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情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング | 第14回

利用者による試用

作った人には見えないものが、はじめて使う人には一瞬で見える

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 単元と同じ教室コードを板書し、全員に入れさせる。班どうしの組み合わせを先に決めておく(1班と2班、3班と4班…)。前回までに動く形になっていない班があれば、動く一部分だけを使ってもらう形にする。「教師」を押す。

投影 体験 01 は投影で答え合わせ。体験 02 の一覧は投影し、事実と考えたことが分かれているかを見せる。体験 03 の分布も投影する。

時間配分 前回のまとめ・目標 5分 / 節1 渡して黙って見る 11分 / 節2 使ってもらう・記録する 17分 / 節3 直す所を一つ選ぶ 11分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

この回の評価(単元設計「各回と評価」第14回。重点は態度、評価場面は「使った人の反応の記録」。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 使ってもらう手順に沿って、実際に人に使わせている(体験01・02)
  • 思考・判断・表現 見たこと(事実)と、そこから考えたことを分けて書いている(体験02)
  • 態度 指摘を受け止め、直す所を班で一つに絞ろうとしている(体験03・ふりかえり)= 単元の A の入口

指導要領 情報Ⅱ (4) イ(ア)(情報システムが社会の中で果たす役割や及ぼす影響)、イ(ウ)(制作の過程を評価し改善する)。設計指針(第2版)J3L2、G4L3。単元設計は「クラスの誰かに実際に使ってもらい、自己評価と相互評価を行って改善する」と定めている。

どの題材でも同じ 掲示板なら「予定を 1 件入れてもらう」、携帯情報端末用アプリなら「一覧を開いて 1 件見つけてもらう」、計測・制御なら「装置の前に立って、知らせが出るまで待ってもらう」。作業を一つに絞るのは共通。

前回のまとめ

自分たちで、わざと壊しにいった

ふつう→境目→想定外→今日 | 人に使ってもらう

前回、3 つの種類の入力を自分たちで通した。それでも見つからないものがある。作った人は、使い方を知っているから。今日は、使い方を知らない人に使ってもらう

使ってもらうとき、こちらは何を言い、何を言わないか

教師用メモ

3 分 前回のテスト一覧を開かせ、「全部○だった人」に手を挙げさせる。その人ほど、今日は多く見つかる。

上の問いには答えない。体験 01 で手順として確かめる。「つい教えてしまう」を止めるのが、この回のねらい。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
説明しすぎずに使ってもらい、詰まった所を見つけられる
02
見たこと(事実)と、そこから考えたことを分けて書ける
03
出た指摘から、班で直す所を一つ選べる
01 | 11分
渡して、黙って見る

手順を決める

02 | 17分
使ってもらう

事実を書き留める

03 | 11分
一つ選ぶ

全部は直さない

SECTION 01

渡して、黙って見る

教えてしまうと、その人が詰まった所が消える

自分の端末を隣の席の生徒に差し出し、口を閉じて見守っている高校生
体験 01

使ってもらう手順を、並べ替える

人に使ってもらうときの 6 つを、やる順にタップする。タップした順に番号が付く(もう一度タップで外れる)。全部に番号を付けたら「答え合わせ」

教師用メモ

進め方(11分) 班で相談 4 分、投影で答え合わせ 4 分、班で「やってもらう作業を一つ」決める 3 分。

なぜこの順か ①先に長く説明すると、説明のうまさを試すことになる ②作業を一つに絞らないと、何を見ればよいか決まらない ③口を出さないのがいちばん難しい。教えた瞬間に、詰まった所が消える ④その場で書く。あとでは思い出せない ⑤最後に聞く。先に聞くと誘導になる ⑥全部を直そうとしない。

使う人を責めない 迷ったのは、使う人の力不足ではなく、作りのほう。「分かりにくくてすみません」と言うのが、この場面の正しい態度。

順番が違っても、理由が言えていれば認める。ただし「③口を出さない」を早い位置から動かした班には、その理由を必ず聞く。目標 01。

まとめ 01

言うのは一行、見るのは手元

言うこと何をする道具か、一行だけ。それと、やってもらう作業を一つ
言わないこと使い方の手順。押す場所。「そこじゃなくて」。教えた瞬間に、詰まった所が消える
見るところ手が止まった時間。同じ所を何度も押す。画面から目を離す。この 3 つが詰まりの合図
あとで聞くこと「どこで迷ったか」。終わってから聞く。途中で聞くと誘導になる
教師用メモ

