自分の端末で動かしているうちは、自分しか使えない。URL を人に渡し、やめ方まで決める
10〜50分準備(授業前) 動かし方を 3 通りから先に一つ選ぶ(①各自の端末に入れる ②クラウドの実行環境 ③教師の 1 台で投影し、設計だけ各自が書く)。この回だけは実機が要る。③を選んできた場合は、教師の 1 台で 1 つだけ公開して見せ、生徒は 12 の提出カードまでを設計として書く。公開先のサービスと学校の規定(アカウントの扱い、公開してよい範囲)を授業前に必ず確認する。教室コードは第1回と同じものを板書する。「教師」を押す。
投影 09 の 3 点は、生徒に声に出して読ませる。1 つずつ、自分のアプリに当てはめながら確かめさせる。12 の提出カードは一覧を投影し、相互に触り合う相手を決める。
時間配分
この回の評価(単元末の評価課題「自分の調べたことを、人が触れるアプリにして公開する」。B・A の基準と C の生徒への手立ては 単元設計のページ。詳しいコードは 情報学探究マニュアル 第9節・第11節)
指導要領 高等学校 情報Ⅰ (3)「コンピュータとプログラミング」イ(イ)、情報Ⅱ (4)「情報システムとプログラミング」ア(ウ)・イ(ウ)。設計指針(第2版)はこの単元で F2L4(抽象階層をもつプログラムを設計/構築できる)・F4L3(テストケースに基づき不備を確認し修正できる)・J3L1(システム開発が単なるプログラム作成と違う点)・B5L4(統一された UX をグループで設計/制作)に対応する。この回が F4L3 と J3L1 の場面。公開・運用・やめ方まで含めるところが、単なるプログラム作成との違いになる。
前にやった回 情報Ⅱ (4) 第13回「想定外の入力でも止まらないか」。あのとき作ったテストの考え方を、そのまま公開前の確認に使う。情報Ⅰ (3) 第12回「プログラムの評価と改善」の直し方も、人に触ってもらった後にもう一度使う。
環境が整わない場合の進め方 第1〜5回は設計として進められたが、この回だけは実機が要る。用意できない場合は、教師の 1 台で 1 つだけ公開して URL を全員に開かせ、生徒は 10 の確認と 12 の提出カードを設計として書く。3 点の確認とやめ方は、公開しなくても書ける。むしろ、公開する人がいなくてもここは必ずやる。
ここまでの 5 回で作ってきたものは、全部、自分の端末の中にある。streamlit run を打てるのは自分だけで、隣の人は開けない
他の人の端末から開けるようにするには、何が要るのか
3 分。「この単元の値打ちは今日にある」とはっきり言う。自分しか使えないものは、道具ではない。
ファイルは 2 つ
3 点とやめ方
単元末の課題
置く場所を変え、書くものを 1 つ増やすだけ

置くファイル
app.py
requirements.txt
requirements.txt の中身
streamlit
pandas
※ import した道具の名前を、1 行ずつ書くだけ。pandas を使っていなければ 1 行でよい
手順
相手の端末には何も入れなくてよい。相手はただ URL を開くだけ
※ URL(ユーアールエル)= ページの住所を表す文字列。https:// で始まる、あの文字の並び
5 分 requirements.txt が何のためにあるかを言う。公開先の機械には、まだ streamlit も pandas も入っていない。何を入れればよいかを書いて渡すのがこのファイル。第1回で自分が pip install streamlit を打ったのと同じことを、機械にやらせている。
手順の細かいところは書かない 公開の仕組みは変わる。2 つのファイルを置き、置き場所をつなぐという形だけ押さえれば、やり方が変わっても通じる。
学校の規定 アカウントの作り方と、公開してよい範囲は授業前に確認しておく。生徒に判断させない。情報Ⅰ (4) 第3回「サーバとクライアント」で扱った、頼む側と返す側の関係がここで実物になる。
自分の app.py のいちばん上を見る。import で始まる行を数え、そこに出てくる道具の名前を書き出す。as st や as pd はあだ名なので書かない
全員の「import した道具 → 書く行」が右に並ぶ。st や pd と書いてしまった人を拾って、あだ名と本名の違いを説明する
進め方(9分) 書く 4 分 → 隣と交換 2 分 → 読み上げ 3 分。実機がある教室は、書けた人からファイルを作って公開の手順に進む。
よくある直し st pd と書いている → as の後ろはあだ名 / import math を書いている → Python に最初から入っているものは書かなくてよい / バージョンを書きたがる → 書かなくても動く。書かないほうが、公開先で入れ直すときに困らない。
環境が無い場合 この枚はそのまま全員できる。コードが手元になければ、これまでの枚のコードを写して import を数えさせる。目標 01。
| 自分の端末 | streamlit run を打てる人だけが使える。つまり自分だけ |
