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情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス | 第5回

質的データと量的データ

先に決めるのは、どんな形で答えが欲しいか

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a05)。「教師」を押す。体験 01 は端末の中で完結、体験 02 は教室コードで集める。データの表はページの中にあるので、外につながらなくても進む。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 02 の表は投影に出したまま、生徒は自分の端末で選ぶ形にすると進みやすい。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 求めている形で決まる 16分 / 節2 データの種類で、使える手法が変わる 19分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分

数学科との重なり 数学Ⅰ「データの分析」の代表値・散らばり・相関係数と重なる。計算の仕方と式は数学に任せ、ここでは「目的に合う手法を選ぶ」「選んだ理由を言う」に時間を使う。相関係数の求め方をここで教え直さない。

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3)。[解説]が (3) の学習活動として挙げる「質的データや量的データについて、結果として求めている形式に応じて適切な分析手法を選択する」。[設計指針 第2版]D3L2(目的に応じたデータの選択と分析)。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 質的データと量的データを見分け、それぞれで使える手法が違うことを説明している(体験01・02)
  • 思考・判断・表現 求めている形から手法を選び、選んだ理由を述べている(体験02)
  • 態度 手法を先に決めず、目的から選ぼうとしている(ふりかえり)
前回のまとめ

数えられる形に直して、判断を残した

表記ゆれ型欠けた値→手順表が端末に残った

形が整った。ここから分析に入る。ところが「とりあえず平均を出す」「とりあえず散布図を描く」が起きやすい。手法は、目的から選ぶ

「部活」の平均は、出せるか

教師用メモ

問いに挙手(出せる/出せない)。出せない。部活は名前で、足し算ができない。数えて割合にする。情報Ⅰ の尺度の話だが、ここでは手法の選び方として使う。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
求めている形(割合・関係・変化・分ける)から、手法を選べる
02
質的データと量的データで、使える手法が違うことを説明できる
03
選んだ手法の理由を、ほかの人に伝わる形で言える
01 | 16分
求めている形で決まる

12 の問いを分ける

02 | 19分
種類で、手法が変わる

14 行の表で選ぶ

SECTION 01

求めている形で決まる

どんな形の答えが欲しいかを、手法より先に決める

帯グラフ・散布図・折れ線・グループ分けの4枚の紙を机に並べ、問いの札をその上に置いている高校生
体験 01

12 の問いを、求めている形で分ける

下の 12 の問いを、どんな形で答えが欲しいかで 4 つに分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。合っていないものは枠が濃くなる

割合 = 何割か、内訳はどうか関係 = 一方が増えると他方は変化 = 時間とともにどう動いたか分ける = 似たものをまとめる
教師用メモ

進め方(14分) 1 つ目を全員で(2分)。個人 6 分。答え合わせと確認 6 分。

迷うもの 「気温が高い日ほど飲み物が売れる」は関係。日ごとに並べれば変化にも見えるが、問いが「〜ほど〜か」なので関係。問いの言い方で形が決まることを押さえる。

押さえる 4 つの形に、それぞれ道具がある。割合はクロス集計表と帯グラフ、関係は散布図、変化は折れ線、分けるはグループ分け。変化と分けるは、第11〜13回で扱うので今日は形の名前まで。目標 01。

まとめ 01

答えの形が決まれば、道具は決まる

割合を比べる2 つの項目を掛け合わせて数えるクロス集計表。見せるときは帯グラフ
関係を見る散布図で点を打つ。強さを 1 つの数で言うなら相関係数(求め方は数学で扱う)
変化を見る折れ線で並べる。でこぼこが大きいときは、何日かの平均をずらしながら取る(第11回)
似たものを分ける近いものどうしをグループにまとめる(第13回)

