一覧へ 情報Ⅱ (4) 第8回 | 機能の分割
情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング | 第8回

機能の分割

同時に作るために、間で渡すものを決めて分ける

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードは第7回と同じものを使う。班の題材カードを引き継ぐため、変えないこと。「教師」を押す。体験 01 は端末内で完結する。班ごとに紙を 1 枚配ると、分割図が描きやすい。

投影 体験 02 の右には、第7回に出した題材カードと、今日出す分割のカードが並ぶ。改訂版として並ぶので、班の考えの変化が見える。

時間配分 前回まとめ・目標 5分 / 節1 3つに分ける(体験01 14分) / まとめ 5分 / 節2 自分の班を分ける(体験02 17分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 9分

この回の評価(単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 一つの仕組みを、受け取る・決める・届けるの 3 つに分けている(体験01)
  • 思考・判断・表現 班の題材を機能単位に分け、分けた理由と間で渡すものを説明している(体験02)【重点】
  • 態度 自分の担当の入力と出力を引き受けようとしている(体験02・ふりかえり)

指導要領 解説 情報Ⅱ (4) イ(イ)「いくつかの機能単位に分割して制作し統合するなど、開発の効率や運用の利便性などに配慮して設計する」。解説が挙げる見守りシステムの例では「状況を見守るセンサ部分」「異常かどうかを判断する部分」「メッセージを届ける部分」に分けている。設計指針 F2L4(抽象階層をもつプログラムを設計・構築できる。高選)。

深入りしない範囲 見守りシステムを例として扱うが、センサの種類や測り方には深入りしない。「何を測って、次に何を渡すか」までにとどめる。

前回のまとめ

題材と、誰が何をいつまでにを決めた

題材誰の何を良くするか完成の条件→誰が・いつまでに・何を

前回、班の題材と分担を決めた。ただし担当は「だいたいこの部分」のままだった。分担して同時に作るには、部分の切れ目をはっきりさせなければならない

4 人で同時に作るために、いちばん先に決めるのは何か

教師用メモ

前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。問いは 30 秒。「どこまでが自分の担当か」「相手に何を渡すか」が出れば、今日の答えに届いている。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
一つの仕組みを受け取る・決める・届けるの3つに分けられる
02
部分と部分の間で渡すものを、名前と形で決められる
03
班の題材を分け、自分の担当の入力と出力を言える
01 | 14分
3つに分ける

見守りの仕組みで

整理 | 5分
間で渡すもの

中身は見なくてよい

02 | 17分
班の題材を分ける

担当まで決める

SECTION 01

3つに分ける

測る係、決める係、知らせる係

紙に大きな四角を3つ描き、その間を矢印でつないで渡すものの名前を書き込んでいる高校生の手元
体験 01

見守りの仕組みの仕事を、3つの部分に振り分ける

場面 一人で暮らす人の様子を見守る仕組みを作る。この仕組みがする仕事が 9 つある。3 つの部分に振り分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す

受け取る部分 = 様子を測る決める部分 = おかしいかを判断する届ける部分 = 知らせを送る
教師用メモ

進め方(14分) 一人で 6 分、答え合わせ 4 分。そのあと「なぜこう分けると良いのか」を班で 4 分話す。

迷いやすい所 「一度知らせたら、しばらく出さない」を届ける部分に入れる生徒が多い。知らせるかどうかを決める仕事なので、決める部分。「送れなかったらもう一度送る」は、送る仕事なので届ける部分。「どういう仕事か」で分けるのであって、順番で分けるのではない。

分ける良さ ①3 人が同時に作れる ②測り方を変えても、決める部分は直さなくてよい ③届け先を増やしても、測る部分は直さなくてよい。設計指針 F2L4の「抽象化の効果を確認させる」がここ。

深入りしない範囲 どのセンサを使うか、どう測るかには入らない。「何を測って、何を渡すか」でよい。目標 01。

まとめ 01

分けるとは、間で渡すものを決めること

受け取る部分
入る 現実の様子
出す 測った値と、測った時刻
値と時刻→
決める部分
入る 測った値と時刻
出す 知らせるか、知らせないか
知らせるか→
届ける部分
入る 知らせるかどうか
出す 相手に届いた知らせ
分けるときの約束間で渡すものの名前と形を決める。「値」だけでは足りない。「動きの回数(0 以上の整数)と、測った時刻」まで決める
中身は見なくてよい決める部分の担当は、測り方を知らなくても作れる。渡されるものの形だけ知っていればよい。これが抽象化(=中身を知らなくても、外から使えるようにすること)
効果同時に作れる。片方を作り替えても、もう片方は直さなくてよい。どこで間違えたかも切り分けやすい
この形は共通Web の仕組みも、端末用のアプリも、計測と制御も、受け取る・決める・届けるで分けられる
教師用メモ

