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高校の情報学探究 | micro:bit とセンサではかる | 第4回

長時間の記録とデータの受け渡し

1 分ごとに 1 日はかると 1440 行になり、分析の道具にそのまま入る

10〜50分
教師用メモ

準備 教室コードを新しく決める(例: c104)。「教師」を押す。この回は単元の最後で、評価課題を出す回。体験 02 のカードは教室コードで集まる。前の 3 回で端末に残した記録(10 回ぶんの値、但し書きの 4 欄)を開かせておくと、カードがすぐ埋まる。

記録する時間は、授業の外に置く 「1 日はかる」は授業時間の中では終わらない。この回は記録の計画を決めて仕掛けるところまで。実際に数時間〜1 日はかるのは放課後から翌日にかけて行い、取り出した CSV を次の時間か、探究の時間に持ち寄る。置き場所の許可は前もって取る。「これは何ですか」と聞かれたときの紙(何を調べているか、いつまで、誰が)を貼っておく。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は 2 つのつまみを動かすと行数が変わる。投影で 1 回動かして見せてから、各自に任せる。

時間配分

  • 50分版 前回まとめ・目標 5分(1〜3枚)/節1 間隔と期間を決める 15分(4〜6枚)/節2 CSV にして渡す 16分(7〜9枚)/道具 8分(10枚)/まとめ・自己評価・ふりかえり 6分(11〜13枚)。記録そのものは授業の外
  • 20分版 目標 2分(3枚)/体験01 の予想とつまみ 7分(5枚)/まとめ01 3分(6枚)/体験02 のカードを 4 欄だけ 6分(8枚)/まとめ02 2分(9枚)
  • 10分版 体験01 の予想と、1 分 × 1 日の行数だけ 4分(5枚)/まとめ01 2分(6枚)/まとめ02 4分(9枚)。カードは宿題にする

この回の評価(単元末の評価課題「教室のどこかを 1 日はかり、CSV にして、言えることを一つ書く」)

  • 知識・技能 記録して CSV を取り出し、分析の道具に読み込めている(B)。記録の間隔と期間を、目的から決めた理由が言える(A)。C の生徒には 1 分ごとに 10 回だけ記録させる
  • 思考・判断・表現 ばらつきを見て、平均か中央値を使っている(B)。外れた値の原因を場面から説明している(A)。C の生徒には 10 回の値を並べて見せる
  • 態度 記録の条件(場所・向き・時刻)を書いている(B)。条件を変えて、もう一度はかっている(A)。C の生徒には、置いた場所を写真ではなく言葉で書かせる

指導要領 中学校 技術・家庭科 技術分野 D(3)(計測・制御のプログラミング)。高等学校 情報Ⅱ (4)(計測・制御システムは深入りしない範囲で)。設計指針(第2版)A5(A5L2・A5L3 機器の制御)、D1L4(データはネットや IoT・センサからも来る)── この回がその実物、D5(D5L1・D5L2 自分ではかった実データを分析へ渡す)、I1(論理的推論)。単元の全体は 単元設計のページ、道具の使い方は 情報学探究マニュアル。

前にやった回 情報Ⅱ (4) 第9回のまとめ02「項目・形・いつまで・誰が見られる」で決めた記録の一行が、ここでは CSV の 1 行になる。情報Ⅱ (3) 第4回のまとめ02「整形は、結果の一部として書く」で書いた手順表を、取り出した CSV に上から当てさせる。

本体が数台しかないとき 記録は 1 台でもできる。班ごとに置き場所を変えて 1 台ずつ、というやり方が難しければ、学級で 1 台を 1 か所に置き、取り出した CSV を全員で共有する。分析は各自の問いで別々に行えるので、データは 1 本でよい。カードの「言えること」は人によって違うものが出る。

前回のまとめ

基準と比べてずれを見て、但し書きを書いた

はかれるものばらつきずれ→使える数になった

3 回かけて、1 つの数を信じてよいかどうかを確かめる道具がそろった。今日は、その数を長く、たくさんとる。手で 1440 回書き取ることはできない

1 分ごとに 1 日はかると、記録は何行になるか

教師用メモ

問いは口で答えさせない。体験 01 の予想で選ばせる。ここでは「手では無理な回数になる」ことだけ確かめる。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
データロガーで時刻つきに記録し、CSV として取り出せる
02
記録の間隔と期間を、目的から決められる
03
記録の条件を書いて、分析の道具に渡せる

