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高校の情報学探究 | easyStat で確かめる | 第3回

相関と散布図

数を 1 つにまとめると点の並びが落ちるので、散らばりを先に見る。一緒に動いていることと、動かしていることを分けて考える

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードを決める(例: st03)。「教師」を押す。4 つの散布図はこのページの中にあるので、道具が無くても節1 は進む。道具で相関と回帰を試させるので、足せる数の列が 2 つ以上ある表を事前に配る(Excel か CSV)。自分の表がある生徒はそれを使う。

投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。5 枚目の 4 つの図は、数を出す前に図だけを見せる。生徒が予想を送り終えてから、下の相関係数を読み上げる。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 5分 / 節1 図を先に見る 16分 / 節2 関係と原因、どこまで使えるか 21分(道具の枚 9分・体験02 12分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分

20分版 使う枚は 1・3・5・6・9・10・13(表紙/目標/体験01/まとめ01/体験02/まとめ02/ふりかえり)。体験01 は 8 分。道具の枚は使わず、擬似相関の 5 例だけで節2 を進める。

10分版 使う枚は 1・5・6(表紙/体験01/まとめ01)。決めることは 1 つだけ。4 つの図の相関係数が同じだと確かめ、「数を出したら図も見る」を書いて終わる。

この回の評価(重点は思考・判断・表現。評価場面は「4 つの図の読み比べ」と「隠れているかもしれない 3 つ目」)

  • 知識・技能 散布図の向き・強さ・形・外れた点を読み、相関係数が何を測っているかを言える(体験01) | A: 曲がった関係では係数が小さく出ることに触れている
  • 思考・判断・表現 見えた関係について、隠れているかもしれない 3 つ目を挙げている(体験02) | A: どう確かめれば切り分けられるかまで書いている
  • 態度 関係が見えても、原因と言い切らないでいる(まとめ02・ふりかえり) | A: 自分の探究のデータで、同じ疑いを自分にかけている

指導要領 [解説 情報編]情報Ⅱ (3)(回帰分析を含む分析手法の選択と、結果の解釈)。情報Ⅰ (4)(相関と因果)。[設計指針 第2版]D5L2(実データに対する重回帰などの分析)と D3L3(データから言えることの範囲)。単元の規準と評価課題は 単元設計のページ。分析の引き方と「言えないことを、必ず書く」は 情報学探究マニュアル の easyStat の節にある。

前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない

データの行き先 easyStat は計算をブラウザの中で行い、読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。生徒が断って集めた記録を、外へ出さずに扱える。生成 AI による解釈支援は別の機能で、押さなければ動かない。

前回のまとめ

p 値と効果量を、両方見た

グループはいくつか同じ人の前後かp 値と効果量→今日 | 関係があるか

前回の四つ目に「図と数は両方見る」があった。今日はそれを、自分の目で確かめるところから始める。関係の強さを 1 つの数にまとめると、何が落ちるのか

同じ数でも、点の並びは全く違うことがある

教師用メモ

前回のふりかえり「差を見たい所」から 3 件読み上げてから始める。前回「まだ」が多かった目標を 2 分拾う。効果量に「まだ」が多ければ、前回の二つの結果表をもう一度出す。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
散らばり(図)を先に見て、そのあと数(相関係数)を見る
02
関係と原因を分ける。隠れているかもしれない 3 つ目を挙げられる
03
回帰で引いた線を、どこまで使ってよいかを言える
節 01 | 16分
図を、先に見る