5分。図を投影しながら「渡すものの名前と形」を強調する。ここが決まっていないと、第12回の統合で必ず食い違う。

言い方の例 「動きの回数を渡す」ではなく「動きの回数(0 以上の整数)と、測った時刻(年月日と時分)を渡す」。名前と形の 2 つを言わせる。目標 02。

SECTION 02

自分の班の題材を分ける

分けると、担当がはっきりする

3つに分けた分割図の各枠に自分の名前を書き込んでいる4人の高校生
体験 02

班の題材を3つに分け、担当と渡すものを決める

前回決めた題材を、受け取る・決める・届けるの 3 つに分ける。A の連絡板なら「書き込みを受け取る」「送ってよいか決める」「保存して読める形で出す」。B のアプリなら「頼みを受け取る」「何を返すか決める」「画面に出す」。C の計測と制御なら「測る」「動かすか決める」「動かす・知らせる」

※ 第7回のカードが出ていない班・その回にいなかった人は、上の A の連絡板を題材にして書いてよい。あとで班の題材に書き直せる

※ 班が 3 人に満たないときは、一人が 2 つの部分を持つ。担当の欄に同じ名前を 2 回書けばよい。一人で進めているときは、3 つとも自分の名前でよい

班 | 班の番号と、作るものの名前
受け取る部分 | 何をする部分か(担当の名前)
決める部分 | 何をする部分か(担当の名前)
届ける部分 | 何をする部分か(担当の名前)
渡すもの | 部分と部分の間で渡すものの名前と形

右には第7回の題材カードと、今日の分割が「改訂版」として並ぶ。ほかの班のカードに印を付けられる。渡すものの形が書けているかを見合わせる

全班の題材カードと、分割
教師用メモ

進め方(17分) 班で紙に 3 つの枠を描き、仕事を書き出す 7 分。担当を割り振る 3 分。間で渡すものの名前と形を決める 4 分(ここがいちばん大事)。提出 3 分。

4 人の班 3 つに分けると 1 人余る。余った 1 人は「つなげて動かす担当」にする。第12回で最も忙しくなる役。または、どれか一つの部分を 2 人で担当する。

問い返し 「渡すもの」に「データ」とだけ書いた班には、「それは数か、文字か、いくつまでか」を聞く。形が決まっていないものは渡せない。ここで決めておけば、第12回の統合が楽になる。

C の班・生徒への手立て 3 つに分けられない班には、まず「使う人が最初にすること」と「最後に見るもの」だけを書かせ、その間にある仕事を 1 つ挙げさせる。個人には、自分の枠の入る・出るを一つずつ書かせる。

評価 提出された分割のカードが、この回の評価場面(分割図と、担当の割り当て)。目標 03。

まとめ 02

ここまでで、設計は終わり

設計として手元にあるもの①情報の流れの図 ②画面の並びの図 ③状態の移り変わりの図 ④開発の流れと分担表 ⑤機能の分割図と、間で渡すもの
分割図が持つ力担当がはっきりする。同時に作れる。どこで間違えたかを切り分けられる。直すときに、直す範囲が限られる
いちばん壊れやすい所間で渡すもの。名前か形がずれていると、それぞれは動くのに、つなぐと動かない
次に進むこと次回から作り始める。まず、残すものを決める。書き込みは、どんな項目で残せばよいか
教師用メモ

3分。第1〜4回が調べる、第5〜8回が設計する。次回から作って統合する 5 回に入ると示す。分割図は必ず保存させ、毎回持ってこさせる。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
3つに分ける 受け取る・決める・届ける。順番ではなく仕事の種類で分けた
02
渡すもの 名前と形の両方を決めた。形が決まらないものは渡せない
03
班の分割 担当が決まり、自分の入力と出力が言えるようになった
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01仕組みを受け取る・決める・届けるの 3 つに分けられる
02間で渡すものを、名前と形で決められる
03自分の担当の入力と出力を言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1分。「まだ」が多い目標は、第9回の冒頭で拾い直す。とくに目標 02 が「まだ」なら、統合でつまずくので個別に確かめる。

ふりかえり

自分の担当に、隣から何が渡ってくるか

一文でよい。「〇〇(名前・形)が渡ってきて、△△(名前・形)を渡す」の形で書く

みんなの、入るものと出るもの
教師用メモ

3分。隣どうしの記述が食い違っている班をその場で見つけ、次回までに合わせるよう伝える。次回は「データの保存と管理」。保存する項目を決める。