※ 手法から入ると、目的に合わない図ができる。問いを先に一文で書くと、形が決まる

教師用メモ

相関係数の計算は数学Ⅰ に任せる。ここでは「強さを 1 つの数で言うもの」という位置づけだけ。第6回で散布図を実際に読む。

SECTION 02

データの種類で、使える手法が変わる

同じ表の中に足せる列と足せない列がある

1つの表の列に「足せる」「足せない」と書いた付箋を貼り分けている高校生2人
体験 02

この表の 3 つの問いに、手法を選ぶ

14 人分の記録。部活と通学手段は名前(足せない)、満足度は 1〜5 の順番(引き算に意味がない)、通学時間と睡眠時間は数(足せる)。下の 3 つの問いから 1 つ選び、手法とその理由を送る

番号部活通学手段通学時間(分)睡眠時間(時間)満足度(1〜5)
1運動部自転車256.54
2文化部電車555.53
3運動部徒歩127.05
4入っていない電車486.03
5運動部自転車306.04
6文化部徒歩107.55
7運動部電車625.02
8入っていない自転車227.04
9文化部電車505.53
10運動部徒歩156.54
11文化部自転車286.54
12入っていない電車585.02
13運動部自転車356.03
14文化部徒歩87.55
ASK 01
通学時間が長い人ほど、睡眠時間が短いのか
ASK 02
通学手段によって、通学時間の平均は違うのか
ASK 03
部活の種類によって、満足度の分かれ方は違うのか
散布図グループごとの平均クロス集計表帯グラフ折れ線
選んだ手法 | 上の 5 つから 1 つ。番号も書く
選んだ理由 | どちらも数だから、名前だから、など

全員の「手法 → 理由」が右に並ぶ。同じ手法でも理由が違うものを 2 組読み上げる

みんなの手法と理由
教師用メモ

進め方(17分) 表と 3 つの問いを読む 3 分。1 つ選んで送る 6 分。読み上げと確認 8 分。

答え ASK 01 → 散布図(どちらも足せる数)。ASK 02 → グループごとの平均(片方が名前、片方が数。徒歩 11.3 分・自転車 28.0 分・電車 54.6 分)。ASK 03 → クロス集計表(どちらも名前と順番。見せるときは帯グラフ)。

間違いを拾う 「通学手段の平均」を出そうとする生徒がいる。徒歩=1、電車=2 と番号を振っても、その平均に意味はない。番号が付いていても、名前は名前。満足度は順番なので、平均を出す場面もあるが、1 と 2 の差と 4 と 5 の差が同じとは限らないことを言う。

理由を評価する 手法が合っていても理由が「習ったから」なら B に届かない。「どちらも足せる数だから」「片方が名前だから」まで言えているものを A とする。目標 02・03。

まとめ 02

足せる列と、足せない列

質的データ名前(部活・通学手段)と、順番(満足度 1〜5)。数えて割合にする。平均は出さないか、出すなら注意して出す
量的データ足し引きに意味がある数(通学時間・睡眠時間)。平均・散らばり・関係が出せる
量と量散布図。関係の強さを 1 つの数で言うこともできる
質と量グループごとに量を見る。平均を並べる、箱ひげで散らばりごと比べる
質と質クロス集計表で数える。見せるときは帯グラフで割合にそろえる

※ 番号が付いていても、名前は名前。「徒歩=1、電車=2」の平均に意味はない

教師用メモ

この表は第8回(複数の要因で予測する)で使う。名前の列を予測に入れるときは、0 と 1 の列に置き換える必要があることを、第8回でここに戻って言う。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
形から選ぶ 割合・関係・変化・分ける。問いを一文で書くと形が決まり、道具が決まる
02
種類で変わる 質と質はクロス集計、質と量はグループごとの平均、量と量は散布図
03
理由を言う 「習ったから」ではなく「どちらも足せる数だから」「片方が名前だから」
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01求めている形から手法を選べる
02質的データと量的データで使える手法が違うと説明できる
03選んだ手法の理由を、伝わる形で言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

自分の調べたいことは、どの形か

一文でよい。「〇〇を知りたい。答えの形は△△なので、手法は□□」の形で書く

みんなの選び方
教師用メモ

3 分。形が「関係」になった生徒が多いはず。次回はその関係を散布図で読む。

次回は「散布図と相関」。読み取れることと、読み取れないことを分ける。