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情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス | 第11回

多変量データの可視化

4 つの列があれば、散布図は 6 枚できる

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a11)。「教師」を押す。この回は端末の中だけで動くので、ネットにつながらなくても進められる。第6回で使った相関係数の読み方(0.8 以上で強い、など)を板書に出しておくと早い。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は、予想を選ばせてから「相関係数を出す」を押させる。教師が先に押して見せない。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 6 枚を並べて読む 20分 / 節2 3 つ目の列で色を分ける 15分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分

数学科との重なり 数学Ⅰ「データの分析」の相関係数と重なる。計算のしかたは数学に任せる。ここでは「6 枚を並べて、どこを見るか」に時間を使う。

この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) イ(イ)。[解説]の学習活動「3変量以上のデータに関して、複数の散布図などを作成し、それらの関係を可視化して分析する」。[設計指針 第2版]D5L2「実データに対する重回帰・時系列・移動平均・クラスタなどの分析ができる」(高選)。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 4 列から 6 枚の散布図ができることを理解し、どの組が強いかを図と数の両方で読んでいる(体験01)
  • 思考・判断・表現 3 つ目の列で色を分けると読み取りがどう変わるかを述べている(体験02)
  • 態度 強い組を見つけたときに、その列が予測の時点で手に入るかまで確かめようとしている(ふりかえり)
前回のまとめ

直すのは、係数ではなかった

データを変える列を変える形を変える→係数は変えない

前回、改善案は 3 つの型に分かれた。今日から 3 回は、その真ん中の「列を変える」を扱う。列を足すか減らすかを決めるには、まずどの列とどの列が関係しているかを全部見ておく必要がある

列が 4 つあるとき、散布図は何枚いるか

教師用メモ

問いに挙手(3 枚/4 枚/6 枚)。答えは 6 枚(4 つから 2 つ選ぶ組み合わせ)。ここは軽く答えを出してよい。5 列なら 10 枚、6 列なら 15 枚と増えることも一言。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
複数の散布図を並べて、どの組が強いかを図と数の両方で言える
02
3 つ目の列で色を分けると、何が見えるようになるかを言える
03
強く関係している列でも、予測に使えない場合があることを説明できる
01 | 20分
6 枚を並べて読む

14 日分・4 つの列

02 | 15分
3 つ目の列で色を分ける

同じ図が別に見える

SECTION 01

6 枚を並べて読む

1 枚ずつ見ていると、順番の思い込みが入る

机に並べた6枚の小さな散布図を、指で1枚ずつ差しながら比べている高校生2人
体験 01

4 つの列から、6 枚の散布図を作る

第8回と同じ売店の 14 日に、来客数の列を足した。列は 気温・降水量・来客数・売れた本数 の 4 つ。6 枚の散布図が下に出ている。まず下の予想を 1 つ選んでから「相関係数を出す」を押す

※ 相関係数は第6回で使った数。−1 から 1 まで。0 に近いほど関係が弱く、1 か −1 に近いほど強い。符号は向きで、強さとは別

6 枚を目で見て、いちばん細い帯になっている図を探す
予想 | 6 枚のうち、いちばん強く関係している組は
クラスの予想
強かった組と、その数
教師用メモ

進め方(18分) ①6 枚を目だけで見て、強い順に並べさせる(5分) ②ここで予想を選ばせる(2分) ③「相関係数を出す」を押す(3分) ④目で見た順と数の順が合っていたかを確かめる(3分) ⑤書いて送る(5分)。

数の答え 来客数×売れた本数 0.94/気温×売れた本数 0.86/降水量×売れた本数 −0.68/降水量×来客数 −0.68/気温×来客数 0.66/気温×降水量 −0.36。

気づかせること ①符号と強さは別。降水量×売れた本数の −0.68 は、気温×来客数の 0.66 より強い。②目で見た順と数の順は、だいたい合う。合わないのは 0.66 と −0.68 のような近い組。③1 枚ずつ順に見ていくと、最初に見た図が基準になってしまう。並べると比べられる。

ここで止めておく話 「来客数がいちばん強いから、来客数を使って予測すればよい」と言う生徒が必ず出る。否定せずに、まとめ 02 まで取っておく(来客数はその日が終わらないと分からない)。目標 01。

まとめ 01

並べると、強さの順が比べられる

枚数4 列なら 6 枚、5 列なら 10 枚、6 列なら 15 枚。列が増えると枚数は急に増える
並べる理由1 枚ずつ見ると、最初に見た図が基準になる。同じ大きさで並べれば、強さの順が比べられる
符号と強さ−0.68 は 0.66 より強い。符号は向きで、強さは 0 からの距離
図も見る数が同じでも形は違う(第6回)。並べた図で、曲がっている組や外れた点がないかを見る

