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総合的な探究の時間 | 探究の進め方 | 第2回

自分と社会が重なるところ

自分だけの話と、よその話。その二つが重なる所に、14 回続けられるテーマがある

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードは第1回と同じもの。今日作る探究カードは、第14回まで同じ場所を開いて書き足していく。第1回のふりかえりの投影を手元に出しておき、冒頭で 2〜3 件を読み上げる。生徒には端末で 探究ノート を開かせておく。

投影 「教師」を押す。体験01 は二つの欄が右の壁に並ぶので、投影したまま 4 件を読み上げて直す。体験02 のカードは全員分が並ぶが、相互評価のボタンは体験02 の後半で押させると先に言う。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 3分 / 節1 二つの側から書く 15分 / 節2 探究カードを作る 15分 / 今日のまとめ 10分 / 自己評価・ふりかえり 7分

20分版 体験は 1 つ(体験02 探究カードを作る)。使う枚は 1・2・7・8・9・12(表紙/前回のまとめ/節扉2/体験02/まとめ02/ふりかえり)。二つの側の書き分けは、まとめ01 の三つの見分けを読み上げて代える。

10分版 決めることは 1 つだけ。気になること 1 つについて、自分の側の理由を一文。使う枚は 1・5・8(表紙/体験01/体験02)。カードの「気になること」は前回書き出した 3 つから 1 つ写せばよい。カードは今日必ず 1 枚出す。

この回の評価(重点は思考・判断・表現と態度。評価場面は「重なる所の言語化(教室に集まる)」)

  • 知識・技能 自分の側の理由と、社会の側の事実を、別のものとして書き分けている(体験01) | A: 社会の側を、数や記録で言える形にしている
  • 思考・判断・表現 二つが重なる所を、一つの文にできている(体験02)。高度化の鋭角性の入口 | A: 重ならない部分がどこかも言える
  • 態度 なぜ自分がこれを選んだかを書いている(体験02・ふりかえり)。自律化の自己課題 | A: 自分の在り方生き方と結びつけて書いている

指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第4章 各学校において定める目標及び内容(探究課題)。高等学校は「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し」と明記され、小中学校の「自己の生き方を考えていく」と構造が違う。この回の [指針] は K3L1(自分や他者の問題を客観的に捉えて記述できる)。評価規準は 単元設計のページ。生徒が詰まったときは 情報学探究マニュアル の該当の節を開かせる。

中学校で使う場合 「自分の在り方生き方」を「自分が続けたいこと・気になっていること」に言い換える。

前回のまとめ

過程の地図は持った | ここから ① 課題の設定に入る

第1回 | 過程の四つ→今日 | 重なる所→第3回 | リサーチクエスチョン→第4回 | 調べる→第5〜7回 | 設計する

前回、気になることを量で出し、その中から自分に一番近いものを一つ選んだ。今日はそれを、二つの側から書き直す

自分だけの話は日記に、よその話だけは他人事になる。重なる所が探究になる

教師用メモ

第1回のふりかえりの投影を出し、2〜3 件を読み上げてから始める。前回休んだ生徒・まだ決まらない生徒には、投影に並んだものから一つ借りさせる。借りたものでも、二つの側を書くうちに自分のものになる。

「日記」「他人事」の言い方は、この 14 回で何度も戻ってくる。ここで一度きちんと言っておく。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
気になることを、自分の側の理由と社会の側の事実に分けて書ける
02
その二つが重なる所を、一つの文にできる
03
自分の探究カードを作り、第14回まで持ち歩く準備ができる
節 01
二つの側から書く

理由と、事実を分ける

節 02
探究カードを作る

2 つの欄。ここから増える

このカード
第14回まで

毎回、欄が増える

SECTION 01

二つの側から書く

自分の側は「なぜ自分が気になるか」。社会の側は「誰にとって、どう起きているか」

ノートに大きな円を二つ重ねて描き、重なった部分に短い文を書き込んでいる高校生の手元
体験 01

自分の側の理由と、社会の側の事実

前回選んだものを、二つの欄に分けて書く。自分の側は気持ちでよい(困った、くやしい、不思議だ)。社会の側は自分以外に起きていることを、できれば数や記録で言える形で。まだ確かめていなくてよい

自分の側の理由 | なぜ自分が気になるのか
社会の側の事実 | 自分の外で、誰に、どう起きているか

全員の二つの欄が右に並ぶ。片方が空に近いもの、社会の側が「みんな困っている」で止まっているものを拾う

みんなの二つの側
教師用メモ

進め方(11分) 6 分で書いて送る。残り 5 分で投影から 4 件を取り上げ、全員で直す。直したら送り直してよいと伝える。

よくある直し 社会の側が「みんな困っている」→ 誰が、何人くらい、いつ困っているのか / 自分の側が「社会のために」→ それは社会の側。自分がなぜ引っかかるのかを書く / 二つが同じ文になっている → どちらかが借り物。もう一方を書き直す。

