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情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス | 第1回

社会の中のデータサイエンス

予測はもう身のまわりで動いている。誰がどのデータから何のために使っているのかを見ていく

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a01)。「教師」を押して教師用の表示にする。体験 02 は端末の中だけで動くので、通信が不安定でも進む。体験 01 は教室コードで回答を集めるので、コードを板書しておく。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。生徒は自分の端末で同じページを開き、教室コードを入れる。図が出ない環境でも進む作りにしてある。

時間配分 この単元の位置・目標 6分 / 節1 予測は、もう動いている 14分 / 節2 大量のデータから、規則を見つける 20分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) ア(ア)。[解説]「多様かつ大量のデータの存在」「データ活用の有用性」「データサイエンスが社会に果たす役割」。[設計指針 第2版]D1L4「ビッグデータやデータマイニングの概要を知っている」(高選)。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 データサイエンスが社会で果たしている役割を、身のまわりの例で説明している(体験01)。大量のデータから規則を見つけるとはどういう作業かを、自分で数えた結果で説明している(体験02)
  • 思考・判断・表現 件数が多い組み合わせと、結びつきが強い組み合わせが別であることに気づき、どちらを使うかを述べている(体験02)
  • 態度 予測が当たる場面と当たらない場面を、自分の生活の中から探そうとしている(ふりかえり)

ふりかえりの枚の自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回の冒頭で拾い直す。

この単元で

数字が何を言えるか、の先へ

尺度欠損値・外れ値相関と因果→モデルを作って、評価して、直す

情報Ⅰ では、集めた数字が何を言えて、何を言えないかまでを扱った。この単元はそこから先で、データからモデルを作り、当たり方を指標で測り、外れたら直す。16 回のうち、今日がその入口になる

データは、未来を言い当てるのか

教師用メモ

問いに挙手(言い当てられる/言い当てられない/場合による)。ここで答えを出さない。単元の本質的な問いは「データで未来をどこまでなら言ってよくて、外れたときに何を直すのか」。第9・10回で戻ってくる。

情報Ⅰ (4) の内容は教え直さない。尺度・欠損値・外れ値・相関と因果は「知っているもの」として使う。忘れている生徒がいたら、第4〜6回でその場で確かめられる作りにしてある。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
身のまわりで何が予測されているかを、誰が・どのデータから、まで挙げられる
02
大量のデータから規則を見つけるとはどういう作業か、自分で数えて説明できる
03
件数が多いことと結びつきが強いことが別だと言える
01 | 14分
予測は、もう動いている

誰が、何のために

02 | 20分
規則を見つける

15 のかごを数える

SECTION 01

予測は、もう動いている

気づいていないだけで毎日いくつも通っている

動画アプリのおすすめ一覧と乗換案内の到着予想時刻を並べて見比べている高校生
体験 01

身のまわりで、何が予測されているか

今日ここに来るまでに通った「予測」を思い出して送る。「何を予測しているか / どのデータから」の形で短く書く。人の名前や、特定の店の名前は書かない

質より量当たり外れは問わない便乗する

思いついたら短く書いて「送る」を押す。人の書いたものの「便乗」を押すと、その続きとして書ける。「便乗をやめる」で自分の思いつきに戻る

0
全員の数
0
自分の数
0
便乗して生まれた数
出てきた予測
教師用メモ

進め方(12分) 3 分で個人。出が悪ければ「朝、家を出る前」「移動中」「買い物」「動画」「学校」と場面を区切って言う(3分)。並んだものを 3 つのまとまりに整理して読み上げる(6分)。

出てくるもの 到着時刻・遅延、天気、動画や商品のおすすめ、地図の混雑、入力の変換候補、迷惑メールの振り分け、店の発注量、電気の使用量。「どのデータから」まで書けているものを必ず 2 つ拾う。

押さえる どれも「誰かが、大量の記録から規則を見つけて、次を当てにいっている」。それがデータサイエンスの仕事の一つ。役割は 3 つに分けられる。①いま何が起きているかを見る ②なぜそうなったかを説明する ③次に何が起きるかを予測する。目標 01。

まとめ 01

データサイエンスがしている 3 つのこと

見るいま何が起きているかを、大量の記録から数えて示す。売れた数、来た人数、止まった時間
説明するなぜそうなったかを、ほかのデータと結びつけて示す。雨の日に売れた、朝の便が遅れた
予測する次に何が起きるかを示す。到着時刻、明日の来客数、この人が次に見るもの
大量とは人が目で見て数えきれない量。記録が自動でたまるので、量だけは毎日増える。量があるだけでは何も出ない

