一覧へ 情報Ⅱ (5) 第1回 | テーマの決定
情報Ⅱ (5) 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究 | 第1回

テーマの決定

情報Ⅰ・情報Ⅱ で持った道具の中から、自分の問題に合うものを選ぶ。その問題を、今日ここで決める

50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを 1 つ決め、第1回から第8回まで同じコードを使う(第2回で作る計画表を第4・6・7・8回で開くため)。生徒には端末で 探究ノート を開かせておく(各回の復習「探究へ」に書いたメモが集まっている)。個人でもペアでもよい。ペアなら片方の端末から提出する。

投影 「教師」を押してから投影する。体験01 は端末の中で完結する分類なので、投影では答え合わせの結果だけを見せる。体験02 は右の壁に全員の問題文が並ぶので、投影したまま 3〜4 件を読み上げて直す。

時間配分 表紙・目標 5分 / 節1 四つの領域 14分 / 節2 自分の問題を書く 22分 / 自己評価・ふりかえり 9分

この回の評価(重点は思考・判断・表現。評価場面は「問題の記述(教室に集まる)」と「ふりかえり」)

  • 知識・技能 四つの領域と、情報Ⅱ の各単元の道具の対応が言える(体験01) | A: 自分のテーマに複数の領域が関わることを説明している
  • 思考・判断・表現 問題を理想と現実のギャップで書き、領域を一つ以上示している(体験02) | A: 現実が数えられる形になっており、なぜその領域かを述べている
  • 態度 探究ノートを読み返し、自分の関心から問題を選んでいる(ふりかえり) | A: 選んだ理由と、いま分からないことを自分の言葉で挙げている

指導要領 解説 情報編 情報Ⅱ (5) 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究。この科目のまとめとして位置付けられ、「情報Ⅰ 及び 情報Ⅱ で身に付けた資質・能力を総合的に活用し、新たな価値の創造を目指す」。内容の取扱い (5) が、テーマを「コンピュータや情報システムの基本的な仕組みと活用/コミュニケーションのための情報技術の活用/データを活用するための情報技術の活用/情報社会と情報技術」の一つ又は複数から設定するとしている。この回の [指針] は K1L1 → K1L2(問題を発見し、記述できる)と K3L1(自分や他者が持つ問題を冷静・客観的に捉えて記述できる)。単元の位置づけと評価規準は 単元設計のページ。

時期の分割について 内容の取扱い (5) は「学習上の必要があり、かつ効果的と認められる場合は、指導の時期を分割することもできる」としている。年度末に 8 回続けて取れない場合は、第1回を単元 (1) の直後、第2回を単元 (2) の直後、第3回を単元 (3) の直後に置き、第4〜8回は続けて単元 (4) の後に取る。作って直す作業を間隔をあけて行うと、思い出す時間で消えるため。

他教科との連携 解説は「数学科など他教科とも積極的に連携を図る」と求めている。データの領域を選ぶ生徒には、数学で扱った統計の手法を使わせ、この授業では目的に合う手法を選ぶ判断に時間を使う。テーマ決めの段階で、数学科の担当と扱った範囲を確かめておく。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
テーマの四つの領域と、そこで探究で使う道具がどの単元のものかを言える
02
探究ノートを読み返し、自分の関心のあることを一つ取り出せる
03
その関心を、理想と現実のギャップとして一つの問題に書ける
01 | 14分
四つの領域

例を分けて、道具の地図を作る

02 | 22分
自分の問題を書く

理想と現実で、一文にする

この単元 | 8回
全部が課題

決めて、作って、直して、出す

教師用メモ

この単元は 8 回すべてで一つの課題を進める。今日は「問題を決める」だけで、解決策はまだ考えない。解決策から入る生徒には「それで何が良くなるのか」を先に書かせる。

SECTION 01

四つの領域

どの道具を使うかは、何を良くしたいかで決まる

教室の壁に四つの見出しの紙が貼られ、高校生がテーマを書いたカードをそのどれかの下に置こうとしている
体験 01

この 12 のテーマは、どの領域か

上で付ける印を選び、次にその印を付けるテーマを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。複数にまたがるものもあるので、迷ったところは後で理由を言い合う

しくみ = 情報システムを作る・つなぐ伝える = 相手に届く形にするデータ = 数から読み、予測する社会 = 技術の使い方を決める

※ 生成 AI = 頼むと文章や絵を作ってくれる人工知能のこと

教師用メモ

進め方(10分) 5 分で分ける。答え合わせのあと、合わなかったものを 2 つ選んで理由を言わせる。「配色を直す」は伝える(情報デザイン)だが、誰もが使えるようにするという意味では社会でもある。ここで「一つ又は複数」という取扱いの言葉を出す。

拾いたい発言 「両方に入るのでは」→ そのとおり。テーマは複数の領域にまたがってよい。「アプリを作るのはしくみだけど、使ってもらうには伝えるも要る」→ 次の枚の表につながる。

