言葉の中にも、数えられるものがある。5 回の最後に、自分のデータで一つ確かめ、言えることと言えないことを 1 枚にまとめる
10〜50分準備(授業前) 教室コードを決める(例: st05)。「教師」を押す。この回は単元末の評価課題。第1〜4回で出した結果のうち一つを選んで持って来させる。結果が無い生徒のために、分析できる形の表を事前に配る(Excel か CSV。足せる数の列 2 つと、選択肢の列 2 つが入ったもの)。自由記述 14 件はこのページの中にあるので、道具が無くても節1 は進む。
投影 「投影」で 1 枚ずつ送る。5 枚目の 14 件は、投影に出したまま生徒に読ませる。9 枚目のカードは、出そろってから 2 枚を選んで全員で読む。言えないことの欄が空のカードがあれば、その場で書かせる。
時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 5分 / 節1 多い語を見る 14分 / 節2 自分のデータで確かめ、1 枚にする 23分(道具の枚 9分・カード 14分) / まとめ・自己評価・ふりかえり 8分
20分版 使う枚は 1・3・8・9・10・13(表紙/目標/道具の枚/体験02/まとめ02/ふりかえり)。カードを必ず出させる。節1 は飛ばし、テキストマイニングは名前だけ。
10分版 使う枚は 1・9・10(表紙/体験02/まとめ02)。決めることは 1 つだけ。第1〜4回で出した結果を 1 つ選び、カードの 4 欄を書いて出す。分析は授業の外で済ませておく。
この回の評価(単元末の評価課題「自分のデータで一つ確かめ、言えることと言えないことを 1 枚にする」。重点は思考・判断・表現。B/A の規準は 単元設計のページ の表のとおり)
指導要領 [解説 情報編]情報Ⅱ (3)(テキストマイニングを含む分析手法の選択と、分析結果の解釈・表現)。[設計指針 第2版]D5L2(興味の持てる実データの実習)と I3L2(主観と客観を区分して受け取る・伝える)。この 1 枚が I3L2 の場面。単元の規準と評価課題は 単元設計のページ。分析の引き方と「言えないことを、必ず書く」は 情報学探究マニュアル の easyStat の節にある。
前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない
データの行き先 easyStat は計算をブラウザの中で行い、読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。自由記述も同じで、貼り付けた文はブラウザの中で数えられる。生成 AI による解釈支援は別の機能で、押さなければ動かない。人の書いた言葉を扱う回なので、この一文は必ず読み上げる。名前や個人が分かる言い回しが入っていたら、貼り付ける前に消させる。
4 回で、数の列と選択肢の列を扱った。残っているのは自由記述、「その他」「何かあれば書いてください」の欄に集まる、いちばん読まれない所だ
そして今日は、言えることと言えないことを 1 枚にする
前回のふりかえり「まだ確かめていない偏り」から 3 件読み上げてから始める。今日が単元末の課題であることを、ここで言う。第1〜4回で出した結果を手元に出させる。
14 件を読んで予想する
この単元の課題
4 欄。互いに印を返す
読むだけでは、多いものに気づけない

「校内で、もっと集中して勉強できるようにするには」への自由記述 14 件。まず全部読む。そのうえで、いちばん多く出てくると思う語を 1 つ選ぶ
選んだ人数と気づいたことが右に並ぶ。分かれているところを 2 つ読み上げてから、下の数を言う
進め方(12分) 14 件を黙って 4 分読ませる。予想を送る 3 分。分かれた所を読み上げる 2 分。答えと押さえ 3 分。
答え 「場所」が 7 件(02・04・06・08・10・11・12)。「静か」5 件(02・04・07・10・13)、「時間」4 件(01・03・05・12)、「集中」4 件(02・05・09・12)。
押さえる 多くの生徒は「集中」か「静か」を選ぶ。問いの文に「集中」と書いてあるからで、読む側はそこに引っぱられる。数えると「場所」が最も多い。これがテキストマイニングの値打ち。ただし数えただけでは意味は分からない。「場所」が多いことは分かっても、どんな場所が要るのかは、人が本文に戻って読む。
少数の大事な意見 14 番の「先生に質問できる」は 1 件しかない。多い語には出てこない。1 件だからといって切り捨てない。多い語は入口で、読むのをやめる理由にはならない。目標 01。
| 数えて分かること | どの語が多いか。どの語とどの語が一緒に出てくるか。読んだ印象の偏りが外れる |
| 読まないと分からないこと | その語がどういう意味で使われたか。同じ「時間」でも、足りないのか、長すぎるのかは数えても出ない |
| 少数の意見 | 多い語には出てこない。1 件でも大事なものがある。数えたあと、本文に戻って読む |
