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総合的な学習の時間 | 中学校の情報学探究 | 第6回

比べる相手を決める

「増えた」と言うには、何と比べて増えたのかが要る。比べない問いなら、比べないと書く

10〜50分
教師用メモ

準備 教室コードは第2回と同じものを使う。板書して残しておく。くじを 1 組(紙を折ったものでよい)用意しておくと、まとめ02 の「どちらを先にするかはくじで決める」をその場で見せられる。大きな装置は要らない。

投影 教師の端末で「教師」を押してから投影する。体験 01 は端末の中だけで終わる。体験 02 は選んだやり方の人数が棒で、比べる相手が一覧で右に出る。体験 03 のカードも右の面に並ぶ。

時間配分(50分版) 前回まとめ・目標 6分 / 節1 問いの型で決まる 13分 / まとめ01 三つの型 5分 / 節2 自分たちでできる比べ方 13分 / まとめ02 比べる相手が無いとき 4分 / 探究カード 6分 / 今日のまとめ・自己評価・ふりかえり 3分

20分版 03・05・06・08・10 の 5 枚。体験 01 を 6 分で切り上げ、体験 02 とカードに時間を寄せる。

10分版 06・08・10 の 3 枚。決めるのは比べる相手だけ(比べない場合は「比べない」と書く)。カードは「比べる相手」の 1 欄を埋めて出し直す。

カードが手元に無い生徒(前回いなかった、消えた)は、この回の欄だけをその場で書いて始めてよい。前の回に戻らせない。

この回の評価(重点は 思考・判断・表現。評価場面は「比べる相手の有無の確認」と「2 つ作って比べる計画」。単元設計は 単元設計のページ)

  • 知識・技能 B 問いの型ごとに確かめ方と比べる相手が違うことを、3 つの型で言える / A 自分の型を選んだ理由を言える(体験01・まとめ01)
  • 思考・判断・表現 B 自分の計画に比べる相手が書けている(無い場合は「比べない」と書けている) / A 比べる相手が無いことに気づいて、問いを記述の型に直している(体験02・まとめ02・カード)
  • 主体的に学習に取り組む態度 B 自分たちでできる比べ方を 1 つ選んでいる / A 選んだ比べ方で気をつけることを 1 つ挙げている(体験02・ふりかえり)

指導要領 [解説]第2章 目標 (2)。第5章 内容の取扱いが求める体験活動の重視にあたる回で、教室と校内で実際にできる形にする。[技術]D 情報の技術(技術分野 第9回で「分岐と反復で、条件を組み立てる」を扱っている。条件を変えるという考え方は同じ)。[指針]C3L1(モデルの上で動かして問題を解く)、J2L1(システムとユーザの接点を指摘し、その善し悪しを検討できる)。

前回のまとめ

はかるものは決まった | では、何と比べるのか

変えるものはかるものそろえるもの→比べる相手→できるか見積もる

「掲示の色を黄色にしたら、18 人が立ち止まった」。この 18 人は、多いのか少ないのか。何かと比べないと、どちらとも言えない

18 人は、多いのか少ないのか

教師用メモ

問いに 30 秒。「分からない」が出れば十分。「白い紙のときは 7 人だった」と足すと、全員が「増えた」と言える。比べる相手があって初めて言えることを、数で見せる。

前回「はかるもの」が空だった生徒を、ここで確かめる。空のままだと今日の体験 02 が進まない。数え方を口に出させてから始める。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
問いの型ごとに、確かめ方と比べる相手が決まることを言える
02
自分たちでできる比べ方を 1 つ選べる
03
自分の計画に比べる相手があるか確かめ、無ければ「比べない」と書ける
01 | 13分
問いの型で決まる

3 つに分ける

02 | 13分
できる比べ方

大きな装置は要らない

03 | 6分
探究カード

1 欄ふえる

SECTION 01

問いの型で決まる

どれくらいか / 関係があるか / 変えると変わるか

同じ廊下の二か所に白い掲示と黄色い掲示を貼り、それぞれの前で人数を数えている中学生2人
体験 01

この 12 の問いは、何と比べることになるか

上で付ける印を選び、次にその印を付けるものを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。問いの型が決まれば、比べる相手も決まる。順番は逆ではない

