受け手の側に立って、意図と違う受け取り方を先に見つける
50分 | 班で行う準備(授業前) 教室コードを新しく決め、板書して残す。学校にある道具で行う。特定のソフトを指定しない。各班が作りかけのものを見せられる状態にしてくること(画面でも紙でもよい)を前回に伝えておく。班と班を組ませる並びを決めておくと、入れ替えが速い。
投影 「投影」を押して 1 枚ずつ送る。教師の端末では「教師」も押す。受け手役の間は、体験01 の枚を出したままにする。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 受け手になる 17分 / 節2 表現の強さを見る 20分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (2) イ(ウ)、内容の取扱い (2)「発信者、受信者双方の視点からコンテンツを評価する活動」。設計指針 H2L3(情報操作・印象操作を認識できる。高必)、H5L2、G2L4。単元設計は 単元設計のページ)
受け手役は「感想」を言わない。言うのは「こう受け取れる」という受け取り方だけである、と最初に約束する。
第4〜6回で、一度だけ見せて聞く場面をつくった。そこでも作る側の意図と、受け取った側の理解はずれた。今日はそのずれを、出す前にまとめて見つける
自分たちのものは、どう受け取られる可能性があるか
2 分。第5回・第6回の「一度だけ見せて聞く」を思い出させる。あのときは一人の受け手だったが、実際に出すと相手は選べない。
今日は直す時間まではとらない。見つけて、直す所を決めるまで。直すのは第11回の評価のあと、第12回で行う。
受け取り方を出し合う
効果と影響を予想する
直す所を決める
作った人の説明を聞かずに、置いてあるものだけを見る

他の班のものを見て、「〇〇だと受け取る人がいそう」の形で短く書いて送る。よい・悪いは書かず、受け取れてしまう意味だけを書く。人の案の「便乗」を押すと、その続きとして書ける
進め方(15分) 班のものを机に出して並べる 2 分 → 全員が席を立って他の班のものを見て回り、受け手役として書く 8 分 → 席に戻って自分の班に付いた受け取り方を読む 3 分 → 2 分読み上げ。作り手は説明しない。置いてあるものだけで受け取ってもらう。
言い方の型を守らせる 「〇〇だと受け取る人がいそう」。「分かりにくい」「もっとこうしたら」は書かせない。それは第11回で基準を作ってから行う。
止まったときの手 「初めてこれを見た人は、次に何をすると思いますか」「書いていないことで、勝手に思い込みそうなことは何ですか」「この写真に写っていない人は、自分のことだと思えますか」。
想定回答 上手な人しか来られないと受け取る ・ 誰でも入れるのに部員募集だと思われる ・ 日時が二つあって、どちらか分からない ・ 費用がかかると思われる ・ 女子だけの活動だと受け取られる。
作り手が「そういう意味ではない」と言いたくなる場面が来る。その言いたさこそが、直すべき所であると言葉にする。目標 01。
| ずれが生まれる所 | 書いていないこと / 写真に写っている人の様子 / 言葉の強さ / 情報の置かれた順。書いてあることより、書いていないことでずれる |
| 「そういう意味ではない」 | 作り手がそう言いたくなったとき、そこが直す所である。出したあとに説明して回ることはできない |
| 全部は直せない | 受け取り方は無数にある。直すのは、してほしい行動をさせなくする受け取り方から。それ以外は記録に残す |
目標 01。内容の取扱い (2)「発信者、受信者双方の視点からコンテンツを評価する活動」の中心の枚。双方の視点は、努力すれば一致するものではないという点を落とさない。だから確かめる作業が要る。
「全部は直せない」を先に言っておくと、次の節で優先順位をつけられる。直せなかったものを記録に残す形は、第2回の「今回は捨てる」と同じである。
同じ事実でも、見せ方で受け取られ方は動く

9 つの見せ方を分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付ける見せ方を押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。基準は「受け取った人が、あとで事実を知ったときに裏切られたと思うか」
進め方(9分) 一人で 4 分 → 答え合わせ → 3 分話す。境目にあるものをわざと入れてある。迷ったものを言わせて、境目の理由を話し合うのがこの体験の目的である。
強調と行きすぎの境目 強調は、事実の中からどれを大きく見せるかを選ぶこと。行きすぎは、事実と違う印象を作ること、または不利な事実を見えなくすること。「書いてはあるが読めない」は、書いていないのと同じである。
作る側に回ってから扱う意味 設計指針 H2L3(印象操作の認識)は、ふつう受け手として学ぶ。しかしここまで自分たちが選んできた見せ方(切り取り・大きさ・順番)は、すべてこの表の道具である。自分たちも同じ道具を使ってきたと気づかせる。
第4回の「切り取る範囲」、第6回の「最初の 3 秒」、第7回の「導線」を指して、どれが強調でどれが行きすぎになりうるかを一つずつ確かめてもよい。目標 02。
全班の「効果 → 影響と直す所」が右に並ぶ。直す所まで書けているものを 3 つ読み上げる
進め方(9分) 班で相談 5 分 → 提出 2 分 → 読み上げ 2 分。提出は班で 1 枚でも、一人ずつでもよい。
効果は数で書かせる 「知ってもらう」ではなく「1 年生が 5 人来る」。数で書くと、第12回で確かめられる。
影響が出ないとき 体験01 で自分の班に付いた受け取り方を読み返させる。そこにすでに書いてある。
直す所は一つに絞る 全部直そうとすると時間内に終わらない。してほしい行動をさせなくする受け取り方から一つ選ばせる。目標 03、今日の評価の場面。
| 境目の見分け方 | 受け取った人があとで事実を知ったときに、裏切られたと思うか。思うなら行きすぎ。思わないなら強調 |
| 自分たちも使ってきた | 切り取る範囲(第4回)、最初の 3 秒(第6回)、置く順(第7回)は、どれも強調の道具である。道具そのものは悪くない。どこまで使うかを決めるのは作る側 |
| 予想を記録に残す | 効果は数で書いた。第12回で、実際に起きたことと比べる。予想と違ったところが、次に直す所になる |
受け取られ方は見えた。次は、よい・悪いを言うための基準を、自分たちで決める回に入る
設計指針 H2L3 の到達点はここ。印象操作を「他人がやる悪いこと」ではなく、自分の手にある道具の使いすぎとして捉え直す。この単元でしかできない扱い方である。
次回は「評価基準と相互評価」。今日出た受け取り方と、直す所を控えておくよう伝える。次回の基準づくりの材料になる。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。目標 02 に「まだ」が多いときは、境目の例をもう一つ出す。「よい所だけを写した写真」は、そこにある事実なら強調、作った場面なら行きすぎ、という区別で説明する。
一文でよい。受け手役の指摘のうち、説明したくなったものを一つ挙げ、それをどう直すかを書く
4 分。3 つ読み上げる。「説明したくなった所 = 直す所」が身についているかが、ここで見える。
次回は「評価基準と相互評価」。今日出た受け取り方を控えているか確認する。教室コードを控えたか確認する。