道具が読み込めない表は、たいてい形が崩れている。分析できる形に直し、まず全体を見るところまでを一度で通す
10〜50分準備(授業前) 教室コードを決める(例: st01)。「教師」を押す。この回で使うデータはすべてこのページの中にあるので、生徒が表を持っていなくても進む。道具に読み込ませる表を用意する場合は、公開されている表か、教師が作った練習用の表を事前に配る(Excel か CSV。名前・住所・学校名の列は入れない)。表計算から範囲を選んで貼り付けでも読み込める。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。4 枚目の崩れた表は投影に出したまま、生徒は自分の端末で印を付ける形にすると進みやすい。
時間配分(50分版) 枚は全部使う。目標 4分 / 節1 分析できる形に直す 16分 / 節2 道具で読み込んで全体を見る 22分(道具の枚 10分・体験02 12分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分
20分版 使う枚は 1・2・4・5・7・8・12(表紙/目標/体験01/まとめ01/道具の枚/体験02/ふりかえり)。体験01 は 8 分に縮め、答え合わせは教師が読み上げる。
10分版 使う枚は 1・4・5・9(表紙/体験01/まとめ01/まとめ02)。決めることは 1 つだけ。自分の表の「直す所」を 1 つ見つけてノートに書く。道具は授業の外で触らせる。
この回の評価(重点は知識・技能。評価場面は「崩れた表の直す所の仕分け」と「全体を見て気づいたこと」)
指導要領 [解説 情報編]情報Ⅱ (3)「データの表現、蓄積及び管理、収集、整理、分析」のうち整理。情報Ⅰ (4) のデータの形式。[設計指針 第2版]D5L1→D5L2(実際のデータ処理)の入口と、D3L2(尺度と、データから言えることの範囲)。単元の規準と評価課題は 単元設計のページ。分析の引き方と結果の読み方は 情報学探究マニュアル の easyStat の節にまとまっている。
前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない
データの行き先 easyStat は計算をブラウザの中で行い、読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。生徒が断って集めた記録を、外へ出さずに扱える。生成 AI による解釈支援は別の機能で、押さなければ動かない。この一文を、最初に読み上げる。
崩れた表の直す所を 10 個
EDA | 数を出す前に
全部を覚えなくてよい
この 5 回は道具の操作を覚える時間ではないと、ここで言っておく。覚えるのは確かめたいことの形から分析を引く道すじだけ。easyStat には 23 の分析が入っているが、全部を使う必要はない。
人が読める表と、道具が読める表は違う

ある学級で集めた記録。人が見れば読めるが、このままでは道具が読み込めない。下の 10 個を、直し方で 4 つに分ける
| 2 学期 生活アンケート(記入: 9 月 12 日) | ||||
| 番号 | 通学時間 | 睡眠時間 | 満足度 | 部活 |
| 1 | 約25分 | 6.5時間 | 4 | 運動部 |
| 2 | 55 | 5.5 | 3 | 文化部 |
| 3 | 12分 | 7 | 5 | 運動部 |
| 4 | 6 | 3 | 入っていない | |
| 5 | 30 | 6 | 4 | 運動部 |
| 5 | 30 | 6 | 4 | 運動部 |
| 6 | 10 | 7.5 | 5 | 文化部 |
| 7 | 1時間2分 | 5 | 2 | 運動部 |
| 8 | 22 | 7 | 4 | 入っていない |
| 9 | 50 | 5.5 | 3 | 文化部 |
| ※ 10 番から先は、別のシートにあります | ||||
進め方(14分) 表を黙って 1 分読ませる。1 つ目を全員で(2分)。個人 6 分。答え合わせと確認 5 分。この枚は端末の中で完結する(教室コードは要らない)。
迷うもの 「番号 4 の通学時間が空いている」は直さない。0 や平均で埋めると、答えていない人が答えたことになる。空けたまま読み込み、いくつ空いているかを数えるのが正しい扱い。「1時間2分」は 62 に直す。単位は列名に入れる。
押さえる 道具は1 行目を列の名前として読む。だから 1 行目にタイトルがあると、列名が「2 学期 生活アンケート」になってしまう。同じ件が 2 行あると、その人が 2 回数えられる。数の列に文字が 1 つでも混ざると、その列ごと文字として扱われ、平均が出せなくなる。目標 01。
情報Ⅱ (3) 第4回とのつながり 「機械が直せる所(表記ゆれ・型)と、人が決める所(空いた欄をどうするか)」。今日はその続きで、人が決めた所を記録に残すところまで言う。
