同じ 0.82 でも形は 4 通りあり、数だけ見ていると気づけない
50分準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a06)。「教師」を押す。体験 01 の 4 つの図と体験 02 の図は、ページの中のデータから描かれる。外へはつながらない。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は、予想を選ばせてから投影で「4 つの数を出す」を押す。全員の画面より先に教師の画面で出さない。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 同じ数でも、形が違う 18分 / 節2 読み取れないことを言う 17分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分
数学科との重なり 数学Ⅰ「データの分析」の相関係数と重なる。求め方・式・計算はそちらに任せる。ここでは「1 つの数にまとめると何が落ちるか」「図で何を見るか」に時間を使う。
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) ア(イ)。[解説]「データに基づく現象のモデル化と処理」の入口。[設計指針 第2版]D5L1(データを整理し可視化して読み取る)。単元設計は 単元設計のページ)
今日は「関係」を選んだときの読み方。関係の強さは1 つの数にまとめられる。便利だが、まとめた分、何かが落ちる
相関係数が同じなら、散布図の形も同じか
問いに挙手(同じ/違う)。ここでは答えない。体験 01 で確かめる。相関係数の求め方は数学で扱う。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。
4 つの組を見る
15 点の図で
1 つの数にまとめると落ちるものがある

A〜D は、どれも 11 個の点でできた別々のデータ。まず下の予想を 1 つ選ぶ。そのあと「4 つの数を出す」を押すと、それぞれの平均と相関係数が出る(押すまでは「?」のまま)
進め方(16分) 4 つの図だけを見せて予想させる(4分)。「4 つの数を出す」を押す(1分)。形の違いを言わせる(7分)。書いて送る(4分)。
答え A〜D はすべて、x の平均 9.0、y の平均 7.5、相関係数 0.82。4 つとも同じ。統計の数だけが同じになるように作られた有名なデータの組(アンスコムの例)。
形の違い A=ばらつきながら右上がり。B=曲がっている(直線ではない)。C=1 点だけ大きく外れ、残りはきれいに一直線。D=x がほぼ 1 つの値に固まり、離れた 1 点が数を作っている。
押さえる 数を 1 つにまとめると、曲がりも、外れた点も、点の偏りも見えなくなる。数を出したら、必ず図も見る。C と D は、外れた 1 点を外すと数が大きく変わる(情報Ⅰ の外れ値)。目標 01・02。
| 向き | 右上がりか、右下がりか。相関係数の符号(+か−か)で分かる |
| 強さ | 直線にどれだけ近いか。相関係数の大きさ(0 に近いか 1 に近いか)で分かる |
| 形 | 数では分からない。曲がっている、途中で折れている、2 つのかたまりに分かれている |
| 外れた点 | 数では分からない。1 点で数が大きく動くことがある。図で探して、扱いを決める |
※ 相関係数は「直線にどれだけ近いか」しか測っていない。曲がった関係は、強くても数は小さく出る
B の組は、はっきりした関係があるのに直線ではないので 0.82 に落ちる。「関係が弱い」ではなく「直線ではない」。第7回で直線を引くとき、この B のようなデータに直線を当てると何が起きるかに戻る。
図から言えることと、言えないことを分ける

ある学年の 15 人に聞いた「通学時間」と「睡眠時間」。左が散布図、右がもとの数。図と表を見て、読み取れることとこれだけでは読み取れないことを一組にして送る
※ 点は 1 人。横が通学時間(分)、縦が睡眠時間(時間)。相関係数は −0.82(右下がりで、直線に近い)
全員の「読み取れる → 読み取れない」が右に並ぶ。読み取れない側を 4 つ読み上げる
進め方(15分) 図と表を読む 3 分。一組書いて送る 6 分。読み上げ 6 分。
読み取れること 右下がり。通学時間が長い人ほど睡眠時間が短い傾向。ただしばらつきがあり、外れる人がいる(12 分で 7.8 時間の人と、62 分で 5.9 時間の人)。
読み取れないこと(ここを厚く) ①原因かどうか(通学が長いから寝ていないのか、別の理由か。情報Ⅰ の相関と因果) ②この 15 人の外(ほかの学年、ほかの学校でも同じか) ③この範囲の外(通学 90 分の人がどうなるかは、点がないので分からない) ④個人(傾向であって、1 人ひとりの予測ではない) ⑤いつのことか(1 日だけの回答か、ふだんか)。
評価 読み取れない側が「分からない」だけの生徒は B に届かない。何が分からないかまで書けているものを A とする。目標 03。
| 原因は言えない | 右下がりでも、どちらが原因かは図では決まらない。3 つ目の要因が両方を動かしていることもある |
| 点の外は言えない | 点がある範囲の中でしか言えない。範囲の外に伸ばすのは予測ではなく想像 |
| この人たちの外は言えない | 15 人から分かるのは、この 15 人のこと。ほかの集団に当てはまるとは限らない |
| 1 人のことは言えない | 傾向は集団の話。長く通っていてよく寝ている人も、図の中にいる |
※ 次回、この点の並びに直線を引く。引いた直線は、この 4 つの線の内側でしか使えない
「範囲の外に伸ばすのは想像」は、第7・8回でモデルを作ったあと必ず戻る。単元末の課題でも、外挿していないかを見る。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。「相関係数は 0.9 です」とだけ言われたとき、何を見せてもらうかを書く
3 分。「散布図」「点の数」「どの範囲か」「誰に聞いたか」が出る。全部板書して残す。
次回は「回帰直線」。この点の並びに直線を当てる。ずれの合計がいちばん小さい直線を、手で探す。