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総合的な探究の時間 | 探究の進め方 | 第3回

リサーチクエスチョンの設定

「〜について調べる」では、いつ終わったのかが分からない。答えが返ってくる形に書き直し、その問いがどの型かを決める

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードは第1回と同じもの。第2回の探究カードが全員分そろっているかを先に見る。出していない生徒の分は、冒頭 3 分で書かせる。体験03 でカードの欄が 4 つになる(v2)ので、前の 2 欄も一緒に出し直す形になると先に言う。

投影 「教師」を押す。体験01・体験02 は端末の中で完結するので、投影では答え合わせの結果だけを見せる。体験03 のカードは全員分が右に並ぶ。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 3分 / 節1 答えられる問いに仕分ける 10分 / 問いの型を判別する 12分 / 節2 カードに書き足す 15分 / 今日のまとめ 5分 / 自己評価・ふりかえり 5分

20分版 体験は 1 つ(体験02 問いの型)。使う枚は 1・2・7・8・10・14(表紙/前回のまとめ/体験02/まとめ02/体験03/ふりかえり)。仕分け(体験01)は飛ばし、まとめ01 の三つの条件を読み上げるだけにする。

10分版 決めることは 1 つだけ。問いの型を 1 つ選び、「〜は〜か」の形に書き換える。使う枚は 1・8・10(表紙/まとめ02/体験03)。カードは今日必ず 1 欄進める。

この回の評価(重点は思考・判断・表現。評価場面は「問いの型の判別と、自分の問いの書き換え」)

  • 知識・技能 問いの 4 つの型(記述・関係・因果・評価)を見分けられる(体験02) | A: 型ごとに、この先で決めることが違うと言える
  • 思考・判断・表現 「〜について」を「〜は〜か」に書き直し、一つに絞り、型を決めている(体験03)。高度化の鋭角性 | A: 絞る前と後を比べ、絞った理由を言える
  • 態度 答えが決まっている問い・広すぎる問いを、自分で見つけて直している(体験01・ふりかえり)。自律化の運用の入口 | A: 直した記録が残っている

指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第3章 目標 (2)「実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし、自分で課題を立て」。探究の過程 ① 課題の設定にあたる。この回の [指針] は K1L2(問題とそれに影響する事項の関連を定式化できる)。評価規準は 単元設計のページ。生徒が詰まったときは 情報学探究マニュアル の第1節「問いをつくる」を開かせる。問いの 4 つの型と書き換えの例が、同じ表で並んでいる。

この回が第5〜7回を決める 型が決まると、第5回の変数、第6回の確かめ方、比べる相手まで決まる。今日ここが曖昧なままだと、設計の 3 回が動かない。まとめ02 の表は、第5〜7回で毎回戻ってくる。

中学校で使う場合 型は 2 つ(記述=どれくらいか/評価=どちらがよいか)に絞る。教師が問いの候補を 5 つ用意し、そこから選んでもよいことにする。選んだ問いを自分の言葉に直させるところまでは同じ。

前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない

前回のまとめ

重なる所は見つけた | ここからは、答えの形を決める

第1回 | 過程の四つ→第2回 | 重なる所→今日 | リサーチクエスチョン→第4回 | 調べる→第5〜7回 | 設計する

前回、探究カードに「気になること」と「自分との関わり」を書いた。そのカードに、今日はリサーチクエスチョンと問いの型の 2 欄が増える

「〜について」は範囲で、「〜は〜か」が問い。答えが返ってくるのは後者だけ

教師用メモ

前回のカードの投影を出し、2 件を読み上げてから始める。カードが出ていない生徒は、この 3 分で書かせる。今日の体験03 は、前の 2 欄も一緒に出し直す形になる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
「〜について」を、「〜は〜か」の形に書き直せる
02
問いの 4 つの型(記述・関係・因果・評価)を見分けられる
03
自分の問いを一つに絞り、型と一緒にカードに書ける
節 01
仕分けて、型を決める

答えられるか / どの型か

節 02
カードに書き足す

リサーチクエスチョン と 型

型が決めるもの
第5〜7回の中身

変数・確かめ方・比べる相手

SECTION 01

答えられる問いにして、型を決める

まず、答えが返る形かを見る。そのうえで、記述・関係・因果・評価のどれかを決める

短い文が書かれた紙片を三つの山に分けて机の上に並べている高校生の手元
体験 01

この 12 の問いは、どれか

上で付ける印を選び、次にその印を付ける問いを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。迷ったところは、あとで理由を言い合う