4 つの図の係数を当てる

節 02 | 21分
関係と原因を分ける

隠れた 3 つ目を探す

前回から続くもの
p 値と効果量

相関係数の大きさも効果量

SECTION 01

数の前に、散らばりを見る

1 つの数にまとめると、落ちるものがある

形の違う四枚の点のグラフを机に並べ、同じ数字を書いた付箋を四枚とも貼っている高校生
体験 01

4 つの組、関係が強いのはどれか

A〜D は、どれも 11 個の点でできた別々のデータ。図だけを見て、関係がいちばん強いと思うものを 1 つ選ぶ

A
B
C
D
関係がいちばん強いと思うもの

選んだ人数と理由が右に並ぶ。分かれているところを 2 つ読み上げてから、下の数を出す

クラスの見立て
そう見えた理由

※ 相関係数は、関係の強さを −1 から 1 の 1 つの数で表したもの。求め方は数学で扱う

教師用メモ

進め方(14分) 図だけを 3 分見せて予想を送らせる(数はまだ言わない)。分かれた理由を 2 つ読み上げる(3分)。答えを出す(2分)。形の違いを言わせる(6分)。

答え A〜D はすべて相関係数 0.82。横の平均も縦の平均も同じ。統計の数だけが同じになるように作られた有名なデータの組。

形の違い A=ばらつきながら右上がり。B=曲がっている(直線ではない)。C=1 点だけ大きく外れ、残りはきれいに一直線。D=横がほぼ 1 つの値に固まり、離れた 1 点が数を作っている。

押さえる 相関係数は「直線にどれだけ近いか」しか測っていない。B のように、はっきりした関係があっても直線でなければ数は小さく出る。C と D は、外れた 1 点を外すと数が大きく変わる。数を出したら、必ず図も見る。目標 01。

まとめ 01

図で分かることと、数で分かること

向き右上がりか、右下がりか。相関係数の符号(+か−か)で分かる
強さ直線にどれだけ近いか。相関係数の大きさ(0 に近いか 1 に近いか)で分かる
形数では分からない。曲がっている、途中で折れている、二つのかたまりに分かれている
外れた点数では分からない。1 点で数が大きく動くことがある。図で探して、扱いを決める
手順散布図 → 相関係数 の順。道具でも、図を出してから数を読む

※ 相関係数の大きさそのものが効果量にあたる。p 値だけでなく、この数の大きさを一緒に書く

教師用メモ

3 分。相関係数の計算は数学Ⅰ に任せる。ここでは「直線にどれだけ近いかを測る数」という位置づけと、図を先に見る手順だけ。前回の四つ目「図と数は両方見る」に戻して結ぶ。

SECTION 02

一緒に動いていても、動かしているとは限らない

関係が見えたら、まず 3 つ目を疑う

二つの言葉を書いた紙を矢印でつなぎ、その下にもう一枚の紙を置いて両方へ矢印を引いている高校生の手元
道具で比べて、選ぶ

自分のデータで、どこまで使うか

散布図と相関係数を見たうえで、自分のデータで相関で止めるか回帰まで使うかを 1 つ選び、理由を書く

easyStat(統計の道具)相関分析・単回帰分析・重回帰分析が入っている。散布図もその場で出せる
  1. 「この枚で開く」を押す
  2. 自分の表を読み込み、足せる数の列を 2 つ選ぶ
  3. まず散布図を出す。向き・強さ・形・外れた点を見る
  4. そのあと相関分析で相関係数を読む
  5. 線を引きたい場合は単回帰分析を実行し、どこまで使ってよい線かを考える
この授業のページの中で開く。終わったら「閉じてこの枚に戻る」で戻る
選んだもの
クラスの選び方
選んだ理由
教師用メモ

進め方 道具で比べさせてから選ばせる。同じものを選んでも理由が違うことを見せる。少数派の理由を必ず 1 つ読み上げる。

9分。図を出さずに数だけ見た生徒がいたら、必ず図に戻させる。回帰まで進む生徒には、線をどこまで伸ばしてよいかを一緒に言わせる。重回帰は名前だけでよく、列を足した生徒には足した理由を書かせる。少数派の選び方を必ず 1 つ読み上げる。

道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。

体験 02

見えた関係と、隠れているかもしれない 3 つ目

下の 5 つは、どれも「一方が大きいほど、もう一方も大きい(または小さい)」が確かめられたもの。1 つ選び、そこで見えた関係と、両方を動かしているかもしれない 3 つ目を書いて送る

