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総合的な探究の時間 | 探究の進め方 | 第13回

相手に合わせたまとめ方

誰に渡すかを一人決めてから、出し方を決める。変えるのは言葉と順番で、中身は変えない。外に出す前に、もう一度確かめる

10〜50分
教師用メモ

準備(授業前) 教室コードは第1回から同じもの。第11回で戻ると決めた生徒には、書き直した問いを持って来させる。第2回からの探究カードを各自に開かせておく。第12回で使ってもらったものと、そのときの反応の記録、第10回で出した数(言えること・言えないこと)を手元に出させる。出す前の確かめの枚は飛ばさない。校外に出す予定がある生徒がいれば、そこで一度立ち止まる。

投影 「教師」を押す。体験01 は「相手 | その人が最初に知りたいこと」が並ぶ。相手が「みんな」になっているものを 3 件取り上げる。体験02 は同じ中身の 3 通りの言い換えが並ぶ。同じ人の 3 通りを並べて読むと、違いが一度で伝わる。

時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 5分 / 節1 相手を一人決める 9分 / 節2 3 通りに言い換える 15分 / 出す前の確かめ 6分 / カードに相手と出し方を書く 9分 / 自己評価・ふりかえり 6分

20分版 言い換えは 2 通りに減らす。使う枚は 1・2・5・9・10・14(表紙/前回のまとめ/体験01/出す前の確かめ/体験03/ふりかえり)。出す前の確かめは削らない。

10分版 決めることは 1 つだけ。相手を一人決め、その人が最初に知りたいことを一文。使う枚は 1・5・10(表紙/体験01/体験03)。カードは今日必ず 1 欄進める。ただし外に出す前に、枚9(出す前の確かめ)を必ず一度通す。別に 10 分を取ってよい。

この回の評価(単元設計の第13回の行。重点は思考・判断・表現。評価場面は「相手を決めた上での出し方」)

  • 知識・技能 外に出す形に、個人が分かるものが残っていないかを確かめている(出す前の確かめ) | A: 残っていたものを自分で見つけ、取り除いている
  • 思考・判断・表現 同じ中身を、相手によって言葉と順番を変えて言い直せる(体験02) | A: なぜその相手にはその言い方かを説明できる
  • 態度 相手を一人に決め、その人に届く形を選んでいる(体験03) | A: その相手に実際に届ける道筋まで決めている

高度化・自律化のどこを見るか 高度化の広角性(別の見方があることに触れているか。反対の立場の根拠を一つ挙げて答えていれば A)と、自律化の社会参画(誰に何が役立つかを書いているか。実際に相手に届け、反応を記録していれば A)。

指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第3章 第1の目標 (2)「まとめ・表現する」。[指針]B5L4・B6L3(相手と目的に応じた表現)。個人が分かるものの確かめは、単元設計の「個人の情報と、人に聞くこと」の三つ目(出す前にもう一度確かめる)にあたる。評価規準は 単元設計のページ。図の選び方と 3 分で渡す順番は 情報学探究マニュアル の第10節「まとめる・発表する」にある。詰まった生徒にはそこを開かせる。

前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない

前回のまとめ

使ってもらった | 直す前に、誰に渡すかを決める

第11回 | 見せ合う、戻る→第12回 | 形にして、使ってもらう→今日 | 相手に合わせる→第14回 | 発表し、次の問いへ

前回、一度使ってもらい、最初に見た所・迷った所・また使いたいかを記録した。今日はまとめる回だが、まとめ方は誰に渡すかで決まる。前回使ってもらった人が、そのまま相手になることが多い

相手は一人に決める。「みんな」は相手ではない

教師用メモ

前回のふりかえり「自分では気づけなかったところ」の投影から 3 件読み上げてから始める。迷った所の記録が、そのまま今日の「相手が最初に知りたいこと」につながる。第11回で戻ると決めた生徒の書き直した問いも、ここで 2 人分読み上げると、戻ったことが肯定的に扱われる。

今日の目標

授業の終わりにできるようになること

01
渡す相手を一人決め、その人が最初に知りたいことを言える
02
同じ中身を、3 通りの相手に向けて言い換えられる
03
外に出す前に、個人が分かるものが残っていないかを確かめられる
節 01
相手を一人決める

