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情報Ⅱ (4) 情報システムとプログラミング | 第16回

改善と引き渡し

次に触る人が読める形にして渡す

50分 | 班で行う
教師用メモ

準備(授業前) 単元と同じ教室コードを板書し、全員に入れさせる。班の座席。第15回の判定と、ふりかえりに集まった不具合を開けるようにしておく(今日の材料そのもの)。第7回からの班のカードも、右に全部並ぶことを確かめておく。この回が単元末の評価課題の提出の場である。「教師」を押す。

投影 まとめ 01 の 3 つの分け方は、直す作業の間ずっと出しておく。体験 02 の右のカード一覧は、最後に 1 班を上から順に読み上げると、単元の一周がそのまま見える。

時間配分 前回のまとめ・目標 5分 / 節1 直すものを決める(体験01 9分・まとめ 3分)12分 / 節2 直して、引き渡す(体験02 25分)25分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

この回の評価(単元設計「各回と評価」第16回。重点は思考・態度、評価場面は「改訂版と、直した理由」=単元末。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 直した所が単体で動き、直す前に通っていた入力も通ることを確かめている(体験02)
  • 思考・判断・表現 直す指摘と直さない指摘を、理由をつけて分けている(体験01・02)【重点】
  • 態度 使った人の指摘を取り入れて直し、直した理由を記録して次に使う人へ渡している(体験02・ふりかえり)【重点】

指導要領 情報Ⅱ (4) イ(ウ)「プログラムを制作し、その過程を評価し改善する」。設計指針(第2版)K2L2。情報・技術ワーキンググループの要点 5「プログラミング的思考を、手順・コード中心から目的、価値、責任、評価・改善を含む課題解決全体へ拡張する」が、この回で回収される。

単元末の評価規準(単元設計の評価課題の表。今日のカードと、ふりかえりで判定する)

観点B(おおむね満足)A(十分満足)C の生徒への手立て
知識・技能分担した機能のプログラムが、単体で意図どおり動く想定外の入力に対しても止まらないよう手当てしている第8回の分割図に戻り、自分の担当の入力と出力を一つずつ書かせる
思考・判断・表現機能単位に分けた理由を説明できる統合で出た食い違いの原因を、設計か実装かに切り分けて説明している「隣の担当に何を渡すか」を先に一行で決めさせる
態度進み具合を共有し、遅れを早めに伝えている使った人の指摘を取り入れて直し、直した理由を記録している指摘を一つだけ選ばせ、直す所を一行で決めさせる

直せなかった班を減点にしない 直せなかったことより、何を直さないと決め、なぜそう決めたかが書けているかを見る。時間が足りずに残したものは「次に使う人へのメモ」に書けば、それも引き渡しである。

前回のまとめ

観点で判定し合い、ずれた所が見えた

1-4動いている仕組みを
調べた
5-8設計して
機能に分けた
9-12作って
つないだ
13-14わざと壊し
使ってもらった
15観点を決めて
評価し合った
16直して
引き渡す

この単元でやってきたのは、プログラムを書くことではなく一周を回すことだった。残っているのは最後の一つで、直して次の人に渡すところ

受けた指摘のうち、直さないと決めてよいものはどんなものか

教師用メモ

3 分 帯を指でたどる。第6回で「プログラムを書くのは 8 つのうちの 1 つ」と並べた。実際に回してみて、そのとおりだったかを班で 1 分話させる。

上の問いには答えない。体験 01 で分け方として確かめる。「言われたことを全部直す」は判断していないのと同じ、という所へ持っていく。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
受けた指摘を、すぐ直す・直さない・記録に残すに分けられる
02
決めた一つを直し、直した理由を自分の言葉で言える
03
次に使う人へのメモを書いて、引き渡せる
01 | 12分
直すものを決める

直さない理由も言う

02 | 25分
直して、引き渡す

最後の版を出す

03 | 8分
単元をふりかえる

作り方が変わった所

SECTION 01

直すものを決める

全部直そうとすると、何も渡せない

机に並べた指摘のメモを三つの山に分けている高校生の班と、そこに置かれた端末
体験 01

受けた指摘を、3つの扱いに分ける

ある班が受けた指摘が 9 つある。どの扱いにするかを分ける。まず上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す

