できあがる前に人に見せる。整合性・効果性・鋭角性・広角性の 4 つで印を返し合う。ここで最初の問いに戻ってもよい
10〜50分準備(授業前) 教室コードは第1回から同じもの。第2回から書いてきた探究カードの全部の版が同じ画面に残っている。前回(第10回)の版(分析の結果・言えないこと)を各自に開かせ、集めた表と出た数も手元に出させておく。4 つの観点の意味を投影で出したまま進められるよう、まとめ01 の枚をすぐ出せるようにしておく。この回は単元の山場。戻ると決める生徒が出るので、第12〜14回の残り時間を先に伝えておく。
投影 「教師」を押す。体験01 は中間版のカードが並び、生徒は自分以外のカードに 4 つの印のどれかを 1 つ返す。印の集計がカードの下に出る。体験02 は、受けた印と戻る判断が並ぶ。戻ると決めた人を必ず取り上げる。
時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 6分 / 節1 中間版を出して、4 つの印を返し合う 20分 / 節2 戻るか、進むか 17分 / 自己評価・ふりかえり 7分
20分版 体験は 1 つ(体験01 印を返し合う)。使う枚は 1・2・5・8・9・12(表紙/前回のまとめ/体験01/体験02/まとめ02/ふりかえり)。印を返す時間を 8 分にし、戻るか進むかは一文だけ書かせる。
10分版 決めることは 1 つだけ。4 つの印を他の 1 人に返す。使う枚は 1・5・6(表紙/体験01/まとめ01)。カードは今日必ず 1 欄進める。戻るか進むかは、次の 10 分で決めさせる。
この回の評価(単元設計の第11回の行。重点は態度。評価場面は「相互評価/戻る判断」)
この回の規準表(高度化の四つ)
| 整合性 | B: 問いと、集め方・分析の仕方が合っている | A: 合わない方法を一度試して、変えた記録がある |
| 効果性 | B: 情報の授業で学んだ道具を一つ使っている | A: 道具を選んだ理由と、限界を言える |
| 鋭角性 | B: 問いが一つに絞れている | A: 絞る前と後を比べ、絞った理由を言える |
| 広角性 | B: 別の見方があることに触れている | A: 反対の立場の根拠を一つ挙げて答えている |
指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第2章 総合的な探究の時間の特質。質の高い探究の一つ目、探究の高度化(整合性・効果性・鋭角性・広角性)。同じ第2章が「自らの考えや課題が新たに更新され、探究の過程が繰り返される」としている所が、この回の後半にあたる。[指針]G3L3(集団の前で示す)と G4L3(自分の望みと違う発言でも相手の立場を理解する)。評価規準は 単元設計のページ。戻ると決めた生徒には 情報学探究マニュアル を開かせる。問いに戻るなら第1節、確かめ方に戻るなら第3節、数が足りないなら第4節。
前回、出た数から言えることと言えないことを分けた。まだ何も形にしていないが、それでよい。できあがる前だから、まだ直せる
今日は①課題の設定に戻ってよい回。戻ることは失敗ではない
前回のふりかえり「思っていたのと違ったところ」の投影から 3 件読み上げてから始める。第1回で「戻ってよい」と言ってあることを、ここでもう一度言う。[解説]が探究の過程を「繰り返される」ものとしている根拠を、教師の言葉で一度示す。
4 つのどれか 1 つ
どちらでもよい
カードに残る
見るのは、決まった 4 つだけ

前回の 4 欄がそのまま入っている。直してから出さない。いまの状態のまま出す。出したら、自分以外のカードにいちばん強いと思う観点を 1 つ返す。返せるのは 1 枚につき 1 つ
出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない
中間版が並ぶ。印の数がカードの下に出る。印が 1 つも付いていないカードを拾って、全員で見る
進め方(20分) 5 分で中間版を出す。次の 10 分で、隣の席の表やグラフを実際に見せてもらいながら、人のカードに印を返す。1 人が 4〜5 枚に返せば、全員に印が付く。残り 5 分で印の少ないカードを 2 件取り上げる。