2 分。「詰まりの合図 3 つ」を板書して、体験 02 の間ずっと見えるようにしておく。

SECTION 02

使ってもらう

見たことと思ったことは別のもの

操作する人の手元を横からのぞき込み、ノートに書き留めている高校生2人
体験 02

実際に使ってもらい、見たことを書き留める

組んだ相手の班に使ってもらう。詰まった場面を 1 つ選んで書く。左は見たまま(時間・動作・画面)、右はそこから考えたこと。混ぜない

見たこと | 事実だけ。「使いにくそう」は事実ではない
そこから考えたこと | 直す手がかり

全員の記録が右に並ぶ。左に感想が入っているものを 1 つ取り上げ、事実に言い直させる

クラスの記録 | 見たこと → 考えたこと
教師用メモ

進め方(17分) 前半 7 分は自分の班が使ってもらう側、後半 7 分は交代して使う側。最後の 3 分で記録を送る。時計を教師が見て、交代を号令する。

使う側の役割 声に出しながら操作させる(「いま、ここを押してみる」)。心の中の迷いが、作った側に聞こえる。

事実と考えたことを分ける 「使いにくそうだった」は事実ではない。事実は「20 秒手が止まった」「同じボタンを 3 回押した」。分けて書くと、直す所が具体になる。分けずに書くと、感想の言い合いで終わる。

作った側の態度 言い訳をせず、その場で直さず、まず書き留める。ここが態度の評価場面。

まだ動く形になっていない班 動く一部分だけを使ってもらう。「ここまでしか動きません」と先に伝えてよい。目標 02。

まとめ 02

事実は動かせない、考えたことは変えられる

事実手が 20 秒止まった。同じ所を 3 回押した。別の画面を開いた。誰が見ても同じもの
考えたこと押せていないと思ったのではないか。名前の意味が分からなかったのではないか。人によって違ってよい
分ける理由事実が残っていれば、考えが外れても、別の考えをやり直せる。混ぜて書くと、やり直せない
言い方作った人ではなく、作りの方を指す。「〇〇が分かりにくかった」ではなく「〇〇で 20 秒止まった」
教師用メモ

2 分。第15回の相互評価も、この言い方で行う。「事実で言う」を、この単元の作法として置く。

SECTION 03

一つ選ぶ

全部直そうとすると、何も終わらない

机に並べた指摘のメモから、1枚だけを手に取っている高校生の班
体験 03

先に直すのは、どの種類の指摘か

出てきた指摘を種類に分けると、4 つになる。班で相談して、先に直す種類を 1 つ選ぶ。班の全員が同じものを選ぶ

選んだ人数が右に出る。分かれているところを読み上げ、「使う人が目的を果たせるか」で順番が決まることを確かめる

クラスの選び方
教師用メモ

進め方(11分) 班で相談 5 分、投票 1 分、全体で 5 分。

順番の考え方 使う人が目的を果たせるかで決まる。①止まる(果たせない)→ ②迷う(時間がかかる、あきらめる)→ ③言葉(間違えて使う)→ ④見た目。見た目を先に選んだ班には、「その直しで、使う人は目的を果たせるようになるか」と聞く。

ただし例外もある 言葉が誤解を招いて取り返しのつかない操作(消す・送るなど)につながるなら、③が先になる。理由が言えていれば認める。

選んだ種類の中から、班で直す所を一つだけ決めて、次回までに直しておくよう指示する。目標 03。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
渡して見る 言うのは一行、見るのは手元。教えた瞬間に、詰まった所は消える
02
分けて書く 事実は誰が見ても同じ。考えたことは人によって違ってよい
03
一つ選ぶ 使う人が目的を果たせるかで、直す順番が決まる

次回は評価し合う。観点を決めて、班どうしで見る。今日の「事実で言う」をそのまま使う

教師用メモ

2 分。班で決めた「直す所を一つ」を、次回の始めに確認すると予告する。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01説明しすぎずに使ってもらい、詰まった所を見つけられた
02見たことと、そこから考えたことを分けて書けた
03出た指摘から、班で直す所を一つ選べた
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。目標 02 が「まだ」の生徒には、記録を 1 行だけ、事実に言い直させてから帰す。

ふりかえり

自分たちでは気づけなかったこと

一文でよい。「〇〇は分かると思っていたが、△△だった」の形

みんなが気づけなかったこと
教師用メモ

3 分。数人読み上げる。「作った人には見えない」ことが実感として出ていれば、この回は達成。次回は観点を決めて評価し合う。