誰と誰の間で、どの形で伝えるか。同じ中身でも、この二つが変われば届くものが変わる
50分準備(授業前) 教室コードを新しく決め、板書して残す(この単元は第12回まで同じ流れで使う)。生徒は端末を開くだけでよい。印刷物は不要。
投影 「投影」を押して 1 枚ずつ送る。教師の端末では「教師」も押す(生徒の入力欄が消え、集まった回答だけが大きく出る)。生徒は自分の端末で「縦読み」でもよい。
時間配分 単元の入口・目標 6分 / 節1 受け取る側から見る 15分 / 節2 形と特性を重ねる 20分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 9分
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (2) ア(ア)。多様なコミュニケーションの形態とメディアの特性を理解する。設計指針 G1L3、G2L4。単元設計は 単元設計のページ)
情報Ⅰ (2) で「同期/非同期、1対1/1対多」は済んでいる。ここは作る側に回る前提として、形態の上にメディアの特性を重ねる回。軸の説明に時間を使いすぎない。
情報Ⅰ では「相手に伝わる形を考える」ところまでだった。ここからは実際に作って、外に出して、返ってきた評価で直す。一人ではなく班で、分担して
自分たちの作ったものは、受け取った人に何をさせたのか
2 分。単元末の課題(決めた相手に、決めた行動をしてもらうためのコンテンツを班で作り、発信して直す)をここで予告する。班(3〜4 人)は第2回で作るので、今日は個人でよい。
本質的な問い「同じ内容でも、誰が、どの形で、どこへ出すかで、届くものは変わる」を板書して単元中ずっと残す。
この一週間に届いたもの
対応表を自分で作る
社会の中での役割まで
この一週間、あなたに届いたものは、どの形で来たか

この一週間で自分に届いた知らせを一つ選ぶ(貼り紙、放送、動画、写真、短い文、なんでもよい)。それがその形だったから伝わったことを書く。逆に「文字だけだったら落ちていたこと」と考えてもよい
全員の「形 → 伝わったもの」が右に並ぶ。同じ形が別の理由で挙がっているものを 2 つ並べて読む
進め方(10分) 一人で 4 分書く。集まったら 4 つ読み上げ、「今のは、文字・音声・静止画・動画のどれだったか」を全員に聞き返す。ここでメディアの名前が出そろう。
想定回答 貼り紙/通るたび目に入る ・ 校内放送/作業しながら聞けた ・ 写真/言葉より早く場所が分かった ・ 動画/やり方が真似できた ・ 短い文/あとから読み返せた。
拾いたい発言 「動画は分かるけど時間を取られる」「文字は残るが読まれない」。これが次のまとめの「受け手が使う時間」「残り方」になる。目標 02 の入口。
| メディア | 得意 | 苦手 | 受け手が使う時間 / 残り方 |
|---|---|---|---|
| 文字 | 正確に伝える。数や日時。読み返す。探す | 雰囲気。動き。読まれないと何も起きない | 速い(読み飛ばせる)/ 残って探せる |
| 音声 | 声の調子で気持ちが乗る。作業しながら受け取れる | 戻れない。うるさい所では届かない。探せない | 実時間(早送りしないと縮まない)/ 残るが探しにくい |
| 静止画 | 一目で分かる。形・場所・量。言葉が要らない | 順序や理由。写っていないことは伝わらない | とても速い(一瞬)/ 残る |
| 動画 | 動きと手順。時間の流れ。空気ごと伝わる | 作る手間が大きい。途中から見られない | 実時間で長い(見てもらえないことがある)/ 残る |
※ 「得意だから使う」ではなく、相手がその時間を使ってくれるかで選ぶ。それが次の節
目標 02。表を全部読み上げない。体験 01 で出た発言を、表のどのマスに当たるかで指しながら埋めていく。空いたマスだけ補う。
「受け手が使う時間」の列がこの単元の要。動画 30 秒は、相手の 30 秒を奪う。文字は 3 秒で読み飛ばせるが、そのぶん読まれない。第6回で 15 秒に切る理由になる。
誰と誰の間か、という軸と、どのメディアか、という軸は別のもの

場面を読んで、いちばん向くメディアの印を付ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付ける場面を押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。迷ったら、まとめ 01 の表の「受け手が使う時間」で決める
進め方(10分) 一人で 5 分。答え合わせのあと、割れたものを 2 つ取り上げる。「ごみの分け方」は文字でも書けるが、実物の見分けは写真が速い。「言いにくいお願い」は文字だと冷たく読まれる。どちらでもよい、が正解の場面があることを言う。
この画面が対応表になる 答え合わせ後の並びをそのまま板書に写し、縦に「1対1 / 1対多」「同じ時間にいるか」を足すと、形態とメディアを重ねた表になる。ここが今日の評価の場面。目標 01・02。
端末の中だけで動く。どこにも送らない。
| 1対多で一方向 | 新聞・放送・掲示。多くの人が同じものを受け取る。社会に共通の話題を作るが、送る側が選んだものしか流れない |
| 多対多 | ソーシャルメディア。誰でも出せるぶん、届く範囲が読めない。受け取った人がそのまま送り手になる |
| だから作る側は | 「誰に、どの形で、どこへ」を決めてから作る。決めずに作ると、上手に作っても届かない |
目標 01・03。設計指針 G2L4(マスメディア等の社会的役割と影響)はここ。「同じ出来事でも、新聞に載るかどうかは送る側が決めている」を一言。第10回で、自分たちが送る側に回ってからもう一度扱う。
次回は「受け手と目的の設定」。今日は形の話だったが、次回は相手が何をほしがっているかから始める。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。特に目標 02 が低ければ、第3回の組合せを決める場面で表を再掲する。
一文でよい。自分が受け取ったもので「別の形だったら、もっと届いたのに」と思うものを、理由と一緒に
4 分。3 つ読み上げる。「届かなかった」経験は、次回の「相手は何を求めているか」にそのままつながる。教室コードを板書して残す。
次回は班(3〜4 人)を作る。今日のふりかえりを、班を作る材料に使ってもよい。