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情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング | 第15回

相互評価

よい・悪いを言い合う前に、何を見るかを決めておく

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 単元と同じ教室コードを板書し、全員に入れさせる。班の座席。第14回に集まった「見たこと → 考えたこと」の記録を開けるようにしておく(今日はその続きを、観点をそろえて行う)。班どうしの組み合わせは第14回と入れ替える(1班と3班、2班と4班…)。前回と同じ相手だと、同じ所しか出ない。「教師」を押す。

投影 体験 01 は投影で答え合わせ。まとめ 01 の規準の表は、体験 02 の間ずっと出したままにする。体験 02 の右のカード一覧は、全班が提出してから映す。

時間配分 前回のまとめ・目標 5分 / 節1 観点をそろえる(体験01 9分・まとめ 3分)12分 / 節2 触って、判定を返す(体験02 25分)25分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

この回の評価(単元設計「各回と評価」第15回。重点は思考・態度、評価場面は「相互評価」。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 他の班のシステムを実際に動かし、分担した機能が単体で動くかを確かめている(体験02)
  • 思考・判断・表現 判定の根拠を、感想ではなく触ってみた事実で言っている(体験01・02)【重点】
  • 態度 返ってきた判定を言い訳せずに受け取り、直す候補を並べようとしている(体験02・ふりかえり)【重点】

指導要領 情報Ⅱ (4) イ(ウ)「プログラムを制作し、その過程を評価し改善する」。設計指針(第2版)K2L2、G3L3。単元設計の評価課題は「クラスの誰かに実際に使ってもらい、自己評価と相互評価を行って改善する」と定めている。

観点は教師が配らない、が今日は例外 今日の 3 観点は、単元の評価規準そのものを生徒の言葉に直したものである。第7回から班のカードに付いていた印も、この 3 つに切り替わる。教師が使っている物差しを、生徒に渡して使わせる回だと説明してよい。

まだ動く形になっていない班 動く一部分だけを触ってもらう。判定は「まだ」でよい。第16回で直す所が一つ決まればそれでよいと伝える。

前回のまとめ

使う人の詰まりを、事実で書き留めた

渡して、黙って見た→見たことを書いた→直す所を一つ選んだ→今日 | 観点で判定し合う

前回、使う人が詰まった所を事実で書き留めた。ただし記録は班ごとにばらばらで、何を見たかがそろっていない。今日は見る所を 3 つに決めてから、もう一度互いのシステムを触る

感想を言い合うのと、観点を決めて評価し合うのと、何が違うか

教師用メモ

3 分 前回、班で決めた「直す所を一つ」が直っているかを、班で 1 分確認させる。直していない班は、今日の判定で「まだ」が付くだけだと伝える。責めない。

上の問いには答えない。体験 01 で、観点があると同じものを見ても判定が一致することを確かめる。感想は人によって違ってよいが、判定は一致しなければ使えない。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
見たことを、3 つの観点のどれに当たるか振り分けられる
02
他の班のシステムを実際に触って、観点ごとに判定を返せる
03
自己評価と相互評価のずれから、直す候補を並べられる
01 | 12分
観点をそろえる

見る所を3つに

02 | 25分
触って、判定を返す

動かしてから押す

03 | 8分
ずれを読む

低いほうを見る

SECTION 01

観点をそろえる

何を見るかが決まらないと、評価は感想になる

黒板に三つの見出しを書き、その下に付箋を貼り分けている高校生たちの教室
体験 01

他の班を見て気づいたことを、3つの観点に振り分ける

ある班のシステムを触ったときに気づいたことが 9 つある。どの観点についての気づきかを振り分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す

単体で動く = 分担した部分が、意図どおり動く分けた理由が言える = 機能単位に分けた訳を説明できる指摘を取り入れている = 進み具合を共有し、直している
教師用メモ

進め方(9分) 一人で 4 分、投影で答え合わせ 3 分、迷った 1 つを班で 2 分話す。

迷いやすい所 「直さなかった指摘について、直さない理由を言った」を「まだ取り入れていない」と読む生徒がいる。理由が言えるなら、それは判断であって、取り入れたのと同じ扱い。第16回で正面から扱う。

3 つの観点はどこから来たか 単元の評価規準そのもの。①動く ②説明できる ③取り入れている、は 知識・技能/思考・判断・表現/態度 に一つずつ対応している。教師が付ける物差しを、そのまま生徒に渡していると言ってよい。

触らずには判定できない ①は動かさなければ分からない。②③は聞かなければ分からない。次の節では「触る」と「聞く」を両方させる。目標 01。

まとめ 01

Bは目的が果たせている線、Aはそこに一つ足す

観点B | できているA | 十分できている
単体で動く分担した機能のプログラムが、単体で意図どおり動く想定外の入力に対しても、止まらないよう手当てしている
分けた理由が言える機能単位に分けた理由を説明できるつないで出た食い違いの原因を、設計か実装かに切り分けて説明している
指摘を取り入れている進み具合を共有し、遅れを早めに伝えている使った人の指摘を取り入れて直し、直した理由を記録している
押す前にやること触る(①のため)と聞く(②③のため)。触らずに見た目だけで押さない
「まだ」も判定まだは失敗ではなく、直す所が見つかったという印。第16回はそこから始める
返し方印を押すだけでなく、そう判定した事実を一つ言葉で返す。「空欄で送ったら止まった」の形
教師用メモ

