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高校の情報学探究 | micro:bit で動かす | 第3回

変数と計数

はかった値を入れ物に取っておくと、数えられるようになる

10〜50分
教師用メモ

準備 教室コードは新しいものにして板書する。「教師」を押す。本体は要らない。体験 01・02 は端末の中で完結し、道具の枚は MakeCode をこのページの中で開く。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。生徒の端末は「縦読み」。枚 5 の予想は、投影したまま全員に選ばせてから次へ進む。

時間配分

  • 50分版 全 14 枚。前回のまとめ・目標(枚 2〜3)5分 / 節1(枚 4〜7)18分 / 節2(枚 8〜11)19分 / まとめ・自己評価・ふりかえり(枚 12〜14)8分
  • 20分版 枚 1・3・5・6・9・10・12。予想 2分、体験 01 を 7分、道具の枚を 7分
  • 10分版 枚 1・5・6・12。予想 2分、変数を 1 ふやすところを 6分、まとめ 2分

この回の評価

  • 知識・技能 変数に数を入れ、1 ふやし、画面に出すまでを作っている(体験01・道具の枚)
  • 思考・判断・表現 何を数えたいかを決め、入力・処理・出力に分けて書いている(体験02)
  • 態度 数が合わないとき、どのブロックが足りないかを 1 つずつ確かめようとしている(体験01・ふりかえり)

指導要領 中学校 技術・家庭科 技術分野 D(3) 計測・制御のプログラミングによる問題の解決。高等学校 情報Ⅰ (3) コンピュータとプログラミング。設計指針(第2版)A5・F1・F2・J1。ねらいと評価の全体は 単元設計のページ、道具の使い方は 情報学探究マニュアル。

前にやった回 情報Ⅰ (3) 第11回のまとめは「目的・手順・プログラムの順で作った」。そこでは数を入れる箱に名前を付けて手順を書いた。今日は同じ箱を、手元の物の中に作る。中学校 技術分野 第8回のまとめ「はかって、くらべて、動かす」の「はかった値」を、今日は取っておく。

本体が無い場合の進め方 シミュレータで最後まで進む。画面の中の micro:bit でボタンを何度でも押せるので、数える体験はそのまま成り立つ。1 クラスに数台あるなら、班で 1 台を回して書き込み、設計と確認は各自がシミュレータで行う。

前回のまとめ

くり返しの中で、境目を決めて動きを分けた

ずっと→もし〜なら→動きが分かれる|数は目的で決まる

前回のものは、はかった値をその場で使って、すぐ捨てていた。だから「今」しか分からない

ボタンを押した回数を知りたい。回数は、どこに残るのか

教師用メモ

問いは読み上げるだけ。答えは枚 5 の予想で選ばせる。前回の自己評価で「まだ」が多かった目標を 2 分だけ拾い直す。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
変数という入れ物に、数を入れて覚えさせられる
02
ボタンを押した回数を数えるものを作れる
03
数えたものを画面に出して、合っているか確かめられる
01 | 18分
おぼえさせる

名前の付いた入れ物

02 | 19分
数えて、出す

中にあるだけでは見えない

まとめ | 8分
数えると、比べられる

探究の記録につながる

教師用メモ

3 分。「変数」という言葉は、ここでは名前の付いた入れ物と言い換えてよい。数学の文字とは役割が違うことを一言添える。

SECTION 01

おぼえさせる

入れ物に名前を付けて、そこに数を置く

名前を書いた紙の箱に、数を書いたカードを1枚ずつ入れ替えている生徒の手元
予想

ボタンを押した回数は、どこに残るか

確かめる前に、いまの予想を 1 つ選ぶ。当たっていなくてよい。予想を置いておくと、違ったときに気づける。選んだ理由も一文で

選んだ人数と理由が右に出る。分かれているところを 1 つ読み上げてから次へ。答えはまだ言わない

クラスの予想
選んだ理由
教師用メモ

3 分。ここで答えを言わない。次の枚で自分の手で確かめる。

ねらい 「画面に出たものが残る」を選ぶ生徒が多い。画面は出力であって、覚える場所ではない。画面を消すと消える。この誤りが体験 01 で自分の操作で崩れるようにしてある。

体験 01

押した回数を、入れ物に足していく

左のブロックを並べて、「A を押す」を何回か押す。お題 A を押した回数が画面に出る。B を押すと 0 に戻る

ブロック
変数 かず
0
→
画面
—
動いた記録
教師用メモ

進め方(12分) 正解は「最初だけ → 変数 かず を 0 にする → ボタン A が押されたとき → 変数 かず を 1 ふやす → 数を表示 かず → ボタン B が押されたとき → 変数 かず を 0 にする → 数を表示 かず」(7分)。

予想と突き合わせる(2分) 左の箱(変数 かず)と右の画面は別物。画面を消しても箱の中身は残り、箱を 0 にしない限り数は増え続ける。枚 5 の予想に戻って、当たっていたかを聞く。

