一覧へ micro:bit とセンサではかる 第2回 | 測定のばらつき
高校の情報学探究 | micro:bit とセンサではかる | 第2回

測定のばらつき

動かしていないのに、10 回はかると数がばらつく。そのばらつきを見てから使う

10〜50分
教師用メモ

準備 教室コードを新しく決める(例: c102)。「教師」を押す。体験 01 の 10 回分の値はページの中にあり、外へはつながらない。体験 02 で自分の数を書くので、本体があれば先に置き場所を決めておく。無くても、教室の温度計やスマートフォンの明るさの表示で代用できる。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は、予想を選ばせてから投影で 10 個の数を一度に見せる。数が並ぶ光景がこの回の山。

時間配分

  • 50分版 前回まとめ・目標 5分(1〜3枚)/節1 ばらつきを見る 16分(4〜6枚)/節2 自分ではかって書く 15分(7〜9枚)/道具 8分(10枚)/まとめ・自己評価・ふりかえり 6分(11〜13枚)
  • 20分版 目標 2分(3枚)/体験01 の予想と 1 つ目の記録だけ 8分(5枚)/まとめ01 3分(6枚)/体験02 を 10 回ではなく 5 回で 5分(8枚)/まとめ02 2分(9枚)
  • 10分版 体験01 の予想と 2 つ目の記録(外れた値のあるもの)5分(5枚)/まとめ01 2分(6枚)/まとめ02 3分(9枚)

この回の評価

  • 知識・技能 10 回の値から、いちばん小さい数・大きい数・その幅を出している(体験01・02)
  • 思考・判断・表現 ばらつきを見たうえで、平均か中央値かを選び、理由を述べている(体験01・02)
  • 態度 1 回の値で決めず、もう一度はかって確かめようとしている(体験02・ふりかえり)

指導要領 中学校 技術・家庭科 技術分野 D(3)(計測・制御のプログラミング)。高等学校 情報Ⅱ (4)(計測・制御システムは深入りしない範囲で)。設計指針(第2版)A5(A5L2・A5L3 機器の制御)、D1L4(データはネットや IoT・センサからも来る)、D5(実際のデータ処理)、I1(論理的推論。ばらつきのある数から判断する)。単元の全体は 単元設計のページ、道具の使い方は 情報学探究マニュアル。

前にやった回 中学校 第8回のまとめ「はかって、くらべて、動かす」で決めたしきい値は、1 回はかった数で決めていた。10 回はかると幅が出ることを知ると、しきい値のすぐ近くでは点いたり消えたりする理由が分かる。情報Ⅱ (3) 第4回のまとめ02「整形は、結果の一部として書く」で扱った欠けた値・外れた値の扱いが、ここでは自分ではかった数の上で起きる。

本体が数台しかないとき 体験 01 は端末だけで終わる。体験 02 は班に 1 台あればよい。1 台を班で回し、10 回はかって 10 人で 1 つずつ読み上げると、順番を待つ時間がなくなる。本体が 0 台なら、教室の温度計を 10 回読むか、体験 01 の 3 つ目の記録を写して同じ計算をさせる。

前回のまとめ

はかれるものと、出てくる数の意味

明るさ温度加速度・傾き音の大きさ磁力→数が出る

前回は何がはかれるかと、その数が単位のある数か目安の数かを分けた。数は出る。では、その数はいつも同じか

動かさずに 2 回はかったら、同じ数が出るか

教師用メモ

問いに挙手(同じ/違う/分からない)。「違う」が出たら「どれくらい違うか」まで聞く。数で答えられないことを確かめてから体験 01 へ。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
同じ所を 10 回はかるとばらつくことを、幅の数で説明できる
02
1 回の値では決めず、何回かはかって確かめられる
03
平均と中央値を、ばらつきを見てから使い分けられる
01 | 16分
ばらつきを見る

10 個の数を並べる

02 | 15分
自分ではかって書く

10 回ぶんと、使う値

SECTION 01

ばらつきを見る

同じ所を同じ向きで、動かさずにはかっても、数は動く

机に固定した基板の前で、画面に出る数を一つずつノートに書き取っている高校生2人
体験 01

同じ所を 10 回はかった記録を、並べて見る

まず下の予想を 1 つ選ぶ。次に記録を切り替えると、10 回ぶんの数と、いちばん小さい数・大きい数・幅・平均・中央値が出る

—
いちばん小さい
—
いちばん大きい
—
幅(大きい − 小さい)
—
平均
—
中央値
予想 | 同じ所を 10 回はかったら、いちばん大きい数といちばん小さい数は、いくつ違うか(明るさ・0〜255 の目安で)

予想の分かれ方と、確かめた結果が右に出る。外れた人を 2 人読み上げ、なぜずれたかを聞く

クラスの予想
確かめた結果
教師用メモ

進め方(14分) 予想を選ぶ(2分)。1 つ目の記録(明るさ)を見せる(3分)── 幅は 18。2 つ目(人が前を通った)に切り替える(5分)。3 つ目(温度)で、ばらつきが小さいセンサもあることを見せる(4分)。

山場 2 つ目の記録で、平均が 160.9、中央値が 173.5。1 個の外れた値だけで平均が 13 も下がる。中央値はほとんど動かない。「外れた値がある記録では中央値」と結論づけず、まず原因を場面から説明させる(人が前を通った)。

