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情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング | 第1回

身のまわりの情報システム

レジで鳴る「ピッ」の向こうで何が動いているのか、というところから始める

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを決めて板書する。「教師」を押しておく。体験 02 は端末内で完結する。体験 01・03 は教室コードで集まる。生徒には「身の回りで動いている仕組みを一つ思い浮かべてくる」とだけ伝えておく。

投影 投影は教師機。生徒は自分の端末で同じページを開く。予想の分かれ方(体験 01 の右)は、全員が送ってから映す。

時間配分 導入・目標 5分 / 節1 レジの向こう側(体験01 予想 8分・体験02 レシートを読む 10分) / まとめ 3分 / 節2 一つ選んで調べる(体験03 16分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

この回の評価(単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 情報システムが金額以外の情報も扱っていることを、具体的な項目を挙げて説明している(体験02)【重点】
  • 思考・判断・表現 選んだ仕組みについて、入る情報と出る情報を書き分けている(体験03)
  • 態度 身の回りの仕組みを、作った人がいるものとして見ようとしている(ふりかえり)

指導要領 解説 情報Ⅱ (4) ア(ア)「情報システムにおける情報の流れや処理の仕組み」。内容の取扱い (4)「社会の中で実際に稼働している情報システムを取り上げ、それらの仕組みと関連させながら扱う」。解説が学習活動に挙げる POS システムの調査がこの回。設計指針 J1L3(システムの構造・仕組みや情報の流れを把握。高選)。

深入りしない範囲 解説の指定どおり、この回ではサーバサイドのプログラムやデータベースの中身には立ち入らない。「どんな情報が、どこへ流れているか」までにとどめる。

ふりかえりの自己評価の分布を見て、「まだ」が多い目標を第2回の冒頭で拾い直す。

ここから

使う側から、作る側へ

仕組みを知る→仕組みを図にする→自分たちで設計する→作って、直して、引き渡す

情報Ⅰ では、ネットワークと情報システムの仕組みを知った。この単元は、その先にある。動いているものを調べ、図にし、自分たちで設計して、班で分担して作る。最後は、誰かに使ってもらって直すところまで進む

身の回りで動いている仕組みを、一つ挙げられるか

教師用メモ

問いに 30 秒。改札、図書館の貸出、自動販売機、注文用の画面、出欠の記録などが出れば十分。ここでは答えを整理しない。体験 03 で一人一つ選ばせる。

単元の 16 回の並びを 1 分で示す。第7回で班の題材を決め、第9回から作り始めることを予告しておく。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
レジの仕組みが金額以外に扱っている情報を挙げられる
02
その情報が誰の、どんな判断に使われるかを説明できる
03
身の回りの仕組みを一つ選び、入る情報と出る情報を書き出せる
01 | 8分
予想する

何が残るか

02 | 10分
レシートを読む

1 行ずつ押す

03 | 16分
一つ選んで調べる

入る情報と出る情報

SECTION 01

レジの向こう側

「ピッ」の一回で動いているものがある

コンビニのレジでバーコードを読み取る店員の手元と、端末の画面に商品名が出た瞬間を横から見ている高校生
体験 01

バーコードを読んだとき、店の仕組みに残るもの

商品のバーコードを 1 回読み取る。そのとき店の仕組みに記録として残るものは、どこまでだろう。予想を 1 つ押して、そう思うわけを 30 字までで送る。答えは次の枚で確かめる

予想 | 1 つ押す

クラスの予想の分かれ方と、そのわけが右に出る。全員が送ってから右を映す。答え合わせは次の枚で、レシートの行を押して確かめる

クラスの予想 | 帯の長さが人数
そう思うわけ
教師用メモ

進め方(8分) 一人で 4 分。全員が送ったら右の帯を映して 4 分。ここでは正解を言わない。

ねらい 多くの生徒は「金額と商品名」で止まる。次の枚で、日付・時刻・店・レジ番号・客層の推定まで扱われていることに出会わせる。予想が外れる場面をここで作る。目標 01。

体験 02

レシートの行を押して、何に使われるかを見る

これは、店で受け取るレシートの形をした例。色が変わる行を押すと、その情報が仕組みの中で何に使われるかが右に出る。6 行とも押してみる

〇〇ストア △△店
ありがとうございました
この情報は、何に使われるか
押した行の説明が、ここに出る
まだ押していない

※ この店名・日時・商品は説明のための例。実在の店の記録ではない

教師用メモ

進め方(10分) 6 行を順に押させる(5分)。そのあと 2 人で「予想と違ったのはどれか」を 2 分話させ、3 分で全体に拾う。

要点 POS(販売時点情報管理)は、レジを「代金を計算する機械」ではなく情報を集める入口にした仕組み。金額のほかに、いつ・どの店の・どのレジで・何が・いくつ売れたかが記録される。担当者が入力する年代や性別の見当(客層)を扱う店もある。

