便利になった一方で、手放したものもある
50分準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a02)。「教師」を押す。体験 01 は端末の中に残る書き込み、体験 02 は教室コードで集める。体験 01 の表はページの中にあるので、外につながらなくても進む。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 の表は縦に長いので、投影では表の中をスクロールして見せる。生徒は自分の端末で読む。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 同じ一日が、こう変わった 17分 / 節2 引き換えに手放したもの 18分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) ア(ア)。[解説 内容の取扱い (3)]「アの(ア)については、データサイエンスによる人の生活の変化についても扱う」。[設計指針 第2版]D3L3(データの活用が社会に与える影響)、H5L3(情報技術と社会の関わりを多面的に捉える)。単元設計は 単元設計のページ)
ふりかえりの自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を次回の冒頭で拾い直す。
15 のかごを数えたら、組み合わせが出た。同じ数え方を機械が大量にやると、店の棚が変わり、画面のおすすめが変わる。その結果、生活のほうが変わってきた
便利になった分、何かを手放していないか
問いに挙手(手放している/手放していない/分からない)。ここでは答えを出さない。節 2 で自分の言葉にさせる。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。
10 の場面を読む
一組にして書く
道具そのものより、記録がたまるようになったことが大きい

同じ場面が、20 年ほどでどう変わったか。表を読んで、下の 5 行に 「今」の側で使われているデータを書く。書いたものはこの端末に残る(外へは送らない)
| 場面 | 20 年ほど前 | 今 |
|---|---|---|
| 音楽 | 店で買って、順番どおりに聴く | 聴き終わると、次の曲が自動で選ばれる |
| 道 | 地図帳と時刻表を見て、自分で乗り継ぎを組む | 到着時刻が分単位で出て、遅れると経路が組み直される |
| 買い物 | 店に行って、棚を端から探す | 開いた瞬間に、自分向けの並びになっている |
| 体調 | 具合が悪くなってから測る | 腕の機器が、脈と歩数と睡眠を毎日記録している |
| 天気 | 明日の予報が「くもり時々雨」 | 1 時間後の雨雲が、地図の上を動いて見える |
| 復習 | 全員が同じ問題集を、同じ順で解く | 間違えた問題に近いものだけが、もう一度出てくる |
| レジ | 値段を打ち込む。売れた数は閉店後に数える | 何が何時に売れたかが、その場でたまっていく |
| 電気 | 月末に検針の紙が 1 枚届く | 30 分ごとの使用量が、その日のうちに見える |
| 連絡 | 家の電話にかける。いるかどうかは分からない | 読んだかが分かり、返信の候補まで出てくる |
| 農業 | 経験と勘で、水をやる日を決める | 土の水分を測る機器が、やる日を知らせる |
進め方(15分) 表を黙読 3 分。5 行を書く 7 分。指名して 3 人読ませる 5 分。
05 の答え 3 つに集まる。①記録が自動でたまる(人が書かなくても残る) ②一人ひとりに合わせられる(全員同じではなくなった) ③先回りできる(起きる前に知らせる)。板書して残す。
言い直させる 「機械が賢くなった」で止まる生徒が多い。「何のデータがたまるようになったか」まで言わせる。位置、購入、視聴、脈、解答、使用量、水分。目標 01。
| 自動でたまる | 人が書かなくても記録が残る。レジ、改札、機器、画面の操作。だから量が増え続ける |
| 一人ひとりに | 全員同じだったものが、その人向けに変わる。おすすめ、問題、価格、経路 |
| 先回りする | 起きてから対応するのではなく、起きる前に知らせる。渋滞、在庫切れ、体調、故障 |
| どこから来るか | 人が入力したものだけではない。機器が測ったもの、操作の記録が大半を占める |
※ 機器が測って送る仕組みを IoT(もののインターネット)という。次回、データの出どころとして詳しく扱う
「便利になった」で終わらせない。次の節で、同じ 3 つを裏返す。IoT は次回の中心なので、ここでは名前だけ。
便利さはただでは来ない

節 1 の 10 の場面から 1 つ選び、一組にして書く。左に便利になったこと、右にその代わりに手放したこと。人の名前や特定の会社名は書かない
全員の「便利 → 手放した」が右に並ぶ。同じ場面で違う答えが出たものを 2 組読み上げる
進め方(16分) 一人で 5 分。並んだものを教師が 4 つに分けながら読み上げる(7分)。分かれた組を 2 つ取り上げて、両方の言い分を言わせる(4分)。
出てくる 4 つの型 ①選ぶ機会(おすすめが強いほど、自分で探さなくなる。同じようなものばかり出る) ②記録が残る(どこで何をしたかが、自分の知らないところに残る) ③仕組みが見えない(なぜこの順に並ぶのか、本人には分からない) ④外れたときに理由が分からない(機械が決めたので、誰にも説明できない)。
注意 「手放したものは何もない」という答えも認める。ただし「では、この機能を止めたら困る人は誰か」と返す。便利さを受け取っているのは誰か、記録を渡しているのは誰かがずれる場合がある。
「両方書けた」ことを評価する。どちらか一方しか書けていない生徒には、選んだ場面をもう一度読ませる。目標 02。
| 選ぶ機会 | 合わせてくれるほど、自分で探さなくなる。似たものばかりが並ぶ。好みが狭まる |
| 記録が残る | いつ・どこで・何をしたかが、自分の見えない所に残る。あとから結びつけられる |
| 仕組みが見えない | なぜこの順に出たのか、本人には分からない。おかしいと思っても直せない |
| 外れたときの説明 | 予測が外れても、理由が誰にも言えないことがある。この単元では、そこを測って直すところまで行く |
※ どれも「データを使うのをやめる」では解決しない。どこまで渡すか、何を確かめるかを、使う側が決めることになる
4 つ目が、この単元の残り 14 回につながる。第9・10回で「測って直す」を実際にやる、と予告しておく。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。「〇〇なら渡す。△△なら渡さない」の形で書く
3 分。「何に使うか分かるなら」「あとから消せるなら」「自分の名前と結びつかないなら」の 3 つが出やすい。全部読み上げず、違う型を 3 つ選ぶ。
次回は「データの収集」。ここまでは人の生活の話。次回から、自分たちで集める側に回る。集める前に決めることを扱う。