一覧へ 中学校 D 情報の技術 第5回 | メディアと AI とのつきあい方
中学校 技術・家庭科 技術分野 | D 情報の技術 | 第5回

メディアと AI とのつきあい方

同じ出来事でも、伝え方で印象が変わる。いまはコンピュータも文章や絵を作る

50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにする。「教師」を押す。体験 01・03 は端末内で完結する。

時間配分 前回まとめ・目標 4分 / 節1 伝え方で変わる 14分 / 節2 作ったのは誰か 14分 / 節3 責任は誰にあるか 12分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 6分

この回の評価(学習指導要領 技術・家庭科 技術分野 D(1) 情報の技術の原理・法則と仕組み、D(4) 社会の発展と情報の技術。設計指針 A1L3。情報・技術WG「メディアリテラシー、AI、情報モラルを情報技術の適切な取扱いとして明確化」。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 同じ出来事でも伝え方で受け取られ方が変わることと、AI が文章や絵を作る仕組みの入り口を説明している(体験01・02)
  • 思考・判断・表現 見聞きしたものについて、確かめる手立てを挙げている(体験02・03)
  • 態度 自分が発信する側になったときの責任に目を向けようとしている(体験03・ふりかえり)

高校とのつながり 情報Ⅰ (1) 第1・3・8回で、情報の特性、モラルと法、よりよい情報社会へと広げる。ここでは「言葉の選び方で変わる」「作ったのは誰か」「出した人に責任がある」の 3 点に絞る。

前回のまとめ

守るのは技術と使い方の両方だった

長い合言葉暗号にする→使い方でしか防げないこともある

もう一つ、技術だけでは守れないものがある。それが本当かどうかだ。同じ出来事でも、言葉の選び方で受け取られ方が変わる

同じ出来事なのに、まったく違う印象になるのはなぜか

教師用メモ

前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。問いには答えず、体験 01 で見せる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
同じ出来事でも伝え方で印象が変わることを、自分で切り替えて説明できる
02
見聞きしたものについて、確かめる手立てを挙げられる
03
AI が作ったものを使うとき、責任は誰にあるかを言える

※ AI(エーアイ)= 人工知能。たくさんの例から学んで、文章や絵を作ったり、見分けたりするコンピュータのしくみ

01 | 14分
伝え方で変わる

言葉を切り替える

02 | 14分
作ったのは誰か

確かめる手立て

03 | 12分
責任は誰にあるか

出した人が決める

SECTION 01

伝え方で変わる

うそは書いていなくても、印象は変わる

同じ写真に違う見出しが付いた2枚の紙を見比べている中学生2人
体験 01

同じ数字で、伝え方だけを切り替える

同じ調査の結果を伝える 4 つの書き方。ボタンで切り替えると、どれも数字はそのままなのに印象が変わる。下に、その書き方で落ちている情報が出る

伝え方を選ぶ
投稿
上のボタンで伝え方を切り替える
教師用メモ

進め方(12分) 4 つを順に押す(6分)。「どれがうそ?」→ どれもうそではない(3分)。「では何が違う?」→ 何を選んで、どの言葉で書いたか(3分)。

要点 事実が同じでも、どこを取り出すか・どんな言葉を使うかで受け取られ方が変わる。読む側は「全体はどうなっているか」「元の数はいくつか」を確かめる。

高校の情報Ⅰ (1) 第8回でグラフの見せ方まで扱う。ここでは言葉に絞る。目標 01。

SECTION 02

作ったのは誰か

人が書いたのか、コンピュータが作ったのか

よく似た2枚の絵を並べて、どちらがコンピュータの作ったものか考え込んでいる中学生
体験 02

本当かどうかを、どうやって確かめるか

いまは、コンピュータも文章や絵や声を作れる。見た目だけでは見分けがつかないことがある。では、本当かどうかを確かめる手立てを一つ書く。人の案に「それも使える」と思ったら、その案の下の印を押す

出そろったら「元をたどる」「ほかと比べる」「作った人に聞く」「自分で確かめる」の 4 つに分けて読む

みんなの確かめる手立て
教師用メモ

進め方(12分) 一人で 5 分、読み上げて分類 7 分。4 つの型: ①元をたどる(最初に出したのは誰か、いつか) ②ほかと比べる(別のところでも同じことを言っているか) ③作った人に聞く ④自分で確かめる(実際に見に行く、計算し直す)。

AI について(設計指針 A1L3) 文章・絵・声は、以前は人だけが作るものだった。いまはコンピュータも作れる。本物そっくりのものが簡単に作れるので、見た目だけでは判断できない。だから、上の 4 つの手立てが要る。

AI を否定しない 調べもの、下書き、考えの整理には役に立つ。使うこと自体は問題ではない。次の節で「では誰が責任を持つか」に進む。目標 02。

SECTION 03

責任は誰にあるか

手伝ってもらっても、出すのは自分

下書きを見ながら自分の言葉に書き直している中学生。机の上に「自分で確かめる」と書いたメモがある
体験 03

この場面で、責任があるのは誰か

4 つの場面がある。誰に責任があるかを選ぶと、考え方が出る。4 つとも試す

作った AI
AI を作った会社
出した本人
見た人
上から 1 つ選ぶ
教師用メモ

進め方(10分) 4 つの場面を順に。答えはすべて「出した本人」。ただし理由が違う。

大事にすること 「AI が言ったから」は理由にならない。確かめてから出すのが、出す人の仕事だ。これは AI に限らず、人から聞いた話でも同じ。

作る側の責任もある 「AI を作った会社」を選んだ生徒がいたら拾う。会社にも、間違いを減らす責任や、作ったものだと分かるようにする責任がある。両方ある。ただし、出す判断をしたのは自分だ。

設計指針 F2L2 の「AI の助けを得てよいが、動作を理解して手直しできるべき」と同じ考え方。第7・9・11回のプログラム作りでも繰り返す。目標 03。

まとめ

伝え方で変わる、見分けにくい、出す人が決める

伝え方で変わる同じ事実でも、どこを取り出し、どんな言葉で書くかで受け取られ方が変わる。読む側は「全体はどうか」「元の数はいくつか」を確かめる
AI が作るもの文章・絵・声は、以前は人だけが作るものだった。いまはコンピュータも作れる。見た目だけでは見分けられない
確かめる手立て①元をたどる ②ほかと比べる ③作った人に聞く ④自分で確かめる
責任手伝ってもらっても、出すと決めたのは自分。確かめてから出す。作る会社にも責任はあるが、それとは別に自分の責任がある
教師用メモ

次回からは、自分が作る側に回る。「誰の何を良くするか」を決めて、しくみを設計する。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
伝え方 同じ数字なのに 4 通りの印象になった。どれもうそではなかった
02
確かめる 元をたどる、ほかと比べる、聞く、自分で確かめる
03
責任 どの場面でも、出した本人。手伝ってもらっても、出すと決めたのは自分
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01伝え方で印象が変わることを説明できる
02本当かどうかを確かめる手立てを挙げられる
03AI を使ったとき、責任は誰にあるかを言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

これから、出す前にすること

一文でよい。「〇〇を出す前に、△△を確かめる」の形

みんなの確かめること
教師用メモ

3 分。次回からは作る側。「誰の何を良くするか」を決める。