1 回の値で決めていた 前の回で決めたしきい値も、1 回はかった数だった。18 も動くなら、しきい値のすぐ近くの値では、点いたり消えたりする。ここに気づいた生徒を必ず拾う。

C の生徒への手立て 10 個の数を大きい順に並べ替えて読ませる。並べれば、いちばん小さい数と大きい数は目で分かる。目標 01。

まとめ 01

1 回の値では決めない

ばらつき同じ所を同じ向きではかっても、数は毎回違う。動かしていなくてもばらつく。これは故障ではない
幅いちばん大きい数 − いちばん小さい数。幅を見てから、その数を使ってよいかを決める。幅より小さい差は、差とは言えない
外れた値1 個だけ大きく離れた値。まず場面から原因を説明する(人が前を通った、物が当たった)。説明できたなら、外すかどうかを決めて書く
センサで違う明るさは大きくばらつき、温度はあまりばらつかない。どれくらいばらつくかは、はかってみないと分からない

※ 「1 回はかったら 172 だった」は、まだ何も言っていない。「10 回はかったら 166 から 184 の間だった」まで言えて、使える数になる

教師用メモ

「幅より小さい差は、差とは言えない」がこの回の柱。窓側 180・廊下側 176 は、幅 18 の中に入るので「違う」とは言えない。次の節で、自分の手で確かめる。

SECTION 02

自分ではかって、書く

10 個並べて、どの数を使うかを自分で決める

10 行のます目に数を書き入れ、いちばん小さい数と大きい数に丸をつけている高校生の手もと
体験 02

同じ所を 10 回はかって、使う値を決める

場所を 1 つ決め、動かさずに 10 回はかって書く。本体がなければ、教室の温度計を 10 回読むか、前の枚の 3 つ目の記録を写す。書いたものはこの端末に残り、第4回の課題でそのまま開く

はかったもの・場所
いちばん小さい / 大きい
幅(大きい − 小さい)
使う値と、その理由
※ この端末の中だけに残る。どこにも送らない。「消す」を押すと全部空になる
教師用メモ

進め方(13分) 場所を決める 2分 → 10 回はかって書く 6分 → 幅を出す 2分 → 隣と「使う値と理由」を読み合う 3分。

いちばん見るところ 「使う値と、その理由」。平均と書いた人には「外れた値はあったか」、中央値と書いた人には「なぜ平均ではないか」を聞く。どちらでもよい。理由が書けているかだけを見る。

置き方をそろえる 10 回のあいだに向きを変えた班は、ばらつきが大きく出る。それも記録として意味がある。「向きを変えた」を場所の欄に書かせる。

C の生徒への手立て 10 回ではなく 5 回でよい。幅だけ出させ、「使う値」は真ん中の数と書かせる。目標 02・03。

まとめ 02

平均と中央値を、見てから選ぶ

平均全部を足して個数で割る。全部の値が結果に効く。外れた値が 1 個あるだけで、大きく動く
中央値小さい順に並べた真ん中。外れた値にほとんど動かされない。10 個なら、5 番目と 6 番目の真ん中
選び方まず 10 個を並べて見る。離れた値がなければ平均。1 個だけ離れていれば、原因を説明したうえで中央値
書き残すどちらを使ったかと、その理由。外した値があれば、外したことも書く。書いていないと、あとから確かめられない

※ 平均か中央値かを先に決めない。数を見てから決める。見ずに決めると、外れた値に引きずられたことに気づけない

教師用メモ

「どちらが正しいか」ではなく「どちらを選び、なぜそうしたか」。次回は、そもそもその数が正しい所を指しているかを、基準と比べて見る。

道具で作る

10 回はかって平均を出す形を、自分で組む

ブロックで「10 回はかって平均を出す」形を作り、1 回だけの数と見くらべて、作った形を出す

MakeCode for micro:bitくり返しと変数を使って、10 回ぶんをまとめる形を組む
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 「変数」で「合計」を作り、最初に 0 を入れる
  3. 「くり返し」から「10 回くり返す」を取り、中に「合計 = 合計 + 明るさ」を入れる
  4. くり返しのあとに「数を表示: 合計 ÷ 10」を置き、シミュレータで 1 回だけの数と見くらべる
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
作ったものを、一文で
みんなの作ったもの
教師用メモ

進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。

8分。「10 回くり返す」と「合計に足す」だけで作れる。割り算まで行かなくても、合計が出れば十分。本体が無くてもシミュレータで動く。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
ばらつく 同じ所を 10 回はかっても数は違う。幅を出して、どれくらい動くかを言った
02
1 回では決めない 幅より小さい差は、差とは言えない。自分でも 10 回はかって確かめた
03
平均と中央値 並べて見てから選んだ。選んだ理由と、外した値を書き残した
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
0110 回はかるとばらつくことを、幅の数で説明できる
021 回の値で決めず、何回かはかって確かめられる
03平均と中央値を、ばらつきを見てから使い分けられる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

1 回の値で決めていたことは、何か

一文でよい。今までに「1 回はかった数」で決めていたことを 1 つ挙げ、何回はかればよかったかを書く

みんなの「1 回で決めていたこと」
教師用メモ

3 分。センサの話に限らなくてよい。記録、テストの点、アンケートの 1 回目。「ばらつきを見てから判断する」は、はかる場面すべてに効く。

次回は「基準合わせと誤差」。10 回はかって幅は出た。では、その真ん中の数は正しい所を指しているのか。