| 先に決めること | 数える前に「何を知りたいか」を一文で。とりあえず図を出すと、きれいな図を見て終わる |
| 人の言葉を扱う約束 | 名前や、誰か分かる言い回しは、貼り付ける前に消す。書いた人が読まれても困らない形にしてから数える |
※ 多い語の図は、結論ではなく入口。そこから本文に戻るために出す
2 分。二行目と三行目を強調する。多い語の図だけを貼って「以上です」で終わる発表は、第3回までに扱った「数だけ見て図を見ない」と同じ誤り。五行目は、探究で人の声を集めた生徒に必ず効く。
5 回でやってきたことを、一つの結果で通す

自由記述で多い語を見たうえで、自分のデータで一つ確かめ、出た数を一文にして持ち寄る
進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。
9分。テキストマイニングは、名前や誰か分かる言い回しを消してから貼り付けさせる。自分のデータの分析は 1 つでよい。結果表と図は書き出させ、次の枚のカードにそのまま使わせる。分析が選べない生徒には分析サポーターを開かせ、問いに近い行を一つ指させる。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
第1〜4回で出した結果から一つ選んで書く。思っていたのと違う数が出た人も、そのまま書く
出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す
全員のカードが右に並ぶ。「言えないこと」の欄が薄いものを 2 枚選び、全員で書き足させる
進め方(14分) 4 つの欄を書いて出す 9 分。互いに印を返す 3 分。投影から 2 枚読み上げる 2 分。
「言えないこと」の型 原因までは言えない(関係と原因は別) / この人たちの分だけ(38 人ならその 38 人のこと) / 数が少ない(たまたまでも起きる差か) / 時期が偏っている(この学期だけか) / 測り方(「集中」を何で測ったか)。五つのどれかに当てはまることが多いので、空のままの生徒には五つを読み上げて一つ選ばせる。
A の見取り 知識・技能は効果量まで見て差の大きさを言えているか。思考・判断・表現は、測り方・集め方のどこが限界かを具体に書けているか(「人数が少ない」だけでなく「部活に入っている人の中でも、運動部と文化部を分けていない」など)。態度は予想と違った所を示し、次に確かめることを挙げているか。
C の生徒への手立て 分析が選べない → 分析サポーターを開かせ、問いに近い行を一つ指させる。言えないことが書けない → 「この結果は、誰の、いつの話か」を先に書かせる。結果をそのまま出せない → 予想と結果を並べて書かせる。
思っていたのと違う数が出た生徒を必ず一人取り上げ、肯定的に扱う。ここで「都合のよい所だけ使う」ことを覚えさせない。目標 02・03。[指針]I3L2。投影画面を当日中に保存する(これが評価の記録になる)。
| 確かめたいこと | 一文、一つだけ。誰の、いつの話かを先に入れる。ここが決まっていないと、どの数を出しても答えにならない |
| 使った分析 | 名前と、選んだ理由。「習ったから」ではなく「2 つのグループで、別々の人だから」 |
| 結果の数 | p 値だけにしない。差や関係の大きさも一緒に。人数も書く。図も一枚付ける |
| 言えないこと | 原因までは言えない / この人たちの分だけ / 数が少ない / 時期が偏っている / 測り方。書くのは負けではない |
範囲をはっきりさせると、範囲の中の主張はかえって強くなる。人に見せたとき、ここを書いてある人が残る
※ 結果(数から出たこと)と、解釈(自分の考え)は分けて書く。混ぜると、数の方まで信用されなくなる
3 分。最後の一行が [指針]I3L2 の中心。第2回の「.05 は約束ごと」、第3回の「隠れた 3 つ目」、第4回の「18 人では」が、四行目に全部入ってくることを言葉で結ぶ。
※ この 5 回は、自分の問いを数で確かめるための道具で、使うのは自分の探究の中になる。予測や分類をしたくなったら、次の道具(easyDataScience)へ進む
2 分。この単元はここで終わるが、使う場面はこの後に来ると必ず言う。探究の第10回「整理と分析」で自分たちのデータを分析するとき、この 5 回がそのまま使える。予測・分類に進みたい生徒には、次の道具の単元(easyDataScience)を案内する。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
1 分。目標 03 の分布が、この単元の到達をいちばんよく表す。「まだ」の生徒には、カードの「言えないこと」の欄を後日 1 行だけ書き足させ、そこで評価し直す。
「〇〇だと思っていたが、△△だった。次は□□を確かめる」の形で一文。思ったとおりだった人は、それを支えた数を書く
4 分。ここに書かれたことが、態度の A の材料になる。投影を保存する。この単元はここで終わるが、書かれた「次に確かめること」は、探究の時間にそのまま持っていける。