3 分。この表は体験 02 の間ずっと出しておく。B から読ませる。B は「目的が果たせている線」で、A は B に一つ足された状態。

A の欄は、この単元で積んできたものと重なっている。①は第13回のテスト、②は第12回の切り分け、③は第14回の記録。やってきたことが、そのまま A の中身になっていると示す。目標 02 の準備。

SECTION 02

触って、判定を返す

動かしてみないと、動くかどうかは分からない

他の班の席に立ち寄って端末を操作し、その横で作った側が説明を待っている高校生たち
体験 02

班のカードに自己評価を出し、他の班を触って判定を返す

第7回から続けている班のカードに、3 つの観点での自己評価を書いて出し直す。右に並んだ他の班のカードには、実際に触って聞いたうえで、いちばん低いと思う観点を 1 つ押して返す

班と、作るもの
触ってもらう作業 | 他の班にやってもらうことを一つ
単体で動く | A・B・まだ と、そう付けた理由
分けた理由が言える | A・B・まだ と、その理由
指摘を取り入れている | A・B・まだ と、その理由

第7回からのすべての版の下に、自己評価の版が並ぶ。他の班のカードには、実物を触ったうえでいちばん低いと思う観点を押して返す。自己評価が全部 A の班と、他の班から「まだ」が集まった班を、それぞれ 1 つずつ取り上げる

班のカード | 自己評価と、他の班からの判定
教師用メモ

進め方(25分) 班で自己評価を相談して書く 6 分 → 提出 2 分 → 組んだ相手の班へ行き、触って聞く 6 分 → 交代して 6 分 → 席に戻り、判定を押す 3 分 → 自分の班に付いた印を読む 2 分。移動があるので、交代と帰席の時刻を板書し、教師が号令する。

触る側の手順 ①カードの「触ってもらう作業」を 1 つやってみる ②わざと空欄で送ってみる(第13回の想定外を 1 つ) ③「なぜ 3 つに分けたのか」を聞く ④「前回の指摘をどうしたか」を聞く。この 4 つで、3 観点がそろう。

押すのは 1 つだけ(いちばん低いと思う観点)。全部押させると、判定にならない。押したあとに、そう判定した事実を口で相手に返させる。「見た目が」「なんとなく」は返させない。

作った側の態度 第14回と同じで、言い訳をせず、その場で直さず、まず受け取る。ここが態度の評価場面。

自己評価が全部 A の班へ 「第14回に、使った人はどこで止まりましたか」と返し、記録を見返させる。高いほうを信じない。作った側は、書いていないことを頭の中で補って見ている。

C の生徒への手立て 3 観点で迷う生徒には、①だけを見させる。「空欄で送ったら、どうなりましたか」の 1 問でよい。目標 02。

まとめ 02

ずれた観点が、直す所

SELF
自己評価
作った側として付ける。頭の中の設計まで見えているので、高く付きやすい
PEER
相互評価
触った側として付ける。動いたものと、聞けた説明だけで判定する。こちらが使う人に近い
GAP
ずれ
二つが違った観点が、直す所。低いほうを見る。全部は直さず、次回に一つ選ぶ
ずれが出る理由作った側は「そこは分かっているはず」と思って触る。触る側は、書いてあることしか知らない。この差が、そのまま使う人との差
ずれなかった班いちばん低い観点が、そのまま直す所になる。ずれていないことは、判定が正確だったということ
次に進むこと次回が単元の最後。受けた指摘から直すものを決めて直し、次に使う人へのメモまで書いて引き渡す
教師用メモ

3 分。ずれが大きい班を 1 つ投影し、どちらを信じるかを聞く。答えは低いほう。理由は「使う人は説明を聞かないから」。

次回に持ってくるものを板書する。①受けた判定と、返された事実 ②今日のふりかえりに出た不具合 ③第7回からの班のカード。次回はこの 3 つから直す所を決める。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
観点 動く・説明できる・取り入れている。単元の評価規準を、そのまま物差しにした
02
判定 触って、聞いてから押した。そう判定した事実を、言葉で返した
03
ずれ 自己評価と相互評価が違った観点が、直す所。低いほうを見る

次回は単元の最後。直して、引き渡す。直した理由と、次に使う人へのメモまで書く

教師用メモ

2 分。班で「次回に直す候補」を 2〜3 個だけ並べて帰らせる。決めるのは次回の冒頭でよい。教室コードを控えたかを確認する。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01見たことを、3 つの観点のどれに当たるか振り分けられた
02他の班を実際に触って、観点ごとに判定を返せた
03自己評価と相互評価のずれから、直す候補を並べられた
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。目標 02 が「まだ」の生徒は、触らずに押した可能性がある。次回の冒頭で、何を触ったかを一つ言わせる。

ふりかえり

触ってみて分かった、まだ直っていない所

触った班と、そこで起きたことを一文で書く。事実で書く。「〇班 | △△したら□□になった」の形。自分の班のものでもよい

クラスで見つかった、まだ直っていない所
教師用メモ

3 分。ここに集まるのが、次回の材料そのもの。数人読み上げ、「止まる」ものが何件あるかを数えて示す。止まるものは、第16回で真っ先に直す候補になる。

「回答を保存」で残し、次回の冒頭に班ごとに配り直す。教室コードを変えていなければ、次回も同じ画面に残っている。