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道具 2 easyDataScience で予測する | 単元設計
easyDataScience(リポジトリ)を使って、予測と分類を作り、当たり方を正しく測れるようになる 5 回です。回のファイル名は lessons/d-01〜d-05。
この単元の位置
この単元でいちばん大事なのは、「当たった」と言ってよい条件です。学習に使ったのと同じデータで 9 割当たっても、それは当たったうちに入りません。第3回にまるごと 1 回を使うのはそのためです。
easyDataScience はブラウザだけで動く教育用の AutoML です。通常の学習と予測はブラウザの中で完結します。生成 AI による解釈支援を使ったときだけ外部へ送られるので、押す前に何が送られるかを画面で確かめます。
本質的な問い
その予測は、見たことのないデータでも当たるのか。
単元の目標(3観点)
| 観点 | 目標 |
|---|---|
| 知識・技能 | 目的変数を決め、回帰と分類を選び分けて、モデルを作れる。当たり方の指標を読める |
| 思考・判断・表現 | 学習用と検証用を分ける意味を説明できる。過学習の兆しに気づき、どの列が効いたかを読める |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 当たり方の数字を良く見せようとせず、外した例を示そうとしている |
評価課題(単元末)
「予測か分類を一つ作り、当たり方と、いちばん外した例を示す」(第5回までの積み上げ)
| 観点 | B | A | C の生徒への手立て |
|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 目的変数を決めてモデルを作り、当たり方の数を示している | 学習用と検証用を分け、分け方を選んだ理由を言える | 表の 1 行が何を表すかを口で言わせる |
| 思考・判断・表現 | 効いた列を一つ挙げている | 外した例を示し、データか手法かに切り分けている | 外した行を 1 つだけ選ばせる |
| 態度 | 結果をそのまま示している | 当たり方が思ったより低かった理由を探している | 「当たりすぎていないか」を先に問う |
各回
| 回 | 題 | ここでできるようになること |
|---|---|---|
| 1 | 予測の考え方と目的変数 | 目的変数と説明変数を決める。表の 1 行が 1 件であることを徹底する。回帰で数を予測する |
| 2 | 分類と正解率の落とし穴 | 分類を作る。正解率だけを見ない(片方に偏ったデータでは高く出る) |
| 3 | 予測の精度の測り方 | 学習用と検証用を分ける。テスト用は決めるまで見ない。同じ人・同じ学校を分ける(グループ分割)、過去から未来を予測する(時系列分割) |
| 4 | 特徴量の重要度 | 特徴量重要度を読む。関係のない列を足すと当たったように見えることを、実際に試す |
| 5 | 画像と音の分類 | 転移学習で画像を、マイクで音を分ける。集め方の偏りと、人が写るものの扱い |
各回は 10分版・20分版・50分版の 3 つの進め方を持ちます。
必ず言うこと
- 学習に使ったデータで測った当たり方は、本当の当たり方ではありません。見たことのないデータで測ります
- 正解率だけを見ません。100 件中 95 件が「いいえ」のデータなら、全部「いいえ」と答えるだけで 95% です
- 関係のない列でも、足せば当たったように見えます(過学習)。だから第3回の分け方が要ります
- どの列が効いたかは、原因ではありません。一緒に動いているだけかもしれません
- 写真や音は、人が写ったもの・人の声を避けるか、本人に断ります
情報の授業とのつながり
| 思い出すこと | 戻る回 | 生徒が聞いた言葉 |
|---|---|---|
| 関係と原因 | 情報Ⅰ (4) 第10回 | 一緒に動いていても、動かしているとは限らない |
| よさを数にして小さくする | 情報Ⅱ (3) 第7回 | 引いた直線を、どこまで使ってよいか |
| 列を足すとどうなるか | 情報Ⅱ (3) 第8回 | 重回帰による予測 |
| 機械と人の役割 | 情報Ⅱ (3) 第13回 | 機械は分けるだけ | 意味をつけるのは人 |
| 任せる判断・任せない判断 | 情報Ⅱ (3) 第15回 | 信頼性・公平性・透明性・個人情報保護・責任 |
詳しい引き方は 情報学探究マニュアル 第7節 にあります。
どの段階で使うか
- 高等学校 情報Ⅰ: 第1回だけ。「機械が予測するとはどういうことか」を体験する
- 高等学校 情報Ⅱ (3): 5 回すべて。第14回の手書き文字の前に置くとつながります
- 探究: 予測を使う班だけが、第1〜3回を通します
- 中学校: 扱いません。技術分野 第5回の AI の話までで十分です
設計指針(第2版)との対応
- X1(予測/制御/認識/推定と AI): X1L3「AI 技術でできること、データの量/匿名性/偏りなどの問題、社会的影響」(高必) から X1L4「機械学習やニューラルネットワーク等を実際に手元の問題に活用することができる」(高選) へ。第5回がX1L4です
- X3(AI の倫理/責任と社会的影響): X3L2(信頼性/公平性/透明性/個人情報保護/責任)。第3回の「当たったように見える」と第5回の偏りが、その具体です
- D5(実際のデータ処理): D5L2(実データに対する重回帰/クラスタなどの分析。高選)
他校でそのまま使える形にする
学校固有の呼び名や校内の道具名は書きません。使うデータは枚の中に埋め込むか、公開データを想定します。ブラウザだけで動き、インストールは要りません。
カメラやマイクが使えない端末のとき。 第5回は、教師が先に撮った写真を 2 束(同じ机の上だけで撮った束と、ばらばらの場所で撮った束)配り、全員が同じ束を読み込む形にできます。撮る体験は減りますが、当たり方が 88% と 51% に分かれるという第5回の山場は、そのまま成立します。音は、教室で録った 1 セットを共有します。
出典
- 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 情報編(PDF)。情報Ⅱ (3) 情報とデータサイエンス
- 日本学術会議「情報教育課程の設計指針(第2版)」令和8年5月12日。カテゴリ D・X
- easyDataScience(アプリ / リポジトリ)。回帰・分類のモデル比較、ハイパーパラメータ調整、特徴量重要度・PDP・学習曲線、ブレンド/スタッキング、予測、CSV と JSON の出力、MobileNet 転移学習による画像分類、Web Audio API による音声分類、交差検証とグループ分割・時系列分割