正解のない分け方を、それでも数で比べる
50分準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a13)。「教師」を押す。この回は端末の中だけで動くので、ネットにつながらなくても進められる。2〜3 人の班にしておく(分け方を比べるため)。板書に「班ごとの分け方」を書く欄を 4 つ作っておく。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は、予想を選ばせてから班で分けさせる。教師が先に分けて見せない。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 自分で 3 つに分ける 20分 / 節2 機械の分け方と比べる 15分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 10分
数学科との重なり 直接は重ならない。標準化(平均 0・ばらつき 1 にそろえる)は数学Ⅰ・B の内容と重なるので、「単位の違う列を並べるためにそろえた」とだけ言えばよい。
この回の評価(指導要領 情報Ⅱ (3) イ(イ)。[解説]の学習活動「データ同士を比較したり、グループ分けする方法について理解する」。[設計指針 第2版]D5L2「実データに対する重回帰・時系列・移動平均・クラスタなどの分析ができる」(高選)。単元設計は 単元設計のページ)
ここまでは、14 日ぜんぶを1 本の式で説明してきた。でも 14 日の中には、雨の日も、大会の日も、ふつうの日も混ざっている。先に似た日どうしをまとめてから見たらどうなるか
「似ている」は、どう決めるのか
問いに挙手(見た目/距離/決められない)。ここでは答えない。今日は正解のない作業をすること、それでも数で比べられることを先に言っておく。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。
班で決めて、比べる
1 手ずつ進める
正解はないが、まとまり方は数になる

前回と同じ 14 日。横が最高気温、縦が売れた本数。まず下の予想を 1 つ選ぶ。次に、上で付ける印を選び、点を押して 3 つのグループに分ける。班で相談して 1 つに決める
※ ばらつきの合計=それぞれの点から、自分のグループの中心までの距離を二乗して全部足した数。2 つの列は単位が違うので、先に平均 0・ばらつき 1 にそろえてある。第7回の「ずれの合計」と同じ考え方
進め方(18分) ①投影で 1 つの点を押して印が付くことを見せる(2分) ②ここで予想を選ばせる(2分) ③班で分ける。先に「何で分けるか」を口に出してから押すように言う(8分) ④ばらつきの合計を小さくしようと試す(3分) ⑤書いて送る(3分)。
出てくる分け方 ①売れた本数の多い順に上・中・下 ②気温で 涼しい・ふつう・暑い ③図の上で近いかたまりごと。②と③は結果がかなり近くなる。①は縦にだけ切るので、ばらつきの合計は大きめになる。
数の目安 ばらつきの合計は、いちばん小さくして 4.44 くらい(節 2 で機械が出す値)。5 を切れば十分よい分け方。10 を超えていたら、遠い点が同じ印になっていないか見させる。
気づかせること 班ごとに分け方は違うのに、ばらつきの合計は近い値になることが多い。「違う分け方でも、同じくらいまとまっている」。正解が 1 つでない作業を、それでも数で比べられる。目標 01・02。
C の生徒への手立て 「まず、いちばん右上の点と、いちばん左下の点に違う印を付けてごらん」と言うと動き出す。
| グループ分け | 似たものどうしを同じまとまりにすること。予測とは違い、先に決まった答えがない |
| 「似ている」とは | 図の上で距離が近いということ。どの列を軸にするかで、距離の意味が変わる |
| そろえる | 気温は 18〜33、売上は 123〜227。単位が違うままでは距離が計算できないので、平均 0・ばらつき 1 にそろえる |
| ばらつきの合計 | 各点から自分のグループの中心までの距離の二乗を全部足した数。小さいほどまとまっている |
| いくつに分けるか | グループの数を増やせば、この数は必ず小さくなる。14 グループにすれば 0。だから数だけでは決められない |
※ 最後の行は、第8回の「列を増やせば必ず下がる」と同じ形の話。数を小さくすることが目的ではない
最後の 2 行は必ず押さえる。「14 グループにすれば 0」を口で言うだけで伝わる。グループの数は、何に使うかで決める(売店なら、仕入れの計画を 3 通り作れるから 3 つ、など)。
中心を置いて、近いほうに入れて、中心を置き直す

機械は 2 つの操作をくり返すだけ。①それぞれの点を、近いほうの中心のグループに入れる ②グループの中心を、その中身の平均に置き直す。「1 手進める」を押すと、①と②が交互に起きる
※ 中心の最初の置き場所は、1 日目・6 日目・11 日目の点。置き場所を変えると、行き着く先も変わることがある
「使った 2 列 → つけた名前」が右に並ぶ。同じ列で違う名前、違う列で同じ名前、の 2 例を選んで読み上げる
進め方(13分) ①投影で 1 手ずつ 4 回押して見せる(3分) ②各自で最後まで進める(3分) ③横を「来客数」に変えてやり直す(3分) ④名前をつけて送る(4分)。
気温 × 売れた本数の結果 ばらつきの合計 4.44。グループ 1 は 1・2・3・9・10・14 日目(涼しく、売上 141 本前後)、グループ 3 は 4・5・6・11・12 日目(194 本前後)、グループ 2 は 7・8・13 日目(暑く 216 本前後)。大会の 4 日は 3 つのグループに散らばる。
来客数 × 売れた本数の結果 ばらつきの合計 3.08。グループ 1 は 1・3・9・10・14 日目(雨の日 4 日を含む)、グループ 3 は 5・7・8・11 日目(大会の 4 日のうち 3 日が集まる)。同じデータでも、使う列を変えると別のグループができる。ここが今日の山場。
手と機械を比べる 節 1 で班が出した値と 4.44 を並べる。ほとんどの班が 4.4 〜 6 の間に入る。機械は速いが、やっていることは「近いほうに入れる」だけで、名前をつけるのは人になる。
押さえ 機械はグループに名前をつけない。「グループ 1」としか言わない。それが雨の日のまとまりだと気づくのは人。目標 03。
| やり方 | 中心を置く → 近いほうに入れる → 中心を置き直す。これをくり返すだけ |
| 止まるとき | 入れ替わる点がなくなったら終わり。今回は 4 手ほどで止まる |
| 列を変えると | 気温で分けると 4.44、来客数で分けると 3.08。できるグループの中身が変わる |
| 最初の置き場所 | 中心をどこに置くかで、行き着く先が変わることがある。1 回で決めない |
| 人がすること | どの列で分けるかを選ぶ。できたグループに名前をつける。使い道を決める |
※ 「大会の日が集まったグループ」と気づいて初めて、仕入れを変えるという判断につながる。数が出た所からが人の仕事
最後の一行は第15回(機械に任せる判断、任せない判断)の入口。ここで言っておくと、第15回の討論で戻ってこられる。次回の手書き文字も「機械は数を出すだけ」の話になる。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。今日は日をグループに分けた。同じやり方で人を分けたとき、気をつけることを 1 つ書く
3 分。「名前が決めつけになる」「境目の人はどちらにも入れる」「使う列を変えれば別の組になるのに、1 つの結果だけが残る」「本人に知らせずに分けられる」が出る。板書に残し、第15回の討論でそのまま材料にする。
次回は「手書き文字の認識」。今日は数の並びを分けた。次回は、絵を数の並びに変えるところからやる。