顔が浮かぶ人にする

節 02
言い換えて、確かめる

中身は変えない

今日の成果 | カード
相手 と 出し方

第14回の発表の形が決まる

SECTION 01

相手を、一人決める

全員に向けたものは、誰にも届かない

高校生が机に向かい、思い浮かべた一人の相手を紙の中央に書いてその周りに矢印を引いている場面
体験 01

相手 と、その人が最初に知りたいこと

上に相手を一人(役割で書く。名前は書かない)、下にその人が最初に知りたいことを書いて送る。「みんな」「学校」は相手にならない

相手 | 一人、役割で
その人が最初に知りたいこと | 一文

全員の相手が右に並ぶ。「みんな」「全校生徒」になっているものを 3 件取り上げ、一人に絞らせる

相手 | その人が最初に知りたいこと
教師用メモ

進め方(9分) 5 分で書いて送る。残り 4 分で投影を開き、3 件を全員で直す。直す所は二つ。相手が「みんな」になっているのと、知りたいことが自分の言いたいことになっているのと。

名前は書かせない 相手は役割で書く。「同じ部活の三年生」「毎朝自転車で来る人」「食堂を使う人」。個人の名前が出たら、その場で役割に直させる。

よくある直し 「全校生徒」→ その中の誰か一人 / 「先生」→ どの立場の先生か、その人は何を決められるのか / 知りたいことが「自分の研究の意義」になっている → 相手の側から書き直す。相手が知りたいのは、自分の生活がどう変わるかであることが多い。

目標 01 はこの枚で見る。[指針]B5L4。

まとめ 01

相手が変わると、変わる三つ

言葉相手が毎日使っている言葉に直す。専門の言葉を使うなら、その場で一言そえる
長さすれ違いざまなら一文。座って聞いてもらえるなら三分。相手が使える時間で決まる
先に言うこと相手がいちばん知りたいことを最初に置く。自分が苦労した所は、聞かれたら言う

変えないのは中身。出した数も、言えないことも、相手によって変えてはいけない。変えてよいのは届け方だけ

※ 問いから図までを順に決める進め方は、情報Ⅰ (4) 第11回「問いから図まで、順に決めた」でやった

教師用メモ

3 分。「相手に合わせる」を「相手の聞きたいことに合わせて中身を変える」と取り違える生徒がいる。都合の悪い数を落とすのは合わせることではないと、ここで切り分けておく。第10回の「言えないこと」は誰に向けても必ず付ける。

SECTION 02

同じ中身を、3 通りに言い換える

言い換えられるのは、分かっている証拠

同じ内容を書いた三枚の紙が横に並び、それぞれ書き方の違う文が並んでいる机の上
体験 02

同じ結論を、3 人の相手に言い直す

自分の結論を一つ決めて、三つの相手に向けて言い直す。3 回送る。相手は ① 同じ学年の人 ② 決められる立場の大人 ③ その問題の当事者。中身は同じにする

相手 | 三つのうちの一つ
その相手への一文 | 同じ結論を、その人の言葉で

3 通りが右に並ぶ。同じ人の 3 通りを並べて読み上げると、何が変わって何が変わっていないかが一度で伝わる

相手 | その相手への一文
教師用メモ

進め方(15分) 2 分で結論を一つ決める。9 分で 3 通り書いて送る(1 通りずつ送る)。残り 4 分で、同じ生徒の 3 通りを投影で並べて 2 人分読む。

三つの相手の違い 同じ学年の人 = 自分の生活がどう変わるかを先に。数は一つだけ / 決められる立場の大人 = 何人に効くか、何が要るかを先に。費用や手間に触れる / 当事者 = その人の困りごとの言葉から始める。決めつけない。

よくある直し 3 通りが同じ文になっている → 相手が知りたいことの違いに戻らせる / 相手によって数が変わっている → 中身は変えないと戻す / 「言えないこと」が当事者向けだけ抜けている → どの相手にも必ず付けさせる。

目標 02 はこの枚で見る。[指針]B6L3。投影画面を当日中に保存する。

出す前の確かめ

個人が分かるものが、残っていないか

外に出す形(発表の画面・配る紙・作ったもの)を開いて、上から順に見る。この画面は自分の端末にだけ残る。見つけたら、その場で取り除いてから印を付ける

01
名前・住所・学校名
02
顔や持ち物が分かる写真
03
一人に絞れてしまう組み合わせ
04
そのまま載せた発言
05
断ったときの約束と合っているか
※ 05 は第9回で自分が言った断りの言葉。約束より広く出さない
教師用メモ

