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情報Ⅱ (2) コミュニケーションとコンテンツ | 第5回

音声の制作

声は戻せないので、読み返せない相手のために、何を言い、何を言わないかを決める

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決め、板書して残す。学校にある道具で行う。特定のソフトを指定しない。音が録れて、前後を切れるものであればよい。教室が一つだと録音が重なるので、廊下・空き教室・部屋の四隅など、離れて録れる場所を確保しておく。イヤホンがあると確認がしやすい(なければ小さい音で耳に近づけて聞かせる)。

投影 「投影」を押して 1 枚ずつ送る。教師の端末では「教師」も押す。録音の時間はまとめ 01 の枚(決めることの一覧)を出したままにする。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 話すことを決める 16分 / 節2 録って、切る 21分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (2) ア(イ)。音声などを組み合わせたコンテンツを制作する技能。設計指針 G2L1。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 30 秒以内で録音し、前後の無音・言い直し・雑音を切って整えている(作ったものは端末に残る)。ここが今日の重点
  • 思考・判断・表現 何を言い、何を言わないかを、聞く場面(作業中か、静かな所か)から決めている(体験01・02)
  • 態度 人に一度だけ聞いてもらい、聞き取りにくかった所の指摘を受けて直そうとしている(体験03・ふりかえり)

ファイルは集めない。教室に集まるのは「作ったものの説明の一文」と「選んだ理由」だけ。音そのものは各自の端末に残す。

声の良し悪しで評価しない。恥ずかしがる生徒には、班の中で一人が録り、他の人が原稿と確認を担当する分担でもよいと伝える。

前回のまとめ

文字は読み返せる | 声は、聞き逃したら戻れない

文字 | 残る・探せる・読み飛ばせる→音声 | 実時間・戻れない・手がふさがっていても届く

前回は、範囲を決めて切り取ることを文字と静止画でやった。音声にも同じことがいる。ただし切るのは時間。相手の 30 秒を借りるつもりで作る

30 秒に、何を入れて、何を入れないか

教師用メモ

2 分。前回「まだ」が多かった目標を拾う。第1回の表の「音声は戻れない・探せない」をここで思い出させる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
30 秒に入れることを決め、一文を短く言い切る形に直せる
02
録った音から余計な音を切り、どこを切ったかを言える
03
人に一度だけ聞いてもらい、聞き取りにくい所を見つけて直せる
01 | 16分
話すことを決める

長い文を、短く切る

02 | 21分
録って、切る

余計な音を落とす

03 | 8分
まとめ

聞き取りやすさを確かめる

SECTION 01

話すことを決める

書き言葉のまま読むと、聞いている人は迷子になる

長い一文に斜線を入れて三つの短い文に書き直している紙と、それを声に出して読んでいる高校生
体験 01

決める、直す、一つ出す | 30 秒の話す言葉

決める | 4分
入れることを三つまでに絞る。最初の一言(誰に向けた話か)/ 外せない要求への答え/ してほしい行動。この三つ以外は入れない
直す | 5分
紙か端末に話す言葉を書く。一文 20〜25 字で言い切る。「〜ですが、〜ので、〜ということで」とつながる文は、そこで切って二文にする。声に出して読み、息が続かない所で切る
出す | 3分
下の欄に、話すことの説明を一文と、短くするために切った言葉を書いて送る
話すことの説明 | 一文で
短くするために切った言葉

全員の「説明 → 切った言葉」が右に並ぶ。切った言葉が具体的なものを 3 つ読み上げる

みんなの 説明 → 切った言葉
教師用メモ

進め方(12分) 決める 4 分 → 直す 5 分(必ず声に出させる。黙って書くと長い文のままになる)→ 出す 3 分。

長い文の切り方を一度だけ実演する 「見学は 5 月 10 日の放課後に体育館で行いますが、初めての人だけの回なので道具は要りません」→「見学は 5 月 10 日、放課後です。場所は体育館。初めての人だけの回なので、道具は要りません」。文の数が増えても、聞くほうは楽になる。

想定回答 部の歴史を切った ・ 「よろしくお願いします」を切った(時間を食う) ・ 部員の人数を切った ・ 細かい持ち物を切った(当日でよい)。

目標 01。切った言葉が書けない生徒は、まだ絞れていない。「三つだけです」と戻す。

まとめ 01

話す言葉で決めること | 長さ・一文・間・最初と最後

長さ30 秒まで。相手の 30 秒を借りている。長い音声は、途中で止められて何も残らない
一文20〜25 字で言い切る。つないだ文は、聞き手が前半を忘れる。読み返せないのが音声
間文と文の間に一拍おく。詰めて読むと、区切りが分からず全部が一続きに聞こえる
最初の一言誰に向けた話かを最初に言う。自分に関係がないと思われたら、その先は聞かれない
最後の一言してほしい行動を一つだけ。「では、5 月 10 日、体育館に来てください」。ここが抜けると、聞いても何も起きない