| GitHub に置く | コードが人から見える場所に移る。一緒に置いたものは全部見られる |
| 公開の仕組みにつなぐ | その機械が requirements.txt を読んで道具を入れ、app.py を動かす |
| URL ができる | 相手は何も入れずに開ける。ここから先は、自分だけの持ちものではなくなる |
2 分。最後の 1 行が、次の節の入口。公開するとは、責任が増えること。だから確かめることがある。
出してしまってからでは、戻せないものがある

st.caption で書く公開したものは、やめ方も決める。誰が、いつ、どうやって止めるか。始めたものを誰も止められない形で置いていくのは、引き継ぐ人に対して無責任だから
6 分 3 つとも生徒に声に出させる。読み上げてから、自分のアプリに当てはめる。
01 がいちばん重い アンケートの生データをそのまま置いてしまう事故が起きる。置くのはコードだけ、データは相手に選んでもらう形(st.file_uploader)にしておけば、そもそも置かなくて済む。第3回でその形にしてある。
03 は第13回(情報Ⅱ (4))の続き あのとき分けた 3 種類(ふつう・境目・想定外)を、そのまま試す入力として使う。設計指針 F4L3。
やめ方 情報学探究マニュアル 第11節の引き渡しメモと同じ考え方。「使う人が月 10 人を下回った月に、決めて止める」のように、いつ止めるかの目安まで書かせる。設計指針 J3L1。
5 つの欄を上から確かめ、確かめた結果を一つずつ書く。書けたら右の「確かめた」に印を付ける。まだ公開していない人は「公開したらこうする」を書けばよい。この画面は自分の端末にだけ残る
進め方(10分) 01・02 を書く 3 分 → 03・04 を試す 5 分 → 05 を書く 2 分。実機がある教室は、03 で必ず手を動かして入れてみる。
02 の見るところ 「待ち時間アプリ」だけでは足りない。何を入れると何が返るかまで 1 行に入っているか。相手を決めていない生徒には「誰に使ってほしいか」を先に聞く。設計指針 B5L4。
03 で止まった生徒へ 止まったこと自体が成果。04 に書かせる。手当ては if を 1 つ足すだけで済むことが多い。第3回の if up: と同じ形。
05 が書けない生徒へ 「ずっと置いておく」でもよいが、誰が決めるかだけは書かせる。止める人が決まっていないものは、止まらない。目標 02・03。
| 出す前 ① | 個人が分かるデータを一緒に置かない。置くのはコードだけにできないか、先に考える |
| 出す前 ② | 相手が 10 秒で分かる説明を 1 行、いちばん上に。何を入れると何が返るか |
| 出す前 ③ | 空欄・0・とても大きい数・選ばずに開く。止まったら if を 1 つ足す |
| 出した後 | やめ方を決める。誰が、いつ、どうやって止めるか。止める人が決まっていないものは止まらない |
2 分。「作って終わりではない」が、この単元でいちばん残したいこと。探究の社会実装(第12回 形にして、使ってもらう)へ、そのままつながる。
全員の提出カードが右に並ぶ。隣どうしで 1 分ずつ触り合わせ、迷った所を言ってもらう。まだ公開できていないカードにも印を付けて残すよう伝える
進め方(9分) 4 欄を書く 4 分 → 隣と 1 分ずつ触り合う 3 分 → 「迷った所」を聞き取って 2 分。
4 つの観点は評価に使う(単元設計の B・A の基準と同じ言葉)。「動いて公開できている」= 入力と出力がそろい、URL が開ける。「何が返るか分かる」= 一文で書けていて、相手が 10 秒で分かる。「人に触ってもらった」= 一度は人が触った。
触ってもらうときに聞くこと 「よかった」は情報にならない。最初にどこを見たか/迷った所はどこか/また使いたいかの 3 つを聞かせる。マニュアル 第11節と同じ。
公開できていない生徒 提出カードは書ける。「まだ」に印を付けて出させる。設計が書けていることを評価する。C の生徒には、第2回の 7 行のアプリに戻し、1 か所だけ変えさせる。
app.py と requirements.txt を置いて、つなぐ。相手は URL を開くだけこの 6 回で作ったものは、探究で「相手に触ってもらう形にしたい」と思ったときに、そのまま使える
2 分。探究 第12回「社会実装の試み」の社会実装は、ここで作ったものが受け皿になる。単元設計のページから探究の 14 回へ行ける。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。「まだ」が多い項目は、次の時間か放課後に個別で見る。01 だけが「まだ」なら、環境の問題であって理解の問題ではない。
一文でよい。まだ触ってもらえていない人は「誰に、いつ触ってもらうか」を書く
3 分。「直した所と理由」が書けていれば A の基準。ここを読み上げて単元を閉じる。教室コードは、この単元の記録として残しておく。