進め方(6分) この枚は飛ばさない。5 つを上から順に、実際の画面を開きながら見る。見つけた生徒がいたら手を挙げさせ、何が残っていたかを言わせる(中身は言わせない。種類だけ)。

03 がいちばん見落とされる 名前が無くても、学年・性別・通学手段・地区を並べると一人に絞れる。要らない列は落とす。人数の少ない区分はまとめる(「その他」にする)。

04 の扱い 聞き取った言葉をそのまま出すなら、言った人に見せて了解を取る。取れないなら要約にする。第9回で「まとめた数だけ出す」と断った生徒は、一人ずつの行を出せない。

校外に出す生徒がいれば、ここで一度止めて教師が確認する。単元設計の「個人の情報と、人に聞くこと」の三つ目にあたる。目標 03 はこの枚で見る。

体験 03

探究カード v9 | 相手と、出し方

カードは4 欄で回る。前回の「続く形にする手当て」の欄は 探究ノート に残っている。今日は相手と出し方を足して出す。出し方は、第14回の発表でそのまま使う形にする

リサーチクエスチョン
使ってもらった相手と反応 | 前回のもの
相手 | 一人、役割で
出し方 | 何を、どれくらいの長さで渡すか

出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない

第2回からの版が並ぶ。相手と出し方がそろった版を 2 人分取り上げ、第14回の発表の形として示す

みんなの探究カード v9
教師用メモ

進め方(9分) 7 分で四つの欄を書いて出す。残り 2 分で、印の付き方を見ながら 2 人分を取り上げる。

出し方の例 図 1 枚と一文を掲示に貼る / さわれる画面を教室の端末に置く / 三分の話をして、最後に一枚渡す / 当事者に直接見せて、その場で反応を聞く。最後の形を選んだ生徒は、自律化の「社会参画」で A になる道にいる。

目標 01・02 の仕上げをこの枚で見る。投影画面を当日中に保存する。

まとめ 02

まとめるとは、削ることではない

01
相手が決まると、形が決まる 長さも、言葉も、先に言うことも、相手から決まる
02
中身は変えない 出した数も、言えないことも、どの相手にも同じものを付ける
03
出す前に、もう一度見る 名前・写真・絞れてしまう組み合わせ・そのままの発言・断ったときの約束

言い換えられるということは、自分が分かっているということ

※ 同じ数でも見せ方で受け取り方が変わることは、小学校 第7回「正しい数でも、見せ方で「ほんとう」がずれる」でやった

教師用メモ

3 分。3 通りに言い換えられなかった生徒は、結論がまだ一文になっていないことが多い。第10回のカードの「分析の結果」に戻らせ、範囲を付けた一文を作り直させる。

今日のまとめ

次回までに手元にあるもの

01
相手 一人。役割で書いてある。名前は書かない
02
三分で渡すもの 問い・やったこと・言えること・言えないこと・誰に役立つか。見せるものは 1 つだけ
03
確かめ済みの形 個人が分かるものを取り除いてある

※ 次回は「発表と次の問い」。発表と相互評価のあと、自己課題・運用・社会参画の三つで振り返る。書いたものは探究ノートに残る

教師用メモ

次回の発表の形(3 分、班の人数、全員が 1 回)をここで伝える。見せるものを 1 つに絞らせておくと、当日の時間が守れる。次回が最終回であることも伝えておく。

自己評価

今日の目標、自分はどこまで

3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る

今日の目標、自分はどこまで | 1 つずつ選ぶ
01相手を一人決め、その人が知りたいことを言えた
02同じ中身を 3 通りに言い換えられた
03個人が分かるものが残っていないかを確かめられた
できただいたいまだ
教師用メモ

目標 03 に「まだ」がある生徒は、発表の前に必ず教師が形を見る。外に出したあとでは取り消せない。

ふりかえり

相手を変えて、いちばん変わったところ

一文でよい。「〇〇向けにすると、△△を先に言うことになった」の形。言い換えられなかった人は、どこで詰まったかを書く

いちばん変わったところ
教師用メモ

4 分。ここに出たことは、次回の発表で「誰に何が役立つか」を言うときの材料になる。投影を保存し、次回の冒頭で 3 件読み上げる。