使う人に壊されるより先に、自分たちで壊しにいく
50分 | 班で行う準備(授業前) 単元と同じ教室コードを板書し、全員に入れさせる。班の座席。前回の食い違いのカードを開けるようにしておく。体験 02 は端末内で完結する。「教師」を押す。
投影 体験 01 は投影で答え合わせ。体験 03 の一覧は 1 班を投影し、「実際の動き」が書けているかを見せる。
時間配分 前回のまとめ・目標 5分 / 節1 テストを種類で分ける 12分 / 節2 わざと通してみる 16分 / 節3 一覧に残す 11分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分
この回の評価(単元設計「各回と評価」第13回。重点は思考、評価場面は「テストの一覧と、直した所」。単元設計は 単元設計のページ)
指導要領 情報Ⅱ (4) イ(ウ)「プログラムを制作し、その過程を評価し改善する」。設計指針(第2版)F4L3「複数種類のテストケースや要求仕様に基づいて不備を確認し修正できる」(高選)。
AI の助けについて(指針 F4L3 の釘) 指針は、AI に調べさせたり修正案を出させたりするのはよいとしたうえで、「何が問題だったか、なぜどのように直したのかを理解させる」と釘を刺している。この回では、AI の案をそのまま貼ることを禁じない。ただし体験 03 の一覧の「直した所」欄に、何が問題で、なぜその直し方にしたかを自分の言葉で書けることを条件にする。書けない生徒には、直す前の動きと直したあとの動きを口で言わせてから書かせる。
前回、つないで出た食い違いを切り分けた。あれはふつうに動かして出たものだった。今日は反対に、わざとおかしなものを入れて出す。使う人は、こちらが思ってもみないものを入れてくる
おかしな入力を、思いつきで出すのと、種類で出すのと、何が違うか
3 分 前回決めた「直す担当と期限」が守られたかを、班で 1 分確認させる。守れていない班は、今日の終わりまでを新しい期限にする。
上の問いには答えない。体験 01 で、種類に分けると抜けが見えることを確かめる。
抜けが見える
壊しにいく
直した理由まで
思いつきで試すと、同じところばかり試している

試す入力を 9 つ並べた。どの種類かを分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す
進め方(12分) 一人で 4 分、班で 4 分、投影で答え合わせ 4 分。
なぜ種類で分けるか 思いつきで試すと、ふつうの入力ばかり何度も試すことになる。3 つの種類それぞれに 1 つ以上作ると決めておけば、抜けが見える。設計指針 F4L3 の「複数種類のテストケース」がこれ。
境目がいちばん見つかる 「ちょうど上限」と「上限の一つ上」は、条件の向き(以上と未満)の書き間違いを一発で出す。前回の切り分けで「実装の間違い」に入れた項目そのもの。
迷いやすいもの 「続けて 2 件、別々の内容」はふつう(ふだん起きる)。「まったく同じものを二回」は想定外(送信ボタンの二度押しなど)。この違いを言葉にさせる。目標 01。
| ふつう | 決めたとおりの、よくある値。これが通らなければ、そもそも作れていない |
| 境目 | 決めた範囲のちょうど端と、その一つ外。条件の向きの間違いが、ここでいちばん見つかる |
| 想定外 | そもそも来ないはずのもの。空、形違い、二度押し。止まらずに、返事を返すことを確かめる |
| 決め方 | 思いつきで試さない。3 つの種類にそれぞれ 1 つ以上と決めてから作る |
2 分。想定外の入力は「エラーを出さない」ではなく「止まらずに、決めた返事を返す」が正解。第10回で決めた「うまくいかないときに返すもの」がここで使われる。
壊れるところは壊してみないと見えない

※ 学校の環境や班の題材の環境で作っている場合は、そちらで同じ 3 種類を通す。この欄は共通の練習用で、書いたものはこの端末に残る
進め方(16分) 3 種類を通す 8 分、直す 6 分、班で見せ合う 2 分。直すのは止まったものだけ。全部きれいにしようとしない。
止まりやすいところ 数の欄に文字が来たときの計算、空のときの長さの取り出し、二回送ったときの二重の記録。第11回の体験 03 で「困りそう」と予想したものが、ここで実際に出る。
AI を使ってよい(指針 F4L3) 直し方が分からないとき、AI に聞いたり修正案を出させたりしてよい。ただし条件が一つ。次の枚の一覧に、何が問題だったか、なぜその直し方にしたのかを自分の言葉で書けること。書けないものは、まだ自分のものではない。口で言わせてから書かせる。
計測・制御を選んだ班 装置につながる部分は、値を渡されたつもりで通す。センサが外れて値が来ない場合を「想定外」に入れさせる。目標 02。
| 止まる | いちばん困る。使う人には、何が起きたか分からない |
| 止まらない | 想定外の入力でも、第10回で決めた「うまくいかないときに返すもの」を返す |
| 返す言葉 | 使う人が次に何をすればよいか分かる言い方にする。「エラー」(=何かがうまくいかなかった、という知らせ)だけでは何も伝わらない。「日にちの形が違います。2026-10-03 のように入れてください」まで書く |
| 直したら | ふつうの入力を、もう一度通す。想定外の手当てで、ふつうが通らなくなることがある |
2 分。「エラーが出ないこと」ではなく「止まらずに、決めた返事を返すこと」が目標だと言い直す。返す言葉づかいは第14回の「利用者による試用」で試される。
直した理由まで書いて、はじめてテストになる

通した入力を 4 つ書く。ふつう・境目・想定外がそろっているようにする。「直した所」には、何が問題で、なぜその直し方にしたかを書く。この画面は自分の端末にだけ残る
進め方(11分) 書く 7 分、班で見せ合って抜けている種類を足す 2 分、1 班を投影 2 分。
この一覧が評価場面(テストの一覧と、直した所)。見るところは 3 つ。①3 つの種類がそろっているか ②「実際の動き」が期待と違う行があるか(全部○なら、まだ甘い試し方をしている) ③「直した所」に理由が書けているか。
AI の案を使った生徒 「直した所」を口で説明させてから書かせる。説明できれば、その案を使ってよい。説明できなければ、直す前の動きと直したあとの動きを一緒に確かめる。指針 F4L3 が求めているのは、案の出どころではなく理解。
C の生徒への手立て 「何も入れずに送る」の 1 行だけを、期待・実際・直した所まで埋めさせる。1 行そろえば、残りは同じ形で書ける。目標 03。
次回は、いよいよクラスの誰かに使ってもらう。自分たちで見つけられなかったものが出る
2 分。次回に向けて、班で「使ってもらう相手」と「やってもらう作業を一つ」を決めておくよう指示する。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。目標 03 が「まだ」の生徒は、直し方が自分のものになっていない。次回の冒頭で、直した所を口で言わせる。
一文でよい。「〇〇を入れたら△△になった。だから□□に直した」の形
3 分。数人読み上げる。「境目」で見つかったものが多ければ、そこを全体に返す。次回は使ってもらう回。