※ 文字なら読み飛ばして探せる。音声は探せない。だから順番が全部

教師用メモ

目標 01。第1回の表の「音声は戻れない・探せない」と、第3回の「動かせる」の役割を、ここで結ぶ。

速さの指定はしない。数字で決めるのは長さと一文の字数の二つでよい。

SECTION 02

録って、切る

録った音のうち、聞かせるのは半分もない

廊下の隅で端末に向かって静かに話している高校生と、そばで耳をふさいで待っている班の仲間
体験 02

決める、録る、切る

決める | 2分
録る場所(人の声と足音が少ない所)/ 口との距離(こぶし一つぶん。近すぎると息の音が入る)/ 切る音(録り始めと録り終わりの無音、言い直し、咳、紙をめくる音)
録る | 8分
一度で決めようとしない。2〜3 回録って、いちばんよいものを選ぶ。言い間違えたら止めずに、一拍おいてその文から言い直す(あとで切れる)
切る | 6分
前後の無音と、言い直しの失敗した部分を落とす。音の大きさが小さすぎるときは上げる。作ったものは自分の端末に残す
CUT録り始めの無音
KEEP最初の一言
CUT言い直し
KEEP要求への答え
CUT咳・紙の音
KEEPしてほしい行動
CUT録り終わりの無音
録った音の説明 | 一文で
切った音と、その理由

全員の「説明 → 切った音」が右に並ぶ。何秒になったかを比べる

みんなの 説明 → 切った音
教師用メモ

進め方(15分) 決める 2 分 → 録る 8 分(散らばらせる。戻る時刻を先に言う)→ 切る 6 分のうち 3 分で下の欄に出す。時間が押したら「切る」を短くし、前後の無音を落とすところまでで止める。

道具の指定はしない。音が録れて前後が切れるものであればよい。切れない道具しかない場合は、録り直して整えることで代える(切る判断は同じ)。

机間指導で聞くこと 「何回録りましたか」「どこを切りましたか」。一度で終えた生徒には、もう一度録らせる。二回目のほうがほぼ必ずよくなる。

目標 02。上の帯の図は、切る所と残す所の見取り図。投影したまま作業させてよい。

体験 03

一度だけ聞いてもらい、聞き取りにくかった所を知る

隣の人に一度だけ聞いてもらう(二度は聞かせない。相手も一度しか聞かないから)。聞いた人が「聞き取りにくかった所」を一つ言う。言われたものを下から選ぶ

クラスで多かった、聞き取りにくさ
教師用メモ

進め方(6分) 二人一組で交代に聞く 4 分 → 選ぶ 1 分 → 分布を見て 1 分話す。一度しか聞かせないのが要。二度聞けば分かるものは、本番では伝わらない。

分布の読み方 「一文が長い」「間がない」が多ければ、作る前の言葉の決め方に戻す。「周りの音」が多ければ、録る場所の問題。技能の問題か判断の問題かを分けて返す。

言われた所は、今日のうちに直せるなら直す。直せなければ、ふりかえりに書いて第8回に持ち越す。目標 03、今日の評価の場面。

まとめ 02

録音で決めること | 場所・距離・回数・切る音

場所人の声と足音が少ない所。声を大きくするより、周りを静かにするほうが効く
距離口からこぶし一つぶん。近すぎると息の音、遠すぎると部屋の反響が入る
回数2〜3 回録って選ぶ。一度で決めない。言い間違えたら止めずに、その文から言い直す
切る音録り始めと録り終わりの無音、言い直しの失敗、咳、紙の音。切ると、残った言葉が届きやすくなる
確かめ方人に一度だけ聞いてもらう。自分の声は自分では正しく聞こえない。指摘は一つでよい
教師用メモ

目標 02・03。「切ると届く」は、文字の「外すものを決める」、動画の「15 秒に収める」と同じ考え方。三回とも同じ言い方で通す。

次回は動画。撮る場所と、写ってよい人の確認が要ることを予告する。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の録った音で答える

01
話す言葉 30 秒まで、一文 20〜25 字で言い切る。最初に誰に向けた話かを言い、最後にしてほしい行動を一つ言う
02
録って切る 静かな場所で、こぶし一つの距離で、2〜3 回録って選ぶ。前後の無音・言い直し・雑音を切る
03
確かめる 人に一度だけ聞いてもらう。二度聞けば分かるものは、本番では伝わらない
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
0130 秒に入れることを決め、一文を短く言い切れる
02余計な音を切り、どこを切ったか言える
03人に聞いてもらい、直す所を見つけられる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。目標 02 に「まだ」が多い場合、道具で切れなかったのか、切る所が分からなかったのかを、次回の冒頭で聞き分ける。

ふりかえり

聞いてもらって分かったこと

一文でよい。人に聞いてもらって言われたことと、それをどう直すかを書く

言われたことと、直し方
教師用メモ

4 分。3 つ読み上げる。「言われて直す」は第11・12 回でも同じことをする。指摘を受け入れて直したことを、態度の評価として見る。

次回は「動画の制作」。学校にある道具で行う。特定のソフトを指定しない。15 秒に収める。撮る場所と、写ってよい人の確認を事前に伝える。