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情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス | 第2回

データがもたらした生活の変化

便利になった一方で、手放したものもある

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a02)。「教師」を押す。体験 01 は端末の中に残る書き込み、体験 02 は教室コードで集める。体験 01 の表はページの中にあるので、外につながらなくても進む。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 の表は縦に長いので、投影では表の中をスクロールして見せる。生徒は自分の端末で読む。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 同じ一日が、こう変わった 17分 / 節2 引き換えに手放したもの 18分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) ア(ア)。[解説 内容の取扱い (3)]「アの(ア)については、データサイエンスによる人の生活の変化についても扱う」。[設計指針 第2版]D3L3(データの活用が社会に与える影響)、H5L3(情報技術と社会の関わりを多面的に捉える)。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 生活のどこがデータで変わったかを、使われているデータの種類まで挙げている(体験01)
  • 思考・判断・表現 便利になったことと、引き換えに手放したことを一組で示している(体験02)
  • 態度 自分のデータをどこまで渡してよいかを、自分の言葉で線引きしようとしている(ふりかえり)

ふりかえりの自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回の冒頭で拾い直す。

前回のまとめ

数えるだけで、規則は出てきた

見る説明する予測する→件数と割合は別

15 のかごを数えたら、組み合わせが出た。同じ数え方を機械が大量にやると、店の棚が変わり、画面のおすすめが変わる。その結果、生活のほうが変わってきた

便利になった分、何かを手放していないか

教師用メモ

問いに挙手(手放している/手放していない/分からない)。ここでは答えを出さない。節 2 で自分の言葉にさせる。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
生活のどこが変わったかを、使われているデータまで挙げられる
02
便利になったことと引き換えに手放したことを、一組で言える
03
自分のデータをどこまで渡してよいかの線を、自分の言葉で引ける
01 | 17分
同じ一日が、こう変わった

10 の場面を読む

02 | 18分
引き換えに手放したもの

一組にして書く

SECTION 01

同じ一日が、こう変わった

道具そのものより、記録がたまるようになったことが大きい

紙の地図帳と時刻表を広げた机の横で、到着時刻が表示された画面を見ている高校生
体験 01

10 の場面で、何のデータが使われているか

同じ場面が、20 年ほどでどう変わったか。表を読んで、下の 5 行に 「今」の側で使われているデータを書く。書いたものはこの端末に残る(外へは送らない)

場面20 年ほど前今
音楽店で買って、順番どおりに聴く聴き終わると、次の曲が自動で選ばれる
道地図帳と時刻表を見て、自分で乗り継ぎを組む到着時刻が分単位で出て、遅れると経路が組み直される
買い物店に行って、棚を端から探す開いた瞬間に、自分向けの並びになっている
体調具合が悪くなってから測る腕の機器が、脈と歩数と睡眠を毎日記録している
天気明日の予報が「くもり時々雨」1 時間後の雨雲が、地図の上を動いて見える
復習全員が同じ問題集を、同じ順で解く間違えた問題に近いものだけが、もう一度出てくる
レジ値段を打ち込む。売れた数は閉店後に数える何が何時に売れたかが、その場でたまっていく
電気月末に検針の紙が 1 枚届く30 分ごとの使用量が、その日のうちに見える
連絡家の電話にかける。いるかどうかは分からない読んだかが分かり、返信の候補まで出てくる
農業経験と勘で、水をやる日を決める土の水分を測る機器が、やる日を知らせる
01
いちばん変わったと思う場面
02
2 つ目の場面
03
3 つ目の場面
04
表にない場面を 1 つ
05
10 の場面に共通すること
※ 「消す」を押すと、この 5 行が空になる。ほかの枚には影響しない
教師用メモ

進め方(15分) 表を黙読 3 分。5 行を書く 7 分。指名して 3 人読ませる 5 分。

05 の答え 3 つに集まる。①記録が自動でたまる(人が書かなくても残る) ②一人ひとりに合わせられる(全員同じではなくなった) ③先回りできる(起きる前に知らせる)。板書して残す。

