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総合的な探究の時間 | 探究の進め方 | 第9回

データの収集

計画は立てた。今日は実際に集める。人に聞く前に断り、名前は集めず、集まらなかったものも記録に残す

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードは第1回から同じもの。第7回で縮めた計画(何を、誰から、いくつ、いつまでに)と、第8回で決めた道具を、生徒が自分の端末で開ける状態にしておく。校外や他学年に聞く生徒がいる場合は、前の週までに担当の先生へ話を通しておく。校内で聞く生徒のために、教室内で答え合える時間を節1 の後半に取る。計測する生徒には、はかるもの(時間・回数・人数)を前日までに決めさせておく。

投影 「教師」を押す。体験01 の断りの言葉は端末に残る形なので投影には出ない。机間指導で 3 人分を読み、良い言い方を口頭で共有する。体験02 は「集まった件数 | 集まらなかったもの」が右の壁に並ぶ。件数の少ない人から順に取り上げる。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 6分 / 節1 断ってから集める 22分 / 節2 集まらなかったものの手当て 16分 / 自己評価・ふりかえり 6分

20分版 体験は 1 つ(体験01 断って、集める)。使う枚は 1・2・5・8・9・12(表紙/前回のまとめ/体験01/体験02/まとめ02/ふりかえり)。集める時間は 8 分に縮め、教室内で集められる生徒を先に動かす。

10分版 決めることは 1 つだけ。今日集めた件数と、集まらなかったものを書く。使う枚は 1・8・9(表紙/体験02/まとめ02)。集めるのは授業の外で進める。この回はカードの欄が増えないので、件数と欠けを 探究ノート に残させる。

この回の評価(単元設計の第9回の行。重点は技能・態度。評価場面は「集めたものと、集まらなかったもの」)

  • 知識・技能 断りの言葉を自分の言葉で言え、名前を集めない形で記録している(体験01) | A: 何に使うか・どこまで出すかを、相手の側から言い直せる
  • 思考・判断・表現 集まらなかったものに、代わりの手当てを選んでいる(体験02) | A: その手当てで問いに答えられるかまで述べている
  • 態度 計画どおりに集め、集まらなかったことも隠さず記録している(体験02・ふりかえり) | A: 遅れを自分で見つけ、計画の方を直している

高度化・自律化のどこを見るか 高度化の整合性(問いと、集め方が合っているか。合わない集め方を一度試して変えた記録があれば A)と、自律化の運用(計画を立て、遅れたら直しているか。過程そのものを振り返って進め方を変えていれば A)。

指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第3章 第1の目標 (2)「情報を集め」、第5章 指導計画の作成と内容の取扱い(体験活動を重視すること)。[指針]K3L2(重要な要素の裏付けを取る)。人に聞くときの断りと、名前を集めないことは、カテゴリ H の情報倫理の水準にあたる。評価規準は 単元設計のページ。聞き方や記録の取り方で詰まった生徒には 情報学探究マニュアル の第5節「データの収集」と第12節「個人の情報と、断り方」を開かせる。

前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない

前回のまとめ

道具は決めた | 中身が無ければ、道具は動かない

第6回 | 確かめ方→第7回 | 見積もり→第8回 | 道具→今日 | 集める→第10回 | 整理して、分析する

前回、自分の問いの型に合う道具を一つ選び、その道具では分からないことも一つ書いた。道具に入れるものが無ければ、そこで止まる。今日は入れるものを作る

集めるときに守るのは二つ。聞く前に断る、名前を集めない

教師用メモ

第7回で縮めた計画を各自に開かせてから始める。計画が無い生徒がいたら、節1 の前半で「誰から、いくつ」だけを決めさせて合流させる。二つの決まりは第7回で一度出しているので、ここでは確かめ直す扱いにする。許可の返事が届いていない生徒は、校内で完結する形に替えさせる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
断りの言葉を自分で言える(何に使うか・どこまで出すか・やめてよいこと)
02
計画どおりに集め、集まった件数を記録できる
03
集まらなかったものに、手当てを一つ決められる
節 01
断ってから、集める

言葉を決めてから動く

節 02
集まらなかったもの

手当てを決める

今日の成果 | 集めたもの
件数 と 欠け

第10回はこれを分析する

SECTION 01

断ってから、集める

先に言っておけば、あとで困らない

高校生が相手に用紙を見せながら向かい合って話し、断りを伝えてから質問を始めようとしている場面
体験 01

断りの言葉を決めて、集めに行く

上の 4 つを書いてから集めに行く。この画面は自分の端末にだけ残る。書いた言葉は、そのまま声に出して使える形にする

01
何に使うか
02
どこまで出すか
03
やめてよいこと
04
記録に入れないもの
05
今日集める分
※ 04 は第7回で決めたことの確かめ。分析に要らないものは最初から取らない
教師用メモ

進め方(22分) 最初の 6 分で 01〜05 を書かせる。次の 4 分で隣と声に出して言い合う(書いた言葉が口に出せるかを試す)。残り 12 分で実際に集める。校内で聞く生徒は教室内とろうか、計測する生徒は時計とメモ、観察する生徒は決めた場所へ。全員が席にいる時間を最後の 2 分だけ確保する。