答えられる = 集めれば答えが返る答えが決まっている = 調べる前から答えが出ている広すぎる = どこまで調べても終わらない
教師用メモ

進め方(10分) 5 分で分ける。答え合わせのあと、合わなかったものを 2 つ選んで理由を言わせる。「ごみの分別はよいことか」は、答えが決まっているから調べても何も増えない。ただし「この学校で分別が守られるのはどの置き方のときか」なら答えられる問いになる。直せば答えられる問いになることをここで見せる。

拾いたい発言 「広すぎるのも、区切れば答えられるのでは」→ そのとおり。広すぎるものは、捨てずに自分が見に行ける一か所に切る。「教育とは何か」→ 「この学校の〇〇では」と付けると動き出す。

この仕分けは、自分の問いを直す手つきを覚えるためにやる。そう言ってから始める。

まとめ 01

答えられる問いの、三つの条件と書き換え

01
答えがまだ決まっていない 調べる前から答えが出ているなら、確かめる意味がない
02
確かめる方法が思いつく 数える、聞く、はかる、記録を見る。どれか一つが浮かぶか
03
範囲が切れている 誰の、どこの、いつの話か。手が届く一か所になっているか
「〜について」部活の連絡について
「〜は〜か」部活の連絡を見落とす人は、どの伝え方のときに多いか

※ 三つを通った問いをリサーチクエスチョンと呼ぶ。次は、その問いがどの型かを決める

※ 問題を「理想と現実」で書いたのは、情報Ⅰ (1) 第9回「選んだ問題を、理想と現実で書く」でやった

教師用メモ

進め方(3分) 三つの条件を読み上げ、下の書き換えの例を声に出して比べる。「について」で止まっている生徒が多い場合、ここで全員に口頭で言い直させてから体験02 に入る。

「リサーチクエスチョン」という言い方を、ここで一度置く。難しい言葉に見えるが、中身は三つの条件を通った「〜は〜か」でしかない。そう言い切る。

体験 02

この 12 の問いは、どの型か

上で付ける印を選び、次にその印を付ける問いを押す。全部に印を付けたら「答え合わせ」。型に上下はない。型が違うと、この先にやることが変わる

記述 = どれくらいか関係 = A と B に関係があるか因果 = A を変えると B は変わるか評価 = どちらがよいか
教師用メモ

進め方(12分) 6 分で分ける。答え合わせのあと、関係と因果の違いを 2 人に言わせる。関係は「一緒に動いているか」を見るだけ。因果は「こちらを動かしたら、あちらが動くか」を見るので、自分たちで変える側を作る。ここが、第6回で実験をするかどうかの分かれ目になる。

よくある取り違え 「睡眠時間が短いと眠くなるか」を因果に入れる → 自分たちで睡眠時間を変えるのでなければ、関係の型。「どちらがよいか」を評価ではなく因果に入れる → 2 つ用意して比べるなら評価でよい。どちらの型でも進められる問いもある。そのときは自分たちで変えられるかで決めさせる。

型が決まらない生徒 「まず、どれくらいかを数える」に落とす。記述の型はどの探究でも入口になる。記述で現状を出してから、次の年に因果へ進む形でよい。

目標 02 はこの枚で見る。表は 情報学探究マニュアル 第1節と同じもの。

まとめ 02

問いの 4 つの型と、この先に決まること

記述 | どれくらいか変えるものは無い。測るものとそろえるものだけを決める。比べる相手は要らない
関係 | A と B に関係があるか同じ人・同じ場面で両方を測る。散らばりを見る
因果 | A を変えると B は変わるか実験。変える/変えないを作る。比べる相手(対照)が要る
評価 | どちらがよいか2 つ用意して比べる。比べる相手は、もう一方

型が決まると、この先にやること(変数・確かめ方・比べる相手)が全部決まる

※ 第5回で変数を決め、第6回で確かめ方を決め、第7回でできるかを見積もる。その三つの入口が、今日決める型になる

教師用メモ

進め方(4分) 表を読み上げ、各自に「自分の問いはどの行か」を指で示させる。ここで指がどの行にも行かない生徒は、問いがまだ「〜について」のままのことが多い。体験03 の前に個別に見る。

