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高校の情報学探究 | easyDataScience で予測する | 第1回

予測の考え方と目的変数

表の 1 行を 1 件にそろえ、その中から「知りたい 1 列」を決めると、残りの列が手がかりになる

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを決める(例: ds01)。「教師」を押す。体験 01・02 の表はこの枚の中に入っているので、配る資料もアップロードも要らない。道具の枚だけネットにつながる必要がある。道具は、このページの中の覆いで開くので、別のページへは移らない。

通常の学習と予測は、ブラウザの中で完結する。読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。生成 AI による解釈支援を押したときだけ、外部へ送られる。押す前に何が送られるかを画面で確かめる、と生徒に先に言う。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。体験 01 は予想を選ばせてから列を押させる。教師が先に正解の列を押して見せない。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。目標 5分 / 節1 知りたい 1 列を決める 15分 / 節2 自分で予測してみる 12分 / 道具で 1 回まわす 10分 / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

20分版 使う枚は 1・2・3・4・5・8・12(表紙/目標/節扉1/体験01/まとめ01/道具の枚/ふりかえり)。体験 02 は飛ばし、道具で 1 回まわすところまで。

10分版 使う枚は 1・4・5(表紙/体験01/まとめ01)。目的変数を 1 つ決めて言葉にするところまで。道具は授業の外で触らせる。

この回の評価(重点は知識・技能。評価場面は体験 01 の提出と道具の枚)

  • 知識・技能 表の 1 行が何を表すかを言い、目的変数を 1 つ決めている(体験01) | A: 目的変数が数か種類かで、回帰と分類を選び分けている
  • 思考・判断・表現 見ていない日の台数を自分で予測し、ずれの大きさで当たり方を述べている(体験02) | A: いつも平均で答えた場合と比べている
  • 態度 外れた日をそのまま示している(体験02・ふりかえり) | A: 外れた日に共通することを探している

指導要領 [解説 情報編]情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス。ア(イ)・イ(イ)の「データを活用するための目的に応じたモデル化」。[設計指針 第2版]X1L3「AI 技術でできること、データの量/匿名性/偏りなどの問題、社会的影響」(高必) の入口。D5L2「実データに対する重回帰などの分析」(高選)。単元の目標と評価規準は 単元設計のページ。表の作り方と最初の 3 手は 情報学探究マニュアル 第7節。

前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない

情報Ⅰだけの生徒に使う場合 この単元で使うのは第1回だけでよい。「機械が予測するとはどういうことか」を体験するところまでで閉じる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
表の 1 行が何を表すかを言い、予測したい列を 1 つ決められる
02
目的変数が数か種類かで、回帰と分類を選び分けられる
03
予測の当たり方を、ずれの大きさで言える
01 | 15分
知りたい 1 列を決める

16 日分の記録で

02 | 12分
自分で予測してみる

見ていない 4 日を当てる

教師用メモ

「予測」という言葉を、ここでは 「まだ見ていない 1 行について、空いている 1 つのますを埋めること」と定義して始める。占いでも当てものでもない。この定義を板書に残し、最後のまとめで戻る。

SECTION 01

知りたい 1 列を、決める

決めた列が目的変数。残りの列が、その手がかりになる

端末に出た表の列名を指でたどりながら、どの列を予測したいのかを話し合っている高校生2人
体験 01

16 日分の記録から、予測したい列を 1 つ選ぶ

ある町の貸し自転車の記録。1 行が 1 日。まず下の予想を 1 つ選ぶ。次に上の列名を押すと、その列を「予測したい列」にしたときに何が起きるかが右に出る

予測したい列(目的変数)
—
列名を押すと出る
手がかりにする列(説明変数)
—
この表は 16 行 6 列。1 行が 1 日ぶんの記録で、同じ日が 2 行に分かれてはいない
予想 | この表で予測すると役に立ちそうなのは、どの列か
クラスの予想
選んだ理由
教師用メモ

進め方(14分) ①表を読ませ、「1 行は何を表しているか」を口で言わせる(3分) ②ここで予想を選ばせる(2分) ③列名を順に押して、右の表示を見る(4分) ④理由を書いて送る(5分)。

いちばん大事な一言 「1 行が 1 件」。これが崩れている表は、そもそも予測にかけられない。同じ日が 2 行に分かれていたり、1 行に 2 日分が入っていたりすると、機械は 2 件と数える。

列を押したときに出るもの 貸出台数・気温は数 → 回帰。天気・曜日・イベントは種類 → 分類(第2回で扱う)。日付を押すと「この列は 1 件ずつ違う通し番号なので、予測しても意味がない」と出る。目的変数は、人が決める。

出てくる理由の例 「台数が分かれば、何台置くか決められる」(よい。使い道が言えている)/「気温を予測したい」(天気予報を見ればよい。すでに分かるものを予測しても使い道がない)。目標 01・02。

まとめ 01

決めるのは人 | 機械は、決めたあとを引き受ける

1 行が 1 件この表では 1 行が 1 日。同じ 1 件が 2 行に分かれない。セルを結合しない。ここが崩れていると、何をしても当たらない
目的変数予測したい 1 列。人が決める。「知りたいこと」「決めるのに要ること」から選ぶ
説明変数目的変数を当てる手がかりにする、残りの列。予測する時点で分かっている列でなければ使えない
回帰目的変数が数のとき。台数・点数・時間・金額など。今日はこちら
分類目的変数が種類のとき。晴/雨、あり/なし、A/B/C など。第2回で扱う