四つの集め方と、注意する所 アンケートを配る = 選択肢が偏っていないか、答える人が一部に寄っていないか / 計測する = はかる時刻と条件をそろえる / 人に聞く = 断りを先に言う、メモは要点だけ、録音するなら必ず了解を取る / 観察する = 人が特定できる写真を撮らない、数えるものを先に決める。

よくある直し 「アンケートに答えてください」だけ → 何に使うかが無い / 「先生に見せるだけです」 → 発表で出すなら、そう言う / 名前欄をつけている → 何のために要るかを聞き、答えられなければ外させる / 「クラスの声」と言いながら仲の良い 5 人にしか聞いていない → 誰に聞いたかを記録させる。

目標 01 はこの枚で見る。[指針]K3L2 と、カテゴリ H の個人情報の扱い。

まとめ 01

人から集めるときの、二つの決まり

聞く前に断る何に使うか、どこまで出すか、やめてよいことを先に言う。あとから言うのでは断る意味がない
名前を集めない名前・住所・学校名・顔写真を記録に入れない。分析に要らないものは最初から取らない。取ってしまうと、消す手間と漏らす危険だけが残る

この二つは、第13回で外に出すときにもう一度確かめる。取らなければ、確かめる手間もない

※ この授業ページに集まる回答も、氏名は集めず 24 時間で消える

教師用メモ

3 分。名前を集めてしまった生徒がいたら、その場で消させる。「消せばよい」ではなく「取らない」が原則だと言い切る。第13回で外に出す前の確かめをもう一度行うことを予告しておく。

SECTION 02

集まらなかったものに、手当てをする

集まらなかったことも、記録のうち

机の上に回収した用紙の束と空欄の残る集計表が並び、高校生が数を数えて書き込んでいるところ
体験 02

集まった件数 と、集まらなかったもの

上に実際に集まった数を書き、下に集まらなかったものを書いて送る。0 件でもそのまま書く。集まらなかったことが分かるのも、今日集めた情報

集まった件数 | 数と、何の数か
集まらなかったもの | 何が、なぜ

全員の件数と欠けが右に並ぶ。件数が計画に届いていない人から順に取り上げ、手当てをその場で決めさせる

集まった件数 | 集まらなかったもの
教師用メモ

進め方(13分) 5 分で数えて送る。残り 8 分で投影を開き、件数が計画に届いていない人を 3 人取り上げる。その場で手当ての三つのどれを選ぶかを言わせ、次のまとめの枚へつなぐ。

0 件の生徒への手立て 責めない。「何をしようとして、どこで止まったか」だけを聞く。止まった所は三つに分かれる。相手に会えない/断られた/道具が動かない。相手に会えないなら教室内で聞ける形に変える、断られたなら断りの言葉を直す、道具が動かないなら第8回の別の道具に替える。

数が多ければよいわけではない 100 件あっても同じ部活の人だけなら、そのことを書かせる。第10回で「言えないこと」として効いてくる。

目標 02 はこの枚で見る。投影画面を当日中に保存する。

まとめ 02

集まらなかったときの、三つの手当て

代わりの集め方同じことを別の方法で取る。聞けないなら、公開されている数や自分の記録に替える。第8回の別の道具に替えるのもここ
数を減らす30 件を 12 件にする。減らしたことを書いておくと、第10回で「この 12 人のことしか言えない」と正しく扱える
期間を延ばす次の回までに足す。いつまでに、いくつ足すかを決める。決めないと延びるだけで終わる

どれを選んでもよい。選んではいけないのは集まらなかったことを書かずに進むこと。第10回で数の裏が取れなくなる

※ 集めたものを残して数で決めることは、中学校 第10回「残して、見える形にして、数で決める」でやった

教師用メモ

3 分。三つのどれを選ぶかをその場で決めさせ、第7回で縮めた計画に書き直させる。計画を直すこと自体が、自律化の「運用」で A になる行いだと伝える。

今日のまとめ

次回までに手元にあるもの

01
集めたもの 表・メモ・はかった数。名前が入っていないことを、もう一度見る
02
件数 計画でいくつ、実際にいくつ。この差が、次回の「言えないこと」になる
03
決めた手当て 代わりの集め方・数を減らす・期間を延ばす、のどれか一つ

※ 次回は「整理と分析」。集めたものを表にそろえ、道具にかけて、言えることと言えないことを分ける

教師用メモ

次回は道具(easyStat・easyDataScience)を実際に動かす。表の形(1 行 1 件、列に名前を付ける)を次回までにそろえておくと、当日の 15 分が生きる。データが数でない生徒(聞き取り・観察)には、数えられる形に直す作業が次回の前半になると伝える。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01断りの言葉を自分で言えた
02計画どおりに集め、件数を記録できた
03集まらなかったものに手当てを決められた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 02 に「まだ」が多い場合、次回の冒頭 10 分を教室内で集める時間に当てる。教室コードで集める部品を使えば、その場で 30 件が集まる。

ふりかえり

やってみて、計画と違ったところ

「〇〇のつもりだったが、△△だった」の形で一文。計画どおりだった人は、そうなった理由を書く。人の名前は書かない

計画と違ったところ
教師用メモ

4 分。ここに出る「違ったところ」は、そのまま第10回の「言えないこと」の材料になる。投影を保存し、次回の冒頭で 3 件読み上げる。相手の名前が書かれていたら、その場で消させる。