印は「良い所」に返す 4 つのうち、いちばん強いと思った観点に返す。悪い所を指す仕組みにしない。結果として付かなかった観点が、その人の足りない所になる。この読み方を、印を返す前に必ず説明する。
言葉での指摘も残す 印だけでは伝わらない。見ながら気づいたことは、口で本人に言わせる。「ここが分からなかった」「この数字が何の数か読めなかった」の二つが出れば十分。
印が 1 つも付かない生徒を放置しない。4 つのどれかは必ず言える。教師が口頭で 1 つ言い、なぜそう見えるかを添える。
目標 01 はこの枚で見る。[指針]G3L3・G4L3。投影画面を当日中に保存する。
| 整合性 | 目的と、解決の方法に矛盾がないか。問いと、集め方・分析の仕方が合っているか。合わない方法を一度試して変えた記録があれば、さらに強い |
| 効果性 | 持っている力を適切に使っているか。情報の授業で学んだ道具を一つ使っているか。選んだ理由と限界まで言えれば、さらに強い |
| 鋭角性 | 焦点化して深く掘り下げているか。問いが一つに絞れているか。絞る前と後を比べ、絞った理由を言えれば、さらに強い |
| 広角性 | 幅広い可能性を視野に入れているか。別の見方があることに触れているか。反対の立場の根拠を一つ挙げて答えていれば、さらに強い |
4 つは順位ではない。付かなかった観点が、自分の次の一手になる
4 分。この表は[解説]第2章の「探究の高度化」そのもの。生徒の言葉に直してあるが、元の四語はそのまま使う。第14回で自律化の三つと並べて振り返るので、ここで言葉を覚えさせる。
戻ると決めた人が、いちばん深い所へ行く

自分のカードに付いた印を見て、付かなかった観点を書く。そのうえで戻るか進むかを決め、もう一度出す。戻るのは失敗ではない。①の課題の設定まで戻ってよい
中間版と判断が並ぶ。戻ると決めた人を必ず全員分拾い、何を変えるかを本人に言わせる
進め方(17分) 3 分で自分の印を見る。9 分で四つの欄を書いて出す。残り 5 分で、戻ると決めた生徒を全員取り上げる。何を変えるかを一人 20 秒で言わせ、教師が「それは戻る値打ちがある」と言葉で認める。
戻る先は三つ ①問いそのもの(言葉の意味が決まっていない、答えられない形になっている) / ②集め方(問いに合っていない人から集めていた、数が足りない) / ③分析(見る数が問いとずれていた)。どこまで戻るかを、生徒自身に言わせる。
進むと決めた生徒にも理由を書かせる。「直す所が無いから」は理由にならない。付かなかった観点を、第12〜14回のどこで埋めるかを書かせる。
残り時間の心配には、戻っても第14回の発表には間に合うと明言する。問いを言い直すだけなら 10 分で済む。集め直しが要る場合は、数を減らす手当て(第9回)を使わせる。
目標 02・03 はこの枚で見る。[解説]の「探究の過程が繰り返される」が、ここで実際に起きる。
今日いちばん強いのは、戻ると決めた人
3 分。[解説]第2章の「自らの考えや課題が新たに更新され、探究の過程が繰り返される」を、教師の言葉で読み上げて結ぶ。戻った生徒の記録は、高度化の整合性で A になる材料(合わない方法を一度試して変えた記録)だと伝える。
※ 次回は「社会実装の試み」。分かったことを、相手が一度触れる形にし、実際に一度使ってもらって反応を記録する
戻ると決めた生徒には、次回までに問いを書き直させる。書き直した問いは第12回の冒頭で拾う。次回は作り込ませない回で、止める所は「相手が一度使う」までだと予告しておく。誰に使ってもらうかを、次回までに一人決めさせておくと当日が早い。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
目標 03 に「まだ」が多い場合、決めてよいと思えていないことが多い。次回の冒頭で「戻った人」を名前を出さずに人数だけ示すと、動きやすくなる。
一文でよい。「〇〇は伝わると思っていたが、△△と言われた」の形。人の名前は書かない
4 分。ここに出たことが、そのまま第12回で「何を直して使ってもらう形にするか」の材料になる。投影を保存し、次回の冒頭で 3 件読み上げる。