※ CSV(シーエスブイ)= 表を、1 行 1 件・項目をコンマで区切って並べただけの、いちばん単純な表のファイル。表計算ソフトでも分析の道具でも、そのまま開ける

01 | 15分
間隔と期間を決める

行数と、見えるもの

02 | 16分
CSV にして渡す

単元末の課題カード

SECTION 01

間隔と期間を決める

どれくらい細かくとるかは、目的から決める

教室の棚の上に置いた基板に「調べています」と書いた紙を貼り、時刻を書き留めている高校生
体験 01

何分ごとに、どれだけの間、記録するか

まず下の予想を 1 つ選ぶ。2 つのつまみで間隔と期間を変えると、記録の行数と、そこから見えるもの・見えないものが右に出る

1 分ごと
1 日
ずっと { データを記録する: 明るさ = 明るさ 一時停止 (60000) }

※ 「一時停止」の数はミリ秒。60000 ミリ秒 = 1 分。ここを変えると間隔が変わる。10 秒なら 10000、1 時間なら 3600000

— 行
予想 | 1 分ごとに 1 日はかると、記録は何行になるか

予想の分かれ方と、確かめた結果が右に出る。外れた人を 2 人読み上げ、どこで計算がずれたかを聞く

クラスの予想
確かめた結果
教師用メモ

進め方(13分) 予想を選ぶ(2分)。1 分 × 1 日で確かめる(2分)── 1440 行。10 秒ごとに細かくしてみる(4分)── 8640 行。本体に入りきらないことがある。1 時間ごとにしてみる(3分)── 24 行。授業の始めと終わりの差は見えるが、休み時間の変化は消える。目的から決めるところに戻す(2分)。

山場 細かくとるほどよい、というわけではない。見たい変化より細かくとり、それ以上は増やさない。休み時間ごとの騒がしさを見たいなら 1 分でよい。ドアが開いた瞬間を見たいなら 10 秒。1 日の日なたの動きなら 10 分で足りる。

電池と入れ物 細かくすると電池が早く減り、本体にためられる行数を超える。置く前に1 度ためす(マニュアルの第8節)。

C の生徒への手立て 間隔を 1 分に固定し、期間だけ動かさせる。行数の計算は「1 時間 60 行 × 24 時間」と 2 段で出させる。目標 02。

まとめ 01

見たい変化から、間隔を決める

間隔見たい変化より細かく。それ以上は細かくしない。休み時間ごとなら 1 分、1 日の流れなら 10 分、開いた瞬間なら 10 秒
期間比べたいものが両方入る長さにする。朝と昼を比べたいなら半日では足りない。1 日を見たいなら、まる 1 日
行数期間 ÷ 間隔。1 分ごとに 1 日なら 1440 行。本体にためられる行数と、電池のもちを先に 1 度ためす
置くときの約束置く場所の許可を取る。人の通り道に置かない。「何を調べているか・いつまで・誰が」を書いた紙を貼る

※ 記録そのものは授業の外で進む。今日は仕掛けるところまで。取り出した CSV は、次の時間か探究の時間に持ち寄る

教師用メモ

「置く場所の許可」は形だけにしない。廊下や職員室のそばに置く班は、先に断らせる。貼り紙の文面も、ここで 1 文だけ決めさせておくと当日が早い。

SECTION 02

CSV にして渡す

はかる単元と、分析する単元が、ここでつながる

取り出した表を画面に開き、分析の画面へ読み込ませて折れ線が出るのを見ている高校生2人
体験 02

単元末の課題カードを、4 欄そろえて出す

データロガーから取り出した CSV は、こういう形になる。1 行に 1 回ぶん。左の列が記録の始めからの秒数で、これが時刻の代わりになる

time (seconds),light 0,172 60,168 120,181 180,175 240,166

※ 列の名前は自分で決める。分析の道具に読み込むときに崩れることがあるので、英字にしておくと安全。始めた時刻は、紙かカードの「場所と条件」に書く

4 欄をそろえて出す。まだはかっていない欄は、これからやる計画として書く。記録を取り出したあとで、出し直してよい

はかったもの
場所と条件 | 場所・向き・始めた時刻
記録の間隔と期間 | そう決めた理由
言えること | 使った値と、その理由

出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない

4 欄そろったカードが右に並ぶ。「間隔と期間の理由」が少ないカードを 1 枚取り上げ、全員で理由を作る

みんなの記録カード
教師用メモ

進め方(14分) 4 欄を書く 7分 → 出す 1分 → 右のカードを 3 枚読んで印を押す 4分 → 「言えること」を 2 枚読み上げる 2分。

この回の評価課題そのもの このカードが単元末の評価課題「教室のどこかを 1 日はかり、CSV にして、言えることを一つ書く」。今日は計画の形で出させ、記録を取り出したあとに出し直させる。2 回目のカードで評価する。

