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情報Ⅱ (2) コミュニケーションとコンテンツ | 第9回

公開先と公開の方法

手段で届き方は変わり、出す範囲は自分たちで決められる

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決め、板書して残す。学校にある道具で行う。特定のソフトを指定しない。校外に出す場合の校内の手続き(誰の確認が要るか、いつまでに出すか)を事前に確かめ、この時間に生徒へ伝えられるようにしておく。人が写っているもの・他人の作ったものを含む場合の扱いも、あらかじめ整理しておく。

投影 「投影」を押して 1 枚ずつ送る。教師の端末では「教師」も押す。班の相談中は、まとめ 01 の表を出したままにする。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 手段を比べる 14分 / 節2 出す範囲を決める 23分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (2) ア(ウ)「コンテンツを発信する方法」、イ(ウ)。学習活動の「必要に応じて発信の範囲を限定する」。設計指針 H4L3、G1L3。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 発信の手段ごとの届き方(誰まで届くか、どれだけ残るか、取り消せるか)を説明できている
  • 思考・判断・表現 相手に届く手段を理由をつけて選び、出す範囲を限定した理由を言えている。ここが今日の重点
  • 態度 校外に出すかどうかを、思いつきでなく相手と内容から決めようとしている

「広く出すほどよい」ではないと最初に言う。相手に届き、かつ取り消せる範囲に収めるのが、この回の判断である。

前回のまとめ

作るものは形になった | では、どこに置くのか

設計した→分担して作った→出す先と、出す範囲を決める

よくできたものでも、相手のいない所に置けば、誰にも届かない。逆に、広い所に置けば届くとも限らない。手段ごとに、届く人・残る時間・取り消せるかどうかが違う

出したものを、あとで取り消せるのはどれか

教師用メモ

2 分。第1回の表の「受け手が使う時間」を思い出させる。今回はそこに「届く範囲」「残る時間」「取り消せるか」の三つを足す。

前回の分担で遅れが出ている班には、手当てを使うよう促す。今日は出す先を決める回なので、作りかけでも進められる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
手段ごとの届き方(範囲・残る時間・取り消せるか)を説明できる
02
相手に届く手段を、理由をつけて選べる
03
校内に留めるか校外に出すかを決め、範囲を限定した理由を言える
01 | 14分
手段を比べる

届く範囲で分ける

02 | 23分
範囲を決める

理由をカードに書く

03 | 8分
まとめ

限定する意味

SECTION 01

手段を比べる

同じものでも、置く場所で届く人が変わる

廊下の掲示板に貼られた紙の案内と、その前でスマートフォンの画面を見ている高校生を並べて写した様子
体験 01

この手段は、どこまで届くか

9 つの出し方を、届く範囲で分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付ける出し方を押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。基準は「その場にいない人に、いつのまにか届くか」

決めた人にだけ届く校内の人に届く誰でも見られる
教師用メモ

進め方(9分) 一人で 4 分 → 答え合わせ → 3 分話す。迷いやすいのは「地域の掲示板」。校外の人が見るので、誰でも見られる側に入る。

ここで気づかせたいこと 紙に貼るものでも、写真に撮られれば誰でも見られる側に移る。「校内の掲示板だから校内だけ」は、正確には「一次的には校内だけ」である。答え合わせのあとで、この一言を必ず言う。

校内の道具の名前は出さない。学校によって使うものが違うので、「校内の人だけが入れる場所」という言い方で通す。

分け終わったら、自分の班が候補にしている手段が、どの列に入るかを確かめさせる。目標 01。

まとめ 01

手段は、届く範囲・残る時間・取り消せるかで比べる

NARROW決めた人にだけ
取り消しやすい
SCHOOL校内の人に
剥がせば止まる
OPEN誰でも見られる
写されたら戻せない
届く範囲相手が含まれているかで選ぶ。広ければよいというものではなく、相手が校内にしかいないなら、校外に出す理由はない
残る時間放送は流れて消える。掲示は剥がすまで残る。公開したものは、消しても誰かの手元に残ることがある
取り消せるか手渡し・掲示は取り消せる。公開したものは取り消したつもりでも、写されていれば戻らない
受け手が使う時間第1回の表と同じ。廊下で数秒の相手に、5 分かかるものを出しても読まれない
誰の許しが要るか人が写っているなら本人。他人の作ったものを使っているなら作った人。校外に出すなら、学校で決まっている手続き
教師用メモ