片方しか書けない生徒 自分の側だけ書ける生徒は多い。そのときは「同じことで困っている人を一人挙げて」と聞く。社会の側だけの生徒には「それを知って、自分は何が変わるのか」と聞く。

[指針]K3L1「自分や他者が持つ問題について客観的に捉えて記述できる」の場面。

まとめ 01

重なっているかの、三つの見分け

01
自分が抜けていないか 誰が書いても同じ文なら、まだ自分の課題になっていないので、12 回続かない
02
外が抜けていないか 自分以外の誰にも起きていないなら、日記になり、確かめる相手がいなくなる
03
手が届くか 自分たちで見に行ける範囲か。大きすぎるものは、見える一か所に切る

解説の言葉では、自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題。自分から切り離せない課題ということ

教師用メモ

進め方(4分) 三つを読み上げ、生徒に自分の二つの欄を見直させる。03 で引っかかる生徒が多い(環境問題、少子化、いじめ全般)。「その中で、自分が今週見に行ける一か所は」と聞いて切らせる。

高等学校の目標が小中学校と違うのはここ。小中学校は「よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていく」。高等学校は「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していく」。発見する主語が生徒本人であることを、この枚で示す。

SECTION 02

探究カードを作る

この 1 枚が第14回まで残る。回が進むと、欄が入れ替わりながら増えていく

机の上に置かれた一枚のカードに二つの欄が書かれ、その周りに空白の欄がいくつか描き足されている
体験 02

探究カード | 気になること と 自分との関わり

気になること | 何が起きているか(社会の側の事実を入れる)
自分との関わり | なぜ自分がこれを選ぶのか

出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。「自分の理由がある」「社会の側が書けている」「両方ある」「まだ」。自分のカードには押せない

全員のカードが右に並ぶ。各カードの下に相互評価の集計が出る。「まだ」が多いものを 1 枚取り上げ、何が足りないかを言葉にする

みんなの探究カード
教師用メモ

進め方(11分) 6 分で 2 つの欄を書いて出す。残り 5 分で互いに読み、押す。一人 3 枚以上。押し終わったら、自分のカードの集計を見て、足りない欄を書き直して出し直してよい。

このカードの扱い 第3回で「リサーチクエスチョン」と「問いの型」、第5〜7回で「変数」「確かめ方」「見積もり」、第10回で「分析の結果」と「言えないこと」が増える。欄は毎回 4 つまでで、前の回の欄は 探究ノート に残る。端末に下書きが残るので、書き直しの手間は小さい。

教室コードを変えると前のカードが見えなくなる。第14回まで同じコードを使うこと。

まとめ 02

カードが 14 回で育っていく順番

第2回(今日)気になること / 自分との関わり
第3回+ リサーチクエスチョン / 問いの型
第5〜7回+ 変数 / 確かめ方 / 見積もり
第10回+ 分析の結果 / 言えないこと
第11〜14回+ 受けた指摘 / 使ってもらった反応 / 相手と出し方 / 次の問い

※ 欄は毎回 4 つまで。押し出された前の回の欄は 探究ノート に残るので、消えてなくなるわけではない

※ 途中で書き換えてよい。第11回で問いごと変えることもある。そのときは新しいカードを出し直す

教師用メモ

3分。「積み上がっていく 1 枚」であることを見せる。毎回ゼロから書かせない設計だと分かると、生徒が今日の 2 欄を丁寧に書く。欄が 4 つで回ることと、押し出された欄が探究ノートに残ることも、ここで一度言っておく。

今日のまとめ

次回までに持ってくるもの

01
探究カードの 2 欄 今日出したもの。家で直してもよい
02
その事実を知っている人 名前は書かず、立場で(同じ部の人、同じ通学路の人、店の人)
03
「〜について」で言うとどうなるか 次回、それをリサーチクエスチョンに変えるところから始める

次回は「〜について」を、「〜は〜か」に変え、問いの型を決める

教師用メモ

10分。カードを出していない生徒をここで拾う。第3回は全員がカードを持っている前提で進む。出せていない生徒には、体験01 の 2 欄をそのまま写させる。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01自分の側の理由と、社会の側の事実に分けて書けた
02二つが重なる所を、一つの文にできた
03探究カードを作り、2 つの欄を書いて出せた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 02 に「まだ」が多い場合、第3回の冒頭 5 分を重なりの見直しに当てる。重なっていないまま問いにすると、集めても自分に返ってこない。

ふりかえり

自分がこれを選ぶ理由を、一文で

「〇〇だから、自分がこれをやる」の形で一文。カードの欄より少し長く書いてよい。ここが、この 12 回で一番戻ってくる場所になる

自分がこれを選ぶ理由
教師用メモ

4分。自律化の自己課題はこの枚で見る。A は「自分の在り方生き方と結びつけて書いている」。進路や、自分がこれから関わりたいことにつながっている記述を探す。

C の生徒への手立ては全回共通。探究ノートを開かせ、自分が書いてきたメモを 1 つだけ選ばせ、そこから問い直す。