4 つの列があれば、散布図は 6 枚できる
50分準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a11)。「教師」を押す。この回は端末の中だけで動くので、ネットにつながらなくても進められる。第6回で使った相関係数の読み方(0.8 以上で強い、など)を板書に出しておくと早い。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は、予想を選ばせてから「相関係数を出す」を押させる。教師が先に押して見せない。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 6 枚を並べて読む 20分 / 節2 3 つ目の列で色を分ける 15分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分
数学科との重なり 数学Ⅰ「データの分析」の相関係数と重なる。計算のしかたは数学に任せる。ここでは「6 枚を並べて、どこを見るか」に時間を使う。
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) イ(イ)。[解説]の学習活動「3変量以上のデータに関して、複数の散布図などを作成し、それらの関係を可視化して分析する」。[設計指針 第2版]D5L2「実データに対する重回帰・時系列・移動平均・クラスタなどの分析ができる」(高選)。単元設計は 単元設計のページ)
前回、改善案は 3 つの型に分かれた。今日から 3 回は、その真ん中の「列を変える」を扱う。列を足すか減らすかを決めるには、まずどの列とどの列が関係しているかを全部見ておく必要がある
列が 4 つあるとき、散布図は何枚いるか
問いに挙手(3 枚/4 枚/6 枚)。答えは 6 枚(4 つから 2 つ選ぶ組み合わせ)。ここは軽く答えを出してよい。5 列なら 10 枚、6 列なら 15 枚と増えることも一言。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。
14 日分・4 つの列
同じ図が別に見える
1 枚ずつ見ていると、順番の思い込みが入る

第8回と同じ売店の 14 日に、来客数の列を足した。列は 気温・降水量・来客数・売れた本数 の 4 つ。6 枚の散布図が下に出ている。まず下の予想を 1 つ選んでから「相関係数を出す」を押す
※ 相関係数は第6回で使った数。−1 から 1 まで。0 に近いほど関係が弱く、1 か −1 に近いほど強い。符号は向きで、強さとは別
進め方(18分) ①6 枚を目だけで見て、強い順に並べさせる(5分) ②ここで予想を選ばせる(2分) ③「相関係数を出す」を押す(3分) ④目で見た順と数の順が合っていたかを確かめる(3分) ⑤書いて送る(5分)。
数の答え 来客数×売れた本数 0.94/気温×売れた本数 0.86/降水量×売れた本数 −0.68/降水量×来客数 −0.68/気温×来客数 0.66/気温×降水量 −0.36。
気づかせること ①符号と強さは別。降水量×売れた本数の −0.68 は、気温×来客数の 0.66 より強い。②目で見た順と数の順は、だいたい合う。合わないのは 0.66 と −0.68 のような近い組。③1 枚ずつ順に見ていくと、最初に見た図が基準になってしまう。並べると比べられる。
ここで止めておく話 「来客数がいちばん強いから、来客数を使って予測すればよい」と言う生徒が必ず出る。否定せずに、まとめ 02 まで取っておく(来客数はその日が終わらないと分からない)。目標 01。
| 枚数 | 4 列なら 6 枚、5 列なら 10 枚、6 列なら 15 枚。列が増えると枚数は急に増える |
| 並べる理由 | 1 枚ずつ見ると、最初に見た図が基準になる。同じ大きさで並べれば、強さの順が比べられる |
| 符号と強さ | −0.68 は 0.66 より強い。符号は向きで、強さは 0 からの距離 |
| 図も見る | 数が同じでも形は違う(第6回)。並べた図で、曲がっている組や外れた点がないかを見る |
※ 6 枚のうち、売れた本数と関係が強いのは 来客数・気温・降水量 の 3 つ。この 3 つを説明に使えばよさそうに見える
最後の一行をわざと「よさそうに見える」で止める。節 2 で、3 つ目の列を持ち込むと読み取りが変わることを見せてから、まとめ 02 で「来客数は予測に使えない」を出す。
同じ図が分け方を変えると別の図になる

左は気温と売れた本数の散布図。1 枚だけ見ると、上下にかなりばらついている。上のボタンで、3 つ目の列を使って点に色を付ける
※ 「大会の有無」と「雨が降ったか」は、どちらもあり/なしの 2 種類しかない列。こういう列は軸には使いにくいが、色で表すと 3 つ目の変量として図に載る
大会の有無で色を分けたあとで答える。同じくらいの気温の日で比べたとき、大会がある日の売れた本数は
分かれ方を読み上げ、「はっきり多い」を選んだ生徒に、比べた 2 日を言わせる
進め方(13分) ①「色を付けない」で 3 分見せ、「上下のばらつきの理由は何か」を問う ②「大会の有無」で塗り分ける(4分) ③投票(3分) ④「雨が降ったか」に切り替える(3分)。
比べる 2 日を言わせる 27 ℃ の大会の日は 203 本、26 ℃ の大会でない日は 171 本。28 ℃ の大会の日は 214 本、29 ℃ の大会でない日は 193 本。同じくらいの気温で 20〜30 本の差。第8回で出た大会の係数 24.3 と合う。
雨で分けると 雨の日 5 日(降水量が 0 でない日)は、同じ気温の帯のいちばん下に並ぶ。24 ℃ 12 mm で 150 本、25 ℃ 25 mm で 133 本。降水量の係数 −1.3 と合う。
押さえ 図は 1 枚しかないのに、色を変えるだけで読み取れることが変わる。2 つの列の図で「ばらついている」と見えたものが、3 つ目の列を入れると「2 本の帯」に見える。ばらつきの正体が、別の列だったことになる。目標 02。
| 色で 3 つ目 | 2 つの列で軸を作り、3 つ目の列を色にする。あり/なしの列は色に向く |
| 見え方が変わる | ばらついて見えた点が、色を分けると2 本の帯になる。ばらつきの正体が別の列だった |
| いちばん強い組 | 来客数と売れた本数(0.94)。ただし来客数は、その日が終わらないと分からない |
| 予測に使う条件 | 予測する時点で、その値が手に入ること。明日の売上を今日決めるなら、明日の来客数は使えない |
※ 気温と降水量は天気予報から前日に手に入る。大会の有無も予定で分かる。だから第8回の 3 列は、予測に使える組み合わせだった
ここが今日いちばん残したい所。相関の強さだけで列を選ぶと、使えないモデルができる。第16回の課題で、班が選んだ列について「その値は予測する時点で手に入るか」を必ず問う。次回は逆に、使える列の中から減らす話に入る。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。相関の強い組を見つけたあと、その列を使う前に確かめることを 1 つ書く
3 分。「その時点で手に入るか」「因果ではないかもしれない(第6回)」「外れた点がないか」「別の列が原因ではないか」が出る。4 つとも板書に残す。
次回は「変数の絞り込み」。今日は列を並べて足す方を見た。次回は、減らすと何が良くなるかを実際の数で見る。