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情報Ⅱ (2) コミュニケーションとコンテンツ | 第1回

伝え方の形とメディアの特性

誰と誰の間で、どの形で伝えるか。同じ中身でも、この二つが変われば届くものが変わる

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決め、板書して残す(この単元は第12回まで同じ流れで使う)。生徒は端末を開くだけでよい。印刷物は不要。

投影 「投影」を押して 1 枚ずつ送る。教師の端末では「教師」も押す(生徒の入力欄が消え、集まった回答だけが大きく出る)。生徒は自分の端末で「縦読み」でもよい。

時間配分 単元の入口・目標 6分 / 節1 受け取る側から見る 15分 / 節2 形と特性を重ねる 20分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 9分

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (2) ア(ア)。多様なコミュニケーションの形態とメディアの特性を理解する。設計指針 G1L3、G2L4。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 コミュニケーションの形態(誰と誰の間か、同じ時間にいるか)と、メディア(文字・音声・静止画・動画)の特性を、対応表の形で結びつけて説明している(体験02・まとめ02)
  • 思考・判断・表現 場面に対してメディアを選び、その理由を「受け手が使う時間」「作る手間」「残り方」などの特性の言葉で言えている(体験01・02)
  • 態度 受け取る側としての自分の経験を出し、社会の中でメディアが果たす役割にも目を向けようとしている(ふりかえり)

情報Ⅰ (2) で「同期/非同期、1対1/1対多」は済んでいる。ここは作る側に回る前提として、形態の上にメディアの特性を重ねる回。軸の説明に時間を使いすぎない。

単元 (2) の入口

この単元は、班でまとまったものを作り、外に出し、評価を受けて直す

相手と要求(第1〜3回)→素材を作る(第4〜6回)→設計して分担(第7・8回)→発信(第9・10回)→評価して直す(第11・12回)

情報Ⅰ では「相手に伝わる形を考える」ところまでだった。ここからは実際に作って、外に出して、返ってきた評価で直す。一人ではなく班で、分担して

自分たちの作ったものは、受け取った人に何をさせたのか

教師用メモ

2 分。単元末の課題(決めた相手に、決めた行動をしてもらうためのコンテンツを班で作り、発信して直す)をここで予告する。班(3〜4 人)は第2回で作るので、今日は個人でよい。

本質的な問い「同じ内容でも、誰が、どの形で、どこへ出すかで、届くものは変わる」を板書して単元中ずっと残す。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
コミュニケーションの形態とメディアが別の軸であることを、例で説明できる
02
文字・音声・静止画・動画の特性(得意・苦手・受け手が使う時間・残り方)を、場面に当てはめて言える
03
同じ中身でも、形態とメディアの組合せで届き方が変わることを、社会の例で言える
01 | 15分
受け取る側から見る

この一週間に届いたもの

02 | 20分
形と特性を重ねる

対応表を自分で作る

03 | 9分
まとめ

社会の中での役割まで

SECTION 01

受け取る側から見る

この一週間、あなたに届いたものは、どの形で来たか

机の上に、貼り紙・スマホの通知画面・イヤホン・短い動画の再生画面が並び、高校生がそれぞれを見比べている
体験 01

届いたものを一つ挙げ、その形でなければ落ちていたものを書く

この一週間で自分に届いた知らせを一つ選ぶ(貼り紙、放送、動画、写真、短い文、なんでもよい)。それがその形だったから伝わったことを書く。逆に「文字だけだったら落ちていたこと」と考えてもよい

届いたもの | 何が、どの形で
その形だから伝わったこと

全員の「形 → 伝わったもの」が右に並ぶ。同じ形が別の理由で挙がっているものを 2 つ並べて読む

みんなの 届いたもの → 伝わったこと
教師用メモ

進め方(10分) 一人で 4 分書く。集まったら 4 つ読み上げ、「今のは、文字・音声・静止画・動画のどれだったか」を全員に聞き返す。ここでメディアの名前が出そろう。

想定回答 貼り紙/通るたび目に入る ・ 校内放送/作業しながら聞けた ・ 写真/言葉より早く場所が分かった ・ 動画/やり方が真似できた ・ 短い文/あとから読み返せた。

拾いたい発言 「動画は分かるけど時間を取られる」「文字は残るが読まれない」。これが次のまとめの「受け手が使う時間」「残り方」になる。目標 02 の入口。

まとめ 01

メディアの特性 | 得意なこと、苦手なこと、受け手が使う時間

メディア得意苦手受け手が使う時間 / 残り方
文字正確に伝える。数や日時。読み返す。探す雰囲気。動き。読まれないと何も起きない速い(読み飛ばせる)/ 残って探せる
音声声の調子で気持ちが乗る。作業しながら受け取れる戻れない。うるさい所では届かない。探せない実時間(早送りしないと縮まない)/ 残るが探しにくい
静止画一目で分かる。形・場所・量。言葉が要らない順序や理由。写っていないことは伝わらないとても速い(一瞬)/ 残る
動画動きと手順。時間の流れ。空気ごと伝わる作る手間が大きい。途中から見られない実時間で長い(見てもらえないことがある)/ 残る