| 1 行目は列名だけ | タイトル・作った日・注意書きは、表の外か別のシートへ。単位は列名に入れる(「通学時間(分)」)。空白の列名を作らない |
| 1 行 1 件 | 1 人分(1 回分)が 1 行。同じ件が 2 行あれば片方を消す。途中の空行・メモ行・合計行は消す。セルの結合は使わない |
| 数の列は数だけ | 「約」「分」「時間」「万円」を混ぜない。文字が 1 つ混ざると、その列は計算に使えなくなる |
| 空いた欄は埋めない | 0 で埋めると「0 と答えた人」になる。空けたまま読み込み、いくつあるかを数える。消すか残すかは、数えてから決める |
※ どこをどう直したかは、あとで書けるように残しておく。整形は結果の一部で、直し方が変われば結果も変わる
3 分。四つ目がいちばん効く。空欄を「とりあえず 0」にした表は、平均が本当の値より小さく出る。数えてから決める、という順番を言葉で押さえる。自分の表を持っている生徒には、この四つでいま直せる所を 1 つ探させる。
いきなり平均を出すと、変な形の表に気づけない

直した表を読み込み、件数・欠けた数・平均と中央値・図の四つが、どこに出るかを自分の手で確かめる
※ CSV(シーエスブイ)= 表を、1 行 1 件・項目をコンマで区切って並べただけの単純なファイル。表計算ソフトの「名前を付けて保存」で作れる。表がまだ無い人は、体験 01 の表を 5 行だけ打ち込めばよい
※ この枚は提出しない。自分の手で確かめて、分かったことをノートに書く
進め方 提出させない枚。手を動かして確かめるところまで。机間指導で、止まっている生徒だけを見る。
10分。提出させない枚。読み込みは Excel・CSV のほか、表計算から範囲を選んで貼り付けでも入る。表を持っていない生徒には、体験01 の 14 行を直したものを打ち込ませる(5 行でよい)。EDA の画面で、件数・欠けた数・平均と中央値・図の四つがどこに出るかだけを指さして確かめさせる。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
直した表を読み込んで全体を見たら、上には見て気づいたことを一つ書き、下にはこの表で平均を出してよい列と出してはいけない列を書いて送る
全員の「気づいたこと | 平均を出してよい列」が右に並ぶ。満足度をどちらに入れたかで分かれるので、そこを取り上げる
進め方(12分) 7 分で書いて送る。残り 5 分で投影を開き、3 件を読み上げる。道具の枚で全体を見られなかった生徒は、体験01 の表をそのまま見て書いてよい。
気づいたことの型 件数がおかしい(人数より行が多い) / 空いている欄が多い列がある / ひとかたまりでなく二つの山に分かれている / 1 つだけ極端に離れた値がある / 平均と真ん中(中央値)がずれている。この五つのどれかに当てはまることが多いので、出てこなければ教師が 1 つ足す。
満足度(1〜5)の扱い ここが分かれる。順番は付いているが、1 と 2 の差と 4 と 5 の差が同じとは限らない。平均を出す場面はあるが、出すなら注意して出す。名前の列(部活)とは違う、という所まで言えれば A。
目標 02・03 はこの枚で見る。[指針]D3L2。投影画面を当日中に保存する。
| 件数と、欠けた数 | 何行あるか。列ごとに空いている欄がいくつあるか。ずれていたら、分析の前に表へ戻る |
| まん中あたり | 平均と、真ん中の値(中央値)。二つが大きくずれていたら、離れた値がある |
| 散らばり | いちばん小さい値・大きい値と、ばらつき。同じ平均でも、散らばり方は違う |
| 図 | 柱の形(ヒストグラム)と箱ひげ。数と図は、両方見る |
| 足せる列と足せない列 | 足し引きに意味がある数は平均が出せる。名前(部活)は数えて割合にする。順番(満足度 1〜5)はその中間 |
※ 全体を見ることを探索的データ分析(EDA)という。確かめたいことを決める前に行う
3 分。平均と中央値のずれは、第3回の外れた点の話につながる。「まず全体を見る」を飛ばすと、崩れた表のまま平均だけが出てしまう。道具は崩れた表でも数を返すことがある、という所を必ず言う。
※ 次回は「平均の差の検定」。2 つのグループか 3 つ以上か、同じ人の前後かで、使う分析が変わる
次回は必ず自分の表か、配った練習用の表を持って来させる。表が無いまま次回に入ると、分析を選ぶ所で止まる。表が用意できない生徒には、このページの 14 行の表を直したものを使わせる。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
目標 01 に「まだ」が多い場合は、次回の冒頭 5 分を表を直す時間に当てる。直っていない表のままでは、次回の分析が動かない。
一文でよい。「〇〇が△△になっているので、□□に直す」の形で書く。表を持っていない人は、このページの表から一つ選んで書く
4 分。ここに出たものが、次回の冒頭 5 分でそのまま作業指示になる。投影を保存し、次回の最初に 3 件読み上げてから始める。