自分たちのデータで作って、測って、直して、渡す
50分 | 班で行う準備(授業前) 教室コードを新しく決める(例: 7a16)。「教師」を押す。2〜3 人の班。前回のうちに、班が使うデータを決めさせておく(第3回で集めたもの、第4回で整形したもの、公開されているデータのどれでもよい)。持ってきていない班のために、体験 01 の中に予備のデータを 2 つ置いてある。この回は端末の中だけで動くので、ネットにつながらなくても進められる。教室コードのデータは 24 時間で消えるので、評価に使うなら授業後に投影画面を保存する。
投影 体験 02 の間は、右側(班のカード)を投影に出しておく。出した班から並ぶので、早い班のカードが後の班の手本になる。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 作って、測って、直す 22分 / 節2 出して、聞いて、印を返す 15分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分
この回の評価(単元末のパフォーマンス課題。指導要領 情報Ⅱ (3) イ(ウ)。内容の取扱い (3)「イの(イ)については現実のデータの活用に配慮する」「アの(ウ)及びイの(ウ)については、アの(イ)及びイの(イ)で行ったモデル化や処理、解釈・表現の結果を受けて行う」。[解説]の学習活動「予測モデルに関する評価指標を調べ……どのような改善が必要であるかを議論する」。[設計指針 第2版]K2L2「結果を評価し、必要なら反復改善を行える」、G3L3(相互評価)。単元設計は 単元設計のページ)
| 観点 | B(おおむね満足) | A(十分満足) | C の生徒への手立て |
|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 目的に合うデータを選び、欠損や表記ゆれを直して分析できる形にしている(カードの「使ったデータと出どころ」) | 整形の判断(どれを外し、どれを残したか)と、その理由を記録している | 第4回の整形の手順表(端末に残る)を開かせ、上から順に当てさせる |
| 思考・判断・表現 | モデルを作り、評価指標を一つ示している(カードの「作ったモデル」「評価指標の値」) | 評価指標を根拠に改善案を示し、改善前後を比べている | 「外れた点を 1 つ選び、なぜ外れたか」を先に書かせる |
| 態度 | 予測が外れた点を隠さずに示している(カードの「改善案」・発表) | 外れた原因を、データか手法のどちらかに切り分けて説明している | 外れた点を 1 つだけ選ばせ、「データが足りない/手法が合わない」のどちらかを選ばせる |
最後の欄について 「機械に任せられる判断・任せられない判断」は、前回の 5 つの語(信頼性・公平性・透明性・個人情報保護・責任)を使って書かせる。ここは態度の A を見る場面にもなる。
前回は、他人が作ったしくみについて論じた。今日は自分たちが作るモデルを、同じ目で見る。データを選び、モデルを作り、指標で測り、直すところまで 1 回通す。最後に、そのモデルで任せられる判断と任せられない判断を書く
自分たちのモデルは、どこまで言ってよいのか
今日は単元末の課題であること、提出は班で 1 枚のカードであることを最初に言う。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。班が使うデータを机の上に出させてから始める。
学習用と確認用に分ける
班で 1 枚のカード
1 回で決めずに、測って、直して、もう一度測る

自分たちで集めたデータ、または公開されているデータを使う。持ってきていない班は、下の予備のデータを 1 つ選ぶ。どちらも手順は同じ。上の 14 行(白)で式を作り、下の 6 行(灰色)で確かめる
※ いちばん外した行も下に出る。カードの「改善案」は、その行を見てから書く。第10回の 3 つの型(データを変える/列を変える/形を変える)のどれかで書く
※ 自分たちのデータを使う班は、表計算かプログラムで同じ 2 つの数(学習用と確認用の平均のずれ)を出す。行を上から 7 対 3 くらいに分けて、下は式を作るときに使わない
進め方(20分) ①目的(何を予測するか)を 1 文で決めさせる(3分) ②列を 1 つずつ足して 2 つの数を見る(7分) ③いちばん外した行を 1 つ選び、なぜ外れたかを言わせる(4分) ④改善を 1 つ試して、前後の数を並べる(6分)。改善前の数を必ず書き留めさせる。書いていないと A の「改善前後を比べている」が出せない。
予備 A(公園)の数(学習用 → 確認用、平均のずれ・人) 気温だけ 27.62 → 18.75。+降水量 23.63 → 13.95。+土日 12.28 → 15.70(ここで確認用が悪くなる)。+行事 4.39 → 4.52、確認用の決定係数 0.989。途中で悪くなってから、また良くなるのがこのデータの見どころ。