言い直させる 「機械が賢くなった」で止まる生徒が多い。「何のデータがたまるようになったか」まで言わせる。位置、購入、視聴、脈、解答、使用量、水分。目標 01。

まとめ 01

変わったのは道具ではなく、記録のたまり方

自動でたまる人が書かなくても記録が残る。レジ、改札、機器、画面の操作。だから量が増え続ける
一人ひとりに全員同じだったものが、その人向けに変わる。おすすめ、問題、価格、経路
先回りする起きてから対応するのではなく、起きる前に知らせる。渋滞、在庫切れ、体調、故障
どこから来るか人が入力したものだけではない。機器が測ったもの、操作の記録が大半を占める

※ 機器が測って送る仕組みを IoT(もののインターネット)という。次回、データの出どころとして詳しく扱う

教師用メモ

「便利になった」で終わらせない。次の節で、同じ 3 つを裏返す。IoT は次回の中心なので、ここでは名前だけ。

SECTION 02

引き換えに手放したもの

便利さはただでは来ない

天秤の図を黒板に描き、片側に便利さ、もう片側に手放したものを書き込んでいる高校生
体験 02

便利になったこと | 引き換えに手放したこと

節 1 の 10 の場面から 1 つ選び、一組にして書く。左に便利になったこと、右にその代わりに手放したこと。人の名前や特定の会社名は書かない

便利になったこと
引き換えに手放したこと

全員の「便利 → 手放した」が右に並ぶ。同じ場面で違う答えが出たものを 2 組読み上げる

みんなの一組
教師用メモ

進め方(16分) 一人で 5 分。並んだものを教師が 4 つに分けながら読み上げる(7分)。分かれた組を 2 つ取り上げて、両方の言い分を言わせる(4分)。

出てくる 4 つの型 ①選ぶ機会(おすすめが強いほど、自分で探さなくなる。同じようなものばかり出る) ②記録が残る(どこで何をしたかが、自分の知らないところに残る) ③仕組みが見えない(なぜこの順に並ぶのか、本人には分からない) ④外れたときに理由が分からない(機械が決めたので、誰にも説明できない)。

注意 「手放したものは何もない」という答えも認める。ただし「では、この機能を止めたら困る人は誰か」と返す。便利さを受け取っているのは誰か、記録を渡しているのは誰かがずれる場合がある。

「両方書けた」ことを評価する。どちらか一方しか書けていない生徒には、選んだ場面をもう一度読ませる。目標 02。

まとめ 02

便利さの裏側は、4 つの形で出てくる

選ぶ機会合わせてくれるほど、自分で探さなくなる。似たものばかりが並ぶ。好みが狭まる
記録が残るいつ・どこで・何をしたかが、自分の見えない所に残る。あとから結びつけられる
仕組みが見えないなぜこの順に出たのか、本人には分からない。おかしいと思っても直せない
外れたときの説明予測が外れても、理由が誰にも言えないことがある。この単元では、そこを測って直すところまで行く

※ どれも「データを使うのをやめる」では解決しない。どこまで渡すか、何を確かめるかを、使う側が決めることになる

教師用メモ

4 つ目が、この単元の残り 14 回につながる。第9・10回で「測って直す」を実際にやる、と予告しておく。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
変わったのは記録のたまり方 自動でたまる・一人ひとりに合わせる・先回りする。位置、購入、視聴、脈、解答、使用量
02
一組で言う 便利になったことと、手放したこと。選ぶ機会・残る記録・見えない仕組み・説明できない結果
03
線は自分で引く 使うのをやめるかどうかではなく、どこまで渡すか、何を確かめるかを決める
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01生活のどこが変わったかを、使われているデータまで挙げられる
02便利になったことと手放したことを一組で言える
03自分のデータをどこまで渡してよいかの線を引ける
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

自分のデータは、どこまでなら渡してよいか

一文でよい。「〇〇なら渡す。△△なら渡さない」の形で書く

みんなの線引き
教師用メモ

3 分。「何に使うか分かるなら」「あとから消せるなら」「自分の名前と結びつかないなら」の 3 つが出やすい。全部読み上げず、違う型を 3 つ選ぶ。

次回は「データの収集」。ここまでは人の生活の話。次回から、自分たちで集める側に回る。集める前に決めることを扱う。