この分類は、どの単元の道具が要るかの地図を作るためのものだ。そう言ってから始める。

まとめ 01

領域と、そこで探究で使う道具

しくみコンピュータや情報システムの基本的な仕組みと活用 | 情報Ⅱ (4) の設計・データベース・システムの統合、情報Ⅰ (3) の手順とプログラム
伝えるコミュニケーションのための情報技術の活用 | 情報Ⅱ (2) のコンテンツ制作と情報デザイン、情報Ⅰ (2) の伝え方
データデータを活用するための情報技術の活用 | 情報Ⅱ (3) のデータサイエンス、情報Ⅰ (4) のデータとネットワーク
社会情報社会と情報技術 | 情報Ⅱ (1) の情報社会の進展、情報Ⅰ (1) の法規とモラル

ここで 探究ノートを開く。各回の復習「探究へ」に、自分が書いたメモが残っている。3 分読み返して、もう一度気になったものに印を付ける

※ 目的から引くこともできる。予測したい → データ / 使ってもらいたい → しくみ / 届けたい → 伝える / 決まりを変えたい → 社会

教師用メモ

進め方(4分) 表を 1 分で読み上げ、残り 3 分は全員に探究ノートを開かせて黙って読ませる。教師は机間で、印が付いていない生徒に「一番よく出てくる言葉は何か」と聞く。

探究ノートが空の生徒には、直前の単元の復習ページの「探究へ」をその場で書かせるか、「この 1 年で一番めんどうだと思った作業」から入らせる。

SECTION 02

自分の問題を書く

「〜について」で止まっているものは、まだ問題ではない

ノートの左に理想の状態、右に現在の状態を書き、その間を矢印でつないだ高校生の手元
体験 02

理想 → 現実【領域】を、一文で出す

探究ノートで印を付けたものを、理想 → 現実【領域】の形にする。理想は「状態」で書く(「頑張る」は入れない)。現実はいま起きていることを、できれば数えられる形で。末尾に【しくみ】【伝える】【データ】【社会】のどれかを、複数でもよいので付ける

みんなの問題 | 理想 → 現実【領域】
教師用メモ

進め方(16分) 8 分で書いて送る。書けない生徒には「困っている人は誰か」「その人はいま何をしているか」を口頭で聞き、その答えをそのまま現実の欄にする。残り 8 分で投影から 4 件を取り上げ、全員で直す。直したら送り直してよいと伝える。

よくある直し 「もっと便利にしたい」→ 誰にとって、何ができるようになるのか / 「AI を使いたい」は道具であって問題ではない。それで何が良くなるのか / 大きすぎるもの(環境問題、少子化)は、自分たちで確かめられる範囲に切る。

目標 02・03 はこの枚で見る。[指針]K3L1「自分や他者が持つ問題について冷静/客観的に捉えて記述できる」の場面。

まとめ 02

よい問題かどうかの、三つの確かめ

01
理想が状態になっているか 「頑張る」「ちゃんと」で埋めていないか。何がどうなっていればよいのかが決まっているか
02
現実が確かめられるか 数えるか、聞くか、記録を見るか。第3回で実際に確かめに行ける形になっているか
03
領域が決まっているか どの単元の道具を開くのかが見えているか。複数でもよい

三つそろっていれば、次回から動ける。一つでも欠けていたら、今日のうちに直す

教師用メモ

投影したまま、生徒に自分の問題文を三つの目で見直させる(2分)。直した生徒は送り直す。三つそろっていない生徒の名前を控えておき、第2回の冒頭で個別に見る。

今日のまとめ

次回までに持ってくるもの

01
問題の一文 理想 → 現実【領域】。今日送ったもの。家で直してもよい
02
その問題で困っている人 立場で書く(部員、来場者、下級生、地域の人)
03
使えそうな道具の心当たり 情報Ⅰ・Ⅱ のどの回でやったことか。分からなければ「分からない」でよい

※ この単元は 8 回全体が一つの課題だ。次回は問いを立てて計画表を作り、第3回から実際に動き出す

教師用メモ

ペアで進める生徒は、次回までにどちらの端末で計画表を書くかを決めさせる。テーマがまだ決まらない生徒には、投影に並んだ他の人の問題文から近いものを一つ選ばせ、そこから自分の言葉に直させる。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01四つの領域と、そこで探究で使う道具がどの単元のものかを言えた
02探究ノートを読み返し、自分の関心を一つ取り出せた
03問題を理想と現実のギャップとして一文に書けた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 03 に「まだ」が多い場合、次回の冒頭 8 分を問題文の書き直しに当てる。計画表は問題文が決まっていないと書けない。

ふりかえり

その問題を選んだ理由と、いま分からないこと

「〇〇だから選んだ。分からないのは△△」の形で一文。分からないことが、次回立てる問いのもとになる

みんなの理由と、分からないこと
教師用メモ

4 分。「分からないこと」がそのまま第2回の問いになる。投影を保存しておくと、第2回で「前回、あなたはこれが分からないと書いた」と返せる。態度の評価はここで見る。