この表は第5〜7回で毎回戻ってくる。型を決めることが、設計の 3 回の入口だと言い切ってから次へ進む。型が決まらないまま集め始めると、集め終わってから「これでは答えられない」と分かる。

SECTION 02

カードに、リサーチクエスチョンを書く

問いと、その型を、自分で書く

一度書いた文に線を引いて消し、その下に短い文を書き直している高校生の手元と鉛筆
体験 03

探究カード v2 | リサーチクエスチョン と 問いの型

前回の 2 欄はそのまま残っている。今日は下の 2 欄を書き足して、4 欄そろえて出し直す。「問いの型」は、記述・関係・因果・評価のどれかを書く。迷ったら記述から始めてよい

気になること | 前回のもの(直してもよい)
自分との関わり | 前回のもの(直してもよい)
リサーチクエスチョン | 「〜は〜か」の形で、一つだけ
問いの型 | 記述・関係・因果・評価のどれか

出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない

4 欄そろったカードが右に並ぶ。「問いの形になっている」が少ないカードと、型と問いが合っていないカードを 1 枚ずつ取り上げ、全員で書き直す

みんなの探究カード v2
教師用メモ

進め方(15分) 9 分で書いて出す。残り 6 分で互いに読み、押す。集計を見て足りない欄を直した生徒は、もう一度出し直してよい。

よくある直し 「〜について調べたい」が残っている → 声に出して「〜は〜か」に言い直させる / 問いが 3 つ並んでいる → 今回追う一つを選ばせ、残りはノートに残す / 型が「因果」なのに自分たちで変えるものが無い → 関係か記述に直す / 「なぜ〜か」で始まる大きな問い → 「何が、どれくらい」の記述に一度落としてから、なぜに戻る。

欄は 4 つで回る 次に欄が増えるのは第5回。そのとき前の 2 欄が押し出されるが、書いたものは 探究ノート に残る。消えるわけではないと、ここで言っておく。

問いが変わってもよい 第4回で調べた結果「もう分かっていた」なら、ここで書いた問いを変えてよい。カードを出し直せばよいと伝えておく。戻ることは失敗ではない。

まとめ 03

絞って型が決まると、その先が見えるようになる

絞る前部活の連絡について | 何を集めればよいか分からない
絞った後どの伝え方のときに見落としが多いか(評価の型) | 2 つの伝え方を用意して、見落とした人数を数えればよい

問いと型が決まると、測るものと比べる相手が決まる。第5〜7回は、この一文から作る

※ 絞る前の問いは消さない。第14回の「次の問い」で使う。絞った理由が言えることが、この 14 回で見る所の一つ

教師用メモ

3分。絞ることを「やりたいことを減らす」と受け取る生徒がいる。一度に一つしか確かめられないという手順の話だと言う。絞ることが高度化の鋭角性。A は「絞る前と後を比べ、絞った理由を言える」なので、絞る前の問いも消さずにノートに残させる。

今日のまとめ

次回までに持ってくるもの

01
リサーチクエスチョンの一文 「〜は〜か」。今日出したもの。家で直してもよい
02
問いの型 記述・関係・因果・評価のどれか。第5〜7回は、ここから始まる
03
絞る前の問い 消さずに残しておく。第14回で使う

次回は、すでに分かっていることを調べる。自分で集めるのはその後になる

教師用メモ

5分。第4回は「自分で集める前に、人が調べたことを見る」回。ここで「もう答えが出ていたらどうするのか」という声が出たら、「そのときは問いを変えてよい」と先に答えておく。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01「〜について」を「〜は〜か」の形に書き直せた
02問いの 4 つの型を見分けられた
03問いを一つに絞り、型と一緒にカードに書けた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 02・03 に「まだ」が多い場合、第4回の冒頭 5 分を型の決め直しに当てる。型が決まらないまま第5回に入ると、変数が決められない。

ふりかえり

絞って型を決めて、何が変わったか

「〇〇だったのを△△にした。型は□□」の形で一文。絞っていない人は、なぜ絞れなかったかを書く

絞る前と後 | 決めた型
教師用メモ

4分。高度化の鋭角性の A は「絞る前と後を比べ、絞った理由を言える」。ここに書かれたものが、そのまま A の材料になる。投影を保存しておく。

絞れなかった生徒の記述も残す。第11回の中間で、そこに戻る。