誰の判断に使われるか 店=次の発注の数、棚の並べ方。本部=どの商品を置き続けるか、新しい商品を出すか。工場・配送=いつ何をどれだけ作り、運ぶか。「レジの一回」が、遠くの判断まで動かしている。目標 01・02。

深入りしない範囲 記録がどんなデータベースに、どんな形で保存されるかには立ち入らない。保存の設計は第9回で扱う。

まとめ 01

レジは、代金を計算するためだけの機械ではない

入る情報商品を表す番号(バーコード)、個数、支払いの方法。そこに、日付・時刻・店・レジ・担当が自動で付く
仕組みの中で起きること商品番号から商品名と値段を引き当て、代金を出す。同時に「いつ・どこで・何が・いくつ売れたか」を 1 件の記録として残す
出る情報客へはレシート。店へは売れ行きの一覧。本部へは店ごと・商品ごとの集計。仕入れや配送へは、次に必要な数
関わる人買う人、レジの担当、店長、本部、仕入れ先、運ぶ人。一つの仕組みに、立場の違う人が何人もつながっている
教師用メモ

3分。表を読み上げず、体験 02 で出た言葉を当てはめる形で確認する。「入る/中で起きる/出る」の 3 段が、次の枚の調べ方の型になる。

SECTION 02

一つ選んで、調べる

レジ以外にも動いている仕組みは身の回りにある

学校の図書室の貸出カウンターで、利用者証と本のバーコードを読み取る端末をのぞき込みながらノートに書き取っている高校生
体験 03

実際に動いている仕組みを一つ選び、扱っている情報を書き出す

身の回りで実際に動いている仕組みを一つ選ぶ。次に、そこに入る情報と出る情報を、レジの表と同じ形で書く。金額や名前だけで終わらせず、日付・時刻・場所・回数まで探す

図書室の貸出駅の改札自動販売機飲食店の注文用の画面配達の追跡学校の出欠の記録

※ 自分で使ったことがなくてよい。思いつかないときは、上の中から学校にあるもの(図書室の貸出、学校の出欠の記録)を選ぶ

選んだ仕組み | 上から選ぶか、自分で挙げる
扱っている情報 | 入る → 出る の形で

全員の「仕組み → 扱っている情報」が右に並ぶ。これがクラスの調べた仕組みの一覧になる。第2回で、この中から一つ選んで図にする

クラスが調べた仕組みの一覧
教師用メモ

進め方(16分) 一人で 8 分。書けた人から送る。次に 2 人組で、相手の書いた「出る情報」に足せるものを言い合う(4分)。最後に投影で 3 件読み上げ、「入る情報にも日時が付いていたか」を確かめる(4分)。

C の生徒への手立て 「入る情報」が出てこない生徒には、「自分は何を差し出したか(カード・番号・押したボタン)」を一つだけ書かせる。そこから出る情報をたどらせる。

評価 入る情報と出る情報を書き分けられているかを見る。ここで集まった一覧は保存し、第2回・第4回でも使う。「回答を保存」で表として手元に残せる。目標 03。

まとめ 02

情報システムは、人と機械と決めごとの組み合わせ

情報システム目的を果たすために、人・機器・プログラム・決めごとを組み合わせたもの。機械だけを指す言葉ではない
調べるときの型①入る情報 ②中で起きること ③出る情報 ④関わる人。この 4 つで、たいていの仕組みは書き出せる
気づいたことどの仕組みも、目に見える結果(レシート・改札の開閉)の裏に、見えない記録が残っている
次に進むこと言葉で書いた流れは、人によって読み方が変わる。だから次回、図にする
教師用メモ

3分。「情報システム=人も含む」を落とさない。第4回で「社会に及ぼした影響」を扱う下地になる。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
金額以外 日付・時刻・店・レジ・個数・支払い方法まで記録されていた
02
誰の判断 店の発注、本部の品ぞろえ、工場と配送の計画まで動かしていた
03
入る/出る 自分で選んだ仕組みを、同じ型で書き出した
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01レジの仕組みが金額以外に扱う情報を挙げられる
02その情報が誰のどんな判断に使われるかを説明できる
03選んだ仕組みの入る情報と出る情報を書き出せる
できただいたいまだ
教師用メモ

1分。「まだ」が多い目標は、第2回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

これを作った人が決めたはずだ、と思ったこと

一文でよい。調べた仕組みの中で「これは誰かが決めたのだ」と思ったところを書く

みんなが見つけた「決めた人」
教師用メモ

3分。出てきたものを 2〜3 個読み上げる。「動いている仕組みは、誰かが決めて作った」がこの単元の本質的な問い。次回は、その流れを図にする。