどう変わったかを年表から取り出せる
02変化の向きから 10 年後を展望し、根拠を示せる
03人が担う役割と必要になるルールを、一つずつ提案できる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

自分の提案に、いちばん出そうな反論

一文でよい。自分の班の提案に、ほかの班から出そうな反論を一つ書く。次回、実際に出たかどうかを確かめる

出そうな反論
教師用メモ

3 分。次回予告は口頭で: 「次は発表と相互評価。反論に答えて、提案を直して出し直す。教室コードは今日と同じものを使う」。