記述 = どれくらいか関係 = A と B に関係があるか因果 = A を変えると B は変わるか
教師用メモ

進め方(13分) 一人で 6 分。答え合わせのあと、「〜と、〜に関係があるか」は関係、「〜すると、〜は変わるか」は因果という言い方の違いを板書する(3分)。そのあと、自分の問いがどれかを口に出させる(4分)。

拾いたい発言 「記述は比べなくていいのか」→ 比べない。まず今の様子を数で出すのが仕事。それだけで立派な探究になる。「関係と因果はどう違うのか」→ 関係は両方をそのままはかる。因果は自分たちで片方を変える。変えられないなら関係にする。

迷う項目 「掲示の文字の大きさと、立ち止まった人の数」は、自分たちで文字の大きさを変えれば因果になる。変えるかどうかで型が決まると言えば、第5回の「変えるもの」につながる。

「どちらがよいか」(評価の型)は、この回では扱わない。第10回で、作ったものを使ってもらうときに使う。目標 01。

まとめ 01

問いの型 | 確かめ方 | 比べる相手

どれくらいか(記述)数える・はかる・聞く | 比べない。まず今の様子を数で出す
A と B に関係があるか(関係)同じ人・同じ場面で両方をはかる | 散らばりを見る(グラフに点を打つ)
A を変えると B は変わるか(因果)変える側と、変えない側を作る | 変えなかった側

中学校で使う型は、この 3 つ。「どちらがよいか」を決める型は、第10回で作ったものを使ってもらうときに扱う

※ 型と、はかるものが合っているかを見る。合っていなければ、どちらかを直す。直すのは今ならまだ間に合う

教師用メモ

進め方(5分) 3 行を読み上げ、自分の問いがどの行かを指ささせる。10分版は、この枚と体験 02、カードの 3 枚だけを使う。

問いの一文と、はかるものの一文を並べて読み上げさせると、合っていないことに生徒の側が気づく。教師が「合っていない」と言うより早い。高度化の整合性の場面。

「散らばりを見る」は、方眼紙に点を打つだけでよい。easyStat を使えば表からそのまま出る。どちらでも同じことができる。

SECTION 02

自分たちでできる比べ方

大きな装置は要らず、廊下と教室と 1 週間があればできる

案内文を2通り作って別々の場所に貼り、どちらを先にするかをくじで決めている中学生の手元
体験 02

3 つのやり方から 1 つ選び、比べる相手を書く

2 つ作って比べる
案内文を 2 通り、掲示の色を 2 色、置き場所を 2 か所
どちらを先にするかはくじで決める
前と後で比べる
声かけの前後、注意書きの前後
「他のことも変わったかもしれない」を必ず書く
条件を変えてはかる
教室の明るさ・温度・音をはかり、静かさや読みやすさと重ねる
はかる道具が無ければ、2 段階で記録してよい
やり方を 1 つ選ぶ | 記述の問いの人は「比べない」を選ぶ
比べる相手 | 何と比べるか。比べないなら「比べない」と書く

選んだやり方の人数が棒で出る。比べる相手が書かれていないものを 2 件取り上げ、全員で相手を決める

クラスの選び方
比べる相手
教師用メモ

進め方(13分) 8 分で選んで送る。残り 5 分で、少数派のやり方を選んだ生徒を 1 人指名して理由を言わせる。「前と後で比べる」を選んだ生徒には、「他に変わったことも書き留める」を必ず足させる。行事や天気が一緒に変わっていることが多い。

やり方ごとに気をつけること 2 つ作って比べる → 場所の人通りをそろえる。どちらを先にするかはくじで決める(順番で差が出るのを防ぐ)。前と後で比べる → 期間を同じ長さにする。条件を変えてはかる → 一度に 1 つだけ変える。

「比べない(記述の問い)」を選んだ生徒 それでよい。比べないと決めたことを、はっきり書かせる。書いてあれば、第9回で「今の様子はこうだった」と言い切れる。書いていないと、あとで「比べ忘れた」ように見える。

道具が無い場合 micro:bit が無ければ、ストップウォッチで時間をはかる、手で数えて「正」の字を書く、明るさは「見える/見えにくい」の 2 段階で記録する。道具が無いことを理由に止めない。