CASE 01
冷たい飲み物が売れた数と、水の事故の件数
CASE 02
図書室に行った回数と、テストの点
CASE 03
朝食を食べた回数と、遅刻の少なさ
CASE 04
小学生の靴のサイズと、書ける漢字の数
CASE 05
画面を見る時間と、睡眠時間(右下がり)
見えた関係 | 番号と、一文
隠れているかもしれない 3 つ目 | 両方を動かしているもの

全員の「関係 | 3 つ目」が右に並ぶ。同じ番号で 3 つ目が違うものを 2 組読み上げる

見えた関係 | 隠れた 3 つ目
教師用メモ

進め方(12分) 5 つを読む 2 分。1 つ選んで書いて送る 6 分。読み上げと確認 4 分。

想定される 3 つ目 01 は気温(暑い日は飲み物も売れ、水にも入る)。02 は勉強する習慣やその教科が好きかどうか。03 は起きる時刻(早く起きれば朝食も食べるし、遅刻もしない)。04 は学年(年齢)。05 は向きが逆かもしれない場面(眠れないから画面を見ている)で、3 つ目ではなく原因の向きの話として扱う。

三つの疑い方 ① 隠れた 3 つ目があるか ② 向きが逆ではないか ③ たまたま一緒に動いただけではないか。この三つを全部かけてから、原因の話をする。

A の見取り 3 つ目を挙げるだけなら B。どう確かめれば切り分けられるか(気温が同じ日どうしで比べる、学年をそろえて比べる)まで書けていれば A。

目標 02 はこの枚で見る。[指針]D3L3。投影画面を当日中に保存する。

まとめ 02

関係と原因と、線をどこまで伸ばすか

関係があるだけ一緒に動いている、まで。原因を言う前に、隠れた 3 つ目・向き・たまたまの三つを疑う
回帰 | 線を引く一方の数から、もう一方をおおよそ当てる線を引く。当たり方の目安も一緒に出る
線を使ってよい範囲集めた範囲の中だけ。10〜60 分の人で引いた線を、120 分の人に当てない
重回帰 | 列を足す手がかりの列を増やせる。ただし足すほど当たって見えるだけになることがある
それでも書くこと誰の、いつの、どれだけの範囲の話か。言えないことを一文

※ 相関係数も回帰の線も、外れた 1 点で大きく動く。図に戻って、扱いを決めて書く

教師用メモ

4 分。三行目がこの回のもう一つの山。情報Ⅱ (3) 第7回「引いた直線を、どこまで使ってよいか」と同じ内容を、自分のデータで言い直させる。重回帰は名前だけでよい。使いたい生徒には、増やした列の理由を書かせる。

今日のまとめ

次回までに手元にあるもの

01
散布図と相関係数 この順で見る。図を見ずに出した数は、まだ読めていない
02
隠れた 3 つ目 自分の見た関係に、一つ挙げてある
03
線を使ってよい範囲 集めた範囲の中だけで、外側へは伸ばさない

※ 次回は「度数の偏りの検定」。名前と名前を掛け合わせて数える。人数が少ないときの扱いも変わる

教師用メモ

次回は数えたものを扱う回。今日までは足せる数の列を見てきたが、次回は名前の列どうし。前々回の「足せない列」がそこで生きると予告しておく。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01図を先に見てから、数を読めた
02隠れているかもしれない 3 つ目を挙げられた
03線をどこまで使ってよいかを言えた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 03 に「まだ」が多いのは普通。回帰まで触れていない生徒が多い場合は、次回の冒頭で拾わず、第5回の 1 枚を書くときに戻せばよい。

ふりかえり

自分が「関係がある」と思っていたもの

「〇〇と△△に関係があると思っていたが、□□が隠れているかもしれない」の形で一文。図を見て思っていたのと違った人は、そのまま書く

関係があると思っていたもの
教師用メモ

4 分。ここに出たものが、第5回の「言えないこと」の下書きになる。投影を保存し、第5回の冒頭で読み返せるようにしておく。