※ 6 枚のうち、売れた本数と関係が強いのは 来客数・気温・降水量 の 3 つ。この 3 つを説明に使えばよさそうに見える

教師用メモ

最後の一行をわざと「よさそうに見える」で止める。節 2 で、3 つ目の列を持ち込むと読み取りが変わることを見せてから、まとめ 02 で「来客数は予測に使えない」を出す。

SECTION 02

3 つ目の列で、色を分ける

同じ図が分け方を変えると別の図になる

1枚の散布図の点を3色のシールで塗り分け、上下に分かれた帯を指さしている高校生
体験 02

同じ散布図を、3 つ目の列で塗り分ける

左は気温と売れた本数の散布図。1 枚だけ見ると、上下にかなりばらついている。上のボタンで、3 つ目の列を使って点に色を付ける

※ 「大会の有無」と「雨が降ったか」は、どちらもあり/なしの 2 種類しかない列。こういう列は軸には使いにくいが、色で表すと 3 つ目の変量として図に載る

大会の有無で色を分けたあとで答える。同じくらいの気温の日で比べたとき、大会がある日の売れた本数は

分かれ方を読み上げ、「はっきり多い」を選んだ生徒に、比べた 2 日を言わせる

クラスの読み取り
教師用メモ

進め方(13分) ①「色を付けない」で 3 分見せ、「上下のばらつきの理由は何か」を問う ②「大会の有無」で塗り分ける(4分) ③投票(3分) ④「雨が降ったか」に切り替える(3分)。

比べる 2 日を言わせる 27 ℃ の大会の日は 203 本、26 ℃ の大会でない日は 171 本。28 ℃ の大会の日は 214 本、29 ℃ の大会でない日は 193 本。同じくらいの気温で 20〜30 本の差。第8回で出た大会の係数 24.3 と合う。

雨で分けると 雨の日 5 日(降水量が 0 でない日)は、同じ気温の帯のいちばん下に並ぶ。24 ℃ 12 mm で 150 本、25 ℃ 25 mm で 133 本。降水量の係数 −1.3 と合う。

押さえ 図は 1 枚しかないのに、色を変えるだけで読み取れることが変わる。2 つの列の図で「ばらついている」と見えたものが、3 つ目の列を入れると「2 本の帯」に見える。ばらつきの正体が、別の列だったことになる。目標 02。

まとめ 02

強い列が、使える列とは限らない

色で 3 つ目2 つの列で軸を作り、3 つ目の列を色にする。あり/なしの列は色に向く
見え方が変わるばらついて見えた点が、色を分けると2 本の帯になる。ばらつきの正体が別の列だった
いちばん強い組来客数と売れた本数(0.94)。ただし来客数は、その日が終わらないと分からない
予測に使う条件予測する時点で、その値が手に入ること。明日の売上を今日決めるなら、明日の来客数は使えない

※ 気温と降水量は天気予報から前日に手に入る。大会の有無も予定で分かる。だから第8回の 3 列は、予測に使える組み合わせだった

教師用メモ

ここが今日いちばん残したい所。相関の強さだけで列を選ぶと、使えないモデルができる。第16回の課題で、班が選んだ列について「その値は予測する時点で手に入るか」を必ず問う。次回は逆に、使える列の中から減らす話に入る。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
6 枚並べた 来客数 0.94 > 気温 0.86 > 降水量 −0.68。符号は向きで、強さは 0 からの距離
02
色を分けた ばらついて見えた点が、大会の有無で 2 本の帯になった。差は 20〜30 本
03
使えない列 来客数はいちばん強いが、その日が終わらないと分からない
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01複数の散布図を並べて、どの組が強いかを図と数で言える
023 つ目の列で色を分けると何が見えるかを言える
03強く関係していても予測に使えない場合を説明できる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

強い列を見つけたとき、次に確かめること

一文でよい。相関の強い組を見つけたあと、その列を使う前に確かめることを 1 つ書く

みんなが確かめること
教師用メモ

3 分。「その時点で手に入るか」「因果ではないかもしれない(第6回)」「外れた点がないか」「別の列が原因ではないか」が出る。4 つとも板書に残す。

次回は「変数の絞り込み」。今日は列を並べて足す方を見た。次回は、減らすと何が良くなるかを実際の数で見る。