※ 「日付」のように 1 件ずつ違う通し番号は、目的変数にも説明変数にも向かない。次の 1 件で同じ値が出てこないから

教師用メモ

板書に 2 行だけ残す。「1 行が 1 件」「目的変数は人が決める」。回帰と分類の名前は、ここでは並べておくだけでよい。第2回の冒頭で分類に入る。「予測する時点で分かっている列しか使えない」は、探究で自分のデータを扱うときにいちばん間違えるところなので、口頭で 1 例(その日の貸出台数を、その日の返却台数から予測しても使えない)を足す。

SECTION 02

見ていない日を、自分で当ててみる

予測とは、まだ見ていない 1 行の空いたますを埋めること

表の一部を手で隠して数を言い当てようとし、紙に自分の答えを書き込んでいる高校生
体験 02

4 日分の台数を、自分の頭で予測する

体験 01 の 16 日には入っていない、別の 4 日。台数の欄だけが空いている。気温・天気・曜日・イベントを見て、自分で数を入れる。入れ終えたら「答え合わせ」。数はこの端末の中だけで計算され、どこにも送られない

—
自分の予測の、1 日あたりの平均のずれ(台)
—
いつも 53.8 台と答えた場合の、平均のずれ(台)

※ 53.8 台は、体験 01 の 16 日の平均。何も手がかりを使わないときは、これと答えるしかない。自分の予測がこれより小さいずれなら、手がかりが効いている

いちばん外した日と、その理由を一文で
みんながいちばん外した日
教師用メモ

進め方(11分) 4 つ入れる 4 分。答え合わせ 2 分。書いて送る 5 分。速い生徒には「自分はどの列をいちばん重く見たか」を言わせる。それが第4回の特徴量重要度につながる。

答え 4/17 晴・平日 54/4/18 雨・休日 37/4/19 晴・休日・イベント 89/4/20 くもり・平日 47。いつも 53.8 台と答えると平均のずれは 14.8 台。手がかりを使った生徒はだいたい 8〜13 台に収まる。

山場 ずれが何台かで言わせる。数で言えると、人どうし・人と機械を並べて比べられる。「なんとなく合っていた」「当たった/外れた」では比べられない。

外れやすい日 4/18(雨なので低く見すぎる。休日の効きを忘れる)と 4/19(イベントを見落とす)。外した日に共通するのは、2 つの手がかりが逆を向いている日。ここを取り上げると、次の道具の枚が生きる。目標 03。

道具で作る

予測したい列を決めて、道具に 1 回まわさせる

予測したい列を 1 つ決めて、道具に 1 回まわさせる。出てきた当たり方の数を 1 つ持ち寄る

easyDataScience(予測・分類の道具)表を読み込み、予測したい列を 1 つ選ぶと、いくつかのモデルを比べて当たり方を出す。回帰と分類のどちらかを選ぶ
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 例のデータを読み込み、予測したい列(目的変数)を 1 つ選ぶ
  3. 回帰か分類かを選んでモデル比較を走らせ、出てきた当たり方の数を 1 つ書き写す
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
作ったものを、一文で
みんなの作ったもの
教師用メモ

進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。

10分。押す順番を教えるより、目的変数を 1 つに決めさせることに時間をかける。通常の学習と予測はブラウザの中で完結し、読み込んだ表は分析用のサーバへ送られない。生成 AI の解釈支援を押したときだけ外部へ送られるので、押す前に何が送られるかを画面で確かめさせる。当たり方の数はここではまだ信用しない(第3回で測り直す)。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

まとめ 02

予測は、まだ見ていない 1 行の空いたますを埋めること

やったこと16 日の記録から手がかりを読み、その中に入っていない 4 日の台数を答えた。機械がするのも同じこと
当たり方「当たった/外れた」ではなく、1 日あたり何台ずれたかで言う。数にすると、人と機械を並べて比べられる
比べる相手いつも平均の 53.8 台と答えたときのずれ 14.8 台。これより小さくならなければ、手がかりは効いていない
道具がしたこと目的変数を決めたあと、手がかりの重みを自動で探しただけ。何を予測するかは、人が決めた

※ ただし、今日測ったのは4 日だけ。この 4 日で当たったからといって、次の 4 日で当たるとは限らない。当たり方の正しい測り方は第3回で扱う

教師用メモ

最後の注が、この単元の背骨。ここで答えを出さない。「4 日では少なすぎる」「たまたま当たっただけかもしれない」という声が出たら、そのまま板書に残して第3回まで持ち越す。道具の枚で出た当たり方の数も、同じ理由でまだ信用しない、と一言。

今日のまとめ

3つの目標に、自分の操作で答える

01
1 行が 1 件 この表では 1 行が 1 日で、予測したい列は自分で 1 つ決めた
02
数か種類か 台数・気温は数なので回帰。天気・曜日・イベントは種類なので分類
03
ずれで言う 見ていない 4 日を当てて、1 日あたり何台ずれたかを出した
自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01表の 1 行が何を表すかを言い、予測したい列を 1 つ決められる
02目的変数が数か種類かで、回帰と分類を選び分けられる
03予測の当たり方を、ずれの大きさで言える
できただいたいまだ
教師用メモ

1 分。「まだ」が多い目標は、次回の冒頭で拾い直す。

ふりかえり

身のまわりで、すでに予測されているもの

一文でよい。身のまわりで何かが予測されている場面を 1 つ挙げ、そこでの「目的変数」が何かを書く

みんなが挙げた場面
教師用メモ

3 分。「おすすめ」「到着時刻」「迷惑メール」「点数の予測」が出る。目的変数まで言えているものを 2 つ読み上げる。言えていないものは「では、何を当てているのか」と聞き返すだけでよい。

次回は「分類と正解率の落とし穴」。今日は数を予測したが、次回は種類を当てる。正解率という数だけを見てはいけない理由を、100 件のデータで確かめる。