目標 01・02。ここで校外に出す場合の校内の手続きを具体的に伝える(誰の確認が要るか、いつまでに出すか)。学校によって違うので、事前に確かめておく。

「取り消せるか」は情報Ⅰ (1) の情報モラルとつながるが、今回は作って出す側の判断として扱う。知識の確認で終わらせない。

SECTION 02

出す範囲を決める

広げないという判断も、設計の一部である

机の上で紙の案を囲み、校内地図に指を置きながらどこまで配るかを相談している高校生たち
体験 02

班の決定を出す | 校内に留めるか、校外に出すか

班で相談して、1 つ選ぶ(班の代表の 1 台から送る)。相手がどこにいるか、人が写っているか、取り消せるかの三つで決める

クラスの決定
教師用メモ

進め方(8分) 班で相談 5 分 → 送る 1 分 → 分布を見て 2 分話す。相談の観点を板書する。(1) 相手はどこにいるか (2) 人や個人が分かるものが入っているか (3) あとで取り消せるか。

「校外に出すほうが偉い」という空気を作らない。相手が校内にしかいない班が校内に留めるのは、正しい判断である。分布を見せたあと、この点を明言する。

「一部だけ校外にも」の使い方 人が写った部分を外して、文字と図だけを校外に出す、という形。範囲を限定するとは、全部か何もかではなく、部分を選ぶことだと示せる。

「まだ決められない」が多ければ、決められない理由を聞く。たいてい許しが取れていないか、手続きが分かっていない。目標 03。

体験 03

発信先と範囲を、カードに書く

第2回から続けている班のカードに、発信先と範囲、限定した理由を書き足して出し直す。同じ教室コードを入れると、前のカードが右に並ぶ

相手 | 前のカードから、直っていれば直す
してほしい行動
出す手段 | どこに、どの形で置くか
出す範囲 | どこまで届かせるか
範囲を限定した理由
要る許し | 誰に確かめるか

前のカードの下に、発信の版が並ぶ。他の班のカードに、下の 4 つのうち当てはまるものを 1 つ押して返す

班のカード | これまでの版と、発信の版
教師用メモ

進め方(14分) 手段と範囲を書く 6 分 → 提出 3 分 → 他の班のカードを読んで印を返す 5 分。提出は班で 1 枚。

理由が「その方が広まるから」で止まる班へ 「その広まった先に、相手はいますか」と返す。相手がいない広がりは、届いたことにならない。

許しの欄を空にしない 人が写っている、他人の作ったものを使っている、場所を借りる、のどれかは必ずある。空の班には、素材を一つずつ指して確かめさせる。

次回への橋 次回は「出したら何が起きるか」を予想する。今日決めた手段と範囲が、そのまま予想の前提になる。目標 02・03、今日の評価の場面。

まとめ 02

範囲を限定するとは、届く相手を選ぶこと

相手で限定する
相手が校内にしかいないなら、校内で足りる。広く出すのは、相手が広い所にいるときだけ
中身で限定する
人が写った部分だけ外して、残りを広く出す。全部か何もか、ではなく部分を選ぶ
期間で限定する
見学の日が過ぎたら剥がす。出しっぱなしにしない。いつ下ろすかも、出す前に決めておく
限定する理由になるもの相手がそこにいない / 人や個人が分かるものが入っている / 取り消せない場所である / 期間が過ぎれば意味がなくなる
限定の記録を残す「なぜここまでにしたか」をカードに書いた。第12回で範囲を広げるかどうかを決めるとき、この記録から考え直せる

出す先と範囲は決まった。次は、出したあとに何が起きるかを、受け取る側に立って予想する

教師用メモ

指導要領の学習活動「必要に応じて発信の範囲を限定する」を、生徒の手で判断させたのが今日である。限定は消極的な選択ではなく、届ける相手を選ぶ設計であると言い切る。

次回は「公開後の受け取られ方」。受け手役になって、意図と違う受け取り方を出し合う。今日の手段と範囲を控えておくよう伝える。

今日のまとめ

3つの目標に、班の決めた出し方で答える

01
届き方 手段は、届く範囲・残る時間・取り消せるかで比べる。紙でも、写真に撮られれば誰でも見られる側に移る
02
選ぶ 相手が含まれている手段を選ぶ。広ければよいというものではない。相手が校内にしかいないなら、校内で足りる
03
限定する 相手で・中身で・期間で。限定した理由を残すと、あとで広げるかどうかを考え直せる
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01手段ごとの届き方を説明できる
02相手に届く手段を、理由をつけて選べる
03範囲を限定した理由を言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。目標 03 に「まだ」が多いときは、限定を「やってはいけないことを避ける」としか捉えていない。次回の冒頭で「相手を選ぶ設計」として言い直す。

ふりかえり

広げないと決めたこと、その理由

一文でよい。出さない・広げないと決めた部分と、その理由を書く。限定しなかった班は、限定しないと決めた理由を書く

広げないと決めたこと
教師用メモ

4 分。3 つ読み上げる。理由が「怒られるから」で止まっているものは、「その先で困るのは誰ですか」と返して、受け取る人の話に戻す。

次回は「公開後の受け取られ方」。今日決めた手段と範囲を控えているか確認する。教室コードを控えたか確認する。