※ 大量のデータをまとめてビッグデータという。そこから規則を見つける作業をデータマイニングという。mining は「掘り出す」

教師用メモ

「量があるだけでは何も出ない」を強調して、節 2 へ渡す。次の節では、実際に 15 件のかごを数えて掘り出す。設計指針 D1L4。

SECTION 02

大量のデータから、規則を見つける

掘り出す作業を 15 件でやってみる

レジの記録を印刷した紙を机に広げ、同じ組み合わせの行に色ペンで印を付けている高校生2人
体験 02

15 のかごから、一緒に買われる組み合わせを探す

ある売店の 1 時間分、15 人分のかごの中身。まず下の予想を 1 つ選ぶ。次に商品のボタンを 2 つ押すと、両方が入っているかごに色が付き、右に 3 つの数が出る

—
両方入っていたかごの数
—
左の品が入っていたかごの数
—
そのうち右の品も入っていた割合

※ 割合=(両方入っていたかごの数)÷(左の品が入っていたかごの数)。左の品を買った人が、右の品もどれくらい買うか

商品のボタンを 2 つ押す。3 つ目を押すと、古いほうが外れる
予想 | いちばん強く結びついている組み合わせはどれか
クラスの予想
数えて分かったこと
教師用メモ

進め方(18分) 予想を選ばせる(2分)。4 つの組み合わせを全部数えさせる(8分)。結果を突き合わせる(8分)。

数の答え パンと牛乳=両方 5 件・パン 7 件・割合 71%。おにぎりとお茶=3 件・4 件・75%。弁当とからあげ=2 件・3 件・67%。バナナとヨーグルト=4 件・4 件・100%。

山場 「件数がいちばん多いのはパンと牛乳。でもバナナを買った人は 4 人とも全員ヨーグルトを買っている」。件数が多いことと、結びつきが強いことは別。棚を並べ替えるならどちらを使うか、を問う。件数が少なすぎる組み合わせは「たまたま」の可能性も残る(4 人では少ない)ことも言う。

ここが掘り出す作業 15 件なら手で数えられる。10 万件は数えられないので、機械に同じ数え方をさせる。それがデータマイニング。「どう数えるか」を決めるのは人。目標 02・03。

まとめ 02

数えるだけで、規則は出てくる

やったこと15 件の記録から、2 つの品が一緒に入っている回数を数えた。これがデータマイニングのいちばん簡単な形
件数両方入っていたかごの数。多いほど、その組み合わせは店でよく起きている
割合左の品を買った人のうち、右の品も買った割合。件数が少なくても割合は高いことがある
どちらを使うか目的による。よく起きることに合わせるなら件数、確実に効く組み合わせを探すなら割合。件数が少なすぎると、たまたまかもしれない

※ 人が目で数えられるのは数十件まで。数万件・数億件を同じやり方で数えるのが機械の仕事。何をどう数えるかを決めるのは人

教師用メモ

「たまたま」の話は第9回の評価指標につながる。ここでは「少ない件数の 100% を信じてよいか」を投げておくだけでよい。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
予測はもう動いている 到着時刻、おすすめ、発注量。どれも大量の記録から規則を見つけて次を当てにいっている
02
規則を見つける 15 のかごを数えたら組み合わせが出た。同じ数え方を機械が大量にやるのがデータマイニング
03
件数と割合は別 件数の 1 位はパンと牛乳、割合の 1 位はバナナとヨーグルト。どちらを使うかは目的で決める
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01身のまわりで何が予測されているかを、どのデータから、まで挙げられる
02大量のデータから規則を見つけるとはどういう作業か説明できる
03件数が多いことと結びつきが強いことは別だと言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

予測が当たらないのは、どんなときか

一文でよい。身のまわりの予測で「外れた」場面を 1 つ思い出して、なぜ外れたかを書く

みんなの外れた場面
教師用メモ

3 分。「今までの記録にない出来事だった」という答えを必ず拾う。過去のデータから作った規則は、過去にない出来事には弱い。この単元の本質的な問いにつながる。

次回は「データがもたらした生活の変化」。便利になった分、何を手放したかを扱う。