人に協力してもらう計画 断る自由を言葉にすること、名前を集めないことは第7回で決める。ここでは「頼む相手がいるかどうか」だけ意識させれば足りる。

思考・判断・表現の評価場面。比べる相手が書けているかを見る。目標 02・03。

まとめ 02

比べる相手が無いときに、することは一つ

01
比べる相手が無い計画は、因果の問いには答えられない 「やってみたらうまくいった」だけでは、もともとうまくいっていたのかもしれない
02
無いなら「比べない」と書く そのうえで、問いを記述の型(どれくらいか)に直す
03
問いを直すのは、ここまでなら間に合う 集め始めたあとでは、記録を取り直せない

今の様子を数で出せた人は少なく、記述に直した探究は格下げではない

教師用メモ

進め方(4分) 三つを読み上げ、自分の計画に比べる相手があるかを全員に確かめさせる。無い生徒に手を挙げさせ、その場でカードの「問いの型」を記述に直させる。挙げにくい空気にしない。第4回・第5回でも同じことをしている。

ここが最後の直し場 第7回は見積もり、第8回は集める。問いの型を変えられるのは今日までだと、はっきり言う。

[指針]J2L1。「誰が使うのか」「その人にとって良くなったのか」を見るには、比べる相手が要る。第10回の「どちらがよいか」につながる。

体験 03

探究カード | 比べる相手

前の回に書いた 9 欄はそのまま出てくる(直してもよい)。今日は下の 1 欄を書き足して、10 欄そろえて出し直す。全部の欄を埋めないと送れない。比べない人は「比べる相手」に比べないと書き、「問いの型」を記述に直す

気になっていること
自分の理由
問い | 「〜は〜か」の形で、一つだけ
問いの型 | 記述・関係・因果のどれか
調べて分かっていたこと
出どころ | 名前・ページ・見た日
変えるもの
はかるもの | 誰が数えても同じ数になる言い方で
そろえるもの
比べる相手 | 比べないなら「比べない」と書く

出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない

10 欄そろったカードが右に並ぶ。「問いの型と合っている」が少ないカードを 1 枚取り上げ、全員で型か比べる相手のどちらかを直す

みんなの探究カード v5
教師用メモ

進め方(6分) 4 分で書いて出す。残り 2 分で互いに読み、押す。「比べる相手」が空のカードは、第7回に進ませない。何にどれだけ時間がかかるかは、比べる相手が決まらないと見積もれない。

長すぎて送れないとき 合計 400 字を超えると送れない。前の回の欄を短く言い直させる。書いたものは端末に下書きとして残るので、消えない。探究ノート にも残る。

次に欄が増えるのは第7回(5 つの目の見積もり・縮めた所・断りの言葉)。10分版でも、この 1 欄は必ず進める。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の計画で答える

01
決まる順番 問いの型が決まれば、確かめ方も、比べる相手も決まる
02
選んだ 2 つ作って比べる / 前と後で比べる / 条件を変えてはかる。大きな装置は要らない
03
確かめた 比べる相手があるか。無ければ「比べない」と書き、問いを記述に直した

次回はできるかを見積もる。時間・人・もの・許可・安全の 5 つの目で見て、やり切れる形に縮める

教師用メモ

次回は「実現可能性の見積もり」。今日決めた比べ方に、何日かかるか・誰に頼むかを見積もる。許可が要る計画の生徒は、次回に下書きまで書くことを予告しておく。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01問いの型ごとに、確かめ方と比べる相手が決まることを言える
02自分たちでできる比べ方を 1 つ選べる
03比べる相手があるか確かめ、無ければ「比べない」と書ける
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。03 が「まだ」の生徒は、次回までに教師が 1 人ずつ確かめる。ここが空のまま集めに行くと、第9回で答えられなくなる。

ふりかえり

その比べ方では、言えないこと

一文でよい。「この比べ方では、〜は分からない」の形。先に書いておくと、第9回で結果を書くときに使える

みんなの「言えないこと」
教師用メモ

3 分。ここで書いたものが、第9回の「言えないこと」の下書きになる。書けない生徒には「これに困る人はいないか」と一つだけ聞き、答えを書き取らせる。次回は「実現可能性の見積もり」。