すぐ直す = 完成の条件を満たせなくなる直さない = 決めた範囲の外だと理由が言える記録に残す = 直したいが、残り時間で終わらない
教師用メモ

進め方(9分) 一人で 4 分、投影で答え合わせ 3 分、そのあと班で自分たちの指摘を同じ 3 つに分ける 2 分(分けるだけ。直すのは次の節)。

分ける基準は 3 つ ①第7回に決めた完成の条件を満たせなくなる指摘か(→ すぐ直す) ②決めた相手・決めた範囲の外の指摘か(→ 直さない。理由が言えることが条件) ③直したいが残り時間で終わらないか(→ 記録に残す)。

「全部直します」と言う班へ 「残り 25 分で、全部終わりますか」と聞く。一つ直して渡すほうが、五つ直しかけて渡せないよりよい。

直さない判断も評価する 理由が言えていれば、それは思考・判断・表現の中身。「言われたから直す」だけの班には、その指摘がなぜ大事かを聞く。逆に「面倒だから直さない」は理由にならないと言い切る。目標 01。

まとめ 01

直さない判断にも、理由が要る

すぐ直す
第7回に決めた完成の条件を満たせなくなる指摘。止まる・保存されない・二重になる。ここを直さないと、渡す意味がない
直さない
決めた相手・決めた範囲の外にある指摘。理由が言えるなら、直さないのが正しい。言えないなら、それは面倒なだけ
記録に残す
直したいが、残り時間で終わらないもの。次に触る人の、最初の材料になる。捨てるのではなく、書いて渡す
直したら、もう一度通す第13回のテスト一覧を開き、直す前に通っていた入力をもう一度通す。手当てを足すと、ふつうの入力が通らなくなることがある
直した記録の形何が起きていたか(事実)→ どこを直したか → なぜその直し方にしたか。3 つそろって記録になる
引き渡すもの動くものだけではない。分割図・テストの一覧・直した記録・次に使う人へのメモ。これで初めて引き渡せる
教師用メモ

3 分。「直さない」を選べることが、この単元の到達点の一つ。指摘を全部受け入れるのは、判断していないのと同じ。

「直したら、もう一度通す」を作業に必ず入れさせる。第13回の一覧を開かせ、直したあとに 2 分だけ通す時間を取る。ここを飛ばした班は、次の節の終わりに動かなくなる。

SECTION 02

直して、引き渡す

次に触る人は、作った人がいない所から始める

端末の画面を指しながら、手書きのメモを添えて別の生徒に説明を引き継いでいる高校生
体験 02

直したうえで、班のカードの最後の版を出す

決めた一つを直し、直す前に通っていた入力をもう一度通す。そのうえで、第7回から続けてきた班のカードに最後の版を書く。これが単元末の提出になる

直した所 | 何が起きていて、どこを直したか
直した理由 | 使う人の側から言う
直さなかった指摘と、その理由
次に使う人へのメモ | 触る前に知っておくこと
この単元で分かったこと | 作り方について

第7回からのすべての版が右に並ぶ。一つの班のカードを上から順に読み上げると、題材 → 分割 → 残す項目 → 食い違い → 自己評価 → 最後の版、という単元の一周がそのまま見える

班のカード | 第7回からの全部の版
教師用メモ

進め方(25分) 直す 12 分 → 第13回の一覧を開き、直す前に通っていた入力を通し直す 3 分 → カードを書く 6 分 → 提出 2 分 → 他の班のカードに印を返す 2 分。

「次に使う人へのメモ」の書き方 作った人がいない所から始める人に向けて書く。①決めごと(上限の字数、残す期間、誰が見られるか) ②まだできていないこと(記録に残した指摘) ③さわるとつられて変わる所(間で渡すものの形)。3 つのうち、少なくとも 1 つが書けていればよい。