わざと外させる(3分) ① 「1 ふやす」を外して「数を表示 1」だけにすると、何回押しても 1。覚えていない。② 「数を表示 かず」を外すと、箱は増えているのに画面は変わらない。中にあるだけでは見えない。目標 01・02・03。

まとめ 01

名前の付いた入れ物に、数が残る

ブロックの並びを、日本語の文章として書くとこうなる。変数 かずが、押した回数を覚えている入れ物

最初だけ {
  変数 かず を 0 にする
}
ボタン A が押されたとき {
  変数 かず を 1 ふやす
  数を表示 かず
}
ボタン B が押されたとき {
  変数 かず を 0 にする
  数を表示 かず
}
変数名前の付いた入れ物。中身は入れ替わるが、名前は変わらない。だから「かず」と書けば、いつでも今の中身が取り出せる
最初だけ電源を入れたときに 1 回だけ動く。ここで 0 にすると、数え始めがそろう
1 ふやす今の中身に 1 を足して、また同じ入れ物に戻す。これが数えるということ
画面は入れ物ではない画面は出力。消せば消える。覚えているのは変数のほう
教師用メモ

4 分。「かず」という名前は自由に付けられることを言う。あとで読んで分かる名前にする。第4回で 2 台をつなぐとき、この名前がそのまま手がかりになる。

SECTION 02

数えて、出す

数えたものは、外に出してはじめて役に立つ

出入口のそばに立ち、通った人をボタンで数えながら手元の数字を見ている生徒2人
体験 02

自分なら、何を数えるか

押すたびに増える。押さずに待っても増えない。数えるのは、人が押した回数。「0 に戻す」を押すと数え直せる

変数 かず
0
まだ 1 回も押していない

学校の中で、数えたら役に立ちそうなものを 1 つ選び、それを数えると何が分かるかを一文で書く

選ばれたものと、分かることが右に出る。同じものでも「分かること」が違う例を 2 つ読み上げる

数えたいもの
数えると分かること
教師用メモ

進め方(10分) 数える道具を 2分触らせてから、5分で提出、3分で読み上げ。

評価の見どころ 「分かること」が書けているかを見る。数だけ集めても意味は出ない。何と比べるつもりかまで書けていれば A。人を数える案が出たら、次の枚の注意(人に向けるときの断り)につなげる。

次の枚が MakeCode。ここで決めたものを、そのまま数えるプログラムにさせる。目標 02・03。

道具で作る

MakeCode で、数えるものを 1 つ作る

前の枚で決めた「数えたいもの」を、MakeCode で数える形にする。作れたら一文で出す

MakeCode for micro:bitブロックを組んで、画面の中の micro:bit を動かす。変数もここで作る
  1. 「この枚で開く」を押し、「新しいプロジェクト」を選ぶ
  2. 「変数」から「変数を追加する」を押し、あとで読んで分かる名前を付ける
  3. 「最初だけ」の中に「変数 ○○ を 0 にする」を入れる
  4. 「ボタン A が押されたとき」の中に「変数 ○○ を 1 ふやす」と「数を表示 ○○」を入れる
  5. シミュレータの A を何回か押して、数が増えるか見る
  6. 「ボタン B が押されたとき」で 0 に戻せるようにする。前の枚で決めた数えたいものに名前を変える
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
作ったものを、一文で
みんなの作ったもの
教師用メモ

進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。

12分。前の枚で決めた「数えたいもの」を、ボタンで数える形にさせる。数が合わない生徒には、① 0 にするブロックがあるか ② 1 ふやすが入力の中にあるか ③ 表示があるか、の順で 1 つずつ見させる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

まとめ 02

数えると、比べられるようになる

数える起きたことに 1 を足していく。人が見ていなくても、機械は数え続けられる
出す変数の中にあるだけでは見えない。画面に出す・音を鳴らすところまで作って、はじめて人に届く
比べる数になると、昼と夕方、晴れと雨のように比べられる。探究で「多い・少ない」を言うときの根拠になる
人を数えるとき人の通り道に置かない。置く場所の許可を取り、何を調べているかを書いた紙を貼る
教師用メモ

4 分。最後の行は必ず読む。次の単元(センサではかる)で教室に置いて記録するときの約束になる。次回は離れた所へ届ける。数えたものを、別の場所で見られるようにする。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
変数 名前の付いた入れ物に数が残った。画面を消しても中身は消えなかった
02
数える 1 ふやすを外すと、何回押しても 1 のままだった
03
出す 表示を外すと、中では増えているのに外からは見えなかった

数えたものを、離れた所で見るには

教師用メモ

最後の問いは答えさせない。次回の入口として置くだけ。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01変数という入れ物に、数を入れて覚えさせられた
02ボタンを押した回数を数えるものを作れた
03数えたものを画面に出して、合っているか確かめられた
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭の前回のまとめで拾い直す。

ふりかえり

数が合わなかったところと、どう直したか

一文でよい。「〇〇だった。△△を直したら合った」の形で書く

みんなの詰まりと直し方
教師用メモ

3 分。「0 にするのを忘れて、前の数から続いた」が出たら取り上げる。数え始めをそろえることの意味が、実感として残る。