「言えること」で見るところ 数が入っているか。使った値(平均か中央値)と理由が書いてあるか。「明るかった」だけの文は、数を足させる。前の 3 回で扱った幅・ずれ・但し書きが、ここに出てくる。

C の生徒への手立て 1 分ごとに 10 回だけ記録させる。10 行なら、並べて見て中央値を出すところまで手で追える。「言えること」は「いちばん明るかったのは何時ごろか」で書かせる。

まとめ 02

渡す前に、条件を添える

渡すものCSV そのもの(1 行に 1 回ぶん、列をそろえて)と、条件を書いた紙。数だけ渡しても、読む人は判断できない
添える条件場所・向き・始めた時刻・間隔・期間・使った本体・ずれの但し書き。第3回の 4 欄が、そのまま入る
分析へ読み込んだら、まず並べて見る。外れた値を探し、場面から原因を説明する。そのあとで平均か中央値を選ぶ
言えること「何が、いくつから、いくつになったか」。幅より小さい差は、差とは言えない。目安の数は、同じ本体の中でだけくらべる

※ 元の CSV は上書きせず、直したものを別に作る。直しを間違えたときに戻れる

教師用メモ

この 4 行が、単元 4 回ぶんの要約になっている。第1回の「目安の数」、第2回の「幅」、第3回の「但し書き」が全部入っていることを指して確かめる。

この単元はここで終わる。続きは探究の時間で、自分の問いのデータを同じ手順で扱う。

道具で作る

記録する形を組み、CSV を分析へ渡す

データロガーで記録する形を組み、取り出した CSV(無ければ例のデータ)を分析の道具に読み込んで、できた形を一言で出す

MakeCode for micro:bit(データロガー)はかった値を、時刻つきで本体に貯める形を組む
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 「データロガー」から「データを記録する」を取り、「ずっと」の中に入れて、記録する項目に明るさを選ぶ
  3. そのあとに「一時停止 (60000)」を置く。1 分ごとの記録になる
  4. シミュレータで動かし、行が増えていくのを見る。取り出しは本体をつないで行う
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
easyStat取り出した CSV を読み込んで、並べて見る。計算はブラウザの中で行う
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. CSV を読み込む。手もとに無ければ、用意されている例のデータでよい
  3. まず時間を横にした折れ線で、全体を並べて見る
  4. 外れた値を探し、平均と中央値の両方を出して見くらべる
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
作ったものを、一文で
みんなの作ったもの
教師用メモ

進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。

10分。2 つの道具を続けて使う。記録そのものは授業の外で行うので、ここでは「記録する形を組む」と「手もとの表を読み込む」まで。easyStat は読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
時刻つきに記録 ずっと繰り返して記録し、一時停止で間隔を作る。取り出すと 1 行 1 回ぶんの CSV になる
02
間隔と期間 見たい変化より細かくし、それ以上は増やさない。1 分ごとに 1 日で 1440 行
03
条件を添える 場所・向き・時刻・間隔・期間・ずれ。数だけ渡しても、読む人は判断できない
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01時刻つきに記録し、CSV として取り出せる
02記録の間隔と期間を、目的から決められる
03記録の条件を書いて、分析の道具に渡せる
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。この単元はここで終わるので、「まだ」が多い目標は、記録を持ち寄る時間の冒頭で拾う。

ふりかえり

この 4 回で、数の見方はどう変わったか

一文でよい。「前は〇〇と思っていたが、いまは△△」の形で書く

みんなの変わったところ
教師用メモ

3 分。「はかった数をそのまま信じない」が、この単元の中心だった。出てきた文をそのまま次の探究の時間の冒頭で読み上げると、自分の問いに戻りやすい。

この先は、探究の「確かめ方の決定」と、分析の道具の単元につながる。条件を変えて測る班は、この 4 回をもう一度通す。