このカードが単元末の提出物 評価規準の三観点は、それぞれ次の欄に対応する。知識・技能 →「直した所」、思考・判断・表現 →「直した理由」「直さなかった指摘」、態度 →「次に使う人へのメモ」。A の判定は、直さなかった指摘に理由が書けているか、メモが次の人に読めるかで分かれる。

机間指導で聞くこと 「その直し方にした理由は」「直す前に通っていたものは、まだ通りますか」「このメモだけで、知らない人が触れますか」。

AI の案を使った班(指針 F4L3 の釘) 案の出どころは問わない。「直した理由」を自分の言葉で言えるかだけを見る。言えないときは、直す前の動きと直したあとの動きを口で言わせてから書かせる。

C の生徒への手立て 指摘を一つだけ選ばせ、直す所を一行で決めさせる。直しきれなくても、「直そうとした所」と「途中まで」をメモに書けば引き渡しになる。目標 02・03、単元末の評価の場面。

まとめ 02

作る側に回ったとき、自分は何を決め、何に責任を持つのか

調べる(第1〜4回)動いている仕組みの情報の流れを図にし、止まったとき・漏れたときまで見た。便利になった人と、困った人の両方を見た
設計する(第5〜8回)設計を人に渡せる形で書き、分担と締切を決め、機能単位に分けた。間で渡すものの名前と形を決めたのが要だった
作って統合する(第9〜13回)残す項目を決め、やり取りを一組で決め、単体で動かし、つないだ。食い違いは設計か実装かに切り分けた。わざと壊しにもいった
運用して直す(第14〜16回)使ってもらい、観点を決めて評価し合い、直した。直さない判断にも理由を付けた
責任の持ち方決めたことを記録に残し、次に触る人が読める形で渡すこと。作った人がいなくなっても、仕組みは動き続ける

次の単元は 情報Ⅱ (5) 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究。今度は題材も、分け方も、確かめ方も、自分で決める

教師用メモ

3 分。この単元の本質的な問い「動いている仕組みは、誰かが作った。作る側に回ったとき、自分は何を決め、何に責任を持つのか」を、そのまま見出しに置いてある。第1回にこの問いを出していれば、ここで回収する。

次の単元は 情報Ⅱ (5)。この単元で使った分ける・決める・確かめるの 3 つが、そのまま探究の道具になる。第8回の分割図、第7回の分担表、第13回のテスト一覧は、次の単元でも開くと伝える。

今日のまとめ

3つの目標に、班の最後の版で答える

01
分ける すぐ直す・直さない・記録に残す。直さない判断にも理由を付けた
02
直す 一つ直し、直す前に通っていた入力をもう一度通した。理由を自分の言葉で書いた
03
引き渡す 決めごと・まだできていないこと・つられて変わる所を、次の人へ書き残した
教師用メモ

2 分。班のカードとふりかえりの二つで、単元末の課題の提出は完了。教室コードのデータは 24 時間で消えるので、評価に使うなら授業後に「回答を保存」で手元に残す。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01受けた指摘を、すぐ直す・直さない・記録に残すに分けられた
02決めた一つを直し、直した理由を自分の言葉で言えた
03次に使う人へのメモを書いて、引き渡せた
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。第6回から第16回までの自己評価を並べると、この単元で伸びた観点と、まだの観点が班ごとに見える。次の単元の班編成と、声のかけ方の材料にする。

ふりかえり

この単元で、自分の作り方が変わったところ

単元の最後のふりかえり。一文でよい。「これからは〇〇のとき、△△するようにする」の形で、作り方について書く

これから、こうする
教師用メモ

5 分。単元末の態度の評価の中心の場面。「使った人の指摘を取り入れて直し、直した理由を記録している」が A の姿。理由だけで止まっているものが B。

5 つほど読み上げて終わる。作品ではなく作り方について書けているものを選ぶ。「次はもっとがんばる」は、いつ何をするかまで言い直させる。

次の単元は 情報Ⅱ (5) 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究。この単元の 分ける・決める・確かめる を、自分のテーマで使う。