何をどの形でいつまで残すかを決める。残すと決めた分だけ、守る責任が増える
50分 | 班で行う準備(授業前) この単元はずっと同じ教室コードを使う。板書して全員に入れさせる(第7回で出した班の課題カードが続けて出る)。「教師」を押す。班の座席で始める。体験 01・02 は端末内で完結する。
投影 体験 01 は投影で答え合わせ。体験 03 は右の一覧を投影し、班ごとの項目の違いを見せる。
時間配分 前回のまとめ・目標 5分 / 節1 残すか、その場限りか 12分 / 節2 一行の形を決める 15分 / 節3 班で決めて出す 12分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分
この回の評価(単元設計「各回と評価」第9回。重点は技能、評価場面は「保存する項目の設計」。単元設計は 単元設計のページ)
指導要領 高等学校学習指導要領 情報Ⅱ (4) ア(ウ)(情報システムを構成するプログラムを制作する技能)。解説は「Web システムを扱う場合はサーバサイドプログラムやデータベースを深入りしない範囲で扱う」と指定している。SQL の文法は教えない。設計指針(第2版)D2L3「データベースやデータ構造による取り扱い」(高選)。
班の題材が掲示板などの Web システムでも、サーバと連携する携帯情報端末用アプリでも、計測・制御システムでも、この回の流れは同じ。「残すもの」が投稿か、利用者の設定か、測った値か、が変わるだけ。
前回、システムを機能の単位に分け、班員が一つずつ担当を持った。分けた図の中で、まだ決めていないものが一つある。データをどこに、どの形で置くか。ここが決まらないと、担当どうしが同じものを別の形で持ってしまう
自分たちのシステムで、電源を切っても残っていないと困るものは何か
3 分 前回の分割図を班で開かせ、上の問いを口頭で一つずつ言わせる。ここでは答えを整理しない。体験 01 で分ける。
教室コードが入っていない生徒がいないかを、この枚で確かめる。
分けてみる
項目の名前と形
いつまで、誰が
全部残せばいいわけではない

システムが扱うものを 8 つ並べた。電源を切っても残っていないと困るものはどれか。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す
進め方(10分) 一人で 4 分。班で見せ合って 3 分。投影で答え合わせ 3 分。
判断の物差し ①あとで見返すか ②数えるか ③元に戻すか。どれにも当てはまらないものは、その場限りでよい。「測った値」は全部残すのではなく、線を超えたときだけ残す、という決め方がある。
迷いやすいもの 「動作の記録」は残す側。誰がいつ操作したかが分からないと、おかしくなったときに調べられない。第3回の「障害と情報漏えいへの備え」につながる。
残すほど、守る責任と、消す責任が増える。目標 01。
| 残す | あとで見返す・数える・元に戻すために要るもの。投稿、利用者の一覧、線を超えた測定値、操作の記録 |
| その場限り | その画面、その一回で終わるもの。入力途中の文字、読み込み中の表示、計算のとちゅうの値 |
| 残すと増えるもの | 置き場所。守る責任(漏れたら困る)。消す責任(いつまでも持たない) |
「とりあえず全部残す」は設計ではない。使う場面が言えるものだけを残すと決める
2 分。「全部残せば安心」と言う生徒には、漏れたときに困る量も増えることを返す。第3回・第4回で扱った内容に戻る。
項目の名前と形が違うと、担当どうしでつながらない

自分たちのシステムが残す記録を、1 件=1 行と考える。その 1 行にどんな項目が並ぶかを、上から順に書く。形は右の一覧から選ぶ。個人が分かる項目には印を付ける。この画面は自分の端末にだけ残る
※ この回は、作る道具がなくても最後まで進められる。決めるのは項目の名前と形だけで、動かす必要はない
※ 班の題材が決まっていない人・その回にいなかった人は、見本の「部室の使用予定を知らせる掲示板」で書いてよい
進め方(13分) 一人で 6 分書く。班で見せ合い、項目の名前と形をそろえる 5 分。全体で 2 分、1 班の画面を投影して読み上げる。
ここが要点 例が書けない項目は、まだ決まっていない。「時刻」なのか「日付」なのかを決めていないと、担当どうしで食い違う(第12回で実際に起きる)。
置き場所は問わない 表計算のシートでも、1 件 1 行のファイルでも、データベースでもよい。解説の指定どおり深入りしない。SQL の文法は扱わない。決めるのは「項目・形・いつまで・誰が見られるか」。
計測・制御を選んだ班 1 行は「時刻・センサの番号・測った値・線を超えたか」になる。中学校の技術分野で作った計測・制御のプログラムを思い出させる。
個人が分かる項目 印が付いた項目は、誰が見られるかを必ず決める。ここが節3につながる。目標 02。
| 項目の名前 | 班の全員が同じ言葉で呼ぶ。「時刻」と「時間」が混ざると、つないだときに合わない |
| 形 | 文字か、数か、時刻か、○か×か。数を文字で持つと、大小の比較ができなくなる |
| いつまで | 残す期間を決める。決めないものは、いつまでも消えない |
| 誰が見られる | 本人だけか、班だけか、クラス全員か。個人が分かる項目ほど、狭くする |
この 4 つが、担当どうしの約束になる。約束を書いておかないと、統合したときに食い違う
2 分。第3回で扱ったセキュリティの3要素のうち、「誰が見られるか」は機密性、「消えない・書き換わらない」は完全性にあたることを一言添える。
決めたことを、班の外の人が読める形にする

※ 第7回からのカードが右に出ていないとき(教室コードが違う、その回にいなかった)は、この枚で新しく書けばよい。班の欄に自分の名前だけを書いて出してもよい
班ごとに 1 枚。右に並んだら、形が書けていないカードを 1 枚選び、何を足せばよいかをクラスで言葉にする
進め方(12分) 班で相談 7 分、代表が提出 2 分、投影して 3 分。班に 1 枚。第7回で出したカードの続きなので、同じ教室コードなら前のカードも並んで見える。
見るところ 項目に形が付いているか。「いつまで」が「ずっと」になっていないか。個人が分かる項目の見られる範囲が、いちばん狭くなっているか。
C の生徒への手立て 第8回の分割図に戻り、自分の担当が「何を書き込み、何を読むか」を一つだけ書かせる。それがそのまま項目になる。
このカードは第12回・第15回・第16回で続けて使う。教室コードのデータは 24 時間で消えるので、決めたことは各自の端末にも書き写させる。目標 03。
次回は、この項目を誰が書き込み、誰が読むかを決める。頼む側と返す側に分かれる
2 分。次回は情報Ⅰ (4) のクライアントとサーバを、自分たちのシステムの中の役割として置き直す。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。目標 02 が「まだ」の班は、次回の頭で項目表を先に埋めさせる。
一文でよい。「〇〇は残さない。理由は△△」の形
3 分。数人読み上げる。「残さない」を決めるのも設計だと言葉にして閉じる。次回は頼む側と返す側。