広まった仕組みには、便利になった人もいれば困った人もいる
50分準備(授業前) 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。第1回で集めた「調べた仕組みの一覧」を手元に出しておく。ここまでの 3 回は仕組みの中を見てきた。この回は外へ出て、社会に何が起きたかを見る。
投影 体験 01 の右の一覧は 10 件ほど集まってから映す。体験 02 の帯は、全員が押してから映す。
時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 便利になった人と困った人(体験01 18分) / まとめ 4分 / 節2 作る側なら、どうするか(体験02 14分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 9分
この回の評価(単元設計は 単元設計のページ)
指導要領 解説 情報Ⅱ (4) イ(ア)「情報システムが社会の中で果たす役割や及ぼす影響について考察する」。内容の取扱い (4)「社会の中で実際に稼働している情報システムを取り上げ、それらの仕組みと関連させながら扱う」。設計指針 H5L3、J1L3。
取り上げ方 特定の会社や商品の良し悪しを論じる場ではない。仕組みが置き換えたものと、置き換えられて困った人を具体に挙げることに集中させる。
前回は仕組みの中で、安全と使いやすさが交換になることを見た。この交換は、仕組みの中だけで終わらない。世の中に出たとき、得をする人と損をする人に分かれて現れる
セルフレジが増えて、やりにくくなった人は誰か
前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。問いは 30 秒。「機械が苦手な人」「目が見えにくい人」「店員の仕事」などが出る。ここで整理せず、体験 01 で書かせる。
便利と、困った
前の仕組みを見る
立場を決める
同じ一つの仕組みが立場によって別のものに見える

広まっているサービスを 1 つ選ぶ。便利になった人と困った人を、それぞれ「どんな立場の人が、何をしにくくなったか」まで書く。「みんな」「高齢者」だけでは足りない
全員の「便利になった人 → 困った人」が右に並ぶ。同じサービスで違う困った人が挙がった 2 組を並べて読み上げる
進め方(18分) 一人で 7 分。書けたら送る。次に 4 人で、出た「困った人」を集め、誰も挙げなかった立場を一つ探す(6分)。全体で 5 分拾う。
問い返し 「高齢者」で止まった生徒には「その人は、前はどうやってできていたか」を聞く。前の仕組み(店員に聞く、電話で頼む、窓口に行く)が消えたことが困りごとの正体だと分かる。
出にくい立場 働く人(仕事の中身が変わる、人数が減る)、機器を持てない人、日本語が読みにくい人、その場に居合わせただけの人。一つは教師から出す。
評価 教室に集まった一覧が、この回の評価場面(便利になった人と、困った人)。具体的な立場が書けているかを見る。目標 02。
| 役割 | 情報システムは、それまで人が時間をかけていたことを、速く・広く・安く行えるようにした。これが社会の中で果たしている役割 |
| 置き換わったもの | 店員に尋ねる、電話で頼む、窓口に並ぶ、紙で受け取る。新しい方法が広まると、古い方法は採算が合わなくなって消える |
| 困った人が生まれる理由 | 困っているのは、新しい方法が使えない人ではない。使えていた古い方法を、選べなくなった人。選択肢が減ることが影響の中身 |
| 作る側から見ると | 「使う人はこう動くはずだ」という前提が、そのまま社会の側の条件になる。前提から外れる人が、困る人になる |
4分。体験 01 で出た困りごとを 2 件挙げ、「では、その人が前に使っていた方法は何だったか」を確かめる形で表を埋める。
WG の要点 プログラミング的思考を、手順・コード中心から目的・価値・責任・評価改善を含む課題解決全体へ広げる方向。ここが「責任」に当たる。目標 01。
困る人がいると分かったあと、何をするかで責任が決まる

自分たちが作った仕組みで、困る人がいると分かった。使う人の 9 割は便利になっている。作る側として、まず何をするか。1 つ選ぶ。正解を当てる問いではない。選んだ理由を、あとで言えるようにしておく
進め方(14分) 一人で選ぶ 3 分。全員が押したら帯を映す(1分)。次に同じ選択どうしで 3 人組を作り、理由を出し合う(5分)。最後に、選択ごとに 1 人ずつ理由を発表(5分)。
押さえること どれにも費用と時間がかかる。「古い方法も残す」は二重に維持する費用が要る。「作り直す」は時間がかかる間、困った人は困ったままになる。「今は進める」を選んだ生徒にはいつ見直すかを決めているかを問う。判断そのものより、条件と期限を付けているかを評価する。
この単元へのつなぎ 第14回で自分たちの作ったものを人に使ってもらい、第15・16回で直す。そのとき、この問いが自分のこととして戻ってくる。目標 03。
| 作る前に問うこと | ①誰が便利になるか ②誰が今の方法を失うか ③その人に残る道はあるか ④いつ見直すか |
| 「使う人」の決め方 | 「みんな」と書くと、実際には自分に似た人だけを想定してしまう。具体的な立場を 3 つ書くと、抜けが見える |
| 責任の中身 | 困る人をゼロにすることではない。誰が困るかを知っていて、そのうえで選んだと説明できること |
| 次に進むこと | ここまでの 4 回で、調べる側は終わり。次回から設計する側に回る。まずは、人に伝わる書き方から始める |
3分。第1〜4回が「調べる」、第5〜8回が「設計する」であることを示す。第7回で班の題材を決めることを予告しておく。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1分。「まだ」が多い目標は、第5回の冒頭で拾い直す。
一文でよい。「〇〇な人の△△を、先に直す」の形で、立場を具体に書く
3分。ここまでが「調べる」。次回から「設計する」に入る。人に伝わる形で書けなければ、班で分担して作ることはできない。