※ 「得意だから使う」ではなく、相手がその時間を使ってくれるかで選ぶ。それが次の節

教師用メモ

目標 02。表を全部読み上げない。体験 01 で出た発言を、表のどのマスに当たるかで指しながら埋めていく。空いたマスだけ補う。

「受け手が使う時間」の列がこの単元の要。動画 30 秒は、相手の 30 秒を奪う。文字は 3 秒で読み飛ばせるが、そのぶん読まれない。第6回で 15 秒に切る理由になる。

SECTION 02

形と特性を重ねる

誰と誰の間か、という軸と、どのメディアか、という軸は別のもの

縦軸に1対1と1対多、横軸に文字と音声と静止画と動画を取った大きな表を、高校生が並んでカードを貼りながら埋めている
体験 02

この場面には、どのメディアが向くか

場面を読んで、いちばん向くメディアの印を付ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付ける場面を押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。迷ったら、まとめ 01 の表の「受け手が使う時間」で決める

文字が向く音声が向く静止画が向く動画が向く
教師用メモ

進め方(10分) 一人で 5 分。答え合わせのあと、割れたものを 2 つ取り上げる。「ごみの分け方」は文字でも書けるが、実物の見分けは写真が速い。「言いにくいお願い」は文字だと冷たく読まれる。どちらでもよい、が正解の場面があることを言う。

この画面が対応表になる 答え合わせ後の並びをそのまま板書に写し、縦に「1対1 / 1対多」「同じ時間にいるか」を足すと、形態とメディアを重ねた表になる。ここが今日の評価の場面。目標 01・02。

端末の中だけで動く。どこにも送らない。

まとめ 02

形態とメディアは別の軸 | 掛け合わせで届き方が決まる

軸 1 | コミュニケーションの形態
誰と誰の間か(1対1 / 1対多 / 多対多)。同じ時間にいる必要があるか。返事が返る道があるか。情報Ⅰ で分けた軸
軸 2 | メディアの特性
文字・音声・静止画・動画。得意なこと、苦手なこと、受け手が使う時間、残り方。今日の表
掛け合わせ
同じ「文字」でも、1対1 の手紙と 1対多 の掲示では、書き方も届き方も違う。作るときは、必ず二つとも決める
1対多で一方向新聞・放送・掲示。多くの人が同じものを受け取る。社会に共通の話題を作るが、送る側が選んだものしか流れない
多対多ソーシャルメディア。誰でも出せるぶん、届く範囲が読めない。受け取った人がそのまま送り手になる
だから作る側は「誰に、どの形で、どこへ」を決めてから作る。決めずに作ると、上手に作っても届かない
教師用メモ

目標 01・03。設計指針 G2L4(マスメディア等の社会的役割と影響)はここ。「同じ出来事でも、新聞に載るかどうかは送る側が決めている」を一言。第10回で、自分たちが送る側に回ってからもう一度扱う。

次回は「受け手と目的の設定」。今日は形の話だったが、次回は相手が何をほしがっているかから始める。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の例で答える

01
二つの軸 形態(誰と誰の間か、同じ時間にいるか)と、メディア(文字・音声・静止画・動画)。別の軸なので、作るときは両方決める
02
特性 文字は正確で残るが読まれない。音声は作業中でも届くが戻れない。静止画は一瞬で分かるが理由が伝わらない。動画は動きが伝わるが相手の時間を奪う
03
掛け合わせ 同じ中身でも、1対1 か 1対多 か、どのメディアかで届くものが変わる。社会では、送る側が何を流すかを選んでいる
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01形態とメディアが別の軸であることを、例で説明できる
024 つのメディアの特性を、場面に当てはめて言える
03組合せで届き方が変わることを、社会の例で言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。特に目標 02 が低ければ、第3回の組合せを決める場面で表を再掲する。

ふりかえり

形を変えたら届いたはずのもの

一文でよい。自分が受け取ったもので「別の形だったら、もっと届いたのに」と思うものを、理由と一緒に

みんなの例
教師用メモ

4 分。3 つ読み上げる。「届かなかった」経験は、次回の「相手は何を求めているか」にそのままつながる。教室コードを板書して残す。

次回は班(3〜4 人)を作る。今日のふりかえりを、班を作る材料に使ってもよい。