予備 B(図書館)の数 気温だけ 27.19 → 36.61(確認用のほうが悪い)。+降水量 26.90 → 35.78。+土日 17.07 → 26.50。+長期休み 5.72 → 4.69、決定係数 0.987。気温だけではほとんど説明できないデータ。「効く列が入るまで、数はほとんど動かない」ことが見える。
予備データの出どころ 予備 A・B は授業用に作った 20 日分の記録で、実在の統計ではない。カードの「使ったデータと出どころ」には、そう書かせる。自分たちで集めたデータや公開されているデータを使う班のほうが、本来の形。
机間指導で聞くこと 「その列は、予測する時点で手に入りますか」(第11回) 「確認用は、式を作るのに使っていませんか」(第12回) 「いちばん外した行は、データが足りないのですか、手法が合わないのですか」(態度の A)。目標 01・02。
| 目的 | 何を予測するのか。1 文で言えないうちは、列も選べない |
| データ | 出どころを書く。欠損と表記ゆれを直す(第4回)。外した行があれば、外した理由も残す |
| モデル | 使った列と、式か分け方。予測する時点で手に入る列だけを使う(第11回) |
| 指標 | 学習用と確認用に分けて測る(第12回)。平均のずれか決定係数を値で書く |
| 改善案 | データを変える/列を変える/形を変える(第10回)。直す前と後の数を並べる |
※ 「よくなりました」だけでは報告にならない。前 15.70 → 後 4.52 のように、2 つの数を並べて初めて言える
この 5 行がそのままカードの欄になっている。板書に残し、書きながら見られるようにする。最後の一行は評価規準の A(改善前後を比べている)そのもの。
他の班のモデルに、自分の目で印をつける

班で 1 枚。6 つの欄すべてを書いて出す。出したら、右に並んだ他の班のカードに印を返す(自分の班のカードには押せない)。発表を聞きながら押してよい
出た順に右へ並ぶ。3 つの印は評価規準そのもの。発表は 1 班 1 分。カードの 6 欄を上から読み、最後の欄だけ理由を足して言わせる
進め方(13分) 書いて出す 6 分 → 1 班 1 分で発表(時間が足りなければ 4 班だけ選ぶ)5 分 → 印を返す 2 分。印は他の班のカードにしか押せない(1 班につき 1 回)。
3 つの印の意味 「目的に合うデータを選び、直した所が分かる」=知識・技能。「評価指標を根拠に改善案が出ている」=思考・判断・表現。「外れた点を隠さず示している」=態度。生徒が押す印が、そのまま三観点になっている。「まだ」は責める印ではなく、欄が空いている・数が書かれていないときに押す。
読み上げで拾うもの ①改善前後の 2 つの数が並んでいるカード(A の例として読む)。②外れた行を隠さず書いているカード。③最後の欄で前回の 5 つの語を使っているカード。この 3 つを必ず 1 枚ずつ読み上げる。
C の班への手立て 欄が埋まらない班には、まず「評価指標の値」だけ書かせる。数が 1 つ入れば、そこから改善案が書ける。出さないまま終わらせない。
評価に残す 教室コードのデータは 24 時間で消える。授業後に投影画面を保存する。目標 01・02・03、単元末の評価の場面。
| 集めて、直した | 出どころを書き、欠損と表記ゆれを直した(第3・4回)。直した判断を残すのが整形 |
| 関係を見た | 散布図を並べ、色で 3 つ目の列を入れた(第6・11回)。強い列が使える列とは限らない |
| モデルにした | 手で直線を引き、列を足して式にした(第7・8回)。道具でも手でも同じ所に来た(第10回) |
| 測って、直した | 指標で測り、学習用と確認用に分けた(第9・12回)。下がっただけでは、よくなったと言えない |
| 線を引いた | グループに分け、文字を読ませ、任せ方を決めた(第13〜15回)。数が出た所からが人の仕事 |
※ この単元の問いは「データで未来をどこまでなら言ってよくて、外れたときに何を直すのか」だった
単元の 16 回を 5 行にたたんだ枚。カードを出し終えた班から読ませる。次の単元 (4) 情報システムとプログラミングでは、ここで作ったような予測を動くしくみの中に組み込む側に回ることを一言。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。単元の最後なので、「まだ」が多い目標は次の単元の冒頭で一度だけ拾い直す。
一文でよい。この先、表を 1 つ渡されたときに自分がいちばん最初にすることを書く
3 分。「目的を 1 文で書く」「出どころを確かめる」「欠損を見る」「行数と列数を数える」が出る。復習の「探究へ」に写させると、端末の中の探究ノートに残る。総合的な探究の時間や課題研究で、そのまま手順として使える。
次の単元は 情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング。今日までは、データから予測を出す側だった。次からは、その予測を動